« 2016年12月 | トップページ | 2017年2月 »

2017年1月29日 (日)

後継者育成システム

東芝と言えば、かつては経団連会長を輩出する日本の名門企業だったのですが、今や苦境に立たされています。

企業はある種、生き物なので、どこかの時点でDNAの断絶が起きると、途端に元気をなくしてしまいます。

ソニーにしても井深、盛田の両氏のあと大賀氏くらいまでは創業者のDNAが受け継がれたのですが・・・。

いま米国ではアマゾン、グーグル、フェイスブックなどが好調ですが、それも創業者が会社を牽引しているから。

アップルはジョブズからクックへの transition が比較的上手くいったようですが、それでも(ジョブズが亡くなって6年近くたった今でも)「今ジョブズがいたら」といった声がときおり聞こえてきます。

Mns_3_2

日本では、

「初代が創業して二代目で傾き三代目が潰す」

などと言われることがありますが、

ファミリー企業に限らず、大企業であっても

創業者のDNAをどう受け継ぎ発展させるか、

そして、そのための後継者育成システムをどう作り上げるか、

が大きな課題です。

タイの財閥、サハ・グループはティアム・チョクワタナー(1916~1991)が創業しました。

サハ・グループは二代目で飛躍的な発展を遂げたことでも知られています。

今ではタイ国内に約300社を有し、このうち20社をタイ証券取引所に上場させています。

ワコール、ライオン、ミズノ、日清食品、ローソンなど日本企業約80社とも合弁事業を展開しているので、サハのことをご存知の方も多いかもしれません。

創業者ティアムは六男二女の子供に恵まれましたが、二代目をどう選び、どう後継者として育成していったか・・・。

本日発売の日経ヴェリタス紙のコラム『Money Never Sleeps』にはその辺のことを書きました。

宜しかったらご覧になってみてください。

| | コメント (0)

2017年1月23日 (月)

アプレンティス

以下、トランプが2006年に書いた著作から。

『90億ドル(約1兆円)を抱える負債を抱えていたある日、深夜午前3時に私はシティバンクから呼び出しを受けた。

借金をしている海外の銀行に電話をかけ、交渉しろというのだ。

その日は激しい雨が降っていた上、タクシーを捕まえることができなかった。

銀行までの15ブロックを歩いて行く間、私は断頭台に向かってるような心境だった。

たどり着いたときにはずぶぬれになっていた。

落ちるとこまで落ちた、という気分だった』(ドナルド・トランプ著『TRUMP 101』;邦訳『トランプ最強の人生戦略』237頁)

* * * * * *

私が最初にトランプの名を知ったのはニューヨークで 破綻しかけていたCommodoreホテルを彼が買収した時(1977年)。

彼はそれをグランド・ハイアット・ホテルとして蘇えらせます(1980年)。

ニューヨークのグランド・セントラル・ターミナルに隣接するこのホテルには、私自身、何度か泊ったことがあります。

外観は良いのですが、部屋と部屋の間の壁が薄くて、隣部屋のテレビの音などが聞こえてしまい、寝にくかったのを覚えています。

ただこのホテルが生まれ変わったことにより、それまではどちらかというと、荒廃していたこの地区がよみがえったことは事実でした。

* * * * * *

私がシカゴに駐在していたころ(1983-87年)は、興銀はまだ米国の不動産融資の経験がほとんどなく、地元銀行のファーストシカゴに教えてもらいにいったのを思い出します。

construction financing とは何か

bridge loan とは?

permanent financing とは?

といった具合にそれぞれのチェックポイント(基本はすべてcash flow で見るということなのですが)について時間をかけて懇切丁寧に教えてもらいました。

とくに驚いたのは、「cash flow を引く上では、どのテナントがどういった条件で入るかがポイントになる。といってもテナントが全部決まっていることなんて通常ない。要は、近隣のビルのテナントをこちらに引き抜くことが必要になる訳だが、その場合、近隣ビルのテナントがどういったリース契約を結んでいるかを知らなくてはならない」とのコメント。

不動産ビジネスはテナントの取り合いでもあり、勝つか負けるかの厳しい戦いの世界であることを知りました。

* * * * * *

そんな業界にいたトランプ(注:ただし「テナントの取り合い」とは商業用不動産についての話。トランプの場合は商業用不動産のみならず、ホテル、コンドミニアム、カジノなど幅広く手を出していた)。

その彼を一躍有名にしたのがアプレンティスというテレビ番組。

百聞は一見にしかずなので、この番組の名場面集を集めた7分間強の 『こちら』 の動画を最初の2~3分間だけでもご覧になってみることをお勧めします。

* * * * * *

You are fired(お前はクビだ)と告げる番組の内容とは裏腹に、トランプは先ほどの本の中でこんなことも語っています。

『腹を立てているときや、他の従業員が見ているときにクビを言い渡してはならない。 

相手の挑発に乗ってかんしゃくを起こしては負けである。 

ムカムカしてきたときは、すぐその場を離れることだ。 

どこか別の場所に行って、頭を冷やせ。 

すっかり落ち着きを取り戻したら、客観的なアドバイスをしてくれる相手と、状況を話し合うこと。 

どう処理すべきかプランを立て、弁護士と一緒に検討しよう』(上掲書58頁)

* * * * * *

いずれにせよ、これから世界はトランプ大統領によってかなり動揺させられることになりそうです。

トランプの掲げる米国第一主義は保護主義に繋がりうるものであり、こうした保護主義に対しては、相手国も保護主義で対抗してきます。

つまり結局は米国にもデメリットをもたらