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2010年12月31日 (金)

Capital Offense

Capital Offense とは、死刑で処罰されうるような重大な犯罪(any criminal charge which is punishable by the death penalty)の意味です。

この法律用語としての意味と、文字通りの『Capital (資本)の犯罪、攻撃(Offense)』の意味合いを兼ねて、著者はCapital Offense といった題名にしたのだと思います。

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著者のMichael Hirsh はNewsweek 誌の経済記者。

副題は、米政府の賢人たちが如何にしてアメリカの未来をウォール街に譲り渡した(turn over)か―(How Washington's Wise Men Turned America's Future Over to Wall Street)。

ウオール街とワシントンとのrevolving door の問題に触れつつ、最近の米政府の経済閣僚が如何に今回の金融危機をunderestimate (軽視)してきたかについて切り込んでいます。

以下はアマゾン(USA)に掲載されている著者によるサマーズに関するコメント。

Summers is "unquestionably one of the greatest economists of his generation, and he did some of the most path-breaking work on the fallacy of rational markets. After the 1987 stock market crash, for example, Summers wrote that it was impossible to believe any longer that prices moved in rational response to fundamentals. He even advocated a tax on financial transactions. Yet Summers later abandoned these positions in favor of Greenspan’s view that markets will take care of themselves. How could such a powerful intellect continue to believe and advocate this view, despite the plentiful accumulating evidence that the “efficient market hypothesis” did not hold up (including his own work)? Mainly because the near-religious attachment to free-market absolutism had become such a ruling principle that no single senior official in Washington dared to contradict—especially if he was politically ambitious. "

『こちら』ではHirsh氏のインタビューも見れます。

日本のアマゾンでも買えます(『こちら』)が、値段も高く(2,120円)、届くまでに3~5週間かかるとあっては、半値ですぐさま読み始められるキンドルを利用する人も多いのではと思います。

時間がないという方は上記のインタビューだけでもご覧になるとよいと思います(5分ほどで終わると思います)。

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2010年12月30日 (木)

風邪

先週末から風邪を引き、なかなか良くならず、月曜日にはついに医者に行く羽目になりました。

残念ながら風邪のまま年末を迎えることになりそうです。

私は小さい頃よく風邪を引きました。

風邪で寝ていた時、天井の板の模様を眺めていると、模様目が怪獣に見えてきたり、お化けに見えたりしたものです・・。

それが今では天井がクロス(壁紙)で覆われていたりして、まったくの無味乾燥・・。

そんなたわいもないことを考えながら寝ていました。

* * * * *

さていよいよ「民主党がマニフェストを全面的に見直す」とか(『こちら』)。

1~2年程前でしょうか、ある大学の先生が講演会でこう語っていたのを思い出します。

「日本は人口が減り続けるようになる。

団塊ジュニア(1971~1974年のベビーブームに生まれた世代)や

真性団塊ジュニア(1975~1979年生まれ)の世代が安心して子供を産める社会にしないとますますもって手遅れになる。

政策的に何か出来るとしたら、これが最後のチャンスだ」

恐らくはそのような配慮があって子ども手当は始められたのでしょうが、

それがいざ支給される段階になって減額になり、なおかつすぐに全面見直しの対象となるとすると、

とても「安心して子供産める社会」には繋がっていきません。

* * * * *

さて来年早々(と言っても1月末~2月初ですが)に本を出します。

すでに一部のネット・ショップでは予約出来るようになっています(『こちら』もしくは『こちら』)。

この本の初校ゲラ戻しが1月4日に設定されているため、私のほうは正月は原稿のチェックやらデータを最新のものに入れ替えたりする作業などで追われそうです。

* * * * *

今年も多くの企業が倒産しました。

一昨日にはかつてはミシンで有名だったシルバー精工倒産のニュースが舞い込んできました(『こちら』)。

私の身近でも、会社が破綻したり、ご自身も自己破産してしまった中堅企業の経営者の方々が出てきています。

この不況の中、リスクを取って懸命に会社の舵取りにあたっておられる経営者の方たちのご苦労には大変なものがあります。

来年は少しでも明るくなることを願いたいものです。

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2010年12月23日 (木)

