2017年2月15日 (水)

iPhone 8

Apple が Samsung Display から iPhone 8 用に有機ELを購入するとの契約をしたと報じられ、Apple の株価は史上最高値を更新しました(『こちら』)。

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上の写真は有機ELの特性を示すために、Samsung Display社の写真をInvestor's Business Daily News が掲載したもの(『こちら』)ですが、 iPhone 8 では有機ELを使うことにより、エッジのところまで画面がくるとか(画面が包み込むようになるイメージ)、

手のひらにフィット感を持たせるような若干のまるみを持ったデザインになるかもしれません(『こちら』のサイトのコンセプト動画の2つ目)。

株価が史上最高値になったからといっても、これは自社株買いの影響で株数が減っているため。

時価総額では2年前の方が高かったし、会社の当期利益も1株当たり利益(EPS)も2年前に比べれば見劣りします(『こちら』)。

またApple の株を昨年末買い増ししたバークシャーは現在8800億円相当( $7.74 billion)のApple の株を持っているとか(『こちら』)。

これはApple 全株の約1%に当たるのだとか・・。

Apple だからこそ、いろいろな話がニュースになって報じられますが、はたして iPhone 8 はいったいどんな製品となって市場に登場するのか・・。

今年は初代 iPhone が登場してから10周年にあたります。

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2017年1月29日 (日)

後継者育成システム

東芝と言えば、かつては経団連会長を輩出する日本の名門企業だったのですが、今や苦境に立たされています。

企業はある種、生き物なので、どこかの時点でDNAの断絶が起きると、途端に元気をなくしてしまいます。

ソニーにしても井深、盛田の両氏のあと大賀氏くらいまでは創業者のDNAが受け継がれたのですが・・・。

いま米国ではアマゾン、グーグル、フェイスブックなどが好調ですが、それも創業者が会社を牽引しているから。

アップルはジョブズからクックへの transition が比較的上手くいったようですが、それでも(ジョブズが亡くなって6年近くたった今でも)「今ジョブズがいたら」といった声がときおり聞こえてきます。

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日本では、

「初代が創業して二代目で傾き三代目が潰す」

などと言われることがありますが、

ファミリー企業に限らず、大企業であっても

創業者のDNAをどう受け継ぎ発展させるか、

そして、そのための後継者育成システムをどう作り上げるか、

が大きな課題です。

タイの財閥、サハ・グループはティアム・チョクワタナー(1916~1991)が創業しました。

サハ・グループは二代目で飛躍的な発展を遂げたことでも知られています。

今ではタイ国内に約300社を有し、このうち20社をタイ証券取引所に上場させています。

ワコール、ライオン、ミズノ、日清食品、ローソンなど日本企業約80社とも合弁事業を展開しているので、サハのことをご存知の方も多いかもしれません。

創業者ティアムは六男二女の子供に恵まれましたが、二代目をどう選び、どう後継者として育成していったか・・・。

本日発売の日経ヴェリタス紙のコラム『Money Never Sleeps』にはその辺のことを書きました。

宜しかったらご覧になってみてください。

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2017年1月23日 (月)

アプレンティス

以下、トランプが2006年に書いた著作から。

『90億ドル(約1兆円)を抱える負債を抱えていたある日、深夜午前3時に私はシティバンクから呼び出しを受けた。

借金をしている海外の銀行に電話をかけ、交渉しろというのだ。

その日は激しい雨が降っていた上、タクシーを捕まえることができなかった。

銀行までの15ブロックを歩いて行く間、私は断頭台に向かってるような心境だった。

たどり着いたときにはずぶぬれになっていた。

落ちるとこまで落ちた、という気分だった』(ドナルド・トランプ著『TRUMP 101』;邦訳『トランプ最強の人生戦略』237頁)

* * * * * *

私が最初にトランプの名を知ったのはニューヨークで 破綻しかけていたCommodoreホテルを彼が買収した時(1977年)。

彼はそれをグランド・ハイアット・ホテルとして蘇えらせます(1980年)。

ニューヨークのグランド・セントラル・ターミナルに隣接するこのホテルには、私自身、何度か泊ったことがあります。

外観は良いのですが、部屋と部屋の間の壁が薄くて、隣部屋のテレビの音などが聞こえてしまい、寝にくかったのを覚えています。

ただこのホテルが生まれ変わったことにより、それまではどちらかというと、荒廃していたこの地区がよみがえったことは事実でした。

* * * * * *

私がシカゴに駐在していたころ(1983-87年)は、興銀はまだ米国の不動産融資の経験がほとんどなく、地元銀行のファーストシカゴに教えてもらいにいったのを思い出します。

construction financing とは何か

bridge loan とは?

permanent financing とは?

