2018年4月22日 (日)

人生100年時代

人生100年時代という言葉をよく耳にしますが、実際に新聞に載る著名人の死亡欄を見ても、享年100歳といった言葉に驚かなくなりました。

先月、桜が満開だったときに、スタンフォード時代のクラスメート(Aさん)が米国から東京に観光でやって来ました。

クルマで都内の桜の名所を案内したときに、Aさんの両親が彼女の自宅のすぐ近くのRetirement Community に住んでいるという話が出てきました。

『Palo Alto の私の家から車で5分なの。近くにいるから安心でいいわ』

とAさん。

彼女の両親が住むのは、Vi という名のRetirement Community

シリコンバレーに詳しい人ならご存知だと思うのですが、VC (Venture Capitalists)のオフィスがたくさんあるSand Hill Road にあります。

住所は620 Sand Hill Road で、道路を挟んで向かい側はスタンフォードショッピングセンターという位置関係。

「こういったRetirement Community に入るのにはいったいいくらかかるのだろう」

Aさんが帰国した後、ちょっと気になって調べてみると、入居一時金が約1億円。

これに加えて月額料金が約50万円という値段設定(注:Vi のウェブサイトに行くと、値段が出てきます)。

不動産の値段が高くなってしまったシリコンバレーならではの価格で、同じVi でもシカゴ郊外の Glenview の Vi はもっと手の届きやすい入居一時金になっています(それでも月額料金はあまり変わらない)。

さて、Aさんのご両親ですが、お父さんは100歳で極めて元気。

毎日水泳を楽しんでいるのだとか。

お母さんも98歳で、いまだにクルマを自分で運転しているといいます。

人生100年時代を実感しました。

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2018年4月15日 (日)

日本が学ぶべきシリコンバレーの精神

昨年の3月ですが、『日本が学ぶべきシリコンバレーの精神』と題するコラムを日経ヴェリタス紙のコラムに載せました。

以下、その一部を再掲します。

* * *

『シリコンバレーで起業 する日本人が増えてきている。

そんな起業家の先駆けとも言える坂本明男 さん(70)が日本に帰国 した際に東京で会った。

坂本さんは1968年にNECに入社後、 96年に退社して、シリコンバレーでホロ ンテック社(ネットワーク負荷分散装置 の開発)を設立。

この会社はすぐに世界 9ヶ国に拠点を有し、従業員数も200名 を超えるようになった。

その後、2001年にはネットマーケティング・ツールの開発を手掛けるオーラライン社を、そして 2002年にはデータベース・セキュリティ開発のアイピーロックス社を立ち上げるといった具合に、20年間にわたって次から 次へと会社を創業し、成長させて、大企業などに売却してきた。

現在は日米双方の複数の会社の役員を務め、シリコンバレーから車で40分ほどのところの海辺の町、アプトスと東京の双方に自宅を持つ。

1年の半分は日本、残り半分は米国といった生活を送る』

『シリコンバレーの人たちは、これから先、2年から5年間で成功が見えない会社はさっさと諦めて、新しい会社を起こしたり、別な会社に入社したりする。

「自分がいま勤めている会社は成功できない」(持っているストックオプシ ョンの価値がなくなる)──こう判断し た場合には、新しい職場に移ることが当 たり前で、それができない人はいない。  

もちろん逆に会社が突然破産すると か、会社を首になることもある。

このため多くの人が必死に就職活動をするといった経験をしているが、「みんなそれをたいしたリスクとは思わない」と言う』

『坂本さんによれば起業家に必要なのは、自分のアイデアは絶対に世界を動かせるという強い信念と、何があっても前に進めるという強固な意志だという。

「それにしても日本の大企業経営者は 捨てることができない。顕著な例が、機能が多すぎて不要なボタンがたくさんあ る製品群。

顧客候補へのアプローチも同様でB to Bのビジネスで1、2回セー ルスに行けば買ってくれる客かどうか分 かるはず。

私は2回ミーティングを持って、脈なしとあれば、アプローチをやめてきた。

会社経営には拾うことよりも捨てることのほうが重要です」

捨てることでスピードが加速される。

働く人が成功の見込みのない会社を諦め、

他に移ったり自ら起業したりするのも、ある種、捨てることに通じる。

日本がシリコンバレーから学べることはたくさんあるように思えてきた』

* * *

さてそんな坂本さんが本を出しました。

『カッコよく生きてあなたの給料を3倍にする法』

シリコンバレー流の仕事術が書かれていて、面白くてあっという間に読めてしまう本です。

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2018年4月 8日 (日)

