2020年6月19日 (金)

時価総額が世界最大の自動車会社

世界最大の自動車会社は?

販売台数ではトヨタとフォルクスワーゲンが鎬を削っています。

今年4月のデータでは、トヨタ・グループがフォルクスワーゲン・グループに競り勝ち、トップに立ったのだとか(『こちら』)。

ところで株式市場による評価という観点では如何でしょう。

市場はどの自動車会社をもっとも価値があると見ているのでしょうか。

市場の「評価」という観点では、一般に「時価総額」という指標が使われます。

時価総額とは「株数」×「発行済み株式総数」で現わされる指標。

市場で全株を買うのに要する金額であり、その会社を買うのに必要とされる金額のことです。

もっとも実際の実務では、現在ついている株価で全株を買うのは不可能です。

どんどんと買い進めていくうちに株価は上がってしまうからです。

また法律上、全株を買うにはTOB(Take Over Bid)の手続きを取らざるをえず、そのときの値段は現在ついている株価よりも高くなるのが一般的です。

それでも「株数×発行済み株式総数」であらわされる「時価総額」という指標は、市場が評価する会社の価値として使い勝手の良い数字であり、幅広く使われています。

なお時価総額の算出に際しては、一点、注意が必要です。

それは、算出に際して自己株式を除外するという点です。

現在、多くの企業では自分で自分の会社の株をある一定の範囲内で買うようなことをしています(自己株式の取得)。

自己株式の取得とは、いわば自分で株を発行して資金を調達して、その資金で自分の株を買うという行為。

従って、時価総額を計算する際には、自己株式を除いた形での発行済み株式の数字を使います。

つまり「時価総額」=「発行済株式総数(自己株式を除く)」×「株価」で算出します(『こちら』)。

さて本題に戻りましょう。

時価総額が世界最大の自動車会社はどこでしょうか。

少し前まではトヨタでした。

トヨタの時価総額を算出してみましょう。

発行済み株式数 3,310,097,492株【A】

うち自己株式等 480,379,800株【B】

(注)データはトヨタの「2019年12月 第3四半期」報告書(2019年9月30日現在の数字)

よって自己株式を除くベースの発行済み株式総数は、【A】-【B】= 2,829,717,692株

時価総額は、これに株価(6,851円;6月19日終値)をかけて、19.4兆円。

一方で、テスラは(自己株保有がないので)、1,866億ドル(19日、NY時間10時の株価をベース)。

為替レート106円80銭でかけると:

19.9兆円。

そうなのです。

現時点では、テスラの方がトヨタよりも時価総額が高くなっています(『こちら』)。

ちなみにフォルクスワーゲンはもっとずっと下です。

1位テスラ、2位トヨタ。

このところ数日間、こういった状況が続いています。

2019年の1年間でテスラは、367,500台のクルマを販売しました(『こちら』)。

それに対して、トヨタは、9,714,253台を販売(『こちら』)。

日野、ダイハツを含めれば、トヨタ・グループとして、10,742,122台を販売(『こちら』)。

テスラの29倍です。

もちろん販売台数の多寡と企業の価値は直接的にはリンクしません。

薄利で(あるいは損失を出してまでして)数多く販売しても株式市場は評価しないのです。

それにしてもテスラが世界最大の時価総額を持つ自動車会社であることに対して、何となく納得できないという人もいるかもしれません。

これは(1)テスラにはそれだけの将来性があるのか、あるいは(2)市場の評価が間違っていて早晩是正されるのか、

この2つのうちのどちらかです。

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2020年5月24日 (日)

パウエル議長「年の後半には良くなる」

多くの米国人が共感したFRBパウエル議長の発言。

CBS「60 MINUTES」に出演したときの発言です(5/17放映)。

インタビューアーの質問に対して、真摯にそして誠実に答える姿が印象的でした。

以下、主な発言事項。

『今回は(大恐慌時と比べて)根本的な違いが幾つかある。

1つ目は、その原因だ。2か月前、我々の経済はひじょうに健全だった。

今回の原因は外部要因であり、事実上自然災害と言ってもいい。

これが大きな違いの1つだ』

There're some very fundamental differences. The first is that the cause here-- we had a very healthy economy two months ago. And this is an outside event, it is a natural disaster, in effect. And that's one big difference.