308,745,538

米国で10年に1回の国勢調査(census )が今年実施され、その結果が報道されています(『こちら』)。

このブログ記事の表題の 308,745,538 とは、2010年の国勢調査の結果明らかとなった今年(2010年4月1日現在)の米国の人口。

1970年以降の人口推移をグラフにするとこんな感じ(↓)です。

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この間の日本の人口推移はこんな感じ(↓)(詳しくは『こちら』)。

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2つのグラフは同じ目盛間隔(50百万人)で作成されていますので比較しやすいと思います。

移民を受け入れ人口が伸びている米国と、人口の減少が予想される日本。

日本の場合、このままの形で推移すれば(現在の127百万人から)、2030年には人口115百万人のレベルになるとか・・・(詳しくは『こちら』)。

一方米国の場合、人口がハイッピッチで上昇してきていますが、それでも 2000年から2010年にかけての10年間の増加率(9.7%増)は、大恐慌(1929年)以降の人口増加率としてはもっとも少なかったとのこと(『こちら』)。

理由としては2007年から2009年にかけての recession の影響で、この間の移民が減ったためとのことです(『こちら』)。

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2010年12月22日 (水)

冬至

冬至です。

今日の東京は午後1時までに最高気温16.7°を観測し、この50年間で3番目に暖かな冬至であったとか・・。

空気も澄んで夜景も綺麗でした。

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     (渋谷、原宿方面から新宿のビル群を撮影)

冬至には、ゆず湯に入り、冬至がゆ(小豆がゆ)やカボチャを食べると風邪をひかないと言われています。

スーパーマーケットでは、冬至の七草のコーナーが設けられていました。

 金柑 キンカン

 南瓜 ナンキン

 人参 ニンジン

 蓮根 レンコン

 銀杏 ギンナン

 寒天 カンテン

 饂飩 ウンドン

どれも一つの単語の中に、「ん」=「運」が2つあるというのがポイントなのだとか・・。

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2010年12月18日 (土)

イルミネーション

クリスマス前のイルミネーションが街を彩るようになりました。

東京のミッドタウンガーデン前では夜になると車が列をなしてしまいます。

タクシーの運転手さんによるとイルミネーションを見に来る人たちで外苑東通りへと抜ける道が渋滞してしまうのだとか・・。

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さて、リーマンショックから2年3か月。

すでに米国の株価(ダウ平均)はリーマンショック前の水準(11,421ドル;2008年9月12日終値)を上回り、昨日は11,491ドルで引けています。

一方の日本はリーマンショック前(12,214円;2008年9月12日終値)の84%の水準(10,303円)。

いったいサブプライムで傷ついたのはどっちの国だ? という気もしますが、実は米国も欧州も株価に現れる以上に実体経済は疲弊しているように私には思えます。

欧州も米国も失業率は依然高止まりしています。

アイルランド、スペイン、ギリシャなどユーロ圏の一部の国々の問題も根本的解決を見るには至らず、時限爆弾を抱えたような状況が続いています。

* * * * *

ところで、最近村上龍が「逃げる中高年、欲望のない若者たち」と題するエッセイ集を出し、時代の断面を切り取ってみせています。

この「逃げる中高年、欲望のない若者たち」という状況は、日本だけの現象ではなく欧米にも多かれ少なかれ当てはまるような気がします。

世代間の格差は欧米でも深刻で、たとえば米国では全体の失業率は9%台ですが若者の失業率は19%台(『こちら』)。

欧米でも中高年の多くはこれまで貯めてきた資産があり何とか年金に逃げ込めそうですし、現に「逃げる」、「守りに入る」スタンスの中高年が多くなってきたと聞きます。

これに対して若い世代では職も無く将来に希望を見い出せなくなっている人が少なくありません。

鬱積した不満に耐えかねて、行動に打って出る若者たちも出現するようになってきました。

たとえばイギリスでは学費値上げに反対する学生たちが大規模なデモを行いニュースになっています(『こちら』)。

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はたしてこれから先、先進国の若者の間では1960年代後半の学生運動のようなエネルギーが沸き起こり世界的に連鎖していくのでしょうか、それとも・・。

冷気の中で静かにイルミネーションを見ている日本の若い人たちを見ていて、ふとそんな疑問がよぎりました。

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2010年12月13日 (月)

幻冬舎MBO (TOBの条件変更)

日本のM&Aも、だんだん欧米のようになってきました。

(これまでの経緯については 『11月1日付け』『12月10日付け』のブログ記事をご覧下さい。)

