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2007年7月 4日 (水)

国家戦略としての税制

ある読者の方からお聞きした話です。

『これまで私は、もっぱら郵便貯金と銀行預金を利用してきました。去年の秋、初めてトヨタの株式を買い、その後、三菱商事を買いました。結果的にどちらも値上がりしたばかりか、配当金も送られてきて、嬉しくなりました。』

1500兆円と言われる個人の金融資産。

これが、有効に活用され、更なる成長に結びついていけば、国民やその集合体としての国家が豊かになります。

従来の日本のビジネスモデルは、国民が主として銀行や郵便貯金に預ける→それを銀行や国の機関が配分していく ― こういった流れが主でした。

それが、必ずしも有効に機能しなかったのは、バブルとその崩壊の歴史が示す通りです。

これを個々人の自己責任の度合いを高めて、個人が直接、株式や債券投資(あるいは投資信託)の形で運用する。

企業の方も、これまでは銀行や通産省(経産省)、あるいは業界団体の顔色を窺っていれば済んだところから、機関投資家や個人投資家といった株主の目を気にするようになる。

その結果、資金がより効率的に配分されるようになり、社会全体として、ヒト、モノ、カネの最適配分に近づけるようになるなら、経済全体としてより一層の成長が期待できるようになります。

安倍政権下の中川幹事長が唱える『上げ潮戦略』の底流をなすのは、このような考え方のようにも読み取れます。

そして、もし国として斯様な戦略があるなら、『預金金利に課せられる税金が20%の源泉課税なので、株(配当金、キャピタルゲイン)も含めた全ての金融資産への課税は、一律20%とすべきだ』という議論については、

『なぜ一律でなくてはならないのか』

という『問いかけ』がなされるべきでしょう。

『金持ち優遇を是正したい』というニーズがあるなら、証券税制を(現行の10%から)20%課税に戻すという手法よりも、もっと直接的に、① 相続税を強化する、② 資産課税の導入を考える、③ 所得税の最高税率増加を検討するといった諸方策を検討すべきだと思います。

国全体として、間接金融→直接金融の流れをやんわりと後押しする、そして健全な形での株主民主主義の動きを醸成する。

そういった国家戦略が必要とされると思うのですが、如何でしょうか。

税制の礎を成すものは、国家としての戦略だと思います。

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