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2012年3月12日 (月)

医療保険

10日(土曜日)の日経ラジオ『集まれ!ほっとエイジ』では、前々回(2月25日)、前回(3月3日)に続き保険を取り上げました。とくに中高年世代が関心をもつ医療保険について詳しく説明しました。

実は現在アメリカで生活している日本人からたまたま先週電話がかかってきて、その人から聞いたことなのですが、

急激な腹痛に襲われて救急車を呼んだら(その後の検査代も含めてだと思うんですが)

請求書が80万円来たといいます。

一方で、日本では救急車を呼んでも基本的にはタダなことから、逆にみんな安易に救急車を呼び過ぎるということで、以前より問題になっています。

もともとアメリカには公的な健康保険制度がなくて、それをオバマ大統領が導入したところ、国中で賛否両論が沸き起こりしました。

逆に言うと、こういうことだと思います。

日本の公的な健康保険制度は非常に優れています。

したがって、その優れた公的健康保険制度に加えて、個人でさらに、別途、民間の医療保険に入る必要があるのか、考えてみた方が良いということだと思います。

まず第一に公的な健康保険制度のもとでも原則3割が自己負担です。

仮に手術や入院などで100万円かかるとすると、その3割の30万円を払うというのは結構大変です。

たとえば保険会社のパンフレットを見ると、「入院1日当たり平均20,100円もかかります」などという記述もあります。

しかしよく見ると、パンフレットには小さな字で、「高額療養費制度による払い戻し前の数字」と書いてあります。

つまり公的な健康保険には高額療養費制度がセットされています。

したがって、個人ベースで民間の医療保険に別建てで入らなくても、手術や入院時のコストは、実は、あまり気にする必要はありません。

仮に手術や入院代で100万円かかったとして、 3割負担ですと30万円の負担ですが、高額療養費制度がセットされていますので一般の場合は、負担額は100万円の3割の30万円ではなくて、87,430円ですみます。

低所得者の場合は、この金額が35,400円になります。

また70歳以上の方はもっと安くなりますし、75歳になった月にはさらに負担が軽減されます。

高額療養費制度というのは  高額療養費の負担を軽減させてあげましょうという、ありがたい制度で、次の算式で自己負担の限度額が定められています。

一般:80,100円+(医療費-267,000円)×1%

高所得者:150,000円+(医療費-500,000円)×1%

低所得者:35,400円(定額)

たとえば1か月間にかかった医療費が100万円の場合:

一般:80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円

高所得者:150,000円+(1,000,000円-500,000円)×1%=155,000円

このように 公的な健康保険には高額療養費制度がセットされていますので、「民間の医療保険に入る必要は無いし、入らない」という人は結構います。

もっとも保険料は月2000円~3000円と安価な場合が多く、さほど気にならない水準なので入っているという人もいます。

しかし安いといっても、たとえば25歳から75歳まで入るとして、月3000円と仮定すると、3000円×12か月×50年=1,800,000円です。

また25歳、3000円と同じ保障を得ようとして、50歳で入ると6200円。

50歳から80歳までの保障で、6200円×12か月×30年=2,232,000円です。

保険料が安いといっても長い期間で見るとバカにならない金額です。

なお高額療養費制度については注意点が2つあります。

1つは、差額ベッド代。 もう1つは重粒子線治療などの先進医療の技術料。

この2つが高額療養費制度の対象とならないことです。

ただまず差額ベッド代ですが、誤解が多いので気を付けたいのですが、厚生労働省の特定療養費について定めた通知で、 治療上の必要で個室に入院させられる場合は、病院は差額ベッド代を徴収してはならない ことになっています。

つまり差額ベッド代がかかるのは、患者の方で、個室がいいと要望した場合だけです。

入院しても、みんなと一緒の部屋でいいと割り切れる人は、差額ベッド代のことを気にする必要はありません。

先進医療の技術料は保険で特約をつけるとせいぜい月100円~300円程度。

つまりこれだけ安い保険料ということは、実際に使われるケースがほとんどないということです。

ですからケースとしては「まれ」なケースなので、保険をかける必要がないともいえますし、逆に、安いので、この特約に入った方がいいという考えの人もいるかと思います。

番組ではこのほかに保険のオーバーカバーの問題、 入院日額タイプ(例:1日5000円×10日入院=50000円)と、「一時給付型」(例:インフルエンザ15万円、日射病25万円といったぐあいに、診断された瞬間に給付額が確定する)との比較についても取り上げました。

詳しくは是非番組をお聞きになってみてください。

こちら(日経ラジオ)のサイトをクリックすると出てくる下記ボタンの「聴く」を押してください。(下記ボタンをいきなり押してもリンクされていません。必ず『こちら』をまずクリックしてください)

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なお iTunes でも聞けます(無料です)。 『こちら』です。

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