2017年7月30日 (日)

米国企業4-6月期決算

グーグルやアマゾンはともに減益で、投資家にとっては期待外れの決算。

一方でフェイスブックは前年同期比71%増の純利益を上げ、株価が上昇。

明暗を分ける形になりましたが、グーグルにしてもアマゾンにしても売り上げは伸びており(前年同期比グーグル+21%、アマゾン+25%)、株価の下落は限定的でした。

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アマゾンを例に今年に入ってからの株価の動きを追ってみると、6月9日までは株価は順調に推移。

しかしこの日を境にテクノロジー株全般に対する見直し(急ピッチで高くなりすぎた)や利益確定売りが入り、株価は1,012ドル(6月9日始値)から953ドル(7月3日安値)まで、5.8%ほど下落。

しかし調整もそこまでで、その後の株価は回復を示し、7月27日の決算発表後、28日の取引を終えても1,020ドルのレベルに留まっています。

これは今年の初めの757ドル(1月3日始値)に比して、35%高。

投資家が期待しているのは、アマゾンにしてもグーグルにしても、やはり今後の展開力でしょう。

というのも、例えばアマゾンを例に決算の数字を見てみると、アマゾンの売り上げの89%を占めるネット販売部門(北米+海外)は、288百万ドルの赤字(4-6月期)になっています。

アマゾンの決算は全体としては黒字になっていますが、これはAWS部門(Amazon Web Services;クラウド事業)で916百万ドルの収益を上げているから。

つまり一般消費者が日常利用しているネットでの販売部門(アマゾンの中核事業)は赤字で、これは将来の刈り取りを目的としていて、現状は赤字でも構わないとのスタンス。

こうした大胆な戦略の下にアグレッシブな先行投資を実施中なのがいまのアマゾンなのです。

このようなパワープレーを前にすると、競合他社は「付いていくのがやっと」といった状況に追いやられてしまいそう・・。

そう言えば(話は若干それますが)米国でヒットしたエコー。

このエコーも日本での発売はまだでした(噂では遅くとも年内に発売になるとか・・『こちら』)。

* * *

なお8月1日にはアップル、2日にはテスラ、10日はNVIDIAがそれぞれ決算を発表します。

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2017年7月 3日 (月)

日銀によるETF購入

6月は何とか2万円台をキープした日経平均株価。

下は日銀によるETF(指数連動型上場投資信託受益権)の購入額を表にしたもの。

データの出所は日本銀行のウェブサイトの該当ページ(『こちら』)です。

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表の右側は『設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF』の購入額。

その左隣はそれ以外のETFの購入額。

単位はすべて『億円』です。

日銀は年間6兆円のペースでETFを購入すると決めています(『こちら』)。

ですから先月の数字はこれに沿ったもの。

むしろ購入額の3,904億円は、6兆円÷12か月=5,000億円 よりは少ない数字。

ちなみに今年に入ってからの半年間(1~6月)のETF購入額は2兆9445億円で、年間購入額6兆円にほぼ沿ったペース。

日銀が積極的に日本株を買った結果、いまや日銀は17.1兆円もの日本株を保有(日経新聞6月24日)。

アドバンテストの16.6%、ファーストリティリングの15.0%の株式が日銀によって保有されています(日経新聞6月24日)。

現在も日銀が積極的に購入している長期国債の方は、日銀が購入を止めて、その後、何もしないでいれば(保有している国債が償還されていくことで)日銀による保有額は(徐々にですが)逓減していきます。

しかし株式は国債のように債券ではないので、償還というものがありません。

日銀が買ってしまった日本株は、たとえ日銀がこれから先ETFの購入を止めたとしても、ずっと日銀によって保有され続けます。

これを元の正常な姿に戻すには、保有している日本株を売るしかありません。

仮に毎年6兆円の規模で売り続けたとしても解消するには3年近くかかる計算。

日本の株式市場はあまりに歪な姿になってしまいました。

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2017年6月 3日 (土)

David Einhorn vs. GM

David Einhornについてはリーマンショックやユーロ危機のときに、このブログに書いてきました(『こちら』『こちら』)。

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さて6月7日に行われるGMの株主総会。

これを目前にして、「David Einhorn vs. GM」 のプロキシー・ファイト(Proxy Fight;委任状争奪戦)がどうなるかが、現在米国のマスコミを騒がせています(たとえば『こちら』)。

David Einhorn の主張はどういったものなのか。

昨日Einhornは、Bloomberg TV の 『Bloomberg Daybreak: Americas』に出演して、インタビューに答えました(『こちら』)。

