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2013年11月30日 (土)

地政学的リスク

11月23日(土曜日)中国が勝手に「防空識別圏」を設定。

11月25日(月曜日)(米国時間)米国のB52爆撃機2機が上記空域を飛行。

11月29日(金曜日)米軍偵察機2機、日本の自衛隊機10機(F-15を含む)が上記空域を飛行。中国空軍機がスクランブル=緊急発進(『こちら』)。

  Cnn

     (From CNN Web-site)

金融市場は「クリスマス商戦の動向や雇用統計に着目したい」

―そう考えていた矢先に起きた地政学的リスクの報道でした。

米国時間明日にバイデン米国副大統領は1週間のアジア訪問に出発。

東京、北京、ソウルの順に訪問します(『こちら』)。

はたして地域の緊張緩和と地政学リスク軽減が前進するのか。

マーケットが注視するのは、FRB、クリスマス商戦、雇用統計だけではなくなりました(『こちら』)。

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2013年11月21日 (木)

「親が知らない 今どきの大学」

10年ひと昔と言いますが、その2倍の20年もすれば、世界は様変わりしてしまいます。

たとえば日本における大学の状況。

受験者数が最多を記録し大学入試の過熱がピークだった1992年。

このときの受験者数121.5万人はその後減少を続けます。

これは18歳の人口が減っていったことによるものです。

    Waseda_2

20年後の2012年。

受験生数72.2万人。

41%減です。

一方でこの間大学の新設が相次ぎ、大学数は523校から783校へと増加。

その結果、起きてしまったこと・・・。

明白です。

受験生が減って、器の方の大学は増えたのですから、多くの大学では定員割れとなってしまいました。

今や、私立大学の47%もが定員割れに苦しんでいると言われています。

* * * * *

ということで、昨晩の勉啓塾では安田賢治氏をお招きして、「親が知らない 今どきの大学」と題して最近の大学事情についてお話し頂きました。

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安田さんは株式会社大学通信の常務取締役。

『笑うに笑えない 大学の惨状』 (祥伝社)、『中学受験のひみつ』(朝日新聞出版)などの著書があるほか、夕刊フジで「親も知らない今どき入試」を長期連載中です。

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以下は安田さんの講義のエッセンス。

【今どきの大学のトレンド①】

「安・現・地」ということで、安全志向、現役志向、地元志向の傾向にあるとのこと。

その結果、浪人生が減り、今や全盛期のたった「7分の1」。

全国で5万6000人だけになってしまったと言います。

これは全受験生のわずか8.5%に過ぎません。

また地元志向ということで言うと、たとえば早稲田や慶応の合格者に占める首都圏(1都3県)出身者の割合は7割を超えるのだとか・・。

【今どきの大学のトレンド②】

普通の入学試験を受けて大学に入ってくる人の方がむしろ少ない。

推薦入学が約4割、AO入試が約1割といった具合。その結果、一般入試で入ってくる学生は5割を切ってしまっているようです。

【今どきの大学のトレンド③】

東大、京大のキャンパスにはフレンチレストランがあり、そのほかにもマクドナルド、吉野家、スタバなどがキャンパスにある大学も。

中にはキャンパス内にヘアサロン、ネイルサロンを設置している大学もあるとのこと。

【今どきの大学のトレンド④】

看護学科が9大学から180大学に激増。

【今どきの大学のトレンド⑤】

私立大学では、全体の9%の大学で、7割の志願者を集めてしまっています。

今や大学は大きく言って、2つにわかれるようになってしまったと言います。

入試が成立する大学と、入試が成り立たずに全員が合格する大学。

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2013年11月12日 (火)

賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。

村上龍の『賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。』

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18篇のエッセイが収められています。

うち17篇は「Men's JORKER」誌2012年7月号~2013年11月号に掲載されたもの。

以前にこのブログ(2012年5月30日付「人を突き動かし、考えさせるもの」)でご紹介した『櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。』の続編にあたります。

読み終えた後。

今でも鮮明に情景が頭に残っているのが、第14篇の「父の葬儀の夜に」。

88歳の父の葬儀を終えた後の夜。

これといって何をする気にもなれずに、ただ一人でウィスキーを飲む・・

そして著者が小学生の頃に父と観た映画「アルジェの戦い」。

このDVDを、ウィスキーを飲みながら見て、かつて父にこの映画の「主人公、アリを思い出せ」と言われたことを思い出す・・

* * * * * * * *

18篇目のエッセイは唯一の書き下ろしの作品(表題:「賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。」)。

32歳の脱北者、女性兵士の話が鮮烈でした。

(以下、本書196頁より)

