2019年3月23日 (土)

2.416%

昨日の米国市場。

世界経済の伸びの鈍化が懸念され、ダウは460ドル(1.8%)安。

ナスダック総合指数の下落はさらに酷くて2.5%の下落。

大きく動いたのは株式市場だけではありません。

10年債利回りはついに一時2.416%となり(1年2カ月ぶりの低水準)、3カ月物の利回りを下回りました。

つまり長短の金利が逆転してしまったのです(逆イールドカーブの出現)。

為替は当然円高に振れ、109円台に。

下図はここ1年間の10年債利回り推移です(クリックすると鮮明な画像が出てきます)。

2416_1

ところで話は変わりますが、現在アマゾンで予約受付中です(『こちら』)。


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2019年3月 8日 (金)

中期経営計画の呪縛

みずほFGが6,800億円の損失計上見通しを発表しました。

この結果、今年度決算見通しは、純利益が従来見通しの5,700億円から一転、9割減の800億円になる模様。

4か月前の会社説明会では、「中期経営計画の完遂」を謳っていました(『こちら』)。

それだけに、驚きの発表となりました。

そもそも改めて考えさせられてしまうのですが、「中期経営計画」(中計)とはいったい何なのでしょう。

現在では多くの日本企業(とくに上場企業)は、中計の策定に膨大なエネルギーを投入しています。

当初は中長期ビジョンを重視しようとの目的で始められた中計です。

しかし一部の企業においては、時間の経過とともに、これがマンネリ化するようになりました。

ビジョンの方は形骸化し、中計が逆に短期的視点に基づく経営の温床になってしまっているようなケースさえ見られます。

どういうことでしょうか。

多くの大企業においては、中計の策定は、本部と称される経営企画部などが大枠の方針を示し、これに基づいて各事業部が数字を積み上げていくといったプロセスを取ります。

こうしたプロセスはともすると本部の肥大化という名の「組織の官僚化」を招いてしまいます。

実際の経営は行政機関(役所)の運営のようにはいきません。

予測不能な事態の発生が不可避で、本来問われるべきは、こうした事態への対応力なのですが、多くの場合、中計ではそういった点は考慮されません。

また現在の中計は3年をスパンとする計画となっていることが多く、この場合、3年計画が細分化されて、各年毎の計画に落としこまれています。

結果、各事業部は毎年ごとの計画・目標の達成に躍起になるといった行動をとるようになります。

つまり中計といっても実際の運用上は1年計画になってしまっているのです。

余談ですが東芝では幾つかの事業部が毎年ごとの計画・目標の達成の為に不正会計を繰り返し、結果的に会社全体として不正会計の額を膨らませてしまいました。

みずほの場合はそんなことは無かったのでしょうが、もしも仮に中計の達成にこだわる余り、本来は各年毎に必要だったシステムの減損処理や店舗関係の統廃合関連費用の計上が遅れてしまい、一気に損失処理することを迫られてしまったのだとしたら、それこそ本末転倒ということになってしまいます。

(繰り返しますが、みずほの場合はそんなことは無かったのでしょう。坂井社長は、損失は構造改革を前倒しで実施するためのものと述べています)。

なお私はJ.P.モルガンなど、米国の投資銀行3社に勤めた経験がありますが、3社ともこのような中計は作成していませんでした。

日本でも京セラの稲盛氏のように中計に対して否定的な経営者も少なくありません。

それと、もう一つ。

かねてから私が思っていたことなのですが、中計は時として呪縛として働いてしまうことがあるようにも思えます。

アマゾンのジェフ・べゾスは、2016年に株主へ宛てた手紙の中でこのように述べています(『こちら』)。

「成功すれば100倍のリターンが得られる。しかし10%の確率でしか成功しないプロジェクトがあった場合、これをやるのが我々のやり方だ」

このような発想は中計に縛られた日本企業からはなかなか出てきません。

* * *

なお話が中計からは外れてしまいますが、ジェフ・べゾスのレターはなかなか面白いので、以下に関係する箇所を再現します。

彼によれば、

「アマゾンは失敗することに関しては世界で最も良い場所だ。

失敗と発明とは離れることのできない双子のようなものだ」

とのことです。

以下、原文でどうぞ。

One area where I think we are especially distinctive is failure.