ドルコスト平均法(3)

ドルコスト平均法には、それが有利な場合と不利な場合とがあります。

株価がどう推移していくかによって有利か不利かが決まるのですが、いくつかのケースを想定して、実際に数値を入れてみることで、どういった場合に有利なのか、そしてどういった場合が不利なのかが、分かるようになります。

たとえば、下記のような3つのケースを想定します(グラフ1)。

Dollar_averaging_2

ケースA 1期目 株価 100、2期目 50、3期目 100

ケースB 1期目 株価 100、2期目 150、3期目 100

ケースC 1期目 株価 100、2期目 100、3期目 100

図で言うと、谷になっている形状(青)がケースA

山の形状(緑)がケースB

平ら(茶)がケースC

です。

各々の場合に(1)最初に一気に投資する方法と、(2)半分ずつ2期に分けて投資する方法とを考えてみます。

(2)の方法がドルコスト平均法です。

総投資額を2,000とした場合、

(1)では、1期目に2,000を投資。

(2)では、1期目と2期目に、1,000ずつを投資。

両者の投資法で3期目がそれぞれいくらになっているかを比較します。

ケースAでは、

(1)1期目に一気に投資する方法では、3期目の資産は2,000

当初資産と同じ金額です。

(2)1期目と2期目に分けて投資、すなわちドルコスト平均法を取ると、3期目は、

[(2,000÷2÷100)+(2,000÷2÷50)]×100=3,000

つまりケースAのような場合には、ドルコスト平均法の方が有利な結果をもたらします。

次にケースBを見てみましょう。

ケースBでは、

(1)1期目に一気に投資する方法では、3期目の資産は、やはり当初と同じ2,000

株価は投資した時点と3期目には同じ水準に戻っているので、このときの資産は、当初資産と同じ金額になります。

(2)1期目と2期目に1,000ずつ分けて投資すると、3期目は、1,667

ケースBのように株価が上がった後に元に戻る場合には、ドルコスト平均法では株価が高くなった時点で株を買ってしまう部分が生じることから、最初に一気に投資する方法に比べて不利な結果をもたらします。

ケースCの場合は、株価が一定に推移しますので、

(1)1期目に一気に投資する方法だろうと、

(2)1期目と2期目に分けて投資する方法を取ろうと、3期目の資産は、当初資産と同じ。

ケースCの場合は、ドルコスト平均法は有利でも不利でもありません。

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株価が第2図の(A)、(B)、(C)のように推移するケースはどうでしょうか。

総投資額を2,000として、

(1)の投資方法では、1期目に全額2,000を投資。

(2)の投資方法では、1期目と2期目に、1,000ずつを投資。

この想定のもとで、株価が(A)、(B)、(C)のように推移すると、

(A)のケース

一気に投資する場合は、4期目は3,500

ドルコスト平均法では、4期目は4,083

(B)のケース

一気に投資する場合は、4期目は3,500

ドルコスト平均法では、4期目は2,917

(C)のケース

一気に投資する場合は、4期目は3,500

ドルコスト平均法では、4期目は3,150

谷になるケース(A)ではドルコスト平均法が有利、山になるケース(B)ではドルコスト平均法が不利という点では、グラフ1も2も同じです。

ただ株価が直線的に上昇するケースではドルコスト平均法は不利な結果をもたらします。

たとえ一部にせよ(上記の例では半分を)、株価が当初に比して上がったところで、購入することになるからです。

* * *

以上を踏まえて、前回のブログで取り上げたヴァンガード社による1926年から2015年までの期間の1,069事例の調査結果を検討してみましょう。

『1,069例を調査した結果、全体の3分の2の割合で、最初に一気に投資してしまう方が、ドルコスト平均法よりも、有利な投資結果をもたらした』

との調査結果です。

これは、よく考えてみると当然とも言えます。

というのも、グラフ2の(C)のケースで見たように、相場が右肩上がりの時にはドルコスト平均法は不利な投資方法になってしまうからです。

ドルコスト平均法のように、少しずつ分けて投資してしまうと、(株価が右肩上がりの場合)、遅れて投資した分は、(最初に一気に投資した場合に比べて)、より高い値段で買うことになってしまうからです。