『1920年代の大恐慌、つまりクラッシュ(墜落・激突)が起こったとき、金融システムは完全に失敗してしまった。

今回、我々の金融システムは強力で、この危機に耐えることができている。

というのもリーマンショック以来、我々は過去10年間、金融システムを強化してきたからだ。

これが大きな違いだ』

In the '20s when the Depression, well, when the crash happened and all that, the financial system really failed. Here, our financial system is strong has been able to withstand this. And we spent ten years strengthening it after the last crisis. So that's a big difference.

『さらに、私が言いたいのは、1930年代の政府の対応だ。

当時各国の中央銀行は金本位制度を維持するために政策金利を引き上げようとした。

これは本来やるべきことと正反対のことだった』

In addition, the last thing I'll say is that the government response in the '30s, the central banks were trying to raise interest rates to keep us on the gold standard all around the world. Exactly the opposite of what needed to be done.

『年後半には経済が回復し始めること、つまり年後半には失業率が下がり、経済活動が改善していくであろうということは、私は無理のない想定だと思う』

 I will say that it's a reasonable assumption that the economy will begin to recover in the second half of the year, that unemployment will move down, that economic activity will pick up.

『長い目で見れば、米国経済は回復する。

(ダウが史上最高値となった)2月の状態に戻るだろうし、それ以上のところに到達するだろう。

この点についてはひじょうに自信がある。

しかもそういった点に到達するのに、そんなに長い時間はかからない。

もちろんある程度の時間はかかるだろう。

今回の危機を切り抜けるためには我々はお互い助け合う必要がある。

そして我々はそうするだろう』

So in the long run, I would say the U.S. economy will recover. We'll get back to the place we were in February; we'll get to an even better place than that. I'm highly confident of that. And it won't take that long to get there. It will take some time to get there. So I think we're going to need to help each other through this. And we will.

* * *

インタビューの全文は『こちら』でお読みいただけます。

なおパウエル議長のインタビューの模様も(抜粋ですが)上記サイトでご覧いただけます。

ちなみにパウエル議長の今回の危機に対しての行動を高く評価する人が多く、

先日スタンフォード大学から送られてきたNicholas Bloom 教授のWebcast(『こちら』)でも迅速・果敢な議長の行動を高く評価していました。

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2020年5月21日 (木)

目標株価

『モルガン・スタンレーのブライアン・ノワク(Brian Nowak)がアマゾンの目標株価を2,500ドルとした』

このニュースが伝わったのは、2018年8月29日。

このときアマゾンの前日引け値は1,932ドルでした。

多くのアナリストが当時アマゾンの目標株価を2,000ドル~2,300ドルの範囲に設定していました。

こうした中での強気な目標。

ブライアンのレポートは市場で話題をさらいました(『こちら』)。

しかし「その後のマーケットは」というと・・。

2,000ドルを上回ることもありましたが、一方で1,400ドルを切ることもあり、

必ずしもブライアンの予想した Target price に向かって一直線に進んできたわけではありません。

Amzn

それでも1年と9か月後。

昨晩のニューヨークではアマゾンがついに2,500ドルに到達(After Hour では 2,501ドル)。

* * *

いまから20年近く前ですが、私が投資銀行にいた時も、目標株価が良く当たる「スター・アナリスト(Star Analyst)」がいました。

彼はForbes や Fortune といった雑誌によく特集記事を掲載され、機関投資家の注目も浴びていました。

発行会社(注:株式の発行会社)からは、自分たちのことをよく理解してもらいたいとばかり、CEOからも「ぜひ彼とのアポを入れて欲しい」と依頼が来るといった状況。

彼とは何となく馬が合い、一度、招かれて、彼の家に遊びに行ったことがあります。

サンフランシスコの中心部からクルマで15分ほどのところで、

サンフランシスコ市内としては珍しく大きな家。

自分の家の中に専用のジムを持っていたのが記憶に残っています。

彼は今ごろどこで何をしているのだろう。

モルスタのブライアン・ノワクのことを書きながら、ふと昔のことを思い出してしまいました。

* * *

ところでアマゾンの株価ですが、

最近では目標株価を3,000ドルとするところも出てきています(『こちら』)。

しかしこういった目標株価を見るときに重要なのはアナリストのトラックレコード(これまでの成績)。

トラックレコードを調べて、そして出来れば実際にレポートを読んで、自分なりの Conviction にたどりつくことが重要です。

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2020年5月19日 (火)