といった具合にそれぞれのチェックポイント(基本はすべてcash flow で見るということなのですが)について時間をかけて懇切丁寧に教えてもらいました。

とくに驚いたのは、「cash flow を引く上では、どのテナントがどういった条件で入るかがポイントになる。といってもテナントが全部決まっていることなんて通常ない。要は、近隣のビルのテナントをこちらに引き抜くことが必要になる訳だが、その場合、近隣ビルのテナントがどういったリース契約を結んでいるかを知らなくてはならない」とのコメント。

不動産ビジネスはテナントの取り合いでもあり、勝つか負けるかの厳しい戦いの世界であることを知りました。

* * * * * *

そんな業界にいたトランプ(注:ただし「テナントの取り合い」とは商業用不動産についての話。トランプの場合は商業用不動産のみならず、ホテル、コンドミニアム、カジノなど幅広く手を出していた)。

その彼を一躍有名にしたのがアプレンティスというテレビ番組。

百聞は一見にしかずなので、この番組の名場面集を集めた7分間強の 『こちら』 の動画を最初の2~3分間だけでもご覧になってみることをお勧めします。

* * * * * *

You are fired(お前はクビだ)と告げる番組の内容とは裏腹に、トランプは先ほどの本の中でこんなことも語っています。

『腹を立てているときや、他の従業員が見ているときにクビを言い渡してはならない。 

相手の挑発に乗ってかんしゃくを起こしては負けである。 

ムカムカしてきたときは、すぐその場を離れることだ。 

どこか別の場所に行って、頭を冷やせ。 

すっかり落ち着きを取り戻したら、客観的なアドバイスをしてくれる相手と、状況を話し合うこと。 

どう処理すべきかプランを立て、弁護士と一緒に検討しよう』(上掲書58頁)

* * * * * *

いずれにせよ、これから世界はトランプ大統領によってかなり動揺させられることになりそうです。

トランプの掲げる米国第一主義は保護主義に繋がりうるものであり、こうした保護主義に対しては、相手国も保護主義で対抗してきます。

つまり結局は米国にもデメリットをもたらすものです。

しかし一見したところでは、(やっかいなことに)デメリット以上にメリットの方に目が行ってしまいがちです。

たとえば保護主義で、自動車メーカーがメキシコに工場を建てて米国に輸出してくれば、高率関税をかけると脅す・・・。

その結果、自動車メーカーがメキシコの代わりに米国に工場を作れば、雇用が何万人も増えるというのは、見えやすいメリットです。

(メキシコの対抗措置はメリットに比べれば、さしたる問題とされない可能性があります)

すでにトランプは、2,500万人の雇用創出を打ち出しています。

* * * * * *

経済・金融の分野に目をやると、リーマンショック直後に発足したオバマ政権は経済を立て直し、再びこうした危機に陥らないよう安全運転に終始しました。

たとえば2010年夏に成立した米国の金融規制改革法(ドッド・フランク法)。

これにより銀行はボルカールール(銀行の市場取引規制ルール)を課せられ、2015年7月以降、この遵守が全面的に求められるようになりました。

具体的には、銀行の自己勘定取引に制限がかけられるようになったのです。

トランプ政権は、こうした規制についてもこれを撤廃する方向で見直す可能性があると考えられています(『こちら』『こちら』、および『こちら』)。

* * * * * *

1%対99%といった形で形容されるほど米国の格差問題は深刻を極め、そうした人々の不満を上手にすくい取ったのがトランプ大統領でした。

しかし保護主義、分断主義によって、世界的に政治的、経済的リスクが高まってしまうとすると、我々はトランプラリー(トランプ政権で株高になる)などと呑気なことは言ってられなくなります。

* * * * * *

今晩 21:30〜21:45に日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演します。

トッピクスは、『トランプという現実~政権始動、米国第一の光と影』です。

よろしかったらご覧になってみてください(再放送は25日、水曜日の同時刻)。

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2017年1月17日 (火)

