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2016年4月26日 (火)

取材する側とされる側

アカデミー賞の作品賞と脚本賞をW受賞した映画『スポットライト 世紀のスクープ』を観てきました。

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     (写真は映画の公式ウェブサイトより)

作品賞受賞の映画は真面目すぎて楽しめないことが多いのですが、この映画は観ていて、ぐいぐいと引き込まれました。

あっと驚くような展開があるわけでもなく、恋愛やアクションがある訳でもありません。

あるのは事実の重みと、登場人物のジャーナリストとしてのプロフェッショナリズム。

*   *    *   *   *

ボストン・グローブ紙に新しい編集長がやってきました。

「読者にとって、もっと読み応えのある記事を書きたい」

こう考える編集長の指揮下で特集記事欄《スポットライト》を手がける4人の記者たち動き出しました。

抵抗や軋轢が予想される「扱いにくい」案件に挑む記者たち、そしてそれをサポートする(映画ではほんのわずかしか出てきませんが)新聞社の上層部たち。

地域(ボストン)には地域のルールがあって、それを乱すことに抵抗する人たちも多いのですが、かといって幼い少年や少女たちの中に犠牲者が出ていることを黙視は出来ません。

少しずつ真実が暴かれていきますが・・・。

*   *    *   *   *

私は外資系投資銀行時代に多くの外国人記者たちと知り合いました。

4月1日のブログで紹介したジリアン・テットは文化人類学の専攻でしたが、多くはジャーナリズム専攻。

彼らは学生時代からきちっとジャーナリストとしての教育を受けています。

映画の中で、デスクのウォルター"ロビー"ロビンソンが、

「おれたちは神父の罪を暴くんじゃない。そんなことをしても再発防止に役立たない。こうしたことが組織的に行われているという “システム” を暴くんだ」

と発言する下りがありますが、まさにジャーナリストとしての真骨頂でしょう。

*   *    *   *   *

そう言えば昔、早稲田大学の政治経済学部に新聞学科という学科がありました。

私が入学した時には新聞学科はすでになくなっていて、政治学科と経済学科だけになっていましたが・・・。

映画を観終わって、思い出したことをもうひとつ。

学生時代、内藤国男さんという人の書いた『新聞記者として』という本を読んで、これは凄い職業だなと思ったことがあります。

私は早稲田で吉村健蔵先生(国際政治学)のゼミに所属していたのですが、ゼミの先輩には新聞記者の方たちがたくさんいました。

先生に(就職先として)「新聞社はどうでしょうか」と聞いたら、先生は一言、

「岩崎君は記者には向かんでしょう」。

その後、先生はすぐさま、

「取材される方が向いているんじゃないか」

とフォローを入れてくれましたが、これは如何にも“フォロー”といった感じで、先生が言いたかったことはただ一つ。

「新聞記者は向かんからやめておけ」

こういうことなんだろうな、と直観したのを覚えています。

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