モデルナのワクチン初期治験

このところの株式市場は『モデルナのワクチン初期臨床治験』報道を受け大きく上昇しています。

  Moderna

   (上図はモデルナ社のウェブサイトのスクリーンショット)

ソフトバンクなど個別企業の決算や1~3月期のGDP等に関しても報道されましたが、

市場が一番関心を寄せたのが、そしてマーケットに最もインパクトを与えたのが、モデルナのニュースでした。

* * *

先日、宮沢先生の動画(『こちら』)を見ていたら、

『新型コロナの場合、完全に効くワクチンの開発はなかなか難しいかもしれない』

『エイズウイルスの場合も感染すると一生涯感染している』

といった内容のコメントがありました(動画で45分30秒~47分30秒のところ)。

たしかに、エイズウイルスに対するワクチンを開発しようと、

世界各国で30年以上にもわたって努力が続けられていますが、

なかなか有効なワクチンが開発されるには至っていないようです(『こちら』)。

* * *

今回のモデルナのワクチンがそういった難しさを克服するものであれば、Big News です。

期待しつつも、一方で慎重に見極めていく、といったスタンスも必要かもしれません。

ところで、新型コロナウイルスに関し、いろいろな情報がネット空間を飛び交っていますが、

私が参考になると思うのは、上記の宮沢先生のツイッター(これまでにこのブログで何度か紹介しました)や動画と、

 スタンフォード大学博士研究員(免疫学)の新妻耕太さんのYouTube動画。

新妻さんは幾つも動画を出されていますが、まずは第6回(『こちら』)、第7回(『こちら』)あたりをご覧になってみてば如何でしょう。

第9回(『こちら』)も参考になります。

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2020年5月12日 (火)

中銀、禁断の領域へ

昨晩出演した日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』ですが、『こちら』でご覧いただけます。

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2020年5月11日 (月)

七面鳥の千と1日の歴史

今晩は日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

FRBや日銀、ECBなど先進国の中央銀行は大胆な金融政策を展開。

コロナ危機で傷ついた経済を少しでも修復しようと努めています。

とくにFRBはこの2か月間で資産規模を約6割も増加させました。

2兆ドルにも及ぶ米連邦政府のCARES Act(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act)と相俟って、

市場にはポジティブな空気が行きかうようになりました。

結果、先週のナスダック指数は昨年末を上回る水準に・・。

PERで見ても27倍とかなりの高値圏に位置するようになりました。

マーケットが一時恐れていた2番底は、

もはや「遠い過去の心配ごと」となってしまったのでしょうか。

ちなみにダウ平均で見ると、

2月12日の29,551ドルをピークに下落が始まり、

マーケットは3月23日には18,591ドルを付けます(▲37%)。

これがいちばん底。

その後、基調としては上昇に転じ、

現在は概ね底値(18,591ドル)から「半値戻し」(24,071ドル)に近い水準(24,331ドル)にあります。

もはやマーケットのセンティメントとしては「2番底、どこ吹く風」ですが、

私は必ずしも楽観していません。

* * *

ニコラス・タレブの「ブラック・スワン」に感謝祭前後の七面鳥の話が出てきます。

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毎日、エサをくれる人間。

七面鳥にとっては有り難い存在です。

「昨日のエサは、その前よりも少し多かった。だから今日のエサの量は、このくらいかもしれない」

七面鳥はそんな予測をしていたのかもしれません。

そして1000日と1日目が感謝祭前日の水曜日でした。

1000日にわたる過程の積み重ねも、次の1日についてはまったく何も教えてくれません。

タレブは「私は七面鳥になりたくない」と綴っていましたが、

七面鳥にはどんな運命が待ち受けているか、自分では分からないのです。

これから先の株式市場。

2番底が来なければ、それに越したことはありません。

しかし来るかもしれない・・。

たとえ頭の片隅であってもその可能性を意識しながら、マーケットと接していきたいと思います。

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2020年5月10日 (日)

