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2008年2月11日 (月)

上場とIPO

『結局のところ、日本には資本主義が根付かないのだ』

残念ながら最近このように発言する(外資の)市場関係者が増えてきています。

先日ある外資系投資銀行大手のアジア・太平洋地域のCEOが東京から香港に移り住むことになりそうだとの話を耳にしました。

従来の『ニューヨーク・ロンドン・東京』の3極体制から、中国を視野に入れた『ニューヨーク・ロンドン・香港』の3極体制への動きが少しずつ水面下で進行しつつあります。

背景にあるのは世界第2位の経済力(生産・消費力)を持つ日本が金融面ではなかなかそれに見合った力を発揮できずにいることに対する失望かもしれません。

最近株式トレーダーを『バカで浮気で無責任』と批判する経済産業省次官の発言がニュースになりましたが、トレーダーや外国人投資家を排除しようとする動きは東京市場を異質なものとして世界で孤立化させ、上述のようなジャパン・パッシング(Japan Passing)の動きを加速させることにつながります。

そう言えば、IPOのことを日本では『上場』と言いますが、何か『下』から『上』に行くような意味合いがこの言葉にはあるように感じられます。

政府高官が再就職することを『天下り』というように、政府関係者は『上』、上場企業も『上』といった意識が一部の日本人にあるのでしょうか。

言うまでもなく、IPOとは initial public offering の略。

上場するとは『公け』になるということです。

世間・公けに向かって、『どうか我々の株を買って下さい。我々はこのようなビジネス・モデルを持っていますので、我々に投資してくれればその価値は将来高まりますよ』と言っているわけです。

『買って下さい』と言っている会社が、日本空港ビルデングやJ-Power(電源開発)のように『外資が買ってくるのは嫌だ』と言うのでしたら、『上場会社であることを止めて非公開会社(private company)になること』を検討すべきだと思います。

(ちなみに日本空港ビルデングの有価証券報告書(最近時)によれば14人の役員(除く社外取締役)のうち2人が運輸省(旧)および開銀(旧)からの天下り。同じくJ-Powerの有価証券報告書によれば13人の役員のうち2人が通産省(旧)からの天下り。)

日本だけに通用する日本独自の資本主義のロジック。これは既得権者の利益になっていても大多数の一般投資家の犠牲の上に成り立っているように思えてなりません。

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コメント

たとえば、Jパワーは、ザ・チルドレンズ・インベストメントが「金を入れさせてくれ」と言っているのに、断わる。世界中でこんな国・こんな企業はないのでは? どこも、金を入れてくれるのなら大歓迎なはず。日本は変な国・不可解な国・わけのわからない国としか映らないでしょう。「あなたがたの言っていることの理由がわからない」というのが、外国人投資家の本音ではないかしら。「わけのわからない国は敬して遠ざけておきましょう」ということになるのでしょう。チルドレンズは、通商産業省がグズグズ言っているのなら、欧州連合に訴えると言っています。その時は、欧州連合のアドヴァイスを日本が聞くかどうか、面白い局面に入ると思う。

投稿: 神保町 | 2008年2月12日 (火) 12時51分

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