2020年4月 2日 (木)

米国失業保険申請者660万人

マーケット予想380万人を大幅に上回る(『こちら』)。

リーマンショックの時の約10倍。

Jobless

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2020年3月29日 (日)

結局どれだけ下げた?

ここ1年間の最高値(ダウの場合だと2月12日の29,551ドル)と比較することも出来ますが、取りあえず「昨年末」と「先週末株価」を比較してみます(小数点以下切り捨てで比較)。

 

【日本】

      昨年末  先週末

日経平均     23,656    19,389   ▲18%

トヨタ   7,714        7,029    ▲9%

ソフトバンクG     4,756       3,887     ▲18%

ユニクロ  65,000    44,430    ▲32%

全日空   3,642       2,999     ▲18%

 

【米国】

ダウ平均  28,538    21,636     ▲24%

アップル     292         247       ▲15%

アマゾン  1,847       1,900       +3%

GM         36           21       ▲42%

ボーイング   323          162       ▲50%

エクソン・モービル       68           36       ▲47%

 

日本株は、先週末27日は権利付き最終日(明日、月曜日は権利落ち日)といった事情もあるのでしょうが、細かいことを抜きにしても、米国株に比べるとまずまずの健闘(?)

ただし今後のことは分かりません(明日、月曜日は、すでにシカゴ日経先物が下げ、しかも円高で少し心配)。

米国では、GM、エクソン・モービル、ボーイングなどがかなりひどい(ボーイングは3月20日には昨年末比▲71%の95ドルまで下げました)。

上記の中ではアマゾンが唯一気をはいていますが、コロナで在宅やリモートワークが加速すると、世間はますますクラウドだよりになる・・?

 

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2020年3月27日 (金)

全ての国民は1人当たり13万円の現金を4月16日までにもらうだろう (ただし米国の話です)

米国のムニューシン財務長官は昨日CNBCの電話インタビューに応じ、

「全ての国民は1人当たり13万円の現金を4月16日までにもらうだろう」

と発言。

このときの模様は、1分15秒の動画になってネットにアップされています(『こちら』)。

以下、分かりやすく説明するため、Q&A 形式で米国の景気刺激策(Stimulus Package)の内容を説明すると・・

(注:1ドル=110円で換算し、1万円未満は四捨五入しています)

【質問1】米国人であれば、誰でも13万円もらえるのですか?

【答え】年収1,089万円以上の人はもらえません(つまり所得制限があって年収の高い人はもらえません)。

【質問2】夫婦2人の場合は?

【答え】26万円もらえます。

【質問3】夫婦2人に子どもが2人いるのですが・・

【答え】37万円もらえます(子ども1人につき500ドル)。

【質問4】米国政府から小切手が送られてくるのですか?

【答え】政府があなたの預金口座を把握していれば、直接お金を振り込みます。分からない場合は、小切手を送付します。

* * *

いずれにせよ、4月16日までにはほとんどの米国人の手に現金が行きわたることになります。

日本では、和牛商品券、魚商品券、旅行券、イベントクーポン券などの案が出ているようですが、さて、あなたの手に届くのはいつになるのやら・・。

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2020年3月22日 (日)

相場の下落(5)

米国史上最大の下落(実額として)とよく耳にしますが、

だんだんと何日が史上最大なのか分からなくなってきました。

歴史上の最大の下落(幅です。率ではない)を

1位から6位まで並べてみると、次のようになります。

1 位 2020-03-16   −2,997.10ドル
2   2020-03-12 −2,352.60 ドル
3   2020-03-09   −2,013.76 ドル
4   2020-03-11   −1,464.94ドル
5   2020-03-18   −1,338.46ドル
6   2020-02-27   −1,190.95 ドル

すべて過去1ヶ月以内に生じています(それだけダウが実額として高くなっていたということなのですが)

