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2011年5月 5日 (木)

東京電力顧問・元参院議員の加納時男氏への朝日新聞インタビュー

朝日新聞が掲載した5月5日付の加納時男東京電力顧問(元東京電力副社長)へのインタビュー記事。

すでにネットの世界(とくにtwitter)でもかなり広く取り上げられています。

以下はその一部(青字が加納氏発言部分)。ぜひとも新聞記事で全文をご覧になってください。

* * * *

(福島の現状をどう感じてますか、の問いに対して)

『東電出身、元国会議員として二重の責任を感じている・・・

地元の強い要望で原発ができ、地域の雇用や所得が上がったのも事実だ。』

(河野太郎氏は「核燃料サイクル」政策は破綻していると主張しています、との問いに対して)

『反原発の集会に出ている人の意見だ。自民党の意見になったことはない。

反原発の政党で活躍すればいい。

社民党に推薦しますよ。

福島瑞穂党首は私の大学の後輩だから』

(今後も原発を新設するべきでしょうか、の問いに対して)

『・・原子力の選択肢を放棄すべきではない。福島第一原発の第5、6号機も捨てずに生かす選択肢はある』

(東電の責任をどう考えますか、の問いに対して)

『東電をつぶせと言う意見があるが、株主の資産が減ってしまう。金融市場や株式市場に大混乱をもたらすような乱暴な議論があるのは残念だ・・

低線量の放射線は『むしろ健康にいい』と主張する研究者もいる。

説得力があると思う。

私の同僚も低線量の放射線治療で病気が治った。

過剰反応になっているのでは。

むしろ低線量は体にいい、ということすら世の中では言えない。これだけでも申し上げたくて取材に応じた

* * * *

以下、加納氏の発言に関する私の感想です。

【1】低線量の放射線は『むしろ健康にいい』と主張する研究者がいることについては、私も2年ほど前にこのブログで書きました(『こちら』)。

しかし福島第一が放出してきたのは高いレベルのものであり、周辺住民から住む土地を奪い、生活を破壊し、農業・漁業にも多大な影響を及ぼしています。

国際社会は、日本のことを地球環境を破壊した国、原子力を適格に扱えない国と見なすようになり、日本の威信は傷つきました。

【2】加納氏は『東電をつぶせと言う意見があるが、株主の資産が減ってしまう。金融市場や株式市場に大混乱をもたらすような乱暴な議論があるのは残念だ』と述べていますが、

『株主の資産が減ってしまう』からといって、国民負担にするというのは資本主義の原則から外れます。

そんなことをすれば、日本の市場が異質なものと国際的に映ってしまい、それこそ金融市場、株式市場に悪影響を及ぼします。

2010年4月にメキシコ湾原油流出事故(Deepwater Horizon oil spill)を引き起こしたBPは、

すでに同年の12月末決算にて

409億ドル(3.3兆円)の損失引き当てを計上しました(『こちら』)。

    Bp_2

     (BPのアニュアル・レポート)

もし仮にBPの経営陣(もしくは顧問)が『株主の資産が減ってしまう。金融市場や株式市場に大混乱をもたらすような乱暴な議論があるのは残念だ』といったコメントを発すれば、それこそ世界の笑いものになっていたでしょう。

水俣病を引き起こしたチッソも、債務超過になり上場廃止になっても補償責任をまっとうしてきました。

河野さんが同じ朝日の紙面で、(東電には)『逆立ちしても鼻血が出ないくらいまで賠償金を払わせるべきだ』と述べていますが、東電にまず求められるのは徹底したリストラです。

たとえば原因企業である東電には、副社長(原子力担当)を務めた後、12年間参議院議員を務めた人を再度顧問として雇い入れる余裕など無いはずです。

バブル崩壊後に公的資金を受け入れた金融機関も当然のことながら徹底的なリストラを余儀なくされました。「顧問」や「相談役」の廃止もその一つでした。

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