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2015年1月18日 (日)

CHFの急騰

海外に出ていて先週末に帰国しました。

     101

円安のせいなのでしょう。

最近は海外に出ると、なんでも物の値段が高く感じます。

     Aera

アエラ(No.3; 1月19日号)に「15ヵ国で10項目の価格を比べてみた」と題する表が載っています(22~23頁)。

この表によると、たとえばビッグマック。

日本360円、フランス561円、米国474円、ブラジル684円、シンガポール477円。 

      Mcd

スタバ・コーヒーは以下のようになります。

日本280円、フランス419円、米国248円、ブラジル281円、シンガポール392円。

     Sb
1ドル=118円がそんなに円安なのか、2002年には134円を、そしてもっと最近の2007年には123円95銭をつけたではないか―こう思われる方もいるでしょう。

しかし2002年や2007年以降、米国を初め海外の多くの国ではインフレが進み、その間、日本はデフレ。

たとえ名目上は同じ為替レートであっても実質的には現在のレートの方が円安ということになります。

要は名目為替レートではなく実質の為替レートで見る必要があります。

この辺の説明は、伊藤元重教授が分かりやすく解説してくれています。

『こちら』をご覧になってみてください。

なお実質実効為替レート推移については日銀のサイトにグラフが載っています(『こちら』の頁に入り、為替のボタンをクリック)。

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上図がそのグラフ(クリックすると大きくなります)。

青線が実質実効為替レート。

伊藤教授によれば現在は1973年以降約42年ぶりの「超円安」『こちら』)。

なお1973年当時の名目為替レートは1ドル=約300円(『こちら』)。

これと実質的には同じというわけです。

どうりで海外に行くと物の値段が高く感じるわけです。

    Snb_4

ところで、先週木曜日、スイス国立銀行(中央銀行)がスイスフラン(CHF)の上昇を抑えるために続けてきた為替介入をやめると、突然発表。

これまでスイス国立銀行は、「無制限介入」で1ユーロ=1.2スイスフラン(CHF)の「防衛ラインを守る」と強調してきていました。

この「防衛」をいきなり止めることにしたものですから、スイスフラン(CHF)は一挙に急騰(ユーロに対して一時約3割も急騰)。

スイスの輸出関連企業株は暴落しました(スウォッチグループ株は前日比で▲16%下落)。

    Snb_2

なぜいきなりスイス国立銀行はこれまでの通貨政策を変えたのでしょうか。

「欧州中央銀行(ECB)が量的緩和に踏み切れば、市場では一段とスイスフラン(CHF)高(ユーロ安)に向かおうとする圧力が強くなる。もはや介入では支えきれなくなることが予想されたため、前もって不介入に切り替えたのではないか」-こうした説が有力です。

アナ雪ではありませんが、「レット・イット・ゴー(Let It Go)」にせざるをえなかったのでしょう。

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ひるがえって円です。

黒田総裁の2度にわたるバズーカ砲によって超円安になりましたが、海外の物の値段を見るとどうしても不自然に感じます。

だからこそなのでしょう。

夕方5時頃に銀座に行くと外国人(主として中国人)を乗せた観光バスが銀座の中央通りに並び、観光客がブランド物を買いあさっていきます。

いったいこうした状況はいつまで続くのでしょうか。

為替を決定する要因はもちろん購買力平価説だけではありません。

ただ「超円安」という水の流れを人為的に作り出したのであれば、いつまでも自然の法則に逆らった水の流れを続けることは困難。

やがては水は高い方から低い方に流れるようになります。

スイス国立銀行の今回の動きはそのことを我々に教えてくれているのではないでしょうか。

そして円についても、いずれは「レット・イット・ゴー(Let It Go)」にならざるをえなくなるのであり、その際には約42年ぶりと言われる「超円安」も修正の方向に向かうのではないでしょうか。

    Ch

ところでスイスフランをなぜCHFと言うのでしょうか。

ご存知のようにスイスの国語は4つ。

このため国名は、ドイツ語でSchweiz(シュヴァイツ)、フランス語でSuisse(スイス)、イタリア語でSvizzera(シュヴィツェーラ)、ロマンシュ語でSvizra(シュヴィズラ)と呼びます。

ただ4つの言語のうち、どれか1つの言語のものを国名として採用することができないため、ラテン語を使って、正式名称はConfoederatio Helveticaと制定。

この略称であるCHが現在の国名コードとして、通貨の単位にも用いられています。

郵便コード、ウェブのドメイン名などにもCHが使われています。

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