下図はゴールドマンによる米国失業者数(給付金申請者ベース)の予想(黒線は実績値、赤線が予想)。

1週間あたりの『失業者による給付金申請』は、リーマンショックの時でさえ、せいぜい50万人。

それが今回は一気に2百万人を超えるとの見通しです(詳しくは『こちら』)。

   Gs

話はそれますが、米国で失業者が申請することで得られる失業給付金は、公的な失業保険に基づくもので、週当たり4,400円~49,500円(人によって違う)。

これはカリフォルニア州のサイト(『こちら』)で見たものですが、州によって違うのかどうか、詳しいことは知りません。

* * *

さて、最近の下落相場を受け、「いったいどうなるのだろうか」といった質問を受けます。

実は、2018年3月28日に『相場の下落(3)』と題するブログを書いています(『こちら』)。

以下に再現します。

* * *

人類が経験した、リーマンショックを上回る「悲惨な相場」。

それは1929年の大恐慌のときです。

株価は、1929年9月3日につけた高値381.2ドルに比して、なんと、その9分の1にまで下落してしまいます(1932年7月8日、41.2ドル)。

そしてもとの水準(1929年9月3日の高値381.2ドル)にまで回復するのに、25年(!)もかかってしまったのでした(1954年11月23日、382.7ドル)。

この間、人類は第2次世界大戦を経験。

そして戦後の復興の時期を迎えても株価はすぐにはもとの水準に戻らなかったのです。

大恐慌とリーマンショックの違いを表にまとめてみました。

Photo_20200321213601

これを見ると大恐慌が如何にひどかったがお分かりいただけるかと思います。

仮に大恐慌と同じことが起こると仮定すると、30歳のあなたが行った株式投資は33歳まで下落を続け、その後、元の水準に戻るのは55歳の時。

サラリーマン人生の大半を、含み損を抱えたまま過ごすことになってしまいます。

定年退職で65歳の時に退職金をもらい、株に投資した人は、90歳になるまで含み損を抱えたままです。

80代で死んでいれば、後悔のまま死ぬことになります。

大恐慌のときの相場展開をグラフ化してみました(下記)。

1929119551_3

大恐慌が起きたのは1929年の10月24日。

「暗黒の木曜日」と呼ばれています。

このときニューヨーク株式市場は大暴落となり、絶望のあまり自殺する人も現れました。

しかしながらこの日、午前中には株式市場は確かに11%の下落となったのですが、午後になると相場は急回復します。

結局のところ1日を通じて2%しか株式相場は下落しませんでした。

2%というのは今日われわれが、ほぼ日常的に、と言っていいほど、頻繁に経験する株価変動です。

大恐慌のときは、結局、株価がボトムに達するのは、1932年7月8日(41.2ドル)。

つまり3年近くかかって下落していった結果、株価は9分の1になったのでした。

この辺のことは拙著「金融資産崩壊」に書きましたので、ご興味のある方はご覧になってみてください。

株式投資をする以上は大恐慌のことを知っておく必要があると思います。

ところで、大恐慌のようなとき、いったいどうしたら良いのでしょうか。

相場が上述のような動きを示すと予め分かっていれば、リーマンショックのときに2兆円を稼いだジョン・ポールソンのように「ぼろ儲け」することができます。

しかしこういった動きになるとは、誰にも分かりません。

このような時にも有効な投資法とは・・・。

『次回』ご説明します。

* * *

以上が、2018年3月28日に『相場の下落(3)』と題して書いたブログの再現。

もちろん、今回のコロナ・ショックは大恐慌とは違います。

リーマン・ショックとも違うでしょう。

しかし株式投資をする以上、大恐慌やリーマン・ショックのようなことが起こり得るということを頭の片隅にしっかり入れておく必要があります。

あのバフェットでさえこう語っています。

『私は(バークシャーを通じて運用してきたが)バークシャーの株価を半分にした(注:つまりバフェット個人の資産を半分にした)ことがこれまでに4回あるんだ』〔注:バフェットがこう発言しているのは現在でもネットで見ることが出来ます。ロシアがウクライナに侵攻して第3次世界大戦への発展が懸念された2014年3月のときのインタビューです(『こちら』)〕。