15分間の動画ですが、プロキシー・ファイトや種類株などについて興味ある方、GMやテスラの株価についてDavid Einhornがどう考えているかを知りたい方は、ご覧になってみると面白いと思います(インタビューは英語で、日本語の字幕はありませんが、分かりやすい英語です)。

David Einhorn は種類株の利点を、ソフトクリームのバニラ・チョコレート・スワールにたとえて説明します。

     Vc_4    

『バニラ(たとえば配当)の好きな人にはバニラを。

チョコレート(たとえばキャピタルゲイン)の好きな人にはチョコレートを。

株主に選択を与えよ。

スワールにして出すのではなく、株主に好きなようにミックスさせよ』

ひとことで言うと、こういうことなのでしょうが、種類株は成功する場合とそうでない場合とがあります。

選択の幅があり過ぎると分かりづらくなってしまうからです。

はたしてGMの株主はDavid Einhornの提案にどう答えるのか。

7日の総会が注目されます。

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2017年5月30日 (火)

日経ヴェリタストーク

昨晩は日経CNBCテレビの『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

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先週末から風邪を引いてしまい、昨日は朝一番で医者に行って薬をもらいました。

さらに風邪薬には眠くなる成分も入っているので、番組前にはカフェイン入りの栄養ドリンクを飲んで、番組に臨みました。

風邪声で聴きにくいかもしれませんが、昨晩放映された番組は『こちら』でもご覧になれます。

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2017年5月28日 (日)

値上げ力

今週の日経ヴェリタスの特集記事は『値上げ力』。

記事にも少し出てきますが、ヤマハの株価が今月に入って好調。

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    (上図は過去3か月間の株価推移)

株価が上昇したのは5月2日。

前日比で17%上昇しました(3,095円→3,630円)。

実は5月1日の市場終了後にヤマハは決算を発表。

今年度(2018年3月期)は、対前期増収増益、過去最高の営業利益を予想すると発表したのです(下図)。

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  (ヤマハによる説明資料;クリックすると大きくなります)

ここで気がつくのは営業利益率の増加。

16/3期 9.3%

17/3期 10.9%

18/3期(予想) 11.4%

思い起せば2015年4月30日。

ヤマハは2015年4月30日、『アップライトピアノ、グランドピアノ、一部ピアノ周辺商品 価格改定のご案内』と題するプレスルリリースを発表(『こちら』)。

2015年8月1日よりアップライトピアノ、グランドピアノ(The CFシリーズ除く)、一部ピアノ周辺商品の価格を改定(=値上げ)することを告知したのです(昨年10月1日からはハイブリッドピアノを値上げ;『こちら』)。

日経新聞の記事(『こちら』)によると、「各国市場に合わせた値上げなど楽器の価格適正化が浸透」とありますので、値上げは恐らくは日本だけに留まらず主力の海外市場でも実施されていることがうかがわれます(ヤマハは売上の66%が海外)。

何が値上げを可能にしているのでしょうか。

最大のポイントは地道な企業努力とそれによって築き上げられたブランド力だと思います。

この辺については昨年2月に会社四季報オンライン(『こちら』)に書いたので繰り返しませんが、ポイントのみ下記に再掲します。

『現在ヤマハは世界最大のピアノメーカーになっていて、世界シェア32%を握るに至っている。それでも世界の著名なピアニストたちのコンサートを聴きに行くと、彼らの弾くピアノはスタインウェイであることが多い。スタインウェイのウェブサイトによれば、スタインウェイピアノは「世界で活躍しているソリストの98%以上から選ばれている」という』

『2015年10月の「ショパンコンクール」ではファイナリスト10人のうち、7人がヤマハ、3人がスタインウェイを弾いて、3次予選までを勝ち進んだ。「やっとヤマハがスタインウェイに勝ったのか」と胸を躍らせる関係者も多かったが、最後の決勝の段になって、2人のピアニストが演奏ピアノをヤマハからスタインウェイに変更、決勝は「ヤマハ奏者5人」対「スタインウェイ奏者5人」とで分け合う形になった。結局6人の入賞者のうち2位、5位、6位がヤマハのピアノを弾き、1位、3位、4位がスタインウェイを弾いた』

『ヤマハの中田社長はテレビ番組のインタビューに答え、「フェラーリは商売としては世界一ではないが、誰もが憧れるすごい車をつくっている。(ヤマハとしても)誰もが憧れる、そういうものを作りたい。音楽というのは必需品ではない。(だから)みんなが憧れるものを作って、初めて『これを使ってみたい』と思われるようになる」と語った。クリエイティブ・エコノミーの時代には世界のトップランナー、トップブランドであることが重要なのだ。シェアだけを追っていたら、いずれは韓国や中国のメーカーに追いつかれてしまうことにもなりかねない』

ブランド力構築に関するこうした地道な企業努力があって、はじめて値上げをしても顧客があまり逃げないということが可能となり、営業利益率の増加が達成されます。

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2017年5月20日 (土)

NVIDIA (1年間で3.8倍になった株)

NVIDIAの名前は、かつてオンラインゲームをやっていた人には馴染みのある名前だと思います。

ゲームをPCで楽しむ人たちの間では、NVIDIAのGPU、グラフィックボードはよく知られた存在でした。

自動運転との関連で私が最初にNVIDIAの名前を意識したのは、今から3年前の2014年。

同社主催の「GTC(GPU Technology Conference) 2014」が3月24日~27日に米国カリフォルニア州サンノゼで行われ、デンソーの佐藤育郎氏と新原英樹氏がプレゼンを実施。

このときの模様が記事になりました(『こちら』)。

その後、自動運転車がラスベガスのCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)に登場(2015年1月、詳しくは『こちら』)、私もブログに書いたり、当時連載していた東洋経済の会社四季報オンラインに記事を寄せたりしていました。

そして1年後、つまり昨年(2016年)の1月になると、NVIDIAは、自律走行車向けの車載人工知能エンジン「Nvidia Drive PX 2」を発表(『こちら』)。

第一世代の「DRIVE PX」の次の世代となる「DRIVE PX 2」は、人の脳に近いプロセスを行うニューラールネットワークを用いたディープラーニング(深層学習と言われる機械学習)を特徴としていて、1秒間に24兆回の演算を実施。

これはMacbook Pro150台分の演算性能に相当するといいますが、これがランチボックスサイズの大きさに収まっているとのことでした。

これを知ってNVIDIA株の購入に走った人もいるかもしれませんが、実は株価はこのニュースにはさほど反応せず、従来と同じように 27ドル~30ドルのレベルを行き来していました。

株価が上がり始めるのは、2016年5月12日に第1四半期の業績発表(『こちら』)をした直後です。

このとき(5月12日終値)、35.57ドルを付けていた同社株価は翌日には40.98ドルで取引を終えました(1日で15%高)。

そして昨年11月10日には第3四半期の決算を発表(『こちら』)。

このときも決算の数字は株価を一日で15%ほど押し上げ、ニュースになりました(『こちら』)。

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しかし、それから3ヶ月後の今年2月22日。

野村証券のアナリストRomit Shah氏がNVIDIAの株式について、買い(Buy)から売却(Reduce)に recommendationを変更(『こちら』)。

Romit Shah氏はプライス・ターゲットも100ドルから90ドルに落としました(『こちら』)。

NVIDIAの株価はこれによって下落しますが、昨年の5月と同様に今年も5月がやってきます。第1四半期の業績発表です。

5月9日、NVIDIAは業績を発表(『こちら』)。

このときの数字は1日で18%ほど株価を上昇させました(102.94→121.29)。

ちなみに昨日は136.00ドルで取引を終えています。

昨年5月12日は35.57ドルでしたので、約1年間でNVIDIAの株価は3.8倍になったことになります。

* * * * *

これらのことから言えることはどんなことでしょう。

【1】情報は出来るだけ早くキャッチする

【2】優れた製品も決算の数字に反映されなければ株価にも反映されにくい

【3】優れた製品は(「すぐに」とはいかなくとも、遅かれ早かれ)決算に反映される(のが一般的)

【4】アナリストの見解に踊らされない → その道のプロ、アナリストの意見は貴重であり、私は出来るだけ多くのアナリストのレポートを謙虚な気持ちで読むようにしています。しかしそれが正しいかどうかを判断するのはあくまでも自分です。

【5】株価が上がり過ぎたから買えないということはない → 昨年の9月12日、「いま注目している銘柄は?」とテレビで聞かれて、私はNVIDIAと答えました(『こちら』および『こちら』)。このときNVIDIAの株価は7ヶ月前に比して2倍の60.75ドルになっていましたが、いまでは更にその2倍以上になっています。

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2017年4月30日 (日)

