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2013年2月27日 (水)

外資系に勤める人のネクスト・ステージ

外資に勤めている方からときおり「会社を辞めて独立しようと思うのだけれど」といった相談を受けることがあります。

外資系の投資銀行やコンサルタント会社に勤める人は日本企業と違って60歳とか65歳の定年まで勤め上げることはそれほど多くありません。

むしろどこかの段階で現在勤めている会社を辞めて次の展開を考える人が多いようです。

私の場合は49歳でリーマンブラザーズを辞め、今の会社(インフィニティ)を立ち上げました。

* * * * *

外資系ばかりではありません。

先日は著名な日本企業に勤める方から「いよいようちの会社でも早期退職プログラムが始まる。これに応募して、その後、自分で会社を始めようと思っているが相談に乗って欲しい」との依頼を受けました。

* * * * *

このように最近では外資はもちろんのこと、日本企業に勤める40代から50代の方までもが「次の展開」というか「ネクスト・ステージ」を意識するようになってきているように見受けられます。

もちろん60歳もしくは65歳で辞めて、後は年金で、と考えている方も多いのでしょうが、

すでに現時点で60歳もしくはそれ以上になられている人は別にして、これから60歳になる人は、経済的にも実は今までとはかなり違ってきます。

たとえば年金ひとつを取ってみても、今までは60歳になると公的年金の支給を受けることが出来ましたが、今年の4月からは60歳になっても年金は一切支給されません。

老後は年金だけでは心もとないという人もだんだんと増えてきました。

JALが破綻し、パナソニックやシャープ、ソニーが業績悪化に苦しみ、外資系金融機関でも欧州系を中心に不採算部門を日本から撤退させる動きにあるといった状況に鑑みれば、今自分が勤めている会社の次、すなわち「ネクスト・ステージ」を人々が意識するようになってきているのは当然と言えば当然かもしれません。

それと同時に、自分の人生、一度は自分なりに生きてみたいとの理由で50代近辺での独立を考える人も多くなってきています。

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ネクスト・ステージは転職にせよ自分で会社を始めるにせよ、追い詰められて選択肢が狭まってからあれこれ迷うよりも、先見の明を持って、自分が主体となって切り開いていく方が、一般論としては望ましい結果が得られるかと思います。

しかし一方で、私の周りを見回すと、外資を辞めて会社を始めた人のなかには、残念ながらリーマンショックとその後の不況で、志半ばにして会社をたたむことに追い込まれてしまった人もいます。

ネクスト・ステージを検討する上での注意点は何か。

そんなことを考えながら1冊の本を書きました。

Photo

       (図の上をクリックすると大きくなります)

タイトルは「65歳定年制の罠」となっていますが、内容は下記(一部の抜粋です)の通りネクスト・ステージを検討する上で参考になる点も網羅されています(特に4章~6章)。

第1章 「65歳定年時代」の隠された罠

  • 65歳以上も働き続けたい人が半分以上いる
  • 早期退職という選択
  • ピーター・ドラッカーの「定年制の延長・廃止」論

第2章 年金だけでやっていけるのか

  • 定年延長後も働かなければ生活できない現実
  • 米、独、英は年金受給開始年齢を67~68歳に引き上げ
  • 日本でも増えてきたシニア世代の起業

第3章 老後の破綻リスクに備える

  • 「長く働き続ける」にはどうするか
  • 経営者にとっても年齢による限界はない
  • 米国では50代で独立して、会社をスタートさせる人が多い

第4章 定年起業を成功に導く10ヵ条

  • 「人脈も歳をとる」と心得る
  • 撤退のルールをあらかじめ決める

第5章 失敗から立ち上がる者が成功する

  • 部下に嫌われる起業家が大きく成功する

第6章 定年後に起業した先輩たち

  • 起業で成功する人、ダメな人

第7章 ボランティア、NPOという生き方

* * * * *

是非お手に取ってみてください。

来週3月8日発売。すでにアマゾンで予約注文できます。『こちら』 です。

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2013年2月23日 (土)

Le Tour de France (トゥール・ド・フランス)

