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2006年4月14日 (金)

金融機関から見た水俣病(その4)

「閣議了解」と「閣議決定」の違いをご存知でしょうか。

「閣議決定」の方が、政府としての決定の重みが、「より重い」という違いがあります。

チッソに対する金融支援は、「熊本県がチッソに資金を貸付け、この金をベースに、チッソが補償金を患者の方々に支払う。熊本県はチッソに対して貸付ける為の資金を県債の形で調達。国や金融機関がこの県債を引き受ける」という形で行われています。

少々分かりにくかったかもしれません。要は、

国・金融機関 ⇒ 熊本県 ⇒ チッソ ⇒ 患者

と金が流れます。

1400億円を超える債務超過のチッソが、県から借りた金を返せなくなった場合、県の財政は多大な影響を受けます。

そうした、万一の不測の事態が発生した場合には、国において「万全の措置」を講ずるとの「閣議了解」や、(その後、更に政府としての決定の重みが増して)「閣議決定」がなされてきています。

いずれにせよ「政府による保証」ではありません。

債券信用リスクの格付機関であるムーディーズやスタンダード・プアーズ、あるいは日本国債に投資をしている世界の機関投資家たちは、これをどう解釈するのでしょうか。

日本国の「国債および借入金現在高(2005年12月末)は813兆円、政府保証債務(2005年12月末)は56兆円」と思って日本国債に投資をした(あるいは日本国債を格付けした)にもかかわらず、限りなく国の保証に近い「簿外の債務」がまだあったということになってしまいます。

民間企業が、「厳しい監査法人」から監査を受ける場合であれば、こういった「簿外の債務」も隠さずに脚注表示をしろとの指導があるかもしれません。

ライブドア事件を目の当たりにした多くの国民は、自分たちの国の決算書がこういった形で「実態が見えにくくなっている」ことを望んでいないように思うのは、私だけでしょうか。

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コメント

なぜ国がチッソを助けるかは、江頭豊さんが誰の祖父であるかを調べれば、なんとなく見えてくると思います。

このコメントは削除していただいてかまいません。

投稿: katunorika | 2006年5月 2日 (火) 10時19分

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