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2012年2月 4日 (土)

会社から「個人年金積立制度案内」が送られてきました

本日の日経ラジオ『集まれ!ほっとエイジ』では、『会社から「個人年金積立制度案内」が送られてきました』と題して、日本版401Kについて説明しました。

【1】個人年金積立制度案内

実は、私の周りでも、最近会社から「個人年金積立制度案内」が送られてきたという話をよく聞きます。

多くの場合、これは確定拠出年金制度を利用した年金資金の積み立て制度です。

ここで確定拠出年金制度について簡単にご説明しますと、年金には

給付の額が決まっている確定給付型(DB:Defined Benefit Plan)と

拠出金の額を決めて年金原資を積み立てていく確定拠出型(DC:Defined Contribution Plan)

の2種類があります。

たとえば国民年金は40年間払えば、だれでも月6万6000円の満額が支給されます。ですから確定給付、DBです。

厚生年金も同じくDBです。

【2】確定給付型のプラス面・マイナス面

確定給付の方が将来の生活設計が立てやすい、すなわち、年金をもらう人にとっては楽な制度ですが、これは、裏返せば、年金を払う方にとっては厳しい制度です。

運用成績が振るわなくとも、すでに決められた年金給付をキープしなければならないからです。

たとえば公的年金について、 政府の公式的な立場は、これは「100年間は持つ」、つまり100年安心できるというものです。

つまり将来100年にわたって年金の積立金がゼロにならないように収支計画が作られているという立場です。

しかしこれは2016年以降の運用利回りが年4.1%を達成できるというのが前提になっています。

一方で、昨年7月から9月の第2四半期の年金積立金の運用利回りはマイナス3.32%でした。

この結果、ほんとうに100年間は持つのだろうかと心配されているのです。

【3】企業年金がかかえる問題

ところで「確定給付を維持する」というのは企業年金にとっても大変なことです。

上場企業3,594社のうち、半分以上の1,934社で退職金や年金支払いのための積み立てが不足しています。

不足額は総額で8兆円を超えると言われています。

ちなみにこれは日本に限った問題ではありません。米国でも年金の積み立て不足額は Unfunded pension liabilityとして問題視されています。

【4】確定拠出型への移行の流れ

年金の仕組みを確定拠出型にすると、この種の問題は無くなります。

運用成績が振るわなくなると、年金受給者の年金額が減るのですから、年金を出す方の企業や公的機関にとっては楽な制度です。

それで、会社から「個人年金積立制度案内」が送られてくる、といった話を最近よく聞くようになったのです。

なかには確定給付型から一気に確定拠出型の企業年金に移行する企業もあるかもしれませんが、多くの企業では、ゆっくりと時間をかけて制度変更を図ろうとしているようです。

制度の変更には多くの場合、組合の了解を得なくてはなりませんし、性急な形での制度変更は難しいことも多いからです。

【5】両制度が並列して走るケース

具体的には、現在の企業年金制度(確定給付型)は維持したまま、とりあえず別枠で確定拠出の年金制度をスタートさせるところが比較的多いようです。

実は、このように他の企業年金制度がすでにあって、これと並行して、確定拠出の年金制度をスタートさせる場合には、拠出できる上限金額が減らされます。

他の制度が無い場合は、月51,000円が上限ですが、他の企業年金制度がある場合は、拠出金額はその半分の25,500円が上限となります。

【6】税法上のメリット

拠出金を拠出するのは企業です(企業型の場合)が、拠出金(すなわち積立金)に見合う金額は従業員の給与から減額されてしまうのが一般的です。 すなわち企業にとっては、追加負担にはなりません。

一方、従業員にとっては拠出された額は(一定の条件下で)従業員のものとなり、将来の年金として使われるわけですから、従業員にとっての損もありません。

こういった制度が無くて、自分で将来の年金資金を積み立てるとします。

すると、通常は給与を受け取った後で、積立金を積み立てるという形を取ります。

一方、確定拠出の年金制度を利用した「個人年金積立制度」のもとでは、拠出分だけ給与が減るという形を税法上、取れるので、課税所得が減ります。

すなわち税金が減って、その分、従業員の方は得をします。

【7】従業員にとってのメリット

確定給付型が維持されたまま、とりあえず別枠で確定拠出の年金制度がスタートするケースでは、この制度に参加するかどうかについては、通常従業員に選択権があります。

少なくとも選択肢が増えるという点では従業員にとってはプラスです。

【8】予定利率の変更の流れ

ただ多くの企業の場合、個人積立年金制度という従業員にとって「アメ」を用意するのと同時に、「ムチ」も同時に提案するということが行われているようです。具体的には、確定給付型の企業年金の予定利率を引き下げることが同時に提案されることが散見されます。

さてそれでは予定利率の変更とはどういうことでしょう。

いま企業年金をめぐって大きな動きがありますが、それは私たちの生活設計にいったいどのような影響をもたらすのでしょうか。

詳しくは是非番組をお聞きになってみてください。

こちら(日経ラジオ)のサイトをクリックすると出てくる下記ボタンの「聴く」を押してください。(下記ボタンをいきなり押してもリンクされていません。必ず『こちら』をまずクリックしてください)

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なお iTunes でも聞けます(無料です)。

『こちら』です。

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コメント

こんにちは。楽しく読ませてもらいました。このブログを今後も参考にさせてもらいます。ありがとうございました。

投稿: 萌音 | 2014年2月10日 (月) 17時22分

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