« 磁浮 | トップページ | 時価が無くなる恐怖 (2) »

2009年3月 4日 (水)

時価が無くなる恐怖

相変わらず株式相場の下落が止まりません。

今日から何回かにわたって、そもそも世界がなぜこのような深刻な不況に見舞われることになったのかについて考えていきたいと思います。

予想される答え【1】

サブプライム・ローンが原因。そもそも貸すべきでない人たちに対して当初2年間の金利は安くして、その後金利を引き上げるような貸し方をした。

しかしサブプライム・ローンは全体でも残高が1.0兆ドル~1.5兆ドルと言われてきました。要はざっくり言って100兆円です。

このうちいったいどれくらいが延滞しているのか。幾つかの統計数字があり、それらの数字も時と共に変わってきましたが、ここでは議論のために多めに見積もり、仮に 6割が延滞したとします。

すると100兆円×0.6=60兆円が延滞債権(借りている人が返済に滞り始めた債権ということです)。

さて金融機関はこれを競売にかけて売りに出します。実際に売れた金額との差が損失となります。

仮に5割の半値で売れたとすると

60兆円×0.5=30兆円。

これだけでも大きな金額ですが、Citi や AIG が出している損失などを考慮していくと、今、世界の金融機関が抱える不良債権の額とは一桁ぐらい違うように思えてきます。

実際、世界の金融機関が抱えることになる損失額がどのくらいになるのかについての見方も時と共にどんどん変わってきています。

パリバショックが起きたのが2007年8月。

その後、同年9月にはFRBのバーナンキが、「サブプライム問題が引き起こす最大損失は1,000億ドル(10兆円)」と議会で発言。その2ヵ月後、損失見通しを1,500億ドル(15兆円)としました。

当時IMFも同じような数字を発表しています。

しかし今、世界の金融機関が抱えることになる損失額見通しについては、

220兆円(IMFの1月末推計2.2兆ドル;本日の日経新聞参照)から、多いもので550兆円(みずほ証券ほか;詳しくはネット上の元データがアクセス不能となった為「こちら」参照)とか、800兆円(金融救済策の合計費用推定;ニューズウィーク誌2008年12月24日)といった推定数字さえ目にするようになりました。

最大の問題は、いったい幾らの損失になるのか、予想することさえ、このように困難なことです。

しかし、(a) サブプライムの直接的な最大損失として上記で計算した30兆円と、(b) もう一方の220兆円とか800兆円といった最大推定損失の間にはあまりにも大きな差があります。

少なくとも我々が対峙しているのはサブプライムの問題だけではない。

答えを先に言ってしまいますと、問題の本質は、「証券化商品などの金融商品の一部に時価がつかなくなってしまった」ということにあります。

次回以降もう少し詳しく見ていきましょう。

|

« 磁浮 | トップページ | 時価が無くなる恐怖 (2) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 磁浮 | トップページ | 時価が無くなる恐怖 (2) »