2019年6月22日 (土)

ストーリーズ

今から8年前。2011年のことです。

エヴァン・スピーゲル(当時21歳)はスタンフォード大学の授業(Product Design)で「送ったメッセージが比較的短時間で消えてしまう」というアプリを提案しました。

すると多くのクラスメートたちが笑いものにしました。

「それにいったいどんな意味があるんだい?」

「消えてしまうメッセージなんて誰も使わないよ」

これがスナップチャットの始まりです。

この会社は現在では時価総額2兆円。

さて、スピーゲルが「消えてしまうメッセージ」のアイデアを教室で披歴してから5年後のことです。

今度はインスタグラムがストーリーズを始めました(2016年)。

仕組みは基本的にスナップチャットと同じ。

ユーザーが投稿する写真や動画は24時間後には消えてしまいます。

これが爆発的にヒットしました。

今年1月の数字ですが、10億人のインスタ利用者のうち半数(5億人)が毎日ストーリーズを使っているのだとか。

ストーリーズに載る広告も増えており、ストーリーズはフェイスブックにとってドル箱になりつつあることが窺えます。

24時間後に消えてしまう。

後に残らない。

だからこそ気楽に投稿できる。

しかも閲覧相手(投稿するストーリーズを見れる相手)は投稿者が随意に設定でき、ほんとうに親しい人にだけ見せることも可能。

閲覧者の画面上からは24時間後に消えますが、投稿内容は投稿者のスマホ上には残せます。

フェイスブック(FB) のように

「会社の上司が友達申請してきた」とか

「就職希望先の人事部に投稿内容を見られてしまいそう」

といったような「煩わしさ」や「気づかい」はいっさい不要。

FBのように、恵まれた人たちの投稿を見させられて、落ち込むこともありません。

とにかく気楽ということで、SNS疲れの人たちも「やっと避難先を見つけた」といった感じなのだとか。

FB → インスタ → ストーリーズ

こういった具合いに人々の嗜好が移ってきていますが、

気が付いてみれば、いずれをやっているのも「フェイスブック」という一つの会社。

新しい波を見つける嗅覚はさすがです。

なお2年ほど前の記事ですが、『こちら』も参考になります。

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2019年6月18日 (火)

チャイコフスキー国際コンクール

4年に1回の頻度で開かれるチャイコフスキー国際コンクール。

数々の著名な芸術家を輩出してきたコンクールとして有名ですが、ピアノ部門では出場者がどのピアノを選ぶかも注目の的。

2015年6月にモスクワで開かれた第15回コンクールの際には、ヤマハの中田卓也社長も会場に足を運びました(その際の模様が当時日本でテレビ放映されました)。

4年前のこのときは、予選を勝ち抜いた出場者36人のピアニストたちが選んだのは、スタインウェイが26人、ヤマハは4人。

しかし決勝に進んだ6人は、全員がスタインウェイを弾きました。

実は、これについては、かつて『“近未来”を見据えた投資術』として記事にしたことがあります(『こちら』)。

さて、時が経つのも早いもの。

昨日(モスクワ時間17日)は第16回チャイコフスキー国際コンクールの初日でした(組み合わせの発表)。

そして明日からはいよいよ予選が開始。

日本人の出場者は9名で、ピアノ:藤田真央、ヴァイオリン:服部百音・北川千紗・毛利文香、チェロ:水野優也・佐藤晴真・上野通明、フルート:齋藤志野、チューバ:夏目友樹。

そしてピアノ部門では、どのピアノが選ばれるかの戦いも注目の的。

今回はスタインウェイ、ヤマハなどに加えて、中国のYangtze River Piano(長江)も公式ピアノに採用されることになったのだとか(『こちら』)。

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2019年6月10日 (月)

