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2006年2月15日 (水)

ヒトの行動は環境に左右される

私は24歳のときスタンフォード大学のビジネス・スクールに留学させてもらいました(企業派遣です)。

マーケティング、ファイナンス(金融)など、いろいろな学問を勉強しましたが、今になってみて時々、『その後の人生を振り返ってみて、一番役にたった科目は何だったのか』と思うことがあります。

多分 Organizational Behavior という科目だと思います。

日本語で言う社会心理学、行動心理学に近いのでしょう。

内容は単純で、教授の言いたかったことは:

『People's behavior is a function of its environment』(ヒトの行動は環境によって左右される)

これだけ分かっていればクラスで発言も出来、試験でそれなりに良い成績を取ることができました。

実は言っていることは単純なのですが、クラスではこのことをいろんな状況設定のもとに徹底的に叩き込まれます。

ガイアナで集団自殺した宗教集団がありましが、なぜそうなったのか。

不祥事を起こした企業はなぜそうしてしまったのか。

このクラスを受けていたおかけでオウム心理教にはまってしまった若者のこともなんとなく理解できるようになります。

三菱自動車がなぜ欠陥を隠したのか。どうしたらそういう企業体質にならずにすんだのか。

われわれ誰もが、環境に染まらないように、ときには一歩後ろに下がって、自分を振り返るということが大切です。

もしこの授業で、Organizational Behavior について徹底的に叩き込まれることがなければ、私は興銀を45歳で辞めることもなく、今でも銀行員をしていたと思います。

そうしたら外資系の投資銀行でいろいろな経験を積むことは出来なかったと思います。

どうしたら環境の中で自分自身を失わずにすむか。

ヒトによっていろいろ工夫のしかたがあると思います。

通勤経路を変える。通勤時間を変える。あるいは思い切って休暇を取って海外の街を歩いてみる。

たったこれだけでも違った風景が見えてきて、自分を客観的に見る上での一助になるかもしれません。

例えば私はもう3年近くも日経新聞を読んでいません。

いつも同じ新聞を読んでいては知らないうちに自分の考えがその新聞の考えに染まってしまう恐れもありえます。

常に客観的に自分を見れるように自分で気をつけていく必要があります。

残念ながらわれわれは本質的に周りの環境に流されてしまう傾向にあります。

ホリエモンではありませんが100億稼いだヒトがもっと稼ぎたいと思って違法行為に手を染めてしまう。

有能なサラリーマンが上司の目を気にして過度な残業を繰り返し体を壊してしまう。

人間というのは基本的には「動物」であり、しかも環境に染まりやすい動物です。

このことを認識し、かつ、『People's behavior is a function of its environment』であることを自覚していれば、自分の原点に立ち戻りやすくなるかもしれません。

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コメント

はじめまして。私は岩崎先生の「間違いだらけの株選び」を買って理論株価に興味を持って自分なりに先生のエクセルのソフトを利用させて頂いています。

投稿: 北村 | 2006年2月17日 (金) 21時12分

 はじめまして!関と申します。本屋でたまたま「間違いだらけの株選び」と出会い、失礼ながら初めて岩崎さんのことを知りました。(早速53pは訂正させていただきました^^)
 ところで、私は恥ずかしながら いわゆる「ライブドアショック」やその後の全面安相場で、株式資産の3分の一ほどの含み損を抱えてしまっている愚かな投機家です。それもこれも私自身の勉強不足・知識不足に起因することだと猛省しております。
 私はこれまで、チャート本やデイトレ本など、短期の価格変動のみを追う投機の本を読みかじり、安易に売買しておりました。しかし今回のことで改心し、一から投資やお金の本質について学ぼうと思い、御著書や板倉雄一郎氏の「おりこうさんとおばかさんのお金の使い方」を精読している最中です。
 遅くなりましたが本題の質問をさせてください。これから投資やお金への理解を深めていく上で、お勧めの本などありますでしょうか?もしよろしければお教えいただきたいのですが。
もちろん岩崎さんの完全な主観で結構ですし、ブログに書かれてある、社会心理学・行動心理学の分野のものでも結構です。
 今はただ純粋にリテラシーというものをジックリと上げていきたいのです。。。。どうかよろしくお願い致します!長文失礼いたしました。
 

投稿: 関 | 2006年2月19日 (日) 00時34分

ご質問、ありがとうございます。
私自身が参考になった本は、ウォーレン・バフェットの「ビジネスは人なり 投資は価値なり」という本(ロジャー ローウェンスタイン著, 総合法令出版 )です。(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4893465902/qid=1140302090/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/249-9987866-2158765)

投稿: 岩崎 | 2006年2月19日 (日) 07時42分

こんにちは! お忙しい中お返事くださり ありがとうございます。
バフェット氏関連の本はこれから必ず読もうと思っていたんですが、最初の一冊を決めさせていただきました。 タイトル自体が真をついた言葉になってますね^^
もしよろしければ 書籍・雑誌のカテゴリーでときどきご紹介いただければありがたいです。
本当にありがとうございました。

投稿: 関 | 2006年2月19日 (日) 15時22分

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