I believe we are the best place in the world to fail (we have plenty of practice!), and failure and invention are inseparable twins.

To invent you have to experiment, and if you know in advance that it’s going to work, it’s not an experiment.

Most large organizations embrace the idea of invention, but are not willing to suffer the string of failed experiments necessary to get there.

Outsized returns often come from betting against conventional wisdom, and conventional wisdom is usually right.

Given a ten percent chance of a 100 times payoff, you should take that bet every time.

But you’re still going to be wrong nine times out of ten.

We all know that if you swing for the fences, you’re going to strike out a lot, but you’re also going to hit some home runs.

The difference between baseball and business, however, is that baseball has a truncated outcome distribution.

When you swing, no matter how well you connect with the ball, the most runs you can get is four.

In business, every once in a while, when you step up to the plate, you can score 1,000 runs.

This long-tailed distribution of returns is why it’s important to be bold.

Big winners pay for so many experiments.

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2019年2月27日 (水)

実はかなりの円安になっていた日本

自分が言いたかったことを、ひじょうに上手く説明している文章を読むと嬉しくなります。

本日の日経夕刊「十字路」コラム(三菱UFJリサーチ&コンサルティング五十嵐敬喜さんの記事)がそれ。

著作権などの問題で、ここにそのままアップ出来ないのが残念ですが、「平成の30年間で、名目ベースでは円高になったが、実質では逆に25%円安になった」ことを分かりやすく説明してくれています。

ちなみに下図は日銀のサイトから取ったもので、青が実質実効為替レート(右側の軸;2010年を100とするもので、下に行くほど円安)。

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これは、この間の海外物価が2.39倍になった(日本はほとんど変わらず)ことによるもので、「日本製品に対する海外の人たちの購買力は年々高まり続けてきた」(五十嵐氏)ことを意味します。

にもかかわらず、日本の輸出がさほど増えないのは競争力の低下によるもの。

「実は大幅な円安が進んでいながら成果につながっていない現実を直視すべだ」と五十嵐さんは結んでいます。

日経が手元にある方は是非ご覧になってみてください。

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2019年2月25日 (月)

NVIDIA と ソフトバンクグループ

NVIDIAという名の米国の半導体メーカー。

自動運転とかビットコインとか、何かと話題になることが多く、私もこれまで何度かブログに書いてきました(たとえば『こちら』)。

そのNVIDIAですが、昨年9月末より株価が下落基調に転じ、とうとう12月のクリスマスイブには、ピーク時の半値以下になりました(292ドル→124ドル)。

現在は少し持ち直して159ドル。

そもそもなぜこんなに下がってしまったのでしょうか。

以前にも書きましたが、理由の一つはビットコイン価格の下落です。

ビットコインの採掘者、いわゆるマイナー(mining をする人)たちは、NVIDIAのGPUを搭載した高性能コンピューターを大量に使っていました。

しかしビットコインの相場が大幅に低落。

これではマイニング業務はもはやペイしない(採算に合わない)とばかり、彼らはマイニングを諦め、使っていたNVIDIAのGPUを中古市場で売りに出しました。

もう一つの理由はソフトバンクグループ「ヴィジョンファンド」による売却でしょう。

ヴィジョンファンドがNVIDIA株を買い集めたのは、今から約2年前の2017年5月(『こちら』)。

それも半端ない株数で、総額40億ドル(約4500億円)を投入。

瞬く間に、第4位の大株主(保有比率4.9%)に浮上しました(『こちら』)。

それが一転、昨年後半には売りに転じ、オプション取引(キャップとフロアを組み合わせたcollar 取引)を駆使して、年末までに全株を売却してしまいました(『こちら』)。