* * *

なお私が書いた上記のブログ(もう少し正確に言うと、2018年3月~4月にかけて書いた『相場の下落(1)~(4)』及び『ドルコスト平均法(1)~(3)』)の内容は、2019年に拙著『人生100年時代の正しい資産づくり』となって書籍化されています。 

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2020年3月18日 (水)

今晩のNYも・・・

先物で見る限り、18日のNYSEも、4%前後下落の可能性も・・(もちろんきちんと連動している訳ではないのですが・・)。

図は、日経CNBCテレビより。

    Nyse

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2020年3月17日 (火)

壊れてしまった世界

いったん壊れてしまったマーケットはなかなか元に戻らない。

16日のNY市場は、開始後ただちにサーキット・ブレーキ。

取引が停止した。

(注:S&Pが7%下落すると、サーキット・ブレーカーが発動する)

再開したのはNY時間の9時45分。

再開後もすぐに下落が強まり、次のサーキット・ブレーカー・ポイントであるS&Pの13%下落を目指すような展開。

(注:7%の次のサーキット・ブレーカー・ポイントは13%、その次は20%)。

 結局、16日のマーケットは、12.93%の下落となり、

ブラックマンデーに次ぎ史上2番目の下落率を記録した。

なお16日の下げ幅の2,997ドルは史上最大である。

ウォール街の格言に

「落ちてくるナイフを素手でつかむな」

というのがある。

底値でつかもうとして、下手に買いをいれると、逆に傷口を広げてしまう(もちろん本当に底値で買えれば、儲かるのだが・・)。

リーマン・ショックの時は、リーマン破綻後、株価は急落したが、底値に辿り着くまで半年かかった。

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2020年3月 8日 (日)

底が見えない恐怖

先週火曜日(3月3日)には、日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

   Nikkei-veritas

放送日の前日、2日(月曜日)のNY市場は、その前の週に比し、1,294ドル上昇し、史上最大の上げ幅を記録。

そんな中で放送されたヴェリタストークだった訳ですが、私は、

「いったん上がったからと言って、とても安心できるような状況ではない」

旨を話しました。

このときのNY市場は 26,703ドルだったのですが、

「いずれ24,000ドル台に落ちると見ている」とコメント。

残念ながら、予想が当たってしまいかねないような嫌な展開になってきています(先週末25,864ドル)。

『こちら』でこの時の動画をご覧いただけます(13分30秒です)。

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2020年3月 3日 (火)

