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2016年3月30日 (水)

エコノミック・クラブ

ニューヨークやシカゴなどでは、その地域で活躍する経済界の中心人物などで構成されるエコノミック・クラブという組織があります。

私もシカゴに駐在していた時にはデイビッド(詳しくは『こちら』)に誘われて昼食会などに何回か出席したことがあります。

ベイカー財務長官(当時)が昼食会に招かれてスピーチをしたときのことですが、スピーチ前に出された食事にまったく手を付けません。

『われわれはこうして食事をしているのに彼はなぜ食べないんだろう』

と隣のデイビッドに話すと、

『食事をしてから話すとゆったりとリラックスした気分になってしまい、緊張感が鈍る。だからスピーチ前に出された食事には手をつけず、後でゆっくりと食べたいという要人が多い』

との解説でした。

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昨日のニューヨーク・エコノミック・クラブ昼食会におけるイエレン議長のスピーチ。

事前の食事に手を付けなかったのかどうか分かりませんが、全世界が注目する中で行われました。

『Given the risks to the outlook, I consider it appropriate for the Committee to proceed cautiously in adjusting policy』

との発言(日経新聞報道では「海外経済のリスクなどを考慮して慎重に進める」)。

為替は一気にドル安・円高に振れ(上図)、ニューヨークの株価も下落から上昇に転じました。

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2016年3月29日 (火)

ハイジャックされたエジプト航空機

乗客55人を乗せてハイジャックされたエジプト航空機。

キプロスのラルナカ空港に降りて、犯人は現地で逮捕されました(乗客・乗員は全員無事)。

今回の事件はテロではなかったとのこと。

大したことなく解決して本当に良かったです。

* * * * *

キプロスのラルナカ空港というと、ちょうど1年ほど前に私も降りたところでした。

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(空港を出たところ。左側のベンツは現地のタクシー)

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(島の南東にあるのがLarnaca空港)

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日本株 再浮上への条件

昨晩の日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』ですが、『こちら』をクリックすることでご覧になれます。

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2016年3月28日 (月)

無能であることは罪に問われない

今晩は日経CNBCテレビの「日経ヴェリタストーク」に出演しました。

トピックスは 『日本株 再浮上への道』。

       Photo

今週で終わる2015年度の日経平均株価は、 アベノミクスが始まって以来、 初めて(前年度末比)下落で終わりそうです。

日本株は、再び上昇軌道に戻れるのでしょうか?

紙面では3つの条件が紹介されていますが、私としては敢えて4つ目のポイントとして、「日本の市場がもっとオープンになること」を上げて、説明しました。

オープンとはどういうことでしょうか。

海外の投資家による日本株の持ち株比率は全体で見れば平均して3割を超すようになりました。

しかしこれは多数の投資家が全体として3割を持つということで、日本企業としては特定の(1つの)投資家が50%以上を持つことを嫌います。

これは企業が買収されてしまうことを意味するからです。

つまり日本の経営者は、おカネは出してくれるけど、口は出さないという、「お人よしの」株主を求めているのです。

しかしシャープの例を見れば分かるように、もっと早い(=たとえば前回経営危機に陥った2012年3月の)段階でホンハイの助けを借りていれば(ホンハイに買収されていれば)、もっと良い条件(高い株価)で買収されることが出来たわけですし、もっと多くの従業員の職を確保できたであろうと思われます。

もう一つ、別の切り口からこの問題を見てみましょう。

日本企業は積極的に海外で企業を買収しています。

日経ヴェリタス紙によると2015年の日本企業による海外企業の買収・合併(M&A)は、前年の2倍近くに拡大し、初めて11兆円を突破したとのことです。

自分たちは積極的に海外で買収しておきながら、海外勢が日本企業を買収しにくると、買収防衛策を講じてこれに激しく抵抗するというのは、海外勢の目からするとフェアではありません(実際、日本企業が買収される事例は、日本企業が買収する事例に比べて極めて少ない~トムソン・ロイター『こちら』18頁)。

市場がオープンになるということは、効率化することにもつながります。

実際のところ、米国などでは市場でのバリュエーションが低くなると、企業が「お買い得」になるので、M&Aが起きて、この結果同業他社のバリュエーション(ひいては市場全体のバリュエーション)が是正されるといったことが起きています。