『彼女は大切に財布に入れていた一枚の写真をわたしに見せた。 

幼児の写真だった。 

「これは彼の1歳の誕生日で、その1年後、飢えで死んだ」 

32歳だという彼女は、息子が飢えで衰弱していく様子を詳しく語った。 

ありとあらゆる食料が尽き、最後には、松の木の樹皮を煮て食べたそうだ。

樹皮をていねいに剥がし、石で叩いて、そのあと数回煮るのだと言った。

腹はふくれるが、もちろん栄養価はゼロだ。

一人息子が飢え死にしたあと、他に残った家族に食料を送るために、彼女は脱北した。』

* * * * * * * *

政治の本来の目的は「民のため」(Government of the people, by the people, for the people)であるはず。

政治家や高級官僚が、このことを忘れてしまうと、こうした悲劇が起こりえます。

私の親や親戚から聞いた話ですが、日本でも戦争中や戦後直後、「地に生えている雑草を食べた」のだとか・・・

この脱北者、女性兵士の話は、村上龍が小説『半島を出よ』を書くにあたってソウルの脱北者コミュニティに出かけて行き、そこで取材した話だと言います。

『半島を出よ』を読んでみようと思いました。

    Hanntou

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2013年11月 7日 (木)

人工光合成

本日の勉強会は、パナソニック先端技術研究所の方たちによる「人工光合成について」。

パナソニック先端技術研究所は、世界最高の太陽エネルギー変換効率で有機物を生成する「人工­光合成システム」を開発。

今回実現した太陽エネルギー変換効率0.2%は、バイオマスで使用される植物と同等であると言います。

詳しくはパナソニックによるプレスリリース(『こちら』)並びに日経ビジネス記事(2013年2月25日)をご覧ください。

人工光合成は、植物のように太陽光を使って、水と二酸化炭素から、酸素と有機物を生成する技術。

地球温暖化の主因になっていると言われている二酸化炭素の削減に役立ちます。

『こちら』のYouTubeで詳しく説明されています(3分32秒)ので、ぜひご覧になってみてください。

        Julius_sachs_2

なお上の写真はJulius Sachs。

1862年に、植物は日光に当たると二酸化炭素からデンプンを合成し、それで成長していることを発見したとのことです(『こちら』)。

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2013年11月 1日 (金)

祥伝社新書 「なぜ、バブルは繰り返されるのか?」

11月になりました。

昨年の今頃(11月1日)は株価が 8,900円前後(下図は1年間の動き)。チャート画像

為替は1ドルが 79円前後。

チャート画像

振り返ってみると、今さらですが、

1年間でずいぶんと変わりました。

問題はこれから先。

為替や株は、どうなるのでしょう。

個人投資家だけでなく、一般のビジネスマンにとっても、

「これから先どうなるか」は、

大きな関心事。

そんな中でのお勧めの1冊が、祥伝社新書『なぜ、バブルは繰り返されるのか?』

なぜ、バブルは繰り返されるか?(祥伝社新書) (祥伝社新書 343)

以前にこのブログで「経済学の本を読む」と題して白川さんの本など何冊か経済学の本を紹介したことがありますが、そのうちの1冊『よくわかる日本経済入門』を著した塚崎公義さんの最近著です。

昨日書店を覘くと平積みされていました。

さて 「なぜ、バブルは繰り返されるか?」 と題する本書。

これを手にした方、とくに個人投資家の方は、次のように思うかもしれません。

「これから先、バブルが来るのであれば、それにうまく乗りたい」

「もし今がバブルであるなら、これが破裂する前に手仕舞いたい」

「日本はともかくとして、史上最高値の株価を更新し続けているアメリカはいまバブルなのだろうか」

「景気がいまひとつパッとしないにもかかわらず、史上最高の株高を続けているアメリカがもしもこれから先、急激な株下落に見舞われるとすれば、日本はいったいどうなるのだろう」

そんなことをうっすらと考えながら本書を読み進んでいくと、どうでしょう。

筆者の筆さばきのなせるワザなのでしょうか・・。

知らず知らずのうちに(バブルに関する考察もさることながら)、

経済学的な観点でものごとを考えているようになっている自分に気がつきます。

肩を凝らすことなく経済学を学べる本とでも言うのでしょうか・・。(そう言えば「さおだけ屋」を題材にした会計学の本がその昔ありましたね)。

現在ちまたには「2014年にバブルが到来する」といったチャート分析などを主体にした書物が並んでいますが、本書はそういったセンセーショナルな本とはまったくの別物。

第一線の経済学者が日本経済の現況を冷静・緻密に、なおかつ極めて分かりやすく説き起こしたもの。

「迷った時は基本に立ち返れ」と言いますが、

先行き不透明な今こそ、改めて経済学的な視点から現況を分析してみるというスタンスが重要です。

本書の52頁から引用します。

『ありそうなのは、「日銀が金融を緩和している間は、他の投資家も買うだろうから、上がり続けるだろう。だから、自分も買おう」といった他力本願型バブルです。 

前提となるのは、「日銀が緩和を続けざるを得ない」という市場の共通認識です。 

先に見たように、物価が2%上昇する可能性は高くありません。 

市場参加者の多くも、物価はそれほど上がらないと考えています。 

そうなると、日銀は緩和を止めることができません。 

物価上昇率を2%にするのが日銀の目標ですから、2%になるまでは金融を緩和し続ける必要があるのです』

続けて本書55頁。

『しかし、日銀が緩和を止めないという保証はどこにもありません』

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