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2011年10月17日 (月)

ブラック・スワンの箴言

『この本』を最初に手に取ってから読み終わるまでに1ヶ月以上かかってしまいました。

    Bs

大ヒット『ブラック・スワン』の著者、ナシーム・ニコラス・タレブの著作。

原題は『THE BED OF PROCRUSTES』(プロクルーステースのベッド)。

本書はいきなりこのギリシャ神話「プロクルーステースのベッド」から始まります。

* * * *

「プロクルーステースはアテネとエレウシースの間にあるアッティカのコリダラスに小さな地所を持つ、残酷な地主だった。

エレウシースは祭儀が行われていた場所だ。

プロクルーステースはおもてなしについて独特な考えを持っていた。

彼は旅人を捕まえては豪勢な晩餐を与え、今晩はここで泊まれと言って少々変わったベッドへ連れて行く。

プロクルーステースはベッドと旅人がぴったり合うようにした。

旅人の背が高すぎると、旅人の脚を鋭い斧で切り落とした。

旅人の背が低すぎると、身体を引き伸ばした・・・」

* * * *

「因果応報そのままに、プロクルーステースは自分が作った仕掛けにはまることになった。

あるとき捕まえた旅人が怖いものなしのテーセウスだったのだ。

英雄としてのキャリアを歩み、後にミノタウロスを退治する人である。

いつもの晩餐が終わると、テーセウスはプロクルーステスをベッドに寝かせ、プロクルーステースの流儀に従い、ベッドに完璧に合うように、プロクルーステースの首をはねた。

目には目をというヘラクレスの流儀に倣ったわけだ・・・」

* * * *

「これから書く箴言はどれも、ある意味プロクルーステースのベッドにかかわるものだ。

・・・たとえば、私たちは学校のカリキュラムに合うように子供の頭をあれこれいじくりまわす。

子供の頭に合うようにカリキュラムを決めているのではないのがわかっている人は少ない・・・」

* * * *

と、ここまで読んだところで(まだ本書の5頁目ですが)、私には、今年4月文部科学省が校庭の利用に際して放射線量の上限(許容量)を国際放射線防護委員会(ICRP)が定めていた年間1ミリシーベルトから年間20ミリシーベルトに引き上げたニュースが思い起こされました。

これってまさに「プロクルーステースのベッド」ではないかと・・・。

この本に出てくる392の箴言はひとつひとつが考えさせられるものが多く、読み進むのが容易ではありません。

最初から最後まで通して読むことは諦め、毎日、適当なページを開いて読んでみると言ったスタンスが楽かもしれません。

この本の箴言に触れることで、知らず知らずのうちに自分が「プロクルーステースのベッド」の罠に陥るのを少しだけ防ぐことができるようになるかもしれません。

著者のタレブいわく、

「私たちは「合理的な」モデルというベッドに合わないといって世を嘆き、

技術革新に合うように人間を改造しようとし、

クビになっては困るからと倫理を曲げ、

経済的生活を経済学者たちの理論に合わせ、

人間としての生活を何かの講釈に押し込もうとしてきた」

のだとか・・。

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