そしてアメリカの株式市場は基本的には、これまで右肩上がりで推移してきました。

ですからヴァンガード社による調査結果のようになってしまうのです。

* * *

さてここから先は「それでは実際にはどうするか」の問題になってきます。

ヴァンガード社による調査結果に重きを置き、一気に投資してしまうか。

それとも大恐慌やリーマンショックのような谷間が来るときには傷口を広げないことで知られる「ドルコスト平均法」を採用するのか・・。

『そもそも大恐慌やリーマンショックのようなケースはもはや考慮する必要はないのではないか』-そう思う人もいるかもしれません。

そういった人もいることも踏まえて、今年に入ってからの日本株の相場環境で考えてみましょう。

たとえばあなたが65歳になって今年の1月に退職したとします。

そして退職金2,000万円をもらい、これを株式投資に回すとします。

【最初に一気に投資する方法】

1月末に日経平均株価で株(指数)を購入(1月末 23,098円)

現在の資産は

2,000万円÷23,098円=865.9口

865.9口×21,567円=1,867万円

【1月末と3月末に2回に分けて投資する方法】

1月末:1,000万円÷23,098円=432.9口

3月末:1,000万円÷21,454円=466.1口

現在の資産は

899.0口×21,567円=1,939万円

「1,867万円」対「1,939万円」。

その差は72万円です(ドルコスト平均法の方が72万円ほど傷口が浅い)。

こうしたことを踏まえると、私としては、アップサイドをすべて取れなくても、ダウンサイドを小さくするとの観点から、ドルコスト平均法を考えてみるべきだと思うのですが、如何でしょうか。

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2018年4月 7日 (土)

ドルコスト平均法(2)

世界で最も読まれている株式投資本の一つがジェレミー・シーゲル教授の『株式投資』です。

1994年に初版が出て、現在原書(Stocks for the Long Run)では第5版。

私の手元にあるのは第4版の翻訳本ですが、この本では複数箇所においてドルコスト平均法が紹介されています。

この本の3頁(4月1日付の私のブログ記事を参照)や92頁の一節などですが、これらを読む限りシーゲル教授はドルコスト平均法についてポジティブな評価を下しているようです。

全世界で150万部を売り上げたというバートン・マルキール教授(プリンストン大学教授)の『ウォール街のランダム・ウォーカー』(原書はA Random Walk Down Wall Street)。

こちらの本では、ドルコスト平均法はどう扱われているのでしょうか。

私の手元にあるのは、第8版の翻訳本(2004年)ですが、397頁に『ドルコスト平均法はリスクを効果的に軽減する』との1節を設け、402頁まで5頁もかけてこの手法について説明しています。

その昔、私がゼミを取ったノーベル賞学者のウィリアム・シャープ(スタンフォード大学教授)も、『INVESTMENTS』という教科書の中でドルコスト平均法について説明しています。