中村正直博士

寛政の改革を行った江戸中期の老中、松平定信が残した言葉に次のようなものがあります。

「女はすべて文盲なるをよしとす。

女の才あるは大に害をなす。

決して学問などはいらぬものにて、仮名本よむ程ならば、それにてことたるべし。

女は和順なることをよしとす」

明治初期はまだこの言葉が相当程度通用していた時代。

そのような時代に、女子教育の必要性を説いてまわったのが、中村正直博士(1832-91年)でした。

彼は十代から内々で蘭学を学び、早くから海外の事情に明るく、幕末の開国後はオランダ語より英語の方が必要だと知って、英語を学び始めたと言います。

ところが攘夷党から国賊視され、難をさけるため、(おそらくは)小栗上野介の計らいで、幕府からイギリスへ留学するよう命じられます(1866年)。

ロンドンに行った中村正直は当時すでに35歳。

にもかかわらず、小学校に入って小学生と机を並べて勉強。

ここで中村正直は驚きます。

それはなぜか。

イギリスの小学生の知識のレベルです。

先生が教室で、

「雨はどうして降るか」

「雷はなぜ鳴るか」

といったことを聞いてきます。

こうした先生の質問に中村正直は答えることが出来ません(語学の問題ではなく、当時、神童ともてはやされた幕末期の秀才でも、そもそも雨はどうして降るかが分からなかったのです)。

ところがイギリスの小学生たちは、さっさと答える。

「君たちはどうしてそんなことを知っているの?」

と聞くと、お母さんから聞いたという。

なにかにつけイギリスの母親の知識や識見の高いことを知った中村正直は、

当時の日本の母親を省みて心打たれるものがあったと言います。

「これではだめだ。

日本も女子教育に力をいれなければ、日本は危うい。

婦人がいまのままでは日本は外国と競争できない」

そう痛切に感じ、帰国後、明治の新政府の要人たちに対して、女子教育の必要性を説いてまわったと言います。

* * *

以上のエピソードは先般ご紹介した『おんな二代の記』に出てくる一節。

この本の初めから4分の1くらいまでは、こうした明治の初期ならびに前半の頃のエピソードが満載。

私はたいへん興味深く読みました。

* * * 

ところで、この本を紹介した時の私のブログでは、

「こうした先駆者の活躍があって今の日本がある訳ですが、国際的にみると日本はまだまだ。World Economic Forumが発表した男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数によると、日本は149か国中110位でした」

と書いて締めくくりました。

そうした中で最近起きた「#KuToo運動」。

こうした状況を知るにつけ、日本ではまだまだ超えるべき壁がたくさんあるように思えてきます。

「#MeToo は分かるけど #KuTooって何?」

という方は、『こちら』『こちら』をどうぞ。

海外でも日本のこの話が結構取り上げられています。

 

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2019年6月 5日 (水)

受験番号3583番

2週間ほど前ですが、早稲田大学高等学院D組の同窓会に出ました。

高校時代の同窓会と言っても、私の場合、3つの同窓会があります。

①AFS留学前に2年半を共に過ごした学院D組の同窓会

②米国の高校の同窓会

③米国から帰国後、再編入した学院F組の同窓会

今回は上記①の同窓会でした。

驚いたことに1人の級友が入学時の全員の受験票写真を持ってきていました。

当時、文芸担当のI先生が、A3サイズの紙に

「昭和44年4月13日、1時限目、シーンと静まり返る1Dの教室に第1歩を運んだ・・」

との文章を残していました。

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そして、その紙にはなんとクラス全員の受験票の写真が貼られていたというのです。

以下は、全員の受験票写真のうち、私の箇所のみを切り抜いたものです。

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このA3サイズの紙は、I先生から、クラス全員、一人ひとりに対して、何かの機会に手渡されたとのことですが、

私を含め、ほとんどのクラスメートは覚えていません。

それを一人だけ覚えていて、しかも50年間、ずっと大切に保管していたという人がいたのです。

* * * *

ところで高校1年というと、社会の仕組みもまだよく分かっていません。

自分が何をしたいのか。

何に向いているのか。

こういったことが分からず、文系、理系の進路分けが始まるとしたら、それは相当おかしいのではないか。

そんなことを編集者の方にお話ししていたら記事になりました。

『こちら』です。

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2019年5月31日 (金)

米国は大丈夫か

先日ご案内したTOPPOINTの拙著紹介記事。

たった4頁の記事なのですが、エッセンスが凝縮されています。

下記はその紹介記事の半頁強(記事全体の6分の1)を再現したもの。

さすがに上手くまとめられています。

* * * * *

 

