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2006年1月 9日 (月)

たった一枚のスケッチ

イタリアの高級スポーツカー『フェラーリ』をデザインしているデザイン会社『ピニンファリーナ』のデザイン・ディレクター奥山清行さんが年末のNHK総合テレビに出ていました。

奥山さんのチームが2005年のジュネーブ・モーターショーで最優秀賞を獲得したコンセプトカーをデザインした際、社内の4人のデザイナーたちをそれぞれ競わせながら彼は次のように力説していました。

「1ヶ月間いろいろ努力しても本当に必要なのはたった1枚のデザインだ。1枚のスケッチしかいらない。我々はこのたった1枚を探す為にやっている。1枚のスケッチは1時間もあれば出来る。」

エンツォ・フェラーリをデザインした時にも彼は同じような話をしていました。

「1ヶ月とか2ヶ月とかデザインする期間が与えられて、あーでもない、こーでもないと悩んでいくうちに時間だけがどんどんと過ぎました。そして締め切り間際のある昼休みにパッとひらめいたのです。昼休みの間に、あっという間に描き終えました。」

投資銀行の仕事にもこれと似たようなところがあります。

例えば、M&Aの交渉をしていますと、時として交渉が膠着状態に陥ってしまうことがあります。「この問題こそディールブレイク(交渉決裂)につながってしまう」という大きな壁のような問題が出てきます。

そんな状況を救うのは、アドバイザーがふと気づくディールのストラクチャーなどに関する「ちょっとしたアイデア」であることが少なくありません。

こうした目からウロコのようなアイデアやひらめきは、ほんの一瞬だけ湧いてくるものです。風呂に入っている時とか、寝ようと思って床についてウトウトしている時とか、えてして仕事場から離れているときの方が多いようです。

「1ヶ月間の不眠不休の努力よりも1分でひらめくアイデアのほうが、価値がある。」

しかし、その1分でアイデアがひらめくのは、脳が24時間、たとえ休んでいるように思えても、ディールのことを脳のどこか片隅で絶えず考え続けてくれているからだと思えてきます。

最後の最後まであきらめないで、苦しみながらも考え続ける。それが一瞬のひらめきにつながります。

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