1

525~526頁です。

以下に解説部分の画像を載せます。

2

3

いま読み返してみるとシャープ先生の説明は面白いですね。

画像はクリックすると2倍の大きさになるので興味ある方は読んでみてください。

いずれにせよドルコスト平均法は米国の学者の間では真面目に検討されている投資法です。

日本の一部のマネー評論家が指摘するような『医学的に誤った民間療法のような「もっともらしいダメな話」』として、一刀両断に切って捨ててしまうような話ではありません。

きちんと検討に値する投資方法であることだけは確かなようです。

ただし、これから述べていきますが、ドルコスト平均法にはプラス面もあれば、マイナス面もあります。

残念ながら世の中に『これだ! これさえ守れば大丈夫!』といったような投資手法はありません。

きちんとプラス面とマイナス面を理解したうえで、これを採用すべきかどうかを、個人投資家の各々が決めるべき性格のものなのです。

それではドルコスト平均法のマイナス面とはいったいどういうものなのか。

これを取り上げた記事としては、(英語になりますが)下記のサイトを上げておきますのでクリックしてみてください。

『Why Dollar-Cost Averaging Is a Lousy Retirement Investing Strategy』  

以下、簡単にこの記事の要点を述べます。

『アメリカの投資信託運用会社であるヴァンガード社は、1926年から2015年までの期間に、ある投資金額を(a)一気に投資するのと、(b)12か月間にわたって12分の1ずつ投資するのと、どちらが最終的に多くの富に結び付いたか、1,069の例で調査をしました』

さて、ここで注記しますと、

①1926年1月~12月の12か月間、

次に

②1926年2月~1927年1月の12か月間・・

といった具合に、

1か月ずつずらして2015年12月まで進めると、1,069例になります。

『1,069例を調査した結果、全体の3分の2の割合で、(a)の一気に投資する方が(ドルコスト平均法よりも)有利な投資結果をもたらしたとの調査結果に辿り着きました』

ということは、ドルコスト平均法はやはり『医学的に誤った民間療法のような「もっともらしいダメな話」』なのでしょうか。

ジェレミー・シーゲル教授やバートン・マルキール教授の解説はどう解釈すればいいのでしょうか。

次回、もう少し詳しく説明します。

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2018年4月 3日 (火)

ドルコスト平均法(1)

前回記事でご紹介したジェレミー・シーゲル教授の『株式投資』に出てくる投資法。

すなわち、「大恐慌(1929年~)のような株価低迷期であっても、毎月15ドルずつダウ平均株価指数を買う方法」。

この方法は、一般にはドルコスト平均法と言われています。

ドルコスト平均法とは、要は、(株や投資信託などを)一度に購入しないで、均等額ずつ定期的に継続して買う(投資する)方法です。

英語では dollar cost averaging あるいは単に dollar averaging と言います。

仮にあなたが65歳だったとして退職金2,000万円をもらい、これを運用に回すとします。

この場合、

(A)一気に2,000万円を株式投資に回す

のではなくて、

たとえば、

(B)半年に1回、200万円ずつ5年間かけて投資する。

こちらの(B)の方が、ドルコスト平均法です。

別に「半年に1回」と決まっているわけではなくて、

むしろ一般的に言って、多いのは「毎月」です。

しかしここでは実際に過去の株価に照らし合わせて検証していきますので、

たんに私の作業の簡易性の観点からのみの理由で、

「半年に1回、200万円ずつ5年間かけて投資する」方法をとります。

さて早速(A)、(B)双方について、検証していきましょう。

時計の針を1929年の大恐慌時に戻します。

投資対象はダウ平均株価指数。

為替の影響は捨象して考えます(以下、2,000万円とあるのは「2,000万円相当ドル」とご理解ください)。

もしもこのときを起点として、その後の相場展開が1929年以降とまったく同じ道をたどるとすれば、コース(A)の場合、あなたが一気に運用(株式投資)に回した2,000万円は、

3年後には、なんと(!)、216万円にまで減少します。

すなわち、

2,000万円×[41.2ドル(1932年7月8日の株価)÷381.2ドル(1929年9月3日の株価)]=216万円

です。

元本は9分の1になってしまうのです。

そして元の2,000万円に戻るのは、25年後、そう、あなたが90歳になったときです(1954年11月23日、382.7ドル)。

この投資方法では、65歳から90歳になるまで、あなたはずっと含み損を抱えたまま過ごすことになります。

「あのときに投資しなければ良かった」と後悔し続けるわけです。

(もしも80代で死ねば、かなり後悔したまま死ぬことになります)。  

これに対して、退職金2,000万円を半年に1回、200万円ずつ5年間かけて(分割して)投資する方法を取った場合が「コースB」。

同じく大恐慌のときと同じ相場展開を辿ると仮定すると、投資元本は当初は減りますが、6年後、すなわち下図の通り1935年6月(あなたが70~71歳のときです)には、当初元本の2,000万円を回復します。