市場というのは本来こうしたプライス・メカニズムが働くものであるはずなのですが、これが働かないということでは、日本の市場はいつまでたっても効率化しません。

市場がオープンであると、日本企業をターゲットとしたM&Aがもっと積極的に行われるようになります。

このことで、これまでの経営者が排除されてしまうことが起きるかもしれません。

しかし代わりに有能な経営者(や潤沢な資本をもった投資家)がやってくると、たとえば破綻しかけていた会社はその恐れから解放され、逆に目一杯成長して、従業員の職も確保できるようになります。

本来のコーポレートガバナンスとは経営者として相応しくない人が経営者としての地位にしがみついているのであれば、これを排除することにあります。

しかし日本ではなかなかこれが機能せず、会社が破綻ギリギリのところまで追い込まれてしまうことが少なくありません。

ある企業再生案件(誰もが知っている有名企業です)で、企業価値を著しく毀損してしまった経営者が交代せざるをなくなりました。

再生案件専門の弁護士が一言、「無能であることは罪ではありませんから、そのことをもってして訴えられたりすることはありませんので心配いりません」。

経営者に面と向かって「無能であることは罪ではありませんから」と言うとは、私は側で聞いていてびっくりしたので、鮮明に覚えている一幕ですが、しかし株主の立場からすると、やはり、そういった経営者には早くどいて欲しいのです。

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2016年3月27日 (日)

『アラビア半島全体が石油層の上に乗っているかもしれない』

日経ヴェリタス紙にほぼ月1回のペースで連載している Money Never Sleeps も第11回になりました。

今回は『サウジが仕掛けた消耗戦の果ては』と題して、サウジアラビアについて書きました。

こんな感じで始まります。

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『サウジアラビアに行くと、誰もがその独特な雰囲気に圧倒される。 

私が訪問したことがあるのは、首都のリヤド、紅海に面するジッダ、そしてペルシャ湾沿いの油田地帯だが、この中でも宗教警察の力が強い首都リヤドはその独特さが際立っている。 

街には女性の姿がほとんど見えず、欧米や日本企業の現地オフィスを訪れても、受付に座るのは男性(フィリピンなど外国から来た男性が多い)、コーヒーをいれてくれるのも男性だ。 

長年中東に駐在しサウジにも詳しい児玉敏宏J-WAVE監査役(61)によると、サウジ人女性の顔を一度も見ず、目しか見たことがないまま帰国する日本人駐在員も多いという。  

サウジアラビアは初代国王となるアブドルアジズ・イブン・サウードがアラビア半島の大半を統一して1932年に建国した。 

この年はまたペルシャ湾内のバハレーン島で石油が発見された年でもあった。 

「あそこに石油があるならアラビア半島全体が石油層の上に乗っているかもしれない」。 

欧米の地質専門家たちはこう推測し、金貨5万ポンドを支払って国王から探査する許可を得た。 

そして1935年に第1号試掘井を掘削、第7号井で大量の石油を掘り当てた。 

これはそれまでの素朴な遊牧民族国家が世界経済の中に組み込まれた瞬間でもあった』

* * *

続きは『日経ヴェリタス』でご覧ください。

なお今回のコラム記事ではそもそもプロジェクト・ファイナンスとはどういった性格のファイナンスなのかについても触れています。

* * *

資源安で商事や物産は巨額の減損処理を実施。

プロファイや海外融資を積極的に行ってきたメガバンクの方はどうなのでしょうか・・・。

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2016年3月26日 (土)

アラビアのロレンス

資源価格安で、今期は三菱商事と三井物産の両社が初の連結最終赤字に転落することになりました。

下図はここ2年間のWTI(原油価格)推移です。

Wti

4月17日にドーハで開催される産油国会議で原油増産凍結に関する何らかの合意がなされるのかどうか・・・。

すでにリビア(OPEC加盟国)はこの会議に参加しない方針との情報が伝わる(3月22日、ロイター)など、ドーハ会議のゆくえについては予断を許しません。

* * * * *

原油価格動向の鍵を握るサウジについてはこのブログでも何回か書いてきていますが、今回は(やや話はそれますが)、映画「アラビアのロレンス」について。

私が最初にこの映画を観たのは、高校時代。

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AFS留学で米国に渡った直後で、まだ英語がよく分からず、字幕無しでは、いまひとつ内容がよく理解できなかったのを覚えています(一緒に見に行った host brother に映画の後で解説してもらいました)。