* * * * * * * *

[東京 13日 ロイター] 幻冬舎MBOでTOBの条件を変更、投資ファンドの大量保有で

幻冬舎は13日、経営陣による自社買収(MBO)で、・・・株式公開買い付け(TOB)の条件を変更したと発表した・・・

・・・11月1日から12月14日までとしていたTOB期間は同28日まで延長。さらに、買い付け予定の下限は、従来まで議決権総数の3分の2超(1万8300株)としていたが、これを過半数(1万3725株)まで引き下げた。また、TOB価格も従来の1株22万円から24万8300円に引き上げた。 (詳細は『こちら』

* * * * * * * *

幻冬舎経営陣としては、「変更した、この条件でならばTOBはぎりぎり成立する」と踏んだのだと思いますが、さてイザベルはどう出るか・・。

イザベルとしては、このまま引き下がってしまうと大した儲けにはならないでしょう(諸経費がかかるので精々1.2~1.5億円前後?)。

保有比率を 32.77%(12月9日) から更に買い増して 33.34%の保有を目指す(TOBが必要になる)という手も考えられますが、さて・・。

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海外投融資

『海外投融資』という隔月発行の機関誌があります(『こちら』)。

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この機関誌には『Book Review』と称する書評のコーナーがあります。

上記2010年11月号では関東学院大学経済学部教授の清 晌一郎さんが、小林英夫著『アジア自動車市場の変化と日本企業の課題』の書評を載せています。

実はかつて私もこの書評コーナーへの執筆を依頼されたことがあります。

もう13年も前のことで、このとき私は日本興業銀行の企業投資情報部の副部長を務めていました。

当時の私は今以上に KY (空気が読めない)タイプだったので、何を勘違いしたのか、

『新版 アインシュタインを超える―宇宙の統一理論を求めて―』(ミチオ・カク/ジェファニ―・トンプソン共著)

の書評の原稿を書いて発行者の海外投融資情報財団に送ってしまいました。

およそ機関誌の性格にそぐわない本の書評・・・。

依頼してきた海外投融資情報財団も原稿を頼んでしまった以上、載せないわけにはいかない・・・内部でどのような議論が行われたのか、行われなかったのか、よくわかりません。

寛容に私の原稿を受け入れてくれて、1997年9月号の『Book Review』欄には宇宙の統一理論の本の書評が載りました。

その後、私は商社や外銀のプロジェクト・ファイナンス部に勤める知人たちから「普段とは変わった書評ですね」との電話をもらいましたが・・。

* * * * *

さて何でこんな昔の話を思い出したかと言うと、最近読んだ『宇宙は何でできているか』が面白かったからです。

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この本は何度も大きく新聞広告に出ているのでもう読んでしまった方も多いと思います。

私が『海外投融資』に『Book Review』を書いて13年になりますが、村山さんのこの本を読むとこの間に物理学がもの凄い進歩を遂げてきたことがわかります。

「・・宇宙の誕生はいまから137億年前と考えられています。

そして、誕生してから2億年間の宇宙は、まだ星ができていない時代でした。

そこにあったのは、バラバラの原子と暗黒物質だけ。

したがって、そこには「光」というものが一切ありません。」

村山先生のやさしい語り口は我々を時空を超えた世界へと導いてくれます。

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2010年12月11日 (土)

ソルト

忘年会のシーズンです。

昨日はボーナスが支給になったところも多かったようで(公務員も昨日支給。一般行政職の平均は59万円でした)、夜の六本木の街は顔を赤らめた人々でにぎわっていました。

しかしさすがに不景気なのですね。とにかく空車のタクシーが多すぎ。上気した顔の人たちは地下鉄の入り口へと吸い込まれていきます。

ところで話は180度変わりますが最近見たDVDで面白かったのが『ソルト』

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アンジェリーナ・ジョリーの作品というと、トゥームレイダーやMr.&Mrs.スミスを思い浮かべますが、私にはソルトが一番面白かったです。

アンジェリーナ演じる主人公ソルトが映画が進むにつれ変わっていく(どんどん強くなっていく)様が凄い・・・。

アンジェリーナはじめこの映画の関係者は「007とボーンアイデンティティを合わせたような映画を作りたかった」と言っていましたが、たしかにスパイ&アクション映画が好きな人にとってはこれは単純に楽しめる作品だと思います。