619兆円 vs. 717兆円

ここ2ヶ月間のFRBと日銀の資産増加の状況を比べてみました(統計の関係で日にちが僅かにずれます。どちらの日も106円60銭でドルを円に換算しています)。

【1】日銀

2月29日 585兆円

4月30日 619兆円

2ヶ月間で5.8%の増加

データは『こちら』及び『こちら』

【2】FRB

3月2日 452兆円

5月4日 717兆円

2ヶ月間で58.6%の増加

データは『こちら』

FRBの資産増加ペースが凄いのはグラフにしてみるとよく分かります。

Frb

上は2007年以降の図なのですが、右端がほぼ垂直のように跳ね上がっています。

結果、FRBの資産残高は、この2ヶ月間で日銀をあっという間に抜き去ってしまいました(2ヶ月前はFRBは日銀の77%、2か月経った最近時では日銀の116%)。

最近時の米国株価は比較的堅調(ダウのPER21倍)です。

米国の失業率が14.7%になっても、比較的堅調な株価になっているのにはこうした要因も作用しているものと考えられます。

もちろん為替が円高に振れてきている背景にもFRBのアグレッシブな資産増加があります。

* * * 

そもそも何故FRBはそこまで大胆に積極果敢な金融政策を展開するのでしょうか。

FRBと日銀の間ではその設立に際して与えられた目的に差があります。

FRBの目的は(1)雇用の極大化、(2)物価の安定、(3)穏やかな(適度な)長期金利の3つ。

(to promote effectively the goals of maximum employment, stable prices, and moderate long-term interest rates)

詳しくは『こちら』および『こちら』

 12 USC 225a. As added by act of November 16, 1977 (91 Stat. 1387) and amended by acts of October 27, 1978 (92 Stat. 1897); Aug. 23, 1988 (102 Stat. 1375); and Dec. 27, 2000 (114 Stat. 3028)

一方、日銀の場合は、物価の安定です(日本銀行法第2条;『こちら』)。

つまりFRBにとっては雇用の極大化が大きな使命であり、コロナ禍で失業者が増大している際には大胆な政策を取ることが要請されるのです。

もう一つ。

FRBと日銀、この両者の資産を絶対レベルで比較してもあまり意味ないかもしれません。

GDPに対する比率で見れば、日銀の資産の方がはるかに巨大だからです。

別の角度から見ると、日銀の資産はすでにじゅうぶんストレッチしてしまっている・・。

だからFRBのように思い切った政策を取りにくいといった側面もあるのかもしれません。

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2020年5月 6日 (水)

バークシャー・ハサウェイ株主総会

4時間半にわたる株主総会。

89歳のバフェットがほとんど一人でずっと話していました。

私はここ数年何らかの形でこの株主総会を見てきましたが、今年はやや異例に感じました。

「アメリカの未来は明るい」

「Never bet against America(将来アメリカがダメになるといった賭けをするな。そんなポジションは取るな)」

というのは、いつも通り。

今年が違うのは、これから先1年後くらいまでの見通しに対してバフェットが極めて慎重であったこと。

「Anything can happen(なんでも起こり得る)」

「Be careful about how you bet(ポジションを取るにしても注意した方がいい)」

「Market can do anything(市場ではどんなことでも起こり得る)」

といった言葉が何度も出てきて、

私はバフェットが実のところ、この先1年くらいまでをかなり悲観的に見ているのではないか

と個人的に感じました(あくまでも私の個人的感想です)。

総会の締めくくりの言葉も

「We may have unpleasant surprises, but never bet against America(この先、嫌な驚きがあるかもしれないけれど、アメリカがダメになるとの方向に賭けるな)」

でした。

4時間30分に及ぶ総会は『こちら』の動画で見れます。

動画の最初15分間はただ画面が止まっているだけ(下の目盛を動かして飛ばしてください)。

総会が始まるのは61分くらいから。

5時間28分くらいまで続きます。

それにしても全てがオンラインで行われた株主総会。

日本の会社法でもオンライン形式による株主総会が可能なのでしょうか。

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2020年4月29日 (水)

グーグルの1-3月期決算

グーグル(正式名称アルファベット)の1-3月期決算が日本時間29日の早朝に発表されました。

売上高(1-3月の3ヶ月間)412億ドル

(前年同期比+13%)

事前の市場予測(コンセンサス)は410億ドル。

Operating income 7,977百万ドル 

(前年同期比+21%)

(ただし Non-GAAP ベースでは ▲4%)