1962年公開のこの映画は、アカデミー賞(第35回)の作品賞/作曲賞/編集賞/監督賞/美術監督・装置賞/撮影賞/音響賞の7部門を受賞。

雄大な砂漠と夕日のシーンが印象的で、実は先日もDVDで楽しみました(4時間近くの長い映画ですが)。

ロレンス(1888年~1935年)はイギリス陸軍の情報将校。

当時イギリスはアラブ民族の独立運動に目をつけ、内部からオスマン帝国を倒そうと企てました。

ロレンスは、アラブに対して武器と資金を提供しオスマン帝国打倒を持ちかけ、倒した暁にはアラブの独立国をつくると約束。

しかしこの約束はイギリスによって反故にされます。

この辺は実際の映像にも残っていて、NHKスペシャル「新映像の世紀」第1回として放映されています(「新映像の世紀」はNHKオンデマンドで見れます。ピーター・オトゥールではなく実際のロレンスの映像を見ることができます)。

現在中東が抱える数多くの問題は、この頃にまで遡るのですから複雑、一朝一夕には解決しません。

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2016年3月24日 (木)

近未来を見据えた投資とコンプライアンスとの関係

先月のことですが、ある会社から依頼を受けてコンプライアンスについて講演しました。

会社の中堅社員70名ほどを前にしてホテルの1室で行われた講演会でした。

私はこの分野の専門家でもなんでもないのですが、この会社は昨年はバリバリの専門家を招いて講演会を催していますし、いろいろな形で社員のコンプライアンス意識徹底を図っているようです。

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     (写真は近未来を見据えた投資術のWebsite)

そのときの資料をベースに今月の『近未来を見据えた投資術』(毎月東洋経済の四季報オンラインに連載中)の原稿を書きました。

「近未来」、「コンプライアンス」と、「投資」がどう繋がるのか・・。

『こちら』 の原稿をお読みいただければ幸いです。

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2016年3月21日 (月)

部門別損益

「アップルは、半ば独立した部門の集合体という形になっていない。 

ジョブズがすべての部門をコントロールしているため、全体がまとまり、損益計算書がひとつの柔軟な会社となっている。 

『アップルには、損益計算書を持つ「部門」はありません。会社全体で損益を考えるのです』 

とティム・クックも語っている」

以上は、ウォルター・アイザックソン著「スティーブ・ジョブズⅡ」192頁からの引用です。

さすがに時価総額世界1位(注:現在グーグルを抜いて再び世界1位)となった今では、「アップルはある程度の部門別損益を把握し、なおかつ公表しているのでは」と思って、2015年度10-K(年次報告書)を見てみました(『こちら』)。

すると地域ごとに損益は把握されているのですが、それ以上の部門別損益はありません。

売上高は製品ごとに分けて計上されています(以下、数字は全て2015年9月までの通年;アップルは9月決算の会社です)。

iPhone 1550億ドル(66%) 

iPad      232億ドル(10%) 

Mac    255億ドル(11%) 

Services 199億ドル(9%) 

Other Products 101億ドル(4%) 

全体  2337億ドル

しかし製品部門ごとに損益を出すことはしていないのです。

なお地域ごとの売上高と損益は10-Kの67頁(PDFファイルで69頁)に載っていて、まず売上高は:

Americas  939億ドル(40%) 

Europe   503億ドル(22%) 

Greater China 587億ドル(25%) 

Japan   157億ドル(7%) 

Rest of Asia Pacific  151億ドル(6%)

全体  2337億ドル

ここで、地域は単なるアップルによる区分けであって、Europeには中近東、インド、アフリカを、Greater Chinaには中国、香港、台湾を、そしてRest of Asia Pacificには豪州、東南アジアなどを含む、としています。

次に地域ごとの Operating Incomeは:

Americas  312億ドル(44%) 

Europe   165億ドル(23%) 