具体的なデータ、および計算結果は下図のとおりです。

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コースBの場合、10年後(あなたが75歳のときです)には、資産は2,550万円にまで増えます。

そして、25年後(あなたが90歳のとき)には、なんと6,520万円にまでなっています。  

つまり、大恐慌のような相場展開のときには25年後の資産は、コースA、B、両者で歴然とした差が出てきます。  

コースA(一気に投資)では、2,000万円→2,000万円  

コースB(分散して投資)では、2,000万円→6,520万円  

冒頭のシーゲル教授の本が指摘するように、大恐慌のような相場展開の時には、

(B)ドルコスト平均法は、(A)一気に全額投資してしまう方法に比べて、

はるかに有利な結果をもたらすことが分かりました。

にもかかわらず、です。

日本で売れている、いわゆるマネー本の多くは、ドルコスト平均法に懐疑的です。

たとえば私の手元にある本のなかには、以下のような記述のものもあります。

『投資できるお金が相当額あれば、一気に投資してしまう方が、機会損失が小さいし、手数料も少なくてすむ。投資をする場合に、資金を分割して投資タイミングをずらすことに「時間分散の効果がある」などという人がいるが、これは合理的でないので注意しよう。運用の世界には、医学的に誤った民間療法のような「もっともらしいダメな話」が多々あるので注意しよう』

さて、ほんとうにドルコスト平均法は、医学的に誤った民間療法のような「もっともらしいダメな話」なのでしょうか。

次回はこの点について検討していきます。

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2018年4月 1日 (日)

相場の下落(4)

大恐慌のような時にも、あまり傷口を広げない(といった意味での)「有効な」投資法とは?

ペンシルバニア大学のジェレミー・シーゲル教授の著書『株式投資』(日経BP社、2009年)によると、

大恐慌(1929年~)の株価低迷期であっても、

毎月15ドルずつダウ平均株価指数を買ったとすると、

20年後の時点での年率利回りは、

同じ期間に同じ金額を債券に投資し続けた場合の年率利回りを圧倒的に上回る。

すなわち、この方法では、

『投資元本は1949年には9,000ドルにまで膨らみ、年率利回りは7.86%と、債券の2倍以上になっていた』(前掲書3頁)

とのことです。

ほんとうにそうなのでしょうか。

ダウ平均株価は、1929年から下落しました。

それもピーク時の9分の1という想像を絶する下落です。

そして元の水準に戻るのに25年間を要しました。

このことを考えると、シーゲル教授の著述はちょっと信じられない気がします。

当初は私もそう思って半信半疑の気持ちで、大恐慌時の株価推移のグラフ(下図)を眺めてみました。

1929119551_2_2

そしてしばらくすると納得しました。

確かにダウ平均株価は、1929年から下落し、元の水準に戻るのに25年間を要しました。

すなわち1954年になって初めて元の水準を回復したのです。  

しかしながら、この25年間の軌跡をもう少しよく見てみると、1929年から32年までの3年間は下がり基調です。

そして32年にボトム(41.2ドル、32年7月8日)に達した後は、54年までの22年間は基本的には上がり基調なのです。

この上がり基調の間は、ダウ平均株価への投資はポジティブなリターンを生みだしてきました。  

毎月運用にお金を回すという行動パターンを取ってきた人が、1932年7月の時点で、ダウを購入(@41.2ドル)したとして、この部分の投資(41.2ドルで買った分)は、1954年11月には9倍になった(@382.7ドル)ことになるのです。

だとすると、シーゲル教授の言うように、大恐慌のときにも、毎月同額を株式投資に回すという投資方法は理にかなった投資方法になるのではないか・・。

私はさっそく検証してみることにしました。

次回くわしくその検証過程をご説明します。

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2018年3月28日 (水)

相場の下落(3)