ダウ平均株価指数への投資を勧めると、必ず出てくる質問がある。

それは、「米国は大丈夫か?」というものだ。

【米国は大丈夫か】

米国が心配な人は、世界の先進23ヶ国の株式に投資する「MSCIワールドの指数」、あるいは日本を除く世界の先進22ヶ国の株式に投資する「MSCIコクサイ」に投資すればよい。

MSCIワールドなどに投資することによって、米国だけでなく世界の先進国株式に投資することができる。

ただし、MSCIワールドの63%は米国株である。

MSCIコクサイに至っては、69%が米国の株式だ。

従って、米国が心配な人が、これらに投資したとしても、結局のところ心配は解消しない。

【米国は中国に負ける?】

米国が心配な人の論調は、大きく分けて2つだ。

1つは、米国の覇権主義は終わり、中国に取って代わられる。

その結果、「米国はかつての英国と同じような道をたどるだろう」というものだ。

19世紀の基軸通貨だった英ポンドが、2度の世界大戦を経て、かなり安くなったように、ドルも1ドル=50円くらいになるかもしれない。

だとしたら、ドルベースで投資しても、結局は円に戻したときの資産は減価してしまうといった論調だ。

だが、既述の通り、ダウ平均銘柄の会社が相手とするのは、米国だけでなく「世界」だ。

プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の売上に占める北米(米国、カナダ)の割合は45%。

コカ・コーラに至っては、北米比率は30%にすぎない。

加えて、一党独裁の政治体制の中国が、ほんとうに世界の単一覇権国となり、これから数十年間にわたって、その地位を維持し続けることができるのか。

必ずしも盤石と言えないかもしれない。

これから30年後の世界を見てみよう。

日本の人口は1億人を切り始め、総人口の4割が65歳以上になる。

こうした国の通貨が強くなり、1ドル=50円といった時代が来るのかどうか。

今後30年という長期で見通すと、日本の場合、

①上述のような人口動態の推移予測
②現状GDPの236%にまで積み上がった日本の政府債務残高の帰趨
③日銀による異次元緩和の帰趨(出口戦略)
④ 地震リスク

などを勘案せざるを得ない。

つまり、米国リスクよりも、むしろ日本リスクの方が心配だ。

【米国は人口減少社会になる?】

2つ目は、米国への移民の数は減少気味で、米国もやがては高齢化、人口減少社会になる。これまでの成長は期待できないという主張だ。

たしかに米国への移民流入数は、2000年をピークに減少傾向にある。

しかし世界銀行の予測によると、米国の人口は2018年の3億2790万人から、30年後の2048年には3億8520万人へと17.5%増加すると考えられている。

2001年の9・11テロ以降、移民が減少傾向にあるからといって、米国の人口動態変化を心配するのは、やや行き過ぎのような気がする。

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2019年5月28日 (火)

TOPPOINT (その2)

タイトルに(その2)と付記しましたが、実は今から13年前、2006年5月25日に(その1)を書いているからです(『こちら』)。

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以下、簡単にその時の記事内容を要約しますと:

