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2016年4月12日 (火)

パナマ文書

昨日の朝のテレビ番組(テレ朝「モーニングショー」)で、大学の先生が、「(パナマ文書で問題となっている)キャメロン英国首相の亡父の投資ファンドがタックスヘイブンで上げた利益300万円は課税されていない」と説明していました。

 Panama_2

            (パナマ)

これに対して番組のコメンテーターが「この300万円を英国に持ってくるときに税金を取られるのではないか」と質問。

大学の先生は「配当という形で持ってくることも出来るし、税金がかからないような、いろいろな方法をパナマの法律事務所の専門家たちが考えてくれると思うんです」との趣旨を回答。

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パナマ文書問題の本質はまさにこの質疑応答に隠されています。

どういうことでしょうか。

実は、300万円は英国に持ってくる必要がないのです。

「持ってこなければ使えないではないか」という質問が聞こえてきそうですが、そんなことはありません。

富裕層の人たちにしてみれば、せっかくタックスヘイブンに逃がした金です。それを税金が取られるかもしれない自国に戻すことは通常ありえません。

以下、パナマ文書スキャンダルがなぜ大きな問題なのかも含めて、この辺の事情を説明しましょう。

ここでは仮に、ある欧州の国に住む「お金持ちAさん」がケイマン諸島に100億円持っているという想定のもとに話を進めます。

例えばAさんが地中海を行き来する大型クルーザーを持ちたい場合、Aさんはどうするでしょうか。

クルーザーの値段が20億円だとして、自分がケイマン諸島に持っているペーパーカンパニー(もしくはファンド)に買わせればいいのです。

クルーザーの鍵を持つのはAさん。

しかしクルーザーの所有者はケイマン諸島の会社(あるいはファンド)です。

Aさんのガールフレンドが「ドイツのお城が欲しいから買って」と言ってきた場合も同じ。

Aさんとしては、何も自国にお金を持ってきて、Aさん名義で資産を持つ必要はありません(固定資産税などの税金も自分名義にしなければAさんが払う必要はありません)。

ロンドンのハロッズデパートで買い物をしたいときは?

クレジットカードの決済をケイマン諸島の会社の口座で出来れば一番いいのでしょうが、それが難しい場合は、会社の口座からAさんの口座に必要な分だけ送らせます。

昨日のテレビで大学の先生が言っていた「配当」でしょうか?

いえ、そんな税金が発生するかもしれないようなことはしません。

送られてきた金は、Aさんがケイマン諸島の会社から借りた「借金」とするのです。

では借金がどんどん増えてしまうのではないか。

そうです。

だからこそAさんが年を取って亡くなるときには相続税がかかりません。Aさんは借金だらけだからです。

相続税を払うことなくケイマン諸島の会社なりファンドはAさんの息子の手に移っているようにアレンジするのです。

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パナマ文書スキャンダルの本質は、こうした「出し入れ自由」の「ドラえもんのポケット」のような「財布」を一部の富裕者が、その子孫に至るまで永遠に持ち続けることが出来ることにあるのです。

自分には100億円という自由に出来るお金があるのに、見せかけ上はたとえば借金をしているので税金はかからない―こうした不公平な状況が露呈したのが今回の国際的スキャンダルです。

行きつく先は、社会の不安定化と政治体制の脆弱化でしょう。

ウィキリークスはパナマ文書の流出には米国国際開発庁と米投資家のジョージ・ソロスが関わっており、プーチン弱体化を狙ったものだとツイッター上で発表しています(『こちら』及び『こちら』を参照)。

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