グーグルの決算を見る上では、GAAPベースと、Non-GAAPベースの両方に目を配る必要があります。

GAAPベースとは、Generally Accepted Accounting Principles の略。

「一般に(公正妥当と)認められた会計原則」を意味します。

グーグルの場合、前期決算において1,697百万ドルもの制裁金が欧州委員会によって課せられました。

このため前期決算はかなり悪化。

この悪化された前期と比較する(GAAPベース)と、今期のOperating incomeは+21%になります。

しかしそれでは本当の意味での「会社が稼ぐ力」を比較したことにはなりません。

そこで投資家は「前期に仮に制裁金が課せられなかったとした場合のケース」と比べて、今期の収益力を判断します。

その方が会社としての、より的確な収益力比較が出来ると考えるからです。

つまりNon-GAAP ベースの数字をより一層重視するわけであり、

その観点からするとグーグルのOperating incomeは前年同期比▲4%ということになります。

もう少し、決算を見ていきましょう。

1株当たり利益(EPS)9.87ドル

(前年同期比+4%)

(ただし Non-GAAP ベースでは ▲17%)

事前の市場予測(コンセンサス)は10.73ドル。

* * *

つまりグーグルの決算を一言で要約すると、

売上は予想以上に伸びたけれども、利益は事前予想と比べても前年同期と比べても期待外れ。

しかし市場はこの決算を好感し、グーグルの株価は After Hours の trade で8%も上昇。

もともと広告収入に頼るグーグルの決算は

新型コロナウイルス危機でかなり落ち込むこともあり得る

と考えられていました(事実、利益で見ると落ち込み)。

しかし投資家が注目したのは売上の中身。

やはり、というか、Stay Home の影響で、YouTubeを見る人が増えました。

YouTube広告は

前期3,025百万ドル

今期4,038百万ドル 

(前年同期比+33%)

もう一つ。

リモートワーク(つまり会社に通勤しない)が増えて、

クラウド・ビジネス全般に追い風になっています。

その結果、グーグルのクラウド収入は

前期1,825百万ドル

今期2,777百万ドル 

(前年同期比+52%)

グーグルは四半期ごとのguidance(今後の見通し)を発表していませんが、CFOの Ruth Porat は

 “Performance was strong during the first two months of the quarter, but then in March we experienced a significant slowdown in ad revenues.”

(1-3月期で、1-2月は良かったが、3月に入って広告収入がガクンと落ち込んだ)

と発言。

更に続けて、

“We are sharpening our focus on executing more efficiently, while continuing to invest in our long-term opportunities.”

(長期的な視野にたって投資を続けていくが、同時に更なる効率性を追求していく)

なおグーグルが発表した決算は『こちら』でご覧ください。

* * *

日本時間の明日、早朝には、マイクロソフトが1-3月期決算を発表。

アップルとアマゾンは、日本時間の明後日(金曜日)早朝に決算を発表します。

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2020年4月24日 (金)

ギリアド・サイエンシズ

昨日の米国株市場はまたしてもコロナ市場とでも言うべきものでした。

ギリアド・サイエンシズのレムデシビルの効果を疑問視する中国の治験報告書の草稿がWHOのミスで誤って公開されました。

このニュースに反応し、ギリアドのみならず米国の株式市場が全般的に下落。

その余波は本日の日本株市場にも波及しました。

中国の治験は、患者237人を対象としうち158人にレムデシビルを投与、投与者と非投与者との間で有意な差が認められなかったというもの。

ニュースに対して市場は大きく反応しましたが、後になって、中国とWHOという組み合わせで政治的な臭いも感じるといった反応も・・。

少なくとも米国の株式市場関係者の間ではコロナの治療薬として最も期待されていたのがレムデシビルです(日本のアビガンに関しては残念ながら米国マーケットはあまり反応しません)。

時として人類最後の砦とさえも言われ期待されてきたレムデシビルがもし効果ないとすると「絶望」といった言葉さえチラつきます。

そう言った意味で、中国・WHOのニュースは米国株式市場全般を大きく下げるほどのインパクトに繋がりました。

なおギリアドのChief Medical OfficerであるMerdad Parsey博士( MD、PhD)は下記の通り声明文を発表(クリックすると大きくなります)。

Gil

ウォール街の雰囲気も現在では、

「前回発表されたシカゴ大学でのデータのみならず、米国での治験データがこれから先、月末にかけて続々発表されるはず。

もう少し落ち着こう」

といったものに変わりつつあります。

希望の灯はまだ消えていません。

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