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2014年8月11日 (月)

株投資の上限撤廃 公的年金、20%台に拡大へ

昨日の日経新聞によると、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、18%とされていた国内株式の保有上限を一時的に撤廃(『こちら』)。

18%というのは、GPIFが持つ資産127兆円に対する国内株式の保有割合の上限設定数値。

これは、12%の基本運用割合に、6%の上限乖離許容幅を加えたものです。

具体的な数字で見てみましょう。

たとえば2014年3月末時点で、GPIFが保有していた国内株式は20兆8000億円。

これはGPIFの全資産126兆6000億円の16.47%に当たりました。

つまりこの時点での国内株式の運用割合は、12%の基本運用割合は超えていたものの、乖離幅は+4.47%で、+6%の上限乖離許容幅の内側に収まっていたことになります。

さて、今回の「上限一時的撤廃措置」により、これから先は、18%(=12%の基本運用割合+6%の上限乖離許容幅)の「上限」を超えても、国内株を買い増せるようになります。

報道によると、これは9月に新たな資産割合を決めるまでの暫定措置で、9月以降は国内株式の割合を20%台に増やすとのこと。

実は、GPIFが国内株の割合を「20%にする」とか、「20%超も考える」とかいったニュースは、6月初め頃から幾度となく流れてきていました。

GPIFは国民の年金を預かるところですから、透明性が要求されます。

ですから運用委員会での議論や運用委員長の見解が報道されるのはやむを得ない面もあるのでしょう。

しかしながら、「9月にも20%(もしくは20%超)」ということが伝わると、市場では、「GPIFが買いに入る前に買っておこう」と考える人たちが出てきます。

その結果、株価が先に上がってしまい、GPIFが制度上、買えるようになる時には、マーケット全体が高くなってしまっている、つまりGPIFとしては高値掴みをすることになってしまう・・・

それを避けるには、20%(もしくは20%超)ということが正式に決まる前に、GPIFにも(18%の)上限を超えても株を買うことを認めてしまう、つまり他のマーケット参加者と同じ立ち位置にGPIFを置く・・・

それを決めたのが今回の上限撤廃のニュースということなのだと思います(もちろん安倍政権としては、少しでも早く株式市場へのテコ入れをしたかっただけという見方もあります)。

ところで、上限が撤廃されたことで、運用割合は、今月中にも、18%→20%となるのでしょうか。

理屈の上ではそうではなくて、「12%の基本運用割合+6%の上限乖離許容幅」が、「20%(もしくは20%超)の基本運用割合+6%(?)の上限乖離許容幅」へと変化する(18%→26%)ということでしょう。

とすると、インパクトは8%前後にもなり得ることになります。

1%で1兆3000億円ですから、市場に与える影響は10兆円にも及びうることになります(もっとも最初から上方への乖離を目指すというわけではなくて、乖離はあくまでも市況が上がった結果、生じうるものでしょうから、現実には「16~18%」が「20%になる」といった程度のインパクトだとは思います)。

いずれにせよ、GPIFの資金は私たちの大切な年金の原資。

高値掴みにならないよう、安値で、慎重に買い進めていって欲しいものです(と言っても、市場はGPIFの先回りをしようとしますから、「言うは易し、行うは難し」ですね・・・)。

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