当然のことながら、これはNVIDIAの株価にとって相当の下押し要因となりました。

このように孫さんに見限られた形のNVIDIAですが、私はまだ持ち続けています。

ヴィジョンファンドのようなファンドは、裏にファンドに出資してくれている投資家がいるので、一定期間内にリターンを上げなければなりません。

これに対して、個人投資家には時間的制約がありません(もちろん人によって違いはあるのでしょうが)。

購入単価も違います。

私がNVIDIA株を買ったのはこの株について最初にブログに書いたころ。

つまり2016年8月~9月なので、ソフトバンクグループのヴィジョンファンドよりも約8か月も前でした。

この結果、購入単価は60ドル前後と、ソフトバンクグループがNVIDIAを購入した単価105ドルよりもかなり低い値段で購入できています。

したがって、もう少し落ち着いた形で持っていられます。

と言っても、NVIDIAのいる業界は、食うか食われるかの熾烈な競争が支配する業界。

競争相手のインテルは153億ドル(約1兆7千億円)を投じ、画像認識用半導体のモービルアイ(イスラエル)を買収しています(17年10月)。

いったいぜんたい誰が自動運転の覇者になるのか、現時点ではなかなか予測がつきません。

ところで、話は変わりますが、孫さんによるNVIDIA株のcollar 取引のプレゼンテーション。

なかなか面白かったです。

ご関心ある方は、『こちら』の動画の14分~27分くらいのところ(計13分間)をご覧になってみてください。

一瞬、ファンドマネージャーによるプレゼンテーションを聞いているような錯覚に襲われますが、プロのファンドマネージャーによる説明よりも、ずっと分かりやすく説明してくれています。

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2019年2月20日 (水)

カリスマ経営者

昨晩出演した日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』ですが、『こちら』でその録画をご覧になれます。

Veritas

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2019年2月19日 (火)

広報部 vs. 個人投資家

今晩は日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

トピックスはカリスマ経営者。

どういった経営者がカリスマ経営者なのか、難しい定義は抜きにしても、マスコミ受けする経営者とか世間的な評判の良い経営者といった人たちは確かにいます。

個人投資家としては「そういった経営者の会社の株を買えば成功するのか」というと、これがそうでもないらしい・・・。

たとえば、かつてマスコミによって「マック(アップル)からマック(マクドナルド日本)へ」とか「本格的プロ経営者の登場」といった具合に、持てはやされた経営者がいました。

「それならば」とばかり、このとき日本マクドナルドの株を買った個人投資家は、その後、あまり上がらない株価を見て、残念に思ったのかもしれません。

日本マクドナルドの株が大化け(と言っても株価が2倍近くになっただけですが)するのは、その後に経営者となったカサノバ現社長の時です(下図)。

Photo_3

実際のところ、カサノバ社長になってマックに入ると、メニューは見やすくなったし(以前はセットメニューに誘導されるような価格表示)、細かいところで違いを感じるようになりました(あくまでも私の個人的感想ですが・・・)。

いずれにせよ、広報部がしっかりしている会社は、マスコミに上手くアプローチして社長インタビューを実現させ、カリスマ経営者のイメージを作り出します。

しかし残念ながらイメージだけでは株価は上がっていきません。

実際の収益が伴うことが必要なのです。

個人投資家としてはマスコミや世間が作り出すイメージに惑わされず、しっかりと数字を見ていくことが大切。

それともう一つ。

今晩の番組でも話したのですが、その会社で働いている人に実際に会って話を聞いてみることが意外に役に立ちます。

学生時代のクラスメートとか、社会人勉強会で友達になった人とか、誰かその会社で働いている人を探して出して聞いてみる・・・。

すると、経営者の意外な一面が分かったりします。

マスコミには外面で接することができても、同じ会社で働いている従業員の目はごまかせません。彼らは見るべきところは見ているもの。

そういった生の情報が株式投資においては重要です。

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2019年1月27日 (日)

Quantitative Tightening

先週末からのニューヨークの話題は、FRBが現在行っている量的引き締め(Quantitative Tightening)について何らかの変更が示唆されるのかどうか。

量的引き締め(Quantitative Tightening)とは、以前行われていたQuantitative Easing (QE)とは真逆の政策。

中央銀行であるFRBが自らの資産規模を縮小させることで金融引き締めを狙うものです。

量的引き締め(Quantitative Tightening)に似たような言葉で、Quantitative Easing Tapering (テーパリング;量的緩和の縮小)というものがありましたが、