Greater China 230億ドル(32%) 

Japan   76億ドル(11%) 

Rest of Asia Pacific  55億ドル(8%) 

全体のR&D ▲81億ドル(▲11%) 

本部経費 ▲46億ドル(▲6%) 

全体  712億ドル

* * * *

日本の会社では各部門に権限を与え、損益責任を持たせる、そして部門同士で競争させることが多いようです。

たとえば東芝。

『佐々木氏は中間決算の最終月末にあたる12年9月27日の社内会議で、パソコン事業部に「残り3日で120億円の営業利益の改善を強く求めた」』(日経新聞2015年7月21日)。

一方、アップルのジョブズが注力したのは、社内の部門間で競争させるよりも『社内の各部門は並行して走りながら協力する』(上掲書122頁)ようにするということ。

ジョブズの言葉によれば『Deep Collaboration』『Concurrent Engineering』(上掲書122頁)です。

我々はもう少しアップルのやり方を勉強してみる必要がありそうです。

なおジョブズがアップルを半独立的な部門に分けようとしなかったことは、ジリアン・テット著『サイロ・エフェクト』(89-90頁)でも言及されていいます。

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2016年3月15日 (火)

サウジアラビア

原油価格動向のカギを握るサウジアラビア。

サウジアラビアに行ったことがある人というのは少ないかもしれません。

イスラム教徒以外には観光ビザを発給しなかった時期も多く、日本人でも(形の上では)王族の「誰か」から招かれて行ったというケースが多いように思います。

今はどうか知りませんが、私がサウジに行ったときは、事前の身体検査もたいへんで、指定の病院で血液検査やレントゲン撮影など受けて、健康であることを証明してもらうといった手続きが必要でした。

サウジでは昨年1月23日、享年91歳前後といわれるアブドラ前国王が崩御。

現在のサルマン国王(80歳)が第7代の国王に就任しています。

サウジアラビアの初代国王(アブドルアジズ・イブン・サウード)は、弱冠22歳で本拠地リヤドをライバルのラシード家から奪回し、ナジュドで建国(ナジュド国)、その後、支配圏を広め、1932年、国王が52歳のときに現在のサウジアラビアを建国しました。

初代国王には多くの王子がいましたが、ハッサ・スデイリ妃が産んだ7人の息子たちは「スデイリ・セブン」と呼ばれ、王族の中でも実権を握っていきました。

そもそも初代国王はハッサ妃と2度結婚しています。

この辺は、ジェフリー・ロビンソンが記した『ヤマニ―石油外交秘録』に出てくる(308頁)のですが、ハッサ妃との最初の結婚では子供が出来なかったので離婚し、彼女は王の弟と結婚しました。

すると、弟との間で男の子が生まれました。

ハッサ妃が子どもを産めると知るや否や、初代国王は弟を説得して彼女を離婚させ、彼女と再婚、彼女との間に7人の息子が生まれました。

建国の父からもっとも寵愛を受けた女性を母とする7人の息子たちは「スデイリ・セブン」(Sudairi Seven)と呼ばれるようになり、王朝のなかで実権を握っていったのです。

現在のサルマン国王(80)も「スデイリ・セブン」の1人です。

また現在外交と経済の舵取りを担うムハンマド副皇太子(30歳)は現国王の息子です。

王族の家系図を知るには『こちら』の記事が便利です。

サウジを知るには初代国王、アブドルアジズ・イブン・サウードによる建国への道筋を理解するのが重要ですが、実はこれはマンガになって分かりやすく描かれています。

この漫画は在日サウジアラビア王国大使館文化部のウェブサイト(『こちら』)にリンクを貼る形で載せられている『アブドルアジーズ国王 建国の祖』と題するウェブサイト(『こちら』)に掲載されているもの。

サウジ政府のお墨付きを得ているように思います(『こちら』をクリックした後、PDFファイルを読み込みます)。

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2016年3月13日 (日)

グランドサマナーズ

コマーシャルです。私が代表を務めるインフィニティ㈱の投資先にNextNinjaという会社があります(会社概要は『こちら』)。

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この会社が開発したRPG「グランドサマナーズ」のPVがこのほど公開されました(『こちら』)。