新型コロナウィルスと株式相場

今晩は、日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

トピックスは(珍しく)、

(1)5G と

(2)新型コロナ

の2本建て。

今回のブログでは、(2)の「新型コロナウィルスと株式相場」についてのみ書きます。

先週の米国市場は、5日間の trading days の連日、株価が急落していきました。

下げ幅は、1週間で3,583ドルにも及び、1週間の下げ幅としては過去最大を記録(率にして▲12.4%)。

この間、私はちょうど米国にいましたので、連日の株価急落を目の当たりにしました。

* * *

何が引き金になったのでしょうか。

まず2月24日(月曜日)、イタリアで100人を超す感染者が見つかりました。

これは米国人にとってはショックというか、驚きでした。

それまではコロナウィルスは、一般の米国人にとって、

中国(武漢)を中心として、

韓国(新興宗教)、日本(クルーズ船)など

アジア(とくに東アジア)の感染症くらいの意識しかありませんでした。

それがイタリアで一気に100人を超す感染者が見つかったことで、

急に自分たちにも直接的影響が及びうるものとして捉えるようになったのです。

追い打ちをかけるように、多くの企業が、コロナが業績に影響することを発表するようになりました。

その前の週の月曜日(2月17日)には、すでにアップルが、

『コロナの影響で中国での生産が停滞する可能性があり、

1-3月期は、従来発表していた業績見通し(guidance)を守れない懸念がある』

旨を発表していました。

それが先週になると、HP(2月24日)、マイクロソフト(2月26日)などが、

次から次へと一斉に、

1-3月期の業務見通し(guidance)に関する下方修正懸念を表明。

株価はこうした企業業績の下方修正見通しを受けて、暴落するようになっていったのです。

* * *

日本でも基本は同じです。

とくに日本の場合、政府による自粛要請を受けて、人々は活動を控え、動きを止めるようになりました。

こうした状況下では、企業業績は打撃を受けるようになります。

昨日発表された「2月の自動車の国内販売台数」は前年同月比▲10%の減少。

百貨店大手5社の2月の売上高を見ても、たとえば大丸松坂屋百貨店の場合、前年同月比▲22%の減少。

こうした数字の発表は今後も続いていくものと思われます。

* * *

それでは、日米の株価、下値のめどはどのあたりになるでしょうか? 

ダウ平均株価は先週25,409ドルまで下落した後、

今週に入って昨日は26,703ドルにまで値を戻しました(1日の上げ幅としては過去最大)。

このままV字回復していく可能性ももちろんありますが、大方の予想はさほど楽観的ではありません。

『今後も乱高下を繰り返すのではないか』との見方が強く、

下値としては24,000ドルあたりもあり得ると覚悟しておいた方がよさそうです。

一方の日本。

日経平均は、昨日は反発しました(日銀による1,002億円(過去最大)に及ぶETF購入)。

しかし今日は再び下落。

引け値での21,000円割れも目前に迫ってきています。

これも下値としては、場合によっては、20,000円割れもあり得るくらいの覚悟をしておいた方が良いかもしれません。

* * *

先週、米国で株価が急落していく過程で、ウォーレン・バフェットがCNBCのインタビューに応じ、次のようにコメントしていました。

   Wb

『5年後、10年後、20年後を見据えて、会社を所有するという観点で、株式投資を捉えるべき。

長い目で見れば、米国はひじょうに上手くやっていくだろう(Overall, I think America will do very well)』 

『こちら』でバフェットのインタビュー動画を見れます。

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2020年3月 2日 (月)

コロナウィルスが「過去もっとも長く続いた米国の景気拡大」を終わらせる(ハイマン氏の予測)

2009年末~2019年末までの10年間、米国のGDPは連続して上昇を続け、トータルで25.9%も上がりました(下図)。

  Us-gdp-growth

これは米国がリセッション(景気後退)を経験することがなかった期間としては、過去最長と言われています(詳しくはCNBCの『こちら』の動画をご覧ください。なお厳密には米国の景気拡大局面は2009年7月に始まっていますので、すでに昨年7月の段階で、拡大局面は11年目に突入しています。いずれにせよ今回の景気拡大局面は、記録が残る1850年代以降で過去最長のものとなっています『こちら』)。

しかしながら現在、この過去最長の景気拡大局面がいよいよ終焉を迎えようとしています。

つまり米国経済は景気後退局面に突入する可能性が高いーこう予測するのはウォール街のトップ・エコノミストのエド・ハイマン氏。

ハイマン氏と言えば、全米エコノミストランキング(インスティテューショナル・インベスター誌)で39年間にわたって第1位に選出されてきた著名エコノミスト(『こちら』)。

その言動は世界的に注目されています。

CNBCの報道によると、ハイマン氏は顧客向けの書簡(Note)を3月1日に発信。

この書簡は『U.S. Virus ‘Recession’(米国はウィルス「リセッション」に突入)』と題されていて、その中で氏は、

「米国の第2と第3四半期のGDP成長率はゼロになるだろう」と予測しています(『こちら』)。

一般的には(欧米では)、GDPの成長率が2四半期期連続でマイナスになると景気後退(リセッション)と考えられています。

つまりハイマン氏のこの予測は、「コロナウィルスが米国の過去最長の景気拡大を終わらせることを予言するもの」と解されています。

なお第1四半期の米国GDP(20年1-3月期)は、2月28日発表の「アトランタ連銀GDPナウ」によれば、年率換算2.6%と予測されています(『こちら』)。

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2020年1月13日 (月)