トゥール・ド・フランスは毎年フランスを舞台にして行われる自転車ロードレース。

   Tour_de_france  

今年は100回記念大会。

6月29日~7月21日にかけて行われ、日本ではJ SPORTS (スカパー!もしくはCATV)が独占生中継をします。

以下はJ SPORTS のサイト(『こちら』)からの引用です。

『夏季五輪、サッカーW杯に続く世界で3番目に大きいスポーツイベント、それがツール・ド・フランス。

今大会も6、7月の3週間、沿道に詰め掛ける約1500万のファンと世界約190カ国のTV視聴者が注目する中、選手たちはフランスの大地を駆け巡る。

1903年に産声を上げたレースは、2回の世界大戦による中断を経ながらも、世界最大のレースへと成長をとげた。

・・道中にはモンサン・ミシェルにゴールする個人タイムトライアルや、難所ラルプ・デュエズを1日で2度登るステージなど、100回記念大会に相応しいコースが設定され、4大会ぶりにチームタイムトライアルがツールに帰ってくる。

そしてラストは夜のパリ・シャンゼリゼ大通りにフィニッシュ。

総走行距離3,479kmを走り切り、マイヨ・ジョーヌに袖を通す選手は、はたして?』

Tour_de_france1_3

上記の引用文にも出てくる L'Alpe-d'Huez(ラルプ・デュエズ)。

Lalpe

ここが最初にトゥール・ド・フランスのコースに組み込まれたのは1952年。

これまでに26回ステージに組み込まれています(最近時では2006、2008、2011年)。

頂上までに全部で21のカーブがあり、それぞれのカーブにはステージ優勝者の名前入りパネルが立てられていることでも有名です。

       Alpedhuez

          (ラルプ・デュエズの21のカーブ)

このL'Alpe-d'Huez(ラルプ・デュエズ)の坂を自転車で降りる途中で高校時代(AFS留学時)のクラスメートのブルースが事故を起こしました。2011年のことです。

すぐ前を行く自転車がクルマを見て急停車、ブルースはこれを避けようとしてコンクリートの壁に時速64キロで激突。

似たような事故が1995年のトゥール・ド・フランスであり、このときにはイタリアのFabio Casartelli 選手が24歳の若さで亡くなられたのだとか・・・。

 (注)トゥール・ド・フランスではこれまでに4名の選手が事故で亡くなられているようです。1910: French racer Adolphe Heliere drowned at the French Riviera during a rest day. 1935: Spanish racer Francisco Cepeda plunged down a ravine. 1967: Tom Simpson died of heart failure during the ascent of Mont Ventoux. 1995: Fabio Casartelli crashed at 88 km/h (55 mph) while descending the Col de Portet d'Aspet

幸いにもブルースは一命を取り留めたものの、6か所で骨が粉々に割れてしまったとのことです。

それでも彼は懸命にリハビリに励み、事故から1年後には イタリア・アルプスのCycling Toursをガイドできるまでになったとか・・。

このことは記事になってウェブ上でも紹介されています(『こちら』です)。

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2013年2月17日 (日)

AuthaGraph

以前アルゼンチンに行ったとき、私はアトランタ経由で行きました。

しかし、なかにはドーハ(カタール)経由もしくはシドニー経由で行く人もいるようです。

ドーハ経由とかシドニー経由といった行き方は平面の世界地図だけ見ているとなかなか思いつきにくいかもしれません。

もうひとつ。

次のうち大きいのはどちらでしょう。

第1問 オーストラリア vs. グリーンランド

第2問 インド vs. アラスカ

長いこと、私たちはメルカトル図法の地図に慣れ親しんできましたが、実際にはインドはアラスカの2倍近くあります。

オーストラリアもグリーンランドより大きく、

それも単にちょっと大きいだけでなく実は3.5倍以上もあるのです。

この地図を見ていると、とてもそんなふうに見えませんが・・。

W_map_2

ということで、メルカトル図法の地図の欠点を克服しようとして作られたのが、AuthaGraph(オーサグラフ)です。

Ag_3

       [AuthaGraph(オーサグラフ)]