「TOPPOINT」(トップポイント)というのは、1987年創刊の月刊誌(『こちら』)。

この月刊誌は、毎月数多く出版される新刊書、新書の中から「一読の価値ある新刊書・新書」を厳選して読者に紹介するというもの。

雑誌の内容としては「本の紹介」だけです。

出版不況と言われる中で、本をただ紹介するだけの雑誌がなぜ30年以上にわたって読者に支持されてきたのでしょうか。

この情報誌を始めた橋本忠明さんは、もともとは外資系企業の営業担当者でした。

お客さんのところに行っては、ゴルフや野球の話をしてから、営業の話を切り出していたそうです。

ところが、ある時、趣向を変えて、自分が読んで面白かった本の話をお客さんにしたところ、すごく受けた。

そこで、それからは自分が読んで面白かった本の感想や内容を一枚の紙に書いて、お客さんのところに持っていくようにしたと言います。

そうこうする内に、橋本さんの書いた「本の内容・感想文」は、いろいろなお客さんに喜ばれるようになり、橋本さんは「これで食っていけるかもしれない」と考えたそうです。

そして今から32年前、意を決して、独立。

「本の内容」を紹介するビジネスで起業したのです。

仕組みはこうです。

橋本さんが毎月100冊以上にも及ぶ新刊書を読む

その中から、橋本さんの情報誌の読者が興味を持ちそうに思う本を10冊選び、その内容を1冊あたり4ページまとめる

これを会員宛てに配布する。

忙しくて書店に行く時間が無い経営者やビジネスマンは、会員となることで、まずは橋本さんが選んだ10冊のエッセンスを読み、それが面白そうであれば、情報誌の裏についている注文書で本を注文する。(もちろんこの段階ではアマゾンで買うとか本屋で買う人もいると思います。)

ところで、このビジネスモデルが成功するかどうかは、本を選ぶ「橋本さんの目が確かである」ということにかかっています(ある意味で忙しい読者に代わって橋本さんが一次スクリーニングをしているわけですから。)

毎日膨大な量の本が出版されていますが、橋本さんは、毎朝ジュンク堂という大型書店に行き、問屋さんから届いた本の荷物を自分で開けるがごとく、真っ先に新しい本の情報を入手するのだそうです。

そして「絶対の独立性、公正さ」を実現する為に、情報誌には「一切の広告を受け付けない」という一徹さ。

着眼点、発想、工夫、そして努力。これによって達成されるお客様からの「信頼」。

新しくビジネスを成功させる上での全ての要素が揃っていたからこそ、橋本さんの情報誌「Toppoint」は32年もの長い間、読者に支持され続けてきたのでした。

* * * *

以上、私が13年前に書いたブログ記事「TOPPOINT」(その1)を参考にしながら、現在バージョンに置き換えて(その2)を書いてみました。

ところで、私が「TOPPOINT」について、13年ぶりにブログに書くのには理由があります。

先日送られてきた「TOPPOINT」6月号で、拙著『人生100年時代の正しい資産づくり』が紹介されているからです。

私は、これまで18冊の本(新刊本・新書)を書いてきました。

その中で「TOPPOINT」で紹介されたのは、これが2冊目。

打率にすると1割1分。

なお1冊目は2006年に刊行された『投資銀行』という本。

13年ぶりの快挙を嬉しく思います。

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2019年5月24日 (金)

最近読んだ本の中から

最近読んだ本の中から感想を一つ、二つ。

(1)『魂の退社』

一時期、アフロヘアでテレビなどにも登場していた稲垣えみ子さんの著作。

3年前の本です。

著者は大学卒業後、朝日新聞に入社。

記者として活躍し、編集委員を務めていたが、50歳にして会社を辞めることを決断。

そこに至るまでの経緯とその後を綴ったもの。

大学を出てエリート会社に入社した人は、ある意味エリート集団の考え方に染まってしまうのでは・・?

今の若い人の中には(稲垣さんに比べて)もっと自由に発想し会社を変わっていく人が多いように思いました。

ところで話は変わりますが、最近の朝日新聞、ちょっとレベルが落ちてきているように感じます。

私が学生時代に読んでいた頃の『天声人語』。

毎朝、文字通り「読ませる内容」のものを届けてくれました。

その著者が急逝したことを新聞で読み、私は初めて深代惇郎さんのことを知ったのですが、

深代さんの天声人語のようなコラムは最近では見れなくなりました。

(2)『おんな二代の記』

評論家というか、婦人問題研究家の山川菊栄の著作。

彼女の母(青山千世)と、彼女(山川菊栄)の女性二代にわたる自叙伝。

文庫本の末尾には鈴木裕子さん(女性史研究家)の解説が収められていて、この解説文も流石というか価値ある内容。

ちなみに山川さんは戦後労働省(現在の厚生労働省)が新設された際、初代の婦人少年局長に就任。

こうした先駆者の活躍があって今の日本がある訳ですが、

国際的にみると日本はまだまだ。

世界経済フォーラム(World Economic Forum)が2018年12月に発表した男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数によると、