日経平均とダウ平均

早いもので4月も今日で終わり。

2017年もすでに3分の1が過ぎてしまったことになります。

これまでの日経平均のパフォーマンスを見てみましょう。

4ヶ月間で日経平均は、1月の初営業日に比して微落しました。

  19,277円(1月4日終値)

     ↓

  19,196円(4月28日終値)

▲0.4%の下落です。

一方のダウ平均株価は、というと・・。

  19,942ドル(1月4日終値)

     ↓

  20,940ドル((4月28日終値)

+5.0%の上昇です。

しかし、どうでしょう。

この4ヶ月間で利上げをしたのは、米国の方です(3月に0.25%利上げ )。

さらに4月5日公表のFOMC議事要旨によると、FRBは年内に保有資産の縮小に踏み切る見通し。  

FOMCは、2014年以降、保有資産額をこれ以上増やさずに金融緩和の加速をやめるテーパリングを始めたのですが、今度はこれを更に一歩進め、資産額を減らすことに踏み切る考え。

利上げや資産縮小といった逆風にもかかわらず、ダウ平均が好調なのに比して、日経平均がいまひとつパッとしない・・・。

これは、(1)米国の方が経済成長の見通しが高い、(2)日本の方が北朝鮮に地理的に近いなどの要因もあるのでしょうが、(3)もともと日経平均とダウ平均とでは、同じ平均株価でも性格が違うことにも原因があるように思えます。

このことは以前にも書いたのですが、

日経平均は『こちら』の225社の株価を平均して指数にしたもの。

この中には、監査法人の「適正意見」なしで決算の発表を強行した東芝のような会社も含まれています。

一方、ダウ平均株価に採用されているのはたったの30社。

米国、というよりも、世界を代表するような30社のみから成り立っています。

たとえば、日本で「NTTだとかNTTドコモを日経平均から外す」などということを言い出すと、大問題になってしまいそうです。

しかしダウ平均株価にはAT&Tや、AT&T Mobilityは採用されていません(そもそもAT&T Mobilityは現在ではAT&Tの100%子会社)。

つまり厳選された30のエリート銘柄から成るダウ平均株価の方が、225もの銘柄から成る日経平均よりも、「値を上げやすい傾向にある」ということが言えるのではないでしょうか。

つまり、同じ平均株価と言っても、その裏にあるものを考えてみることが重要です。

ところで日本にいてダウ平均株価指数に投資するにはどうしたらいいのでしょうか。

東証に上場しているETFを買うことが出来ます(証券コード1679)。

しかし信託報酬が年0.648%程度かかります(『こちら』)。

一方、ニューヨークのマーケットで「SPDR Dow Jones Industrial Average ETF」(ティッカー:DIA)を買えば、経費率は0.17%。

ネット証券を使えば為替手数料は通常25銭。

売買手数料は、ネット証券会社によって若干違いますが、通常は約定金額の0.486%(税込)。最低手数料は5ドル40セント。

つまり23,500円ほどあれば、ダウ平均株価指数に投資することが出来ます。

「SPDR Dow Jones Industrial Average ETF」 の場合、毎月1回、配当も出ます。

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2017年3月23日 (木)

ドル高を覆う霧

昨日のニューヨークでは110円台を付けていた為替。

いままた111円台に戻していますが・・

さて、21日(火)に放映され、昨晩再放送された日経ヴェリタストークですが、『こちら』でもご覧になれます。

昨年11月以降、マーケットでは日米の金利差が意識され、これが為替を決める大きな要因となってきました。

市場で誰もがそう思う時には、その要因で市場が動いてしまうのですが、もう少し長いスパンで見ると、これまでには、金利差と全く逆の動きを市場が示してきたこともあります。

そもそも

1)金利が高い→その国の通貨が高くなる

の側面に目を向けるのか

あるいは

2)金利が高い→その国はそもそもインフレだ→インフレ国の通貨は相対的に価値が低い

の側面に目を向けるのか

で、答えはまったく別になってしまいます。

番組に後の方ではその辺を中心にお話ししました。

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2017年3月22日 (水)

昨年9月以来最大の下げ

昨晩このブログでトランプ・リスク(支持率37%)について書いたのですが、

その後のNY市場では、オバマケア(医療保険制度改革)の代替法案について可決が危ぶまれることが報じられ、

トランプ政権の政策運営が停滞するとの見方が強く意識されるようになりました。

その結果、数週間前は2.6%をつけていた長期金利(10年もののUS Treasury Note)は、2.41%にまで下落。

日米金利差は縮小し、為替は111円台へ。 

イールドカーブの傾斜が緩み(フラット化の方向に進む)、金融株が下落。

これと共に他の株も下げて、米国株式は昨年9月来、最大の下落となりました(『こちら』)。

米国株下落と円高のダブル・パンチが本日の日本株市場を襲います。

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2017年3月21日 (火)