なおこの映画でアンジェリーナの変身を担当したメークアップ・アーティストは辻一弘さん。

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2006年、2007年と2年続けてアカデミー賞(メイクアップ賞)にノミネートされた方です。

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2010年12月10日 (金)

幻冬舎MBOのゆくえ

幻冬舎が10月29日に発表したMBO。

公開買付価格は22万円でした。

私は11月1日付のブログ(『こちら』)で、

「米国であれば、このような場合、『だったら私が、22万円ではなくて、24万円でTOBする』という対抗馬が出てくることが予想されます」

と書いたのですが、

ケイマン諸島に設立された投資ファンドのイザベル・リミテッドが、幻冬舎の株式を8397株(30.6%)を取得したことが、12月7日判明しました(『こちら』)。

EDINETでイザベル・リミテッドが提出した大量保有報告書(『こちら』)を見ると、

イザベルは12月3日に532株、12月6日に3401株を取得しています。

幻冬舎の株式の12月3日の出来高が644株、12月6日の出来高が3646株でしたので、

それぞれ市場全体の取引のうち83%(12月3日)および93%(12月6日)が、イザベルによる取得であったことが分かります。

この結果、幻冬舎の株価は12月6日の時点で25万2千円にまで上がり、TOB価格を14.5%上回ってしまいました。

イザべルによれば保有目的は

「純投資(但し、投資一任契約等に基づく顧客資産運用のため)
状況に応じて重要提案行為等を行う可能性があります」

とのこと(『こちら』)。

なおイザベルの取得資金(19億1000万円)は、顧客資金に基づく立花証券での信用取引となっており、実際に議決権を得るには現引きが必要となってきます(『こちら』)。

「現引きをするための株の手当てに不透明感が漂う」(『こちら』)との見方もあります。

MBOにおける公開買い付け期間は12月14日までとなっています。

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2010年12月 8日 (水)

マーケットはどう動くか (ネナー氏の見方)

『マーケットはしばらくは上向くだろうが、1年くらい後には、クラッシュする。ダウ平均株価はその時、半値になるかもしれない』

と不吉な予想をするのは、チャールズ・ネナー・リサーチ・センター社長、チャールズ・ネナー氏

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彼は、今年3月の時点でも

『ダウは6000ドルくらいまで下落するかもしれない。早ければ4月にもそうなる』

と言っていました(『こちら』)。

しかし現実には今年の4月にそうなりませんでした。

ただ最近ネナー氏のコメントを米国のメディアでよく目にするようになってきたのも事実です(たとえば『こちら』『こちら』)。

これは市場がそれだけ神経質になっていることの現れかもしれません。

ネナー氏とはどんな人物なのか、彼のウェブサイト(『こちら』)を見てみましょう。

彼は1990年代前半を Ofek Securities (イスラエル、テルアビブ)の市場部門で働き、1997年から98年にかけてオランダのRabobank の trading reseach のヘッドになります。

1998年から2001年にかけて Goldman Sachs London Office の fixed income (債券部門)の trading group で technical analyst を務め、2001年に チャールズ・ネナー・リサーチ・センター を設立。

以降、ゴールドマンのニューヨーク本社などを顧客に持ち、マーケット・リサーチに従事してきたとのことです。

彼の手法はいくつもの変数をモデルに組み込み、サイクルを予想するものですが、

「現在の米国は deflationary crisis にあり、日本のバブル崩壊時に酷似している」とか・・。

そして、「ここ3~5ケ月間はマーケットは好調だろうが、早ければ半年後にはクラッシュが起きる」とのことです(詳しくは『こちら』)・・・。

* * * * *

マーケットには100人のアナリストがいれば、100人がそれぞれ別の見方をする訳で、我々はネナー氏の予言を過大に評価する必要はまったくありません。

ただこういう見方をする人もいるということを頭の片隅に入れておいた方がよいと思います。

時おり「退職金を銀行に言われるまま、35%を定期預金、25%を海外債券の投信、25%を世界の株式投信、15%を外貨預金に分散投資したら、3割減価して、7割に減ってしまった」などという話を耳にします。