従来の地図では歪んでいた南極大陸なども含めて極力正しく表記され、

すべての陸と海が分断されずに長方形に収まる世界地図として注目されています。

ところで、これを開発したのは実は日本の建築家。

鳴川肇さんです。

先日お会いしましたら、

「球体の地球を平面に完璧な形で表すことは理論的に不可能です。

しかしオーサグラフでは極力面積の歪みを抑えました」

と話しておられました。

ご興味のある方は『こちら』『こちら』のサイトをご覧ください。

なお日本科学未来館(館長は宇宙飛行士の毛利 衛さん)では、400年以上もの間使われてきたメルカトル図法にかわる “世界地図の新スタンダード”として、オーサグラフ世界地図の採用を決定。

日本科学未来館「つながり」プロジェクトでは、Geo-PaletteとGeo-Scopeでこの地図を使用しています(詳しくは『こちら』のサイト)。

今から444年前。

1569年にフランドル(現ベルギー)出身の地理学者ゲラルドゥス・メルカトルがデュイスブルク(現ドイツ)で発表したのが、メルカトル地図。

以来世界標準として使われてきたこの地図を日本の建築家が開発したオーサグラフが塗り替えるかどうか、興味深いものがあります。

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2013年2月13日 (水)

エコノミストの見方

先日のブログ(『こちら』)に

「リーマンブラザーズでの毎週月曜日、朝のミーティング。これはエコノミスト、ポール・シェアードの話から始まった」

と書きましたが、

興銀でも部店長会議の際には調査部長の話がかなり重要な位置を占めていました。

調査部門を抱えている金融機関はある意味恵まれているわけですが、そうでない場合はネットなどを使って積極的に情報を取りにいくことが重要になります。

たとえば先日の経常収支半減のニュース。

新聞記事を読むとかなり心配になりますが、興銀の調査部出身の塚崎さん(久留米大学教授)の説明ですと、こうなります(以下、引用)。

昨年の経常収支黒字が半減したそうです。

しかし、今年は再び増加に転じるでしょうから、心配は無用です。

輸入はドル建て、輸出の一部は円建てであるため、輸出入数量が変化しないとすれば、円安によって貿易収支は悪化するでしょう。

かし一方で、投資収益は、受け取りが外貨建て、支払いが円建てですから、大幅に黒字が拡大して、貿易収支の赤字拡大を帳消しにするでしょう。

あとは、円安で輸出数量が増えて輸入数量が減る分だけ経常収支黒字が増えるという計算です。

海外の景気が悪化すれば別ですが、海外の景気は緩やかに拡大していくと思われますから、その面でも大丈夫でしょう」

なるほど、という感じですね。

消費者物価は上がっていくかについては:

(以下、これも塚崎さんのコメントの引用です)。

「ESPフォーキャスト(エコノミストたちの予測の平均値)が発表されました。

これによれば、消費者物価指数の上昇率は13年度が0.17%、14年度が2.45%となっています。

消費税が3%引き上げられた分がフルには転嫁されないという予測になっているのです。

これは、「消費税の転嫁分を除いても2%は消費者物価が上昇する」という「日銀の目標」とはかけ離れています。

解散表明前の昨年10月末に行なった同じ調査で13年度が0.11%、14年度が2.36%であった事と比較しても、ほとんど予想インフレ率は高まっていません。

つまり、エコノミストたちは、日銀が金融を緩和してもインフレ率は高まらない(高まったとしても誤差の範囲である)、と予測していることになります。

金融緩和が直接物価に与える効果だけではなく、為替の円安や経済成長率の上昇も、予想インフレ率にはほとんど影響...していない事になるのです。

金融緩和による物価への直接的な影響が無いという点では、私の意見も同じなのですが、円安になっても成長率が高まってもインフレ率には影響しない、と言われると、さすがに違和感を感じます。

日本の物価がそこまで上がりにくい体質になっているのか、エコノミストたちの物価観がそこまでデフレ慣れしているのか、私は後者だと考えていますが、どうでしょうか。

(ちなみに日銀自身も、解散表明前から消費者物価予想をほとんど変えていません。

これは、「日銀としては、これ以上金融を緩和しても意味がない、と考えている」という主張なのでしょう。しかし、実際に円安になり、成長率予測も上方修正しているのですから、消費者物価見通しも上方修正しても良いと思いますが・・・)

エコノミストとは別に、経済界の人々はどう考えているのでしょうか?