米国の不動産業界:「相手に自分を信頼させたら勝ち。信頼させられたら負け」

大統領就任式を数日後に控え、日本でも、新聞、雑誌などいろいろなところで、トランプ評を目にします。

その中で一読の価値があるなと思ったのは、昨年12月9日発売の月刊「文藝春秋」に記載されていた神谷秀樹氏の記事。

『トランプの駆け引きに惑わされるな』と題する記事なのですが、前半の3分の1くらいまでは『こちら』で無料でご覧になれます。

残り3分の2については1ヶ月以上前の雑誌ですので、図書館で読むかアマゾン(『こちら』)などで買うしかないのですが。。。

なお前半部分だけでも、

『もしトランプが公約通りに輸入品に対して高い関税を課し、移民受入れを減らし、大幅な減税を行い、その一方で一兆ドルに上るインフラ投資をしながら軍事支出も増やすならば、長期金利は高騰し、債券投資家は空前の大損をするだろう(当選後二週間だけで長期金利が〇・五七%上昇し、債券投資家は一・八兆ドル損をした)』

と、日本ではあまり語られていないコメントが目を引きます。

表題の『相手に自分を信頼させたら勝ち。信頼させられたら負け』とは、神谷さんのこの寄稿文の終わりの方に出てくるのですが、この言葉は米国の不動産業界で語られている格言だとか。

この格言が生きる世界で成功を収めた「元不動産王」とはいったいどんな人物なのか。

ゴールドマンで不動産業界との付き合いが深かった神谷氏。

【注】神谷氏はその昔、ロックフェラーセンターの買収に際して、ゴールドマンサックスにいて三井不動産のアドバイザーだったと言います(『こちら』;このときは結局は三菱地所が高値で買収しましたが)。

そんな神谷氏の見立てだけに一読に値する記事となっています。

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2016年12月22日 (木)

今年の会社

NVIDIA社については9月に日経CNBC日経ヴェリタストークでも詳しくお話しし(『こちら』)、その後11月のブログ(『こちら』)でも取り上げました。

そのNVIDIA社が、米国版「ヤフー・ファイナンス」が選ぶ『今年の会社』(Company of the Year)に選ばれました。

『こちら』で約5分間の動画がご覧になれます。

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2016年12月 6日 (火)

レジの無いスーパー

買ったものを自分で精算するセルフレジはGUなどでも見られるようになってきました。

ところが、アマゾンが昨日オープンさせたスーパーは、レジでの精算手続きさえもいっさい必要のない、そもそもレジが無いスーパーだったものですから、全米の話題を呼ぶことになりました(『こちら』)。

レジが無いスーパーとは、棚に商品が陳列されているだけで、消費者は棚から欲しいものを取って、自分のカバンやバッグに入れ、店を出るだけ。

「まるで万引きをしているような感覚」とは上記のロイター記事ですが、店に入る時にスマホのアプリを起動してチェックインし、棚から商品を取るたびにスマホ上で何をピックアップしているのかが分かる仕組み。

と書いても、実際には分かりにくいかもしれません。

百聞は一見にしかずなので、『こちら』 で1分49秒の動画を見て頂くのがいちばん分かりやすいと思います。

昨日オープンしたこの店は当面のところアマゾンの従業員のみが使える実験店舗ですが、来年早々には誰でも使えるようになるとのこと。

レジ自体がなくなると、ますます人間が働く場所が減っていってしまうことになりそうです。

ところでこの「レジの無いスーパー」、名前はAmazon Go と言うんだそうです。

ポケモンGOがヒットしたことに影響されてこの名前になったのでしょうか・・。

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2016年12月 1日 (木)

レガシー

小池都知事がよく使ってきたレガシーという言葉。

ウェブスターによると、

something transmitted by or received from an ancestor or predecessor or from the past

とのことで、要は「前の代が残したもの」、「遺産」という意味。

とくにポジティブとかネガティブといった、どちらかに偏った意味合いはないようです。

ちなみにオリンピック憲章には、

to promote a positive legacy from the Olympic Games to the host cities and host countries

と記されています(『こちら』の19頁)。

Photo

    (アウトバーン;From Wikipedia)

ドイツのアウトバーンを車で走ったとき、運転しているドイツ人が

『アウトバーンはヒトラーのレガシーだ』

と話していました。

企業でも前の経営者が残してくれたレガシーによって現在の発展があるということがよくあります。

任天堂が昨日発表した「マリオ」などのキャラクターと遊べるテーマパーク。

これをUSJ(大阪)や米国ユニバーサル・スタジオ(フロリダとカリフォルニア)内に作るという話ですが、これはそもそも任天堂が2015年5月に米ユニバーサル・パークス&リゾーツ(UPR)との提携を発表し、以降開発を進めてきたもの。