日本は149か国中110位でした。 

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2019年5月15日 (水)

日経CNBC

昨晩の日経ヴェリタストークですが、『こちら』でご覧になれます。

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2019年5月14日 (火)

バフェット流

今晩は日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

トピックスは『バフェット流』。

最近年次総会を終えたばかりのバフェットが経営する投資会社「バークシャーハサウェイ」。

最近のパフォーマンスはどうなんでしょう。

これを測る上でおさえておきたいのがアルファの概念。

【アルファをチェックせよ】

一般にファンド(投資信託)に投資する場合には、そのファンドが何をベンチマーク(基準)としているのかを知り、ベンチマークに比べて勝っているか、負けているかをチェックします(ベンチマークがないと謳っているファンドは評価されることを拒絶しているのに等しいので最初から要注意です)。

例えば日本株に投資するファンドであれば、ベンチマークである日経平均やTOPIX(東証1部に上場している全株式の株価を指数化したもの)に比べて、勝っているのか、負けているのかが、重要になってきます。

この勝っている部分を通常「アルファ」と言っています。

たとえば1965年のバークシャー・ハサウェイの成績を見ると、年率平均23.80%のリターンを上げています。

このときの市場平均(S&P500の指数)のリターンは10.00%。

よってバークシャーのアルファは、
23.80%(バークシャー)-10.00%(市場平均;S&P500の指数)=+13.80%(アルファ)

となります。

当然ながら、アルファは数字が大きければ、大きいほど良い、ということになります。

アルファがマイナスのファンドにわざわざお金を投じる意味はありません。

下図はバークシャー・ハサウェイのアルファをグラフ化したもの(各年の数値はその年までの5年間の移動平均値)。

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ウォーレン・バフェットを世界1位の投資家にしたのは、バークシャーの1970年代後半のパフォーマンスであった(76~80年のアルファの移動平均値が50%を超えた)ことが見て取れます。

いずれにせよ1965年から1999年までの34年間にわたる5年間のアルファの移動平均値を見ると、バークシャーは一貫してベンチマークを上回る成績を上げてきたことが分かります。

と言っても、バフェットも今年で89歳。

最近10年間のアルファを見ると、プラスマイナスゼロか若干のプラスといったところでしょうか。

ちなみに(話はそれますが)バフェットは幾度となくスタンフォード大学ビジネススクールの教室にゲストスピーカーとして訪れています。

最初に来たのが1976年。

このときの『株式投資論』を教える教授の学生への質問は、

「諸君はバークシャーの株を買うか」

でした。

前年に比べて上がってしまったバークシャーの株を買うと答えた学生は1人もいませんでした。

しかしこのとき10万円を投じてバークシャーの株を買っていれば、現在ではその10万円は、なんと、「5億円」になっています。

アルファがプラスであり続ける(それも1970年代後半のように、かなりのレベルのプラスである)ということは、そういったことを意味するのです。

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2019年5月10日 (金)

令和に求められる人

本日発売の『PHP THE 21』

   21

「令和に求められる人、平成で終わった人」

との刺激的なタイトルです。

ただどんな時代であって求められるのは、学び続ける人。

ということで、この特集記事の「勉強のセクション」で私へのインタビュー記事が掲載されています。

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ほかにも各方面からいろいろな方のインタビュー記事が載せられていますが、私が読んで面白かったのは、デービッド・アトキンソンさんの記事。

「安くていいもの」が日本を滅ぼす―

といった趣旨の記事なのですが、

残念ながら、気づくのが30年ほど遅すぎたのかもしれません。

5G関連の特許数などを見ると、最先端分野でかなり中国にやられてしまっている・・。

さて、どうするか。

 「驕れる人も久しからず」(平家物語)。

個人も会社も、そして国家も、明確なビジョンを持って、地道に努力するしかないように思います。

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2019年5月 6日 (月)