人類が経験した、リーマンショックを上回る「悲惨な相場」。

それは1929年の大恐慌のときです。

株価は、1929年9月3日につけた高値381.2ドルに比して、なんと、その9分の1にまで下落してしまいます(1932年7月8日、41.2ドル)。

そしてもとの水準(1929年9月3日の高値381.2ドル)にまで回復するのに、25年(!)もかかってしまったのでした(1954年11月23日、382.7ドル)。

この間、人類は第2次世界大戦を経験。

そして戦後の復興の時期を迎えても株価はすぐにはもとの水準に戻らなかったのです。

大恐慌とリーマンショックの違いを表にまとめてみました。

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これを見ると大恐慌が如何にひどかったがお分かりいただけるかと思います。

仮に大恐慌と同じことが起こると仮定すると、30歳のあなたが行った株式投資は33歳まで下落を続け、その後、元の水準に戻るのは55歳の時。

サラリーマン人生の大半を、含み損を抱えたまま過ごすことになってしまいます。

定年退職で65歳の時に退職金をもらい、株に投資した人は、90歳になるまで含み損を抱えたままです。

80代で死んでいれば、後悔のまま死ぬことになります。

大恐慌のときの相場展開をグラフ化してみました(下記)。

1929119551_3

大恐慌が起きたのは1929年の10月24日。

「暗黒の木曜日」と呼ばれています。

このときニューヨーク株式市場は大暴落となり、絶望のあまり自殺する人も現れました。

しかしながらこの日、午前中には株式市場は確かに11%の下落となったのですが、午後になると相場は急回復します。

結局のところ1日を通じて2%しか株式相場は下落しませんでした。

2%というのは今日われわれが、ほぼ日常的に、と言っていいほど、頻繁に経験する株価変動です(昨日のニューヨーク;ダウ▲1.43%、ナスダック▲2.93%の下落)。

大恐慌のときは、結局、株価がボトムに達するのは、1932年7月8日(41.2ドル)。

つまり3年近くかかって下落していった結果、株価は9分の1になったのでした。

この辺のことは拙著「金融資産崩壊」に書きましたので、ご興味のある方はご覧になってみてください。

株式投資をする以上は大恐慌のことを知っておく必要があると思います。

ところで、大恐慌のようなとき、いったいどうしたら良いのでしょうか。

相場が上述のような動きを示すと予め分かっていれば、リーマンショックのときに2兆円を稼いだジョン・ポールソンのように「ぼろ儲け」することができます。

しかしこういった動きになるとは、誰にも分かりません。

このような時にも有効な投資法とは・・・。

次回ご説明します。

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2018年3月25日 (日)

相場の下落(2)

ダウ平均株価は1週間で1,413ドル下落。

昨日の日経新聞の夕刊によると、1週間でここまでの下落は、リーマンショック以来なのだとか・・・。

ところで、リーマンショックのときの株価の下落とは、どのようなものだったのでしょう。

リーマンショックの約1年前、2007年10月9日に、ダウ平均株価はそれまでの史上最高値14,163ドルを記録します。

その後、ダウは下落を続け、2009年3月9日、6,547ドルになります。

それまでのピークの46%の水準です。

この時点をボトムとして、その後は、ダウは上昇基調に転じます。

そしてリーマンショック前の高値を更新し、再び史上最高値を達成したのは、2013年3月5日(ダウ:14,253ドル)。

つまり5年半かけてリーマンショック前の高値を更新したことになります。

もし今回リーマンショック時と同じことが起きるとすると、いったいどういうことになるのでしょうか。

これまでの最高値は1月26日の26,616.71ドル。

この46%というと、12,243.69ドル。

現在の23,533.20ドルよりも、これから更に52%も下落するということです・・・(参考までに、現在はピーク時の12%安です)。

如何に10年前のリーマンショックがひどかったが分かります。

新聞の見出しは人目を引くのが重要ですから、「リーマンショック以来」といった表現になりがちです(しかも、これは下落率でみると正しくはありませんが、絶対額として見れば事実です)。

しかし、たとえ米国と中国の貿易戦争が本格化したり、泥沼化したりしても、私は今回の下落はリーマンショックのようには「なりえない」と思います(米朝戦争勃発なら話は別ですが・・・)。