まさに岩田前社長のレガシーと言えるでしょう。

ポケモンGOも、今から2年以上も前から岩田前社長がプロジェクト実現に強い期待を寄せていたと言います(『こちら』)。

前社長の残したレガシー。

あまりに若くして亡くなられた経営者のことを思うと残念でなりません。

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2016年11月17日 (木)

2ヶ月間で50%

日経ヴェリタストークなどのテレビ番組や講演会などで比較的よく聞かれる質問は、「どの株が上がるか」、「為替はどうなるか」といったものです。

こうした質問に対する安全な答えは

「そんなことは分からない、相場がどう動くか分かれば誰でも大儲けできる」

と言って正面から答えないこと。

しかし私は極力自分の考えていることを発言するようにしています(「間違ってしまったらすみません。しかしその時は私も損しています」といったスタンスです)。

2ヶ月ほど前に日経ヴェリタストークに出たとき。

番組冒頭の質問は、

「IoT時代に岩崎さんが一番注目している(一押しの)銘柄は何か」

というもの(『こちら』)。

私は「NVIDIA」と答えました。

この会社の株価はすでにかなりの勢いで上がってきており、この時点で7かヶ月前に比して2倍になっていました。

「ちょっと無謀な発言だったんじゃないか」

テレビを見て、わざわざ電話で忠告してくれる友人もいました。

しかし会社が11月に入って発表した決算は市場予測をさらに上回るもの(『こちら』)。

結局2ヶ月前にテレビで発言したとき(9月12日、60.75ドル)に比して、50%ほど高い91.63ドルになって昨日引けています。

「ほっとした」というのが正直な感想です。

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2016年11月11日 (金)

シリコンバレーからピオリア(Peoria)へ

ダウ平均株価は史上最高値を更新し続けています。

しかし米国の株式市場は、その中身をよく見てみると、上がるものと下がるもの、かなり大きな違いを示しています。

ダウは2日間で475ドルも上げましたが、昨日のナスダックは▲0.8%の下落。

足を引っ張っていっるのは、アップル(▲2.8%)、グーグル(▲3.1%)、アマゾン(▲3.8%)、フェイスブック(▲1.9%)など。

カッコ内は昨日の下落率です。

これは選挙期間中、シリコンバレーの多くの企業がヒラリーを支持し、これに対してトランプが

「アマゾン(本社はシアトル)は独禁法違反の疑いがある」とか

「アップルはもっと米国内で製品を作る必要がある。さもなければ不買運動をする」

などと発言してきたからです。

一方で、トランプは公共投資を活発化させると繰り返し発言してきました

(彼らしく分かりやすい言葉で、「我々は橋を作る、道路を作る、トンネルや鉄道を作る、港湾や空港も作る」と発言)。

ということで、例えばキャタピラーの株価はこの2日間で10.4%も上がっています。

マネーは「シリコンバレーからピオリア(イリノイ州Peoria;キャタピラーの本社がある)へ」と動きました。

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2016年11月 6日 (日)

36年ぶり

米国の株価指数S&P500が9日連続で下落した。

これは1980年12月以来。実に36年ぶりの記録ということらしい(『こちら』)。

先週金曜日の朝の米CNBCテレビで、その前日(木曜日)までで「8日連続の下落、これはリーマンショックのあった2008年以来」と言っていたのだが、金曜日の下落で更に記録が大幅に更新されてしまった。

もっとも下落の幅はこの9営業日で、2,151.33(10月24日) → 2,085.18(11月4日)と3.1%の下落なので、さほど大した下落ではない。

9日間かけて連続で、じりじりと下げたということなのだろう。

市場はトランプ大統領の可能性が高まったことで身構えている。

しかし織り込み済みかというと、そんなことはなくて、実際にトランプとなれば更にもっと下がることが予想される。

ヒラリーではどうか。

彼女が大統領になっても議会はメール問題を追及してくるだろう。かつてヒラリーが議会に提出したメールはかなりのものが消去されたものだったが、仮にこれが彼女の指示によって意図的に消去されたものであったと証明されたりすると、大統領の立場さえあやしくなる。

いずれにせよ米国の政治はこれから先ゴタゴタするだろう。

ちょうど8年前にオバマが当選(2008年11月4日)してから米国の株価はほぼ2倍になった(ダウ平均株価9,625.28ドル → 17,888.28ドル)。

政治的側面だけから見れば、そうした時代はおそらくもう来ない。

これから先の政治的ゴタゴタをはね返すだけの企業の収益力とイノベーションを産み出す力があるのかどうか。

誰が大統領になってもクルマの自動運転化は進み、より多くの人々がアマゾンで買うようになるとは思うのだが。

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