ベンガジの悲劇は繰り返さない

久しぶりに株式投資に関する記事を書きます。

と言っても、年末から年始にかけては、米国・イランの衝突によって相場が翻弄されました。

【1】米国・イランの衝突

何が起きたのか、時系列で記しますと:

12月27日、イラク北部の油田都市キルクーク駐留の米軍基地が、武装組織「カタイブ・ヒズボラ」からと思われるロケット砲の攻撃を受けました。

米国人1人が死亡。

攻撃をしかけたと思われる「カタイブ・ヒズボラ」はイラクやシリアで展開するシーア派・親イランの武装組織。

このため翌28日、米軍は「カタイブ・ヒズボラ」のイラクにある拠点3カ所とシリアの拠点2カ所をF15戦闘機で空爆。

このとき標的となったのは、「カタイブ・ヒズボラ」の武器庫や司令部でした。

「カタイブ・ヒズボラ」は、イラン革命防衛隊や「レバノンのヒズボラ」から資金や武器などの支援を受けていると言われています。

それでは「そもそもレバノンのヒズボラって何なのだ」という疑問も湧いてくると思いますが、

ヒズボラは、レバノンにおいて、イラン型のイスラム共和制を樹立しようとする組織で、今から40年近く前のレバノン内戦の最中に誕生。

1983年には首都ベイルートで米大使館(4月)、米仏海兵隊兵舎(10月)を相次いで自爆攻撃し、

2000年以降もイスラエルとの間で軍事的衝突を繰り返してきています。

話を元に戻します。

12月27日の米軍による空爆に抗議し、12月31日からイラク・バグダッドにある米国大使館へのデモが発生。

デモ隊は大使館の壁を放火したり、大使館内への侵入を試みたりするほど過激化しました。 

このとき、トランプ大統領が盛んに言っていた言葉が、

「ベンガジの悲劇は繰り返さない」(『こちら』)。

ベンガジの悲劇とは、リビアの第2の都市ベンガジの米国領事館が2012年に襲撃された事件。

人格者として現地リビアの人たちからも尊敬を集めていた米国のスティーブンス駐リビア大使ら4人が殺害されました。

このとき米国のヒラリー国務長官に不手際があったとして、前回の大統領選の際には、

トランプ陣営が執拗にこの点を攻撃。

ヒラリー敗北の一因となりました。

現在でも、ベンガジ領事館の襲撃を生き抜いて帰還した人たちは当時の民主党政権の不手際を追求、

「仮にトランプが当時指揮を執っていたとすれば悲劇は防げた」と主張しています(『こちら』)。

実際のところ、31日の在バグダッドの米国大使館への襲撃に対して、トランプは素早く対応しました。

直ちに100名以上の海兵隊を現地に派遣するとともに、アパッチと呼ばれる攻撃用ヘリコプターを2機投入、大使館を防衛したのです(『こちら』)。

そして1月2日、大使館襲撃の背後にソレイマニがいるとの報告を受け、トランプはソレイマニ殺害を指示、

3日、無人機を使ってソレイマニを殺害しました。

これに対して、イランは7日、イラクの米軍基地に弾道ミサイル攻撃を行うことで報復。

イランの攻撃が限定的で人的被害も出なかったことから、

トランプは8日、

「イランによる昨日のミサイル攻撃に対しては、

軍事的な報復ではなく追加経済制裁で対応する」

旨の方針を表明しました。

これを受け、ダウ平均株価は8日、162ドル上昇。

10日には、取引時間中に一時的ですが、前人未踏とされていた29,000ドルの大台を突破しました。

【2】ベンガジの悲劇

トランプは10日、オハイオ州トレドで演説(『こちら』)。

民主党政権下で起きたベンガジの米大使館襲撃事件に再度言及し、

「ソレイマニはバグダッドのみならず各地の米国大使館を襲撃することを企図していた、自分はそれを未然に防いだ」

と自らの成果を誇示しました。