監修者および開発者インタビューは、『こちら』

併せて(まったく別のゲームですが)KYUBのトレーラーもほぼ同じタイミングで公開されています(『こちら』)。

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2016年3月10日 (木)

マネー・ショート

アカデミー賞脚色賞を受賞した『マネー・ショート 華麗なる大逆転

原作はマイケル・ルイスによるノンフィクション『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』

米国の住宅バブル崩壊、リーマンショックをいち早く見通し、経済が破綻する方に賭けた人たちの物語です。

Poster

(C)2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

当時アメリカの住宅市場はバブルだと、一部では言われていたものの、まさかこんな形で(映画の中の言葉でいうとAtomic Bombのように)破綻するとは誰も予想できなかったのかもしれません。

この物語の主人公の1人、マーク・バウムがモルスタの幹部に「いったい幾ら損したんだ」と質問する場面がありますが、出てきた答えが2ケタほど違っていました。

つまりバブル崩壊を見抜き、破綻する方に賭けて大儲けした人たちでさえ、まさか、これほどまでの規模での破綻とは予想だにしていなかったということなのかもしれません。

本作品は金融機関に勤めている人、あるいは規制当局、金融関係マスコミの方々には必見の映画だと思います。

ただし金融とはあまり縁のない人にはちょっと分かりづらいかもしれません。

映画の中で随所に解説があり、Synthetic CDO などはひじょうに上手く説明しているとは思うのですが・・・。

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それにしても映画が描き出すのは、格付け機関など専門家と称される人たちのいい加減な仕事ぶり。

実際S&Pはリーマンが破綻する1週間前(9月8日)まで、リーマンを長期債A、短期A1と格付けしていたのですから(長期債Aは当時の新日鐵や日立よりも高い格付け)。

一度起きてしまったから分かることですが、恐らくはこれと同じようなことが再び起こる・・・問題は、いつ、どのような形で(今度はまったく違った形でということかもしれません)・・ということなのですが。

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2016年3月 7日 (月)

戦後直後の混乱期における金融危機対策と財政再建

昨年9月30日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会で『戦後直後の混乱期における金融危機対策と財政再建』と題する資料が配られました。

このことが一部マスコミでややセンセーショナルに報じられています(たとえば『こちら』)。

昨年9月のものが「なぜ今になって」と疑問に思うところですが、マイナス金利にかこつけた論調となっているようです。

ところで、この資料自体は誰でもネットでダウンロードすることができます(『こちら』をクリックしてみてください)。

クリックすると、『戦後の我が国財政の変遷と今後の課題』と題する44頁にわたる資料が出てきます。

この8頁目が『戦後直後の混乱期における金融危機対策と財政再建』と題する資料です。

44頁にも及ぶ資料はけっしてセンセーショナルに取り上げられるべきものではなく、どの頁もいたって真面目な資料です。

参考になる頁も多く、これを機に日本の財政について学んでみたいという方にはお勧めです。

最後の頁は『論点整理』と題する「まとめの頁」になっています。

5つのポイントにまとめられていますが、このうちの下から2つのポイントを以下に転載してみましょう。

『・社会保障については、昭和36年の国民皆保険・皆年金制度の確立以降、国民生活の向上に大きく貢献してきたが、戦後70年を経て、弱者ととらえられていた高齢者像が大きく変わっている一方で、受益と負担のバランスが確保されない中で、現役世代、更には将来世代に財政負担が先送りされている。

団塊の世代が後期高齢者となり始める2020年代初めには人口構造が一段と高齢化することを踏まえれば、世界に冠たる国民皆保険・皆年金制度の持続可能性を確保するための制度の見直しが急務。

その際、社会保障制度は長期にわたるものであり、堅実な経済前提の下で、将来の人口動態や受益と負担のバランス等について長期にわたる見通しをもって改革を行うことが必要。

・社会保障以外については、戦後、経済社会基盤の充実等が図られてきており、人口減少や少子化等も勘案して、歳出抑制が必要』

* * * *

とくに最初のパラグラフの

『弱者ととらえられていた高齢者像が大きく変わっている一方で、受益と負担のバランスが確保されない中で、現役世代、更には将来世代に財政負担が先送りされている』

との指摘は重要だと思います。

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