Quantitative Easing Tapering (テーパリング;量的緩和の縮小)が資産増加規模を縮小させる(増加のペースを縮小させる)政策なのに対して、

量的引き締め(Quantitative Tightening)は、FRBの資産規模そのものを縮小させます。

具体的には、FRBが保有している国債、住宅ローン担保証券などが償還を迎えると、FRBはこれらの償還によって得た現金で同額の国債や債券を購入することはせずに、残高を「減るがままに」させます。

こうすることで、FRBの資産を徐々に減らしていく政策です。

FRBのサイト(『こちら』)に行くと、この辺、グラフで分かりやすく説明してくれています(ちなみに日本銀行もこのようなグラフをサイト内に作ってくれるとありがたいのですが・・)。

このグラフを再現したものが下図。

Frb_2

2017年10月から資産を縮小(4.5兆ドル→4.0兆ドル)させてきているのが分かります。

結果、市場に出回るマネーが5,000億ドル(55兆円)も減っていきますので、それなりの金融引き締め効果があったことが分かります。

この量的引き締め(Quantitative Tightening)について、『FRBが想定より早く打ち止めにして資産規模を高めに保つことも視野に議論している』と報じられました(先週金曜日、ウォールストリートジャーナル紙)。

はたしていったい、その通りになるのかどうか。

注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、今週火曜から水曜日にかけて開かれます。

こうした米国の情勢を見るにつけ、つい日本のことに目が行ってしまいます。

日本は、量的引き締め(Quantitative Tightening)とは全く無縁で、日銀による国債保有残高は着実に増加してきており、とうとう462兆円を超えるに至っています(『こちら』)。

FRBの資産残高(4.0兆ドル)を完全に抜き去っています。

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2019年1月 7日 (月)

時価総額トップ10

昨年末時点での世界企業時価総額トップ10を表にしてみました。

残念ながら日本勢の名前はなく、米企業が8社、中国勢2社。

  Top_10

10社のうち、5社までが若い企業。

この5社(アマゾン、グーグル、テンセント、フェイスブック、アリババ)は、どの企業も、設立して25年も経っていません。

一方で、ジョンソン&ジョンソンは、1886年の設立。130年以上も前です。

J.P.モルガンとチェイスが合併してできた「J.P.モルガン・チェイス」(表ではJPモルガンと表記)のルーツは、Bank of the Manhattan Company まで遡れます。

この銀行は1799年の設立。

寛政11年。十一代将軍の徳川家斉が将軍のころです。

ところで、ジョンソン&ジョンソンというと、バンド・エイドのような日用品・一般用医薬品の会社と理解している方も多いかもしれません。

しかし、利益の72%は、医療用医薬品(処方箋薬)、医療機器から来ています。

バイオテクノロジーの最先端を走っていて、とくに1999年に、セントコア社(Centocor)を合併したことで注目されました。

たとえば関節リウマチ薬「レミケード」(Remicade)という商品名で販売されている「インフリキシマブ」(抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体)。

これは、セントコア社(Centocor)合併により、ジョンソン&ジョンソンの製品群に加わっています(日本では田辺三菱製薬から販売)。

古くて伝統ある企業でも、新時代に合わせて、どんどんと新しい事業にチャレンジする。

あるいは業態転換を図る。

世界のトップ10に食い込んでいくには、こうした姿勢が必要です。

『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である』

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2019年1月 2日 (水)

年明けの相場

新年は下落とともに始まる模様。中国経済の状況を懸念。ドル円も一時は108円70銭に。

詳しくは『こちら』

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2018年12月30日 (日)

トランプのツイート

8時間前にトランプがツイートしました。

『Just had a long and very good call with President Xi of China. Deal is moving along very well.

If made, it will be very comprehensive, covering all subjects, areas and points of dispute.

Big progress being made!』

自画自賛の感もありますが、月曜日のニューヨーク市場はポジティブに反応すると思います。

早速、ロイターやCNBCが

『Trump hails call with China's Xi, says trade talks are making good progress』

と報じていました。

詳しくは『こちら』をどうぞ。

もちろん中国に関する本質的な問題は、おそらくは解決しないのでしょうが・・。

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