いずれにせよ、リーマンショック時にはそれまでの高値を更新して元の水準に戻るのに5年半もかかりました。

たとえば65歳で退職金が2000万円出て、これで2007年10月9日に株を買った人のことを想像してみましょう。

この人の2000万円の投資元本は2年後920万円になってしまい(為替の影響を捨象しての議論)、5~6年間、含み損を抱えたまま嫌な老後をおくることになります。

やっとのことで投下資金が元の2000万円に戻ったときには、この人は70歳とか71歳になっていたという話です。

こういったことが起こり得るからこそ、一気に全額投資するという投資手法については、私としてはあまりお勧めできません。

実は相場の歴史では、これ以上に、もっとヒドイことも過去には起きているのです。

次回、お話しします。

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2018年3月24日 (土)

相場の下落(1)

一週間の相場の動きをチャートで見るとはっきりとわかります。

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ニューヨーク時間『3月21日、午後2時ジャスト』が、下落の始まりでした。

上図は、ダウ平均株価の今週1週間のチャート。

この図で「Wed, Mar21, 2:00PM」と記されたポイントが、この時です。

この時を境に株価が下落を始めたのです。

何が起きたのでしょうか。

FRBがFOMC Statement を発表したのが、3月21日、午後2時ジャスト(『こちら』)です。

Statement で発表されたのは、政策金利の引き上げ。

実は、これは市場が予想していた通りでした(その意味では下落には繋がりません)。

しかし・・・

ポイントは2019年以降の見通し。

パウエル議長の記者会見は『こちら』ですが、これを聞いて、2019年は従来予想よりも利上げ回数が増えるのではないか―。

こう感じる人が多くなりました。

今週後半にはこれだけではなく相場を下落に導くニュースが相次ぎました。

  • 米中貿易戦争の様相を呈してきたこと
  • フェイスブックによる情報流出

といったメジャーなものから、

  • アマゾンが買収したWhole Foods の幹部たちが会社を退社している(『こちら』

といった内容のものまで・・。

ところで、相場の下落に際して、我々はどうすればいいのでしょうか。

絶好の買い場と見ればいいのでしょうか。

しかし、ウォール街に伝わる格言に

『落ちてくるナイフはつかむな』

というものもあります。

これから2~3回かけて、相場の下落に関連する記事を書いていきたいと思います。

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2018年3月17日 (土)

ビル・ゲイツ:『これらのスキルが将来もっとも有望だ』

ニューヨークのハンターカレッジで行われたパネル・ディスカッション。

出席者は左からリン=マニュエル・ミランダ、メリンダ・ゲイツ、ビル・ゲイツ。

Cnbc

(写真の出所:CNBC MAKE IT;『here』

ビル・ゲイツいわく

『①科学、②プログラミング、③生物学、④画期的なエネルギー源に関する分野が将来もっとも有望だ。

医療コストが爆発的に増大していて、これに対する唯一の解決策はイノベーションだ』

『こちら』で1分9秒の動画をご覧になれます。

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2018年3月14日 (水)

「おもてなし」4000万人

今週月曜日夜、日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

『こちら』でその録画をご覧になれます。

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2018年3月13日 (火)

日本と韓国、どっちが好き?

Quora のサイトに載った『日本と韓国、どっちが好き?』という質問。

ロンドンとパリ、どっちが好き?

とか、

ドイツとフランス、住むならどちら?

と同じような、たわいもない話で、目くじらを立てて語るような話ではありません。

オーストラリア出身のIainさん。

韓国に2年半住み、日本には14年も住んでいるけど、日本の方が好き。

その理由が:

「日本の方がサーファーのコミュニティが出来ている」(へー、そうなんだ!)

バーバラさんの答えは:

It’s six of one, half dozen of the other.

というもの。

五十歩百歩、大差ないという意味の英語なんですが、

1が6個なのと、1ダース(12)の半分は、ともに6。

面白い表現ですね。

全部で12人の人が答えを寄せています。

ちょっと想像もしなかったような答えが出てくるので、読んでいて、結構興味深かったです。

こちら』です。

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