(注:ソレイマニに関しての日本のマスコミ報道がややおかしいという点については、『こちら』『こちら』『こちら』を参照)

実は、ベンガジの悲劇はマイケル・ベイ監督による映画になっています。

『13時間』と題する映画なのですが、これを見るとトランプが再三再四にわたってベンガジを例に引きながら民主党を攻撃する理由が分かります。

トランプは自分の政権下でベンガジの悲劇のようなことが起きることを決して許さない。

それは自らの首を絞め、再選が阻止されることに繋がるからです。

だからこそソレイマニ殺害を決断したと言えるのかもしれません。

別言すると、ソレイマニ殺害に対するイランの報復が、もし仮に弾道ミサイルによる在バグダッドの米国大使館攻撃であったとすれば、

米国はイランとの間で全面戦争に突入していた可能性が大でした。

イランもその辺のことを分かっていたので米軍基地攻撃に留めたのだと思います。

【3】大統領選挙と今後の相場見通し

年末・年始の米国・イラン衝突が連日のように相場を大きく乱高下させたように、

大統領選挙のある今年はトランプが例年以上に選挙を強く意識して行動する、

そしてそのことが相場を大きく動かすことに繋がりうることを覚悟しておく必要がありそうです。

ベンガジの悲劇は繰り返さないートランプは再三再四にわたってこう発言してきていますが、

大統領選を控えるトランプにとっては、もう一つの重要なポイントがあります。

それは「不景気にはしない。出来れば今以上に株価を上げる」

ということです。

アメリカの大統領選挙では現職が圧倒的に有利です。

私が今でもよく覚えているのが、1972年の大統領選挙。

当時私はアメリカの高校に通う高校生(AFS留学生)でした。

選挙に際し、現職のニクソン大統領が用意したバンパーステッカー(車のバンパーに貼る広告)は、単に「Re-elect the President」というもの。

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現職が強いということを熟知したニクソンは、自分の名前さえ出さない(対立候補と対等ではない、自分が上位ということを選挙民に印象付ける)という戦略を取ったのです。

実際のところ、過去100年の歴史において、現職が再選されなかったのは4回だけしかありません。

1992年のブッシュ(父)

1980年のカーター

1976年のフォード

1932年のフーバー

です。

そしてこれらの現職敗退に共通するキーワードは「リセッション」(景気後退;1992)もしくは「スタグフレーション」(景気後退下のインフレ;1980)といった経済関係の不振を示す言葉です(注:1976年の前年にはベトナム戦争後の不況がアメリカを襲い、失業率は9%に達しています)。

トランプはこのことを誰よりも強く意識しているはずですから、これから先、選挙のある11月にかけては、

景気のエンジンをふかし続けるように努力するはずです。

逆に民主党候補有利となれば、市場が一気に冷え込む可能性が大です。

「サンダース、ウォーレン、ブティジェッジの何れかが大統領になれば市場は3割から5割下落するだろう」

これはスティーブ・ギドゥマル氏の言葉です(『こちら』)が、このように占う人は少なくありません(ほかにもドラッケンミラーなど(『こちら』))。

もっとも現在の選挙情勢を見る限り、トランプに勝てそうな民主党候補は見当たりません・・。

マーケットにとってはそれが望ましいのでしょうが、米国にとって、あるいは世界にとってそれが望ましいのかどうかは、別の話です。

"How dare you!" 

こう憤慨するグレタさんの声が聞こえてきそうです。

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