そういった方たちは、「何れは7割が元に戻る」ことを期待していても、よもやそれが「更に半値になる」などということは考えていないのかもしれません。

しかしマーケットはこれから先、どちらにも動きうるのです。

『あなたにとって重要なことまでもリスクにさらしてまでして、リスクを取ってはいけない。そんな価値はないから・・』

これは投資家ウォーレン・バフェットの言葉です(『こちら』)。

分散投資と言えば聞こえは良いのですが、上記の退職金の例では、為替リスク、債券の下落リスク(金利変動リスク)、株価下落のリスクなど、さまざまなリスクを思いっきり取ってしまっているのが実態です。(勧めている銀行は手数料で儲かるのです)。

お金に余裕のある人や若くて給料が上がっていく人ならまだしも、退職金で老後の生活設計を考えている人は、生活の原資となる貴重なお金をそんなリスクにさらしてしまってはいけません。

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2010年12月 3日 (金)

獅子のごとく

黒木亮の『獅子のごとく』を読みました(『こちら』)。

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面白かったです。

主人公の逢坂丹は学生時代はラグビーの選手として活躍し、東立銀行に就職。事業を営む実家の会社が銀行に破綻処理され、逢坂は『銀行のやり方には納得できない』との思いを抱きます。

やがて逢坂は留学後、米国の投資銀行に転職。適法か違法か、すれすれの線の上を歩くようなことをしながらディールを獲得していきます・・・。

この小説自体が一歩間違えれば「キワモノ」小説になりかねない、まさに「線の上を歩く」ような小説なのですが、黒木亮の「迫真の筆致」で、読み応えのあるものに仕上がっています。

これまで私は『巨大投資銀行』をはじめ、数多くの黒木亮の小説を読んできましたが、 『獅子のごとく』が一番面白かったです。

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2010年12月 1日 (水)

捨てる勇気

早いものでもう12月になりました。

そろそろ年末の大掃除の時期です。

さて、ものを捨てるのが苦手という人は『こんな本』が参考になるかもしれません。

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日本の場合、特に高齢者の方で、ものを捨てるのが不得手な人が多いと言います。

ひとつひとつの「もの」に思い出が詰まっていたり、愛着心があって、なかなか捨てられない・・・

結果、家がもので溢れかえってしまう、あるいは家が狭くなってしまい快適な生活が出来ない、そんなことも少なくないようです。

先日見たテレビでは女性コンサルタントが地方に出張して、顧客である高齢者の方の相談相手になりながら、ものを捨てる手伝いをする、そんな光景が放映されていました。

コンサルタントが入ったお陰で高齢者の方が住んでいる家が見違えるように蘇ったのです。

なにやら、リフォーム番組の「大改造!!劇的ビフォーアフター」を見ているような感じでした。

* * * * * * * * * *

さて30歳の若さでアップルを退社することになったスティーブ・ジョブズは、1996年末、41歳の時にアップルに戻ります。

「アップルにもどったスティーブは、デザイン以外にもなくなったものがあることに気づく。炎が消えていた。

『想像をこえたひどい状態だった。みんな、長いあいだ、負け犬だと言われ続け、あきらめかけていた。もどった最初の半年は荒涼としたもので、僕でさえ、あきらめようかと何度も思ったくらいだ』」  「スティーブ・ジョブズ 偶像復活」 351頁)

スティーブ・ジョブズがやったことのひとつが、「捨てる」ということです。

当時アップルはデジカメを作り(Apple QuickTake)、プリンターを製造していました(Apple Scribe Printer)。

『これらはキヤノンに作らせていればいい』

そう言ってジョブズはこれらの分野から撤退し、PCに特化、iMacの立ち上げ(1998年)へとつなげていきます。

捨てるということは勇気が要ります。

しかし、もしアップルがデジカメやプリンターを作り続けていたならば、今日のアップルはなかったかもしれません。

1997年から今日にかけてアップルの株価は13年間で100倍になりました($3.28→$316.87)。

100万円の投資が1億円になったわけです(注:為替の影響は考慮に入れていません)。

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       (アップルの株価推移)

* * * * * * * * * *

日本企業ももう少し「捨てる」ことが上手になれば、勝てる分野に経営資源を集中でき、より一層の競争力を身につけることが出来るようになるかもしれません。

そんなことを思いつつ、取りあえずは身近なところから・・・。 机の中に眠っている、書けなくなったボールペンを捨てることから、12月の大掃除月間を迎えたいと思っています。

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