為替相場を読み解く

今晩は日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

トピックスは「ドル高を覆う霧」。

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ドナルド・トランプが米国の大統領選挙に当選した後、円安が進んで、12月15日には1ドル118円台前半まで円が売られました。

しかし、その後は一転して円高が進み、2月6日には111円台後半まで円が上昇していきます。

こうした中、米国のFRBは、先週、 政策金利を3ヶ月ぶりに 0.25%引き上げることを決めました。

また、米FOMCのメンバーは、今回を含めて年内に3回の利上げを予想していることも明らかになりました。

日銀が緩和的な金融政策を続けていることから、 日米の金利差は広がっていく方向にありますが、 こうした状況にもかかわらず、今年に入ってからは円安が進んでいません。

いったい何が起きているのでしょうか。

* * * *

まず昨年11月~12月にかけての為替相場ですが、円安に振れた背景には、米国の長期金利の急騰があります。

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   (上記チャートはInvesting.com より)

11月9日、1.858%でスタートした米国10年債(Treasury Notes)利回りは、12月15日には2.606%にまで急上昇。

日米の金利差が意識され、為替も一気に円安に振れました。

しかし米国の長期金利急騰の動きが止まり、トランプ大統領の「我々の通貨は強すぎる」といった発言が報じられるに及んで、為替は一転して円高気味に推移。

先週のFOMC後には「米国の利上げは、今年は4回ではなく3回が濃厚」と報じられました。

このニュースは、日米の金利差は(利上げが年4回ではなく3回だとすると)「当初想定していたほどには拡大しない」と解釈されました。

その結果、先週初めには114円台後半だった為替は一気に112円台へと突入してしまいました。

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   (過去1年間の為替レート推移、Yahoo! Finance より)

さてこれから先、為替はどういった動きを示すのでしょうか。

現在のマーケットで意識されているのはやはり「日米の金利差」です。

これをベースとする限り、これから先、金利差は拡大していく傾向にあり、この面だけから考えると、もう少し円安ドル高に振れていきそうです。

しかし為替相場を決定するのは日米の金利差だけではありません。

過去の相場では、日米の金利差の動きとは為替がまったく逆の動きを示したこともあり、(いまは日米の金利差が重要視されているにせよ)これから先のことを考えると、もう少し多面的に見ておいた方が安全かもしれません。

以前のブログにも書いたのですが、2014年12月~15年前半の円安ドル高を受け、15年4月の米国主要企業(P&G、デュポンなど)による決算説明会のプレゼンは「このようなドル高の為替では良い決算を出せない」といった悲鳴に近いような内容が相次ぎました。

つまり120円を超えるようなドル高が続くと米国の産業界は悲鳴を上げる・・。

米国の中西部や南部の労働者の支持を得て当選したトランプはこうした産業界の声を無視できないと思います。

一方で、トランプ政権の中枢にいるウォール街出身者は、ドル高を好む傾向にあります(ドル高であれば海外資金を米国に呼び込みやすい。国や企業の資金調達も有利に行え、ウォール街も潤う)。

こうしたことから、私は基本的には現在の110円~115円のレンジ相場が米国の産業界、金融界、政策当事者の各々にとって、それなりに居心地のよい相場であり、日本としてもこのレベルであればまずまずといったところではないかと思えてしまうのですが、如何でしょうか。

ちなみに先般新しく発売されたトヨタのプリウス・プラグイン・ハイブリット(グレードS)の国内の税抜価格は302万円(『こちら』)。

米国では27,100ドル(『こちら』)。

両者は微妙に違うのかもしれませんが、この2つを均等させる為替レートは111円44銭です。

もっともこれから先、いろいろなことが起こってきます。

たとえば:

①フランスの大統領選挙の結果がどうなるか

②37%と歴史的に低い支持率(『こちら』)にトランプ政権が耐え続けることが出来るのか

③トランプ政権は先週末フロリダで北朝鮮を集中討議したとのことだが、今後どうなるのか

そういった意味では不透明感が漂い続けることになりそうです。

なお詳しくは番組をご覧になって頂ければ幸いです(明日、夜9時30分より再放送)。

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