経済界の人々もエコノミストたちと同じように「物価は上がらない」と考えているのだとすれば、実質金利(=金利-期待インフレ率)は高まらず、設備投資も増えにくい、という事になってしまうかも知れません。そうだとすると、あまり嬉しくないですね」

* * * * * 

私は時おり塚崎さんのウェブサイトを見て参考にさせていただいています(『こちら』です)。

 (注)上記2つの記事はウェブサイトには載っていないかもしれません。

詳しくは上記にリンクを貼りましたので、塚崎教授のウェブサイトを直接ご覧になって頂ければと思うのですが、最近の塚崎さんの記事で興味深かったものをPDFファイルの形で以下に載せておきます。

『アベノミクスへの期待』

『金融緩和に賭けるべきか』

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2013年2月12日 (火)

日経ヴェリタストーク

「日経CNBCの『日経ヴェリタストーク』を見たいけれども、どうしたらいいんでしょう」

こういった質問を時おり受けます。

日経CNBCは、JCOM、ケーブルTV、スカパー、ひかりTVなどで見れます。

「テレビはもっぱら地上波デジタル」という方は、日経新聞のウェブサイトで過去の『日経ヴェリタストーク』を見れます(ただし全てというわけではありません)。

この方法をご説明しましょう。

まずは『こちら』をクリック。

右側に窓が5つ出てきますので、関心あるところを選べば、その番組を見れます。

Nv_3

ちなみに上から2つ目は先月28日に私が出演した時のもの。

1番下は昨年4月16日の私の出演時のものです。

なお日経ヴェリタストークは毎週月曜日放送。

今度私は3月4日に出演する予定です。

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2013年2月 9日 (土)

アップルが買収される日? (あくまでも頭の体操ですが・・)

アップルを提訴したアインホーンはチェスの名手として知られており、世界選手権で18位になったことでも有名です。

 Chess_2
   (チェス世界選手権に出場した時のアインホーン)

さてアインホーンにプロキクシーファイト(委任状争奪戦;くわしくは『こちら』)を仕掛けられたことを受け、アップルは一昨日さっそくプレス・リリースを発表(『こちら』)。

この辺は教科書通りの動きです。

ところでアインホーンはヘッジファンド・マネージャーですので、アップルを買収しようとしているわけではありません。

しかしこの一連の動きに対して一部の買収ファンドの人たちは興味を持って見ているかもしれません。

アインホーンによるプロキクシーファイトと提訴でアップルの株価は2日続けて上がりましたが、PERは9.33。以前は 8 前後にまで落ちていました。

アップルの現預金(short-term and long-term marketable securities を含む)は、$ 137.1 billion。

これは現時点での時価総額 $ 446.0 billionの 30.7%を占めます。

つまり株価474ドルのうち145ドルが現預金(の価値)から来ていると見れば、残りは329ドル分ということになります。

アップルがこれから先、事業を営み、キャッシュフローを産みだしていくのに当然ある程度のキャッシュ(現預金)は必要でしょう。

しかし $ 137.1 billion というと13兆円。

日本の国家財政(一般会計)の税収が42兆円ですから、その3割にも当たる金額です。

買収ファンドがレバレッジをかけてアップルを買収し、経営者を更迭したうえで、余分な現金を回収して買収資金の一部の返済に充てる・・・あくまでも頭の体操の域を出ませんが、こうしたシナリオも考えられなくはありません。

アップルと言えばスティーブ・ジョブズのカリスマ性で知られていましたが、実のところサプライマネジメントなど細部に関しても、これまでひじょうにうまく経営してきたことで知られていました。

しかしiPhone 5 の供給問題をはじめてとして、ここのところ細部に狂いが生じてきています。部品供給会社との間では厳格な守秘義務協定が結ばれているはずですが、にもかかわらずアップルのオーダー数量や部品のスペックに関する情報がアジア地域から漏れることも格段に増えてきました。

ティム・クックよりももっとうまく経営できる人がいるのではないか、一部の買収ファンドがこう考えたとしても不思議ではありません。

と言っても買収ファンドによるこれまで最大の買収は $ 45 billion(2007年のTXUの買収)。

その10倍ものサイズの買収は現実的には難しく、あくまでも頭の体操の域を出ません。

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2013年2月 8日 (金)

アインホーン対アップルの訴訟の行きつく先

昨晩のブログ記事。

私は、

「株価テコ入れについて、Einhorn氏は、アップルは永久優先株を無償でアップル株主に配るべきだと主張しています(『こちら』、および『こちら』)が、はたしてティム・クックは聞く耳を持つのかどうか」

と書いて寝ました。

       De

            (デイビット・アインフォーン氏)

今朝起きてみると、Einhorn 氏がアップルを訴えたとのニュースが飛び込んできました。

ニューヨークの連邦裁判所に提訴したとのことです(『こちら』)。

これを受け、アップル株価は直ちに上昇。昨日1日の動きです。

Apple Inc. (AAPL)

アップルがたくさんの現金を抱えていても、スティーブ・ジョブズなら人々がわくわくするような製品を市場に出してくれた。その結果、株価も上がった・・・

しかし今のCEOであるティム・クックのもとではそれが期待できない、だったら13兆円もの現金を抱えていないで、さっさと市場に返せ(配当金を何倍かにして配るとか、永久優先株にして配るとか)・・・

これがアインホーン氏を初めとする市場関係者の主張です。

アインホーン氏のこの主張。

日本企業も注目すべきです。

多くの日本企業が必要以上の現金を抱えて、銀行に預けたままでいる。銀行はこれをもとに国債を買い、そのお金は政府の赤字補填や公共事業と称してコンクリートに回っている・・。

アインホーン氏は日本の現状をこう捉えて2010年からずっと円をショート(円安に賭ける)にしてきたのでしょうから・・。

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円安に賭けたグリーンライト・キャピタル

グリーンライト・キャピタルは、2007~08年にかけてリーマンブラザーズ破綻に賭け、リーマンの株を空売りし、同社を倒産に追い込んだことで知られています(『こちら』)。

   Davideinhorn
     (グリーンライト・キャピタルの創設者、David Einhorn氏)

そのグリーンライト・キャピタルの投資家への2013年1月22日付けレターがネットでご覧になれます(『こちら』)。

(注)上記ネットでダウンロード可能になっていましたので、『こちら』にリンクを貼りました。(『こちら』をクリックすると大きな画面でレターが見れます)。

このレターで明らかになったことですが、第4四半期、グリーンライト・キャピタルにとっての2番目に大きな儲け頭は円安に賭けたポジションだったと言います。

レターによると、彼らは、日本についてbearishに見てきた(円安になると賭けてきた)が、これは2010年、2011年、そして2012年の大半において、裏目に出てきた。つまりmoney loser だった・・。

それがようやく2012年第4四半期、読みがあたった・・投資家へのレターで彼らはこう述べて、次のように締めくくっています。

『円はついに弱くなった。我々はこれから先もっと弱くなるとみている。ひょっとすると、もっと大幅に弱くなる可能性さえある。我々は引き続き円安に賭けている(the Yen has finally begun to weaken. We suspect that there is more to come – possibly, a lot more to come. We continue to be bearish)』

さてヘッジファンド、グリーンライト・キャピタルの創設者David Einhorn氏の読みは今後についてもあたるかどうか。

ところでグリーンライト・キャピタルはアップル株を大量に保有していることでも知られています。

株価テコ入れについて、Einhorn氏は、アップルは永久優先株を無償でアップル株主に配るべきだと主張しています(『こちら』、および『こちら』)が、はたしてティム・クックは聞く耳を持つのかどうか。

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2013年2月 6日 (水)

IR

今日の日経新聞夕刊の「こころの玉手箱」。

久しぶりに読ませるコラム記事だった。

JALの植木社長がIRでニューヨークの投資家を訪問した時の話。

ちなみにIRとは、インベスター・リレーションズ (IR:Investor Relations)の略で、Wikipedia では、企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信する活動と定義されている。

以下、夕刊のコラムで植木さんが書いたことをかいつまんで引用(青字部分)すると:

ある投資家を訪れた際、

「別れ際に『Last 10 minutes for you (あと10分、ご自由に発言を)』と求められた。

『ウチの株を買ってもらえるか、これで決まるな』。

そう確信すると用意した収支計画書ではなく、自分なりの言葉で会社の将来像を伝えようと努力した。

地域におわびをしながら2割強の路線を整理したこと、4万8千人いた社員の約3分の1が会社を去ったこと、そして空の安全に終わりはないこと―。

伝えたかったのは再建への誓いでもある。だからこそ私たちは慢心してはならない」

これを読んだ企業のIR担当者、投資銀行家、バイサイドの機関投資家は感銘したに違いない。

私もこうした『あと10分、ご自由に発言を』の場面に何度か同席したことがあるが、通常日本の大企業の社長は『お会いできて嬉しかった』とか、『来期の経営環境に対する見方はこうだ』といった程度のことしか言わない。

株を買ってくださいという意気込みが感じられないのだ。

この辺が米国企業の社長との大きな差だった。

実は、上述したWikipedia の定義はどこかおかしい。情報を発信する活動というと、なにか啓蒙活動の一種のようだ。

投資家に事業の計画を説明して株を買ってもらうことは、資本主義の原点。

企業にとってもすべての企業活動の出発点のはずだ。

日本でも植木さんのような社長が現れた。

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2013年2月 2日 (土)

92.97

NY市場ではドル円が一瞬ですが92.97円をつけ、93円台乗せまであと少しとなりました。

9295_2 

ダウ平均株価も5年間の最高値を更新し、2007年10月以来の14,000ドル台乗せ。

史上最高値(14,164ドル、2007年10月9日)の98.9%のレベルにまで来ました。

史上最高値更新は間近かもしれません。

円安、米国株高とあって、週明けの東京市場は(週末に特段の動きが無い限り)また上がりそうです。

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2013年2月 1日 (金)

5年もの vs. 10年もの

CDS(Credit Default Swap)は、債券発行者の信用リスクに投資したい者(リスクをとりたい者)と、同じリスクをヘッジ(排除)したい者との間で行われる、当該リスクの売買、リターンの受け払いを内容とする取引です。

東京金融取引所では今年の1月18日まで各企業のCDS参考値を公表していました(1月18日をもって公表を終了。『こちら』

各国の国債のCDS値は『こちら』のドイチェ・バンクのサイトで調べることが出来ます。

ブルームバーグのサイトでも日本国債5年もの(『こちら』)や10年もの(『こちら』)のCDS値推移を調べることが出来ます。

ところでかつてCDS値を公表していた東京金融取引所や現在も各国国債CDS値を発表しているドイチェ・バンクのサイトではなぜ5年ものCDS値を表示している(あるいは、表示していた)のでしょうか。

財務省のデータ(『こちら』)を見ると、5年もの国債と同じように10年もの国債も重要な地位を占めています(とくに一昔前の平成元年ではTBを除けばほとんどが10年もの国債)。

にもかかわらず、CDS値の表示が5年もの中心となっているのはなぜでしょう。

現在、外資の金融機関でCDSを中心とした金融商品開発に従事しているAさんにメールを書いて聞いてみました。

以下、Aさんからのメールの内容です。

『ご質問頂きました件ですが、CDSは5年ものがいわゆる「標準」として取引されています。

これは市場が始まって以来そうなのですが、やはりヘッジ対象の貸出債権(銀行の調達からして3年から5年が多い)や債券(中期債)の存在もあり、5年が中心となります。

もちろん、Fixed income として「期日」を有する取引となりますので、個々のCDSは取引した瞬間から残存期間が短くなり始めます。

新規の取引は、5年の流動性が中心、と申し上げられます。

ただ残念ながら、統計は(種々あるものの)、5年ものの比率の数字がavailableか把握しておりません。

日本CDSについても、中心は5年の長さです。

ただ、短いところ(数年)から10年程度までのCDS取引はあります(取引量は5年と比較して少ないと今朝もトレーダーに確認しました)』

* * * * * * *

かねてから疑問に思っていたことが少し解決しました。

なお先日もご紹介しましたが、CDSについて勉強してみたいという方は以下の本をご覧になってみると良いと思います。

『CDSのすべて - 信用度評価の基準指標として』

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