首位奪還

今から6年半前。

2012年末の世界企業時価総額ランキングを見ると、マイクロソフトは世界第9位にまで下落していました。

時価総額の金額でみると、首位アップルの半分にも満たなかったのです。

その10年前の2002年には世界1位の時価総額を誇っていたマイクロソフト。

10年の間に起きた大きな時代の変化についていけませんでした。

PCからモバイルへと変化する波に乗り遅れ、クラウドや検索の世界でも競合他社の後塵を拝していました。

ビル・ゲイツの後を継いでCEOの地位にあったスティーブ・バルマー(スタンフォード・ビジネススクール時代の私の1年先輩)は、その約半年後の2013年8月に辞任の意向を表明します。

これを受け、マイクロソフトの取締役会は早速後継のCEO選びに取り掛かります。

そして翌年1月、白羽の矢が当たったのが、本書(『Hit Refresh』)の著者であるサティア・ナデラ氏でした。

世界190ヵ国以上の国々に10万人を超える社員を抱えるマイクロソフト。

彼はこの巨艦を如何にして再生させたのか(マイクロソフトは、現在再び時価総額ランキング世界第1位に返り咲いています)。

ナデラさん自身が本書で書いているように、

「ビジネスリーダーの書く本と言えば、のちに現役時代を振り返って執筆する場合がほとんどであり、ビジネスの渦中にある指揮官が執筆することはあまりない」。

本書の価値は、現役の指揮官が書いた企業再生の物語であると共に、これからのIT時代が(クラウドにせよ、MR(Mixed Reality;複合現実)にせよ、AI(機械学習)にせよ)、どう変化していくのか、我々はどう対応すればいいのかのヒントが積み込まれているところにあると思います。

(追記)本書の中に、私のクラスメート、ダグ・バーガムも出てきます。ダグはグレート・プレインというソフトウェア会社を所有・経営していましたが、この会社がマイクロソフトに買収されたことで、マイクロソフトのSVPに就任。Microsoft Dynamics の新規事業を運営していましたが、これをマイクロソフト社内でダグから引き継いだのがナデラさんでした。

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     Wikimedia Commons;CC BY-SA 4.0

ダグ・バーガムは現在ノースダコタ州知事です。

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2019年5月 5日 (日)

ダイバーシティ

グーグルで「ダイバーシティとは?」と検索をかけると、お台場のショッピングパークが出てきたりします。

ウィキペディアを引くと

ダイバーシティ・マネジメント(Diversity Management)とは、

個人や集団間に存在するさまざまな違い、すなわち「多様性」を競争優位の源泉として生かすために文化や制度、プログラムプラクティスなどの組織全体を変革しようとするマネジメントアプローチ

と説明されています。

* * * *

A社(実在しません)の役員会で。

(人事担当常務)「採用試験の結果ですが、上(トップ)1番から15番までが全員女性でした」

(社長)「去年もそんなようなことを言っていたな。結局、上から7人に入社してもらったが、全員女性になった」

(人事担当常務)「今年はどうしましょう」

そんなやり取りをしている役員会の構成メンバーは全員が50歳以上の日本人男性でした。

 * * * *

先日、ご紹介した「ナデラさんの本」から。

「私がマイクロソフトに入社した頃(岩崎注:1992年)には、インド人のエンジニアやプログラマーの間に暗黙の了解があった。

これだけ会社に貢献しているにもかかわらず、バイスプレジデントに昇進した者はまだひとりもいない」

「実際、あるインド人社員はかつて上級幹部から、昇進できないのはなまりのせいだと言われたことがある」

    Hit-refresh

* * * *

しかしながら、自分とは違う考え方を持った人、自分とは違う境遇で生まれ育った人、自分とは違う生き方、働き方の人と接することで、

人は、様々なインスピレーションを受け、自分自身の成長への糧とすることが出来るようになります。

相手に対する思いやり、寛容、共感の気持ちを持つことが出来るようにもなります。

ナデラさんによれば、現在のマイクロソフトでは多様性の受け入れの進捗度と役員報酬を連動させているとのこと。

はたして日本企業で、部門長の評価や役員の報酬を、多様性の受け入れの進捗度と連動させているところがどれくらいあるでしょうか・・。

日本では大手企業で女性の専務執行役員が登場したことが新聞記事に載るような状況ですから、米国の先進的な企業に比べると20~30年くらい遅れているのかもしれません。

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