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2006年2月13日 (月)

資産インフレ待望論の危険性

『グリーンスパンが日本の問題は資産のディスインフレーションであったと言った』というニュースを受けて、

最近、消費者物価上昇率 (CPI) と資産価格の上昇とを分けて考え、CPIはほとんど上がっていない(ようやく下落に歯止めがかかり、若干上昇の風向きになってきた)現況下にあって、

資産価格が上昇すれば、景気が本格的に上向くと主張する人が出てきています。

本当にそうなのか、よく考えてみる必要があります。

まず第一に、資産価格というのは、その裏づけとして、その資産があげることが出来る収益力があって初めて意味を持つものです。

収益力が裏づけになければ、それこそ意味のない風船(バブル)の価格になってしまいます。(オランダで一時チューリップの球根が家の値段より高くなったように、こういったバブルは必ずはじけます。)

株で言えば、企業の収益力、土地で言えば、そこにビルや賃貸マンション、ホテルを建てたときの賃料、宿泊代などが、裏づけにあって、初めて資産の価格が意味を持ちます。

第二点目です。「資産価格が上昇すれば、景気が上向く」というのは、ニワトリが先か、卵が先かのような側面のある議論ですが、どちらかと言えば、景気が良くなることを見越して資産価格が上がっていっている側面の方が強いと思います。

資産価格はその資産が上げると予想される将来の収益を現在価格に割り戻したものの総和ですから、当然と言えば当然です。

第三に、資産価格の上昇については政策的にもきちんと議論していくべきです。資産価格が上昇すると、「持っている人」と、「いま持っていない人」との差が、ますます拡大してしまいます。

資産インフレ待望論を言っている人は、ほとんどの場合、いま沢山資産を持っている人で、自分だけ良ければよいとのスタンスなのではないかと思えてきます。

If a free society cannoto help the many who are poor, it cannot save the few who are rich.  (John F. Kennedy; Jan. 20, 1961)  もし自由社会が貧しい多くの人々を助けることができないならば、富める少数の人々も救うことは出来ない(ケネディ大統領の就任演説から。)

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