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2009年2月11日 (水)

大量生産

昨日(2月10日)のニューヨークは今年最大の下げ(▲381ドル)を記録。

ところで昨日、私は榊原英資さんの講演を聞いてきました。1時間半に及ぶ講演でしたが、基本的には日ごろ榊原さんがテレビや著書などで述べられている内容でした。

趣旨は:

(1)アメリカ型の大量生産・大量消費はもう終わるのではないか。特に自動車、スーパーマーケット、ファースト・フードといったアメリカ的なものは、いま起きつつあるパラダイム・シフトについていけなくなるのではないか。

テレビなんかもブラウン管で十分だし、きちんと映ればいい。自動車も目的地に行ければいいので凝ったものにする必要はない。3~4年で新車に買い換える必要もない。

もっと「もの」を大切に使ったらどうだろうか。

(2)国の政策としては「もの作り」よりも、これからは農業に注力すべき。日本の食料自給率は低すぎる。民主党が政権を取れば、私(榊原氏)も民主党に近い者として、この点を積極的に提言していきたい。

というものでした。

民主党が政権を取った場合、財務大臣に就くと噂されている榊原さんですので、(2)の主張を述べるあたりでは、「国がやる気になれば必ず出来ます」との発言を繰り返され、一瞬、政治家の方の演説を聞いているような錯覚に襲われました。

講演を聞き終えて考えさせらてしまったのが大量生産の問題。

確かに地球環境への負荷という問題を考えれば、「今までのようなやり方でいいのか」という問いかけは必要でしょう。

榊原さんが問題提起しようとしたのも、無理やりに消費者の需要を作り出そうとしている現在の企業の姿勢にあったのかもしれません。

そういった榊原さんの問題意識とは若干ずれてしまいますが、私が考えさせられてしまったのは、現在の企業は本当に消費者が望むものを消費者が望む価格で作り出しているかという点です。

そもそも大量生産というのは、少しでも安く製品を作り出し、出来るだけ多くの人に買ってもらうために考え出された生産方式です。

1908年当時、自動車の価格が1,000~4,000ドルであった時代にヘンリー・フォードが売り出したT型フォードは850ドルでした。

あれから100年経った今。

100年が経過するうちに、私には自動車メーカーが大量生産の原点を忘れ、あまりに多種多様なものを作り出してしまっているように思えます。

自動車の走行速度を一定に保つクルーズ・コントロール。バックする時にはモニターで後方を映し出してくれる車も登場しました。至れり尽くせりの内容です。

これらのオプションを選択するかしないかはもちろん消費者の自由ですが、そういったオプションを提示すること、それ自体に(たとえそのオプションを購入しなくとも)コストがかかっています。

大量生産でなく多品種生産によるコスト高に陥っているとしたら、はたしてそれが消費者が望んでいるものなのかどうか。

消費者に媚びるのではなく、作り手が自信を持って「これだ」といって(消費者にあまり選択肢を与えずに)製品を出してみる。

そういった発想も必要になってくるのではないでしょうか。

作り手が極めた製品。自信をもって世に出した製品には消費者は率直に反応すると思います。

見直されるべきは大量生産ではなく、むしろ多品種生産なのではないか― 講演を聴き終わって、私はそんなことを考えてしまいました。

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