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2013年3月 3日 (日)

日銀のバランスシート

日銀のBS(バランスシート)についてはこれまでこのブログでも何度も書いてきました(たとえば『こちら』『こちら』)。

Boj_2

リーマンショック後BOEやFRBは資産を大幅に膨らませましたが、日銀はそれ以前の段階ですでに資産をかなり膨らませていたこともあって、「リーマンショック後の資産拡大」は他の中央銀行ほどではなかったわけです。

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このことの評価は経済学者に任せるとして、市場の関心は今月20日以降の黒田新総裁をはじめとする日銀の新執行部のもとでの金融政策がどういったものになるかに移っています。

ここではまず現時点での日銀BSを見ておきましょう。

日銀のBSは「営業毎旬報告」で見ることが出来ます。

最近時のものは今年2月22日に発表された2月20日現在の数字。

『こちら』です。

(以下、単位は千円;下記はクリックすると大きくなります)

Bs1_2

Bs2

ここで国債120兆円は日銀券残高82兆円より多いではないかとの疑問がわくかもしれません。

日銀が保有する長期国債の残高を日銀券発行残高以下に抑えるとの「日銀券ルール」はどうなったのかという疑問です。

実は上記の国債残高には国庫短期証券を27.9兆円含んでおり、これを除く長期国債は92兆円です。

さらにこの92兆円のうち26兆円は「資産買入等の基金」で買い取ったものですので、66兆円が、国債買い入れオペ(旧名・輪番オペ;年間21.6兆円)で買い取った国債ということになります。

つまり、66兆円<82兆円ですので、日銀のロジックによれば日銀券ルールは守られていることになります。

(注)資産項目中の「国債」の内訳は、下記の長期国債、国庫短期証券に基金の長期国債、国庫短期証券を加えたもの

Bs3

「資産買入等の基金」の内訳

Bs4_2 

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次に「資産買入等の基金」残高の推移と今後の資産積み上げ目途を見てみます(『こちら』です)。下記の図もクリックすると大きくなります。

Photo_2

これによると基金の残高は2011年12月末の42兆円から2012年12月末は67兆円へと、25兆円増加しました。

現行プログラムでは13年末は101兆円ですので、昨年末比、更に34兆円増加させることになっています。

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さて現在のマーケットの関心事は、期待インフレ率2%を醸成させるために今度の日銀新執行部がどの程度、追加で資産を増加させると考えているかです。

これについてはこれから先もう少し報道されるようになってくるでしょうが、岩田規久男次期副総裁候補によれば、(あくまでも試算ですが)「日銀は当座預金残高を、現在の約44兆円の2倍となる80兆円くらいまで増やさないといけない」(『こちら』)とのこと(注:日銀当座預金残高推移は『こちら』)。

当座預金残高が2倍というとかなりのインパクトに感じますが、2012年12月末の当座預金残高は47兆円でしたので、80-47=33兆円。

つまりあと33兆円です。

これは実のところ現行プログラムの基金増加ペース(今年末は昨年末比34兆円)とあまり変わらない数字です(基金の残高増加が全額当座預金残増を見合いとするわけではありませんが・・)。

もちろん「現行プログラムとあまり変わりない」ということではマーケットは納得しませんので、新執行部は現行プログラムを上回る大胆な緩和策に4月中(4月は3-4日と26日の2回、政策決定会合が開催されます)にも打って出ることが予想されます。

その中身がどういったものになるのか、マーケットはアベノミクスの最初の試金石を固唾を呑んで見守ることになります。

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