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2005年12月17日 (土)

CEOのボーナス

日本の会社は3月決算のところが多く、アメリカでは12月決算のところが多いのですが、もちろん例外も結構あります。

例えば、ゴールドマン・サックス、リーマンブラザーズなど主なアメリカの投資銀行の決算期は11月です。

各社の決算の概要は既に発表されていますが、CEO(最高経営責任者)のボーナスの額が話題を呼んでいます。

例えばゴールドマン・サックスのヘンリー・ポールソンCEOには役員報酬と賞与を合わせて44億円が今年支払われました。

昨年比21%の増額ということですが、その理由としてポールソン氏がゴールドマンの株式価値を22%上昇させたと説明されています。

株式価値の22%の上昇というのは、1.2兆円にあたります。

年間で1.2兆円も価値を創造してくれた経営者には44億円の賞与・報酬を払っても良いというのが、株主の判断です。

ところで、日本の多くの企業では、社長、会長などの役員に対する賞与・報酬・退職金は、役員全員への支払総額としては表示されていますが、個別にいくら支払われたかは開示されていません。

上場企業の経営者は広く多くの株主から(株式という形で)金を集め、これを企業活動に投資して増やす役目を負っています。

経営者に支払われる賞与・報酬・退職金は株主の金から支払われている訳で、これを個人のプライバシーだといって株主に公表せず、役員全員の総額表示だけで済ませるのはおかしいと思います。

プライバシーを気にするのであれば役員就任を引き受けなければ良いでしょう。あるいは、上場を止めて非公開会社になればよいと思います。

正々堂々と企業価値を高めて、その結果として報酬・賞与を株主に開示した上でもらえば良いと思います。

部下の部長や課長には目標未達成だといって賞与を減らす。一方で、自分が経営しているはずの会社の株式価値が減ってきていることに対しては、「マーケットが評価してくれないから」といった理由をつけて、(自分については)こっそり前年並みの賞与を出す。

そんなコソコソした経営者が日本には多すぎます。

『株主の皆さんが株式の形で会社に持っている価値(収益力で計った会社の正味資産)はこの一年間で1.2兆円も増えました。その結果皆さんの持っている株式の価値(株価)も一年間で22%上がりました。だから私は44億円の賞与・報酬をもらいます。』

ゴールドマンのポールソン氏が実際にこう言ったかどうかは知りませんが、言わんとしていることはこういうことだと思います。

自らのお金に対しては正々堂々とした姿勢であるべきで、こそこそするのは醜いと思います。

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コメント

はじめまして。日記拝見致しました。本当にこれに関しては、同感です。
私は、中央青山で監査に従事して、3年で26歳です。
日本のDisclosureは、まだまだ不透明な部分が多すぎだと思います。このような旧日本的な体質が無くならないと、海外の投資家からの信用も失いかねないでしょう。
また私見ですが、監査報酬をクライアントから貰うこと自体が、矛盾で(アメリカでもそうですが)、国から報酬を貰うべきです。検察庁、国税庁のように。そうでないと絶対的権力が無く、中途半端な立場で監査を行うことになってしまいます。株主のためと言えども、なかなか難しい立場です。
そんな矛盾を感じている私は、今転職活動を行っております。明日は、リーマンの方を紹介して頂き、お会いする予定です。インド人の方のようです。

投稿: 神田 | 2006年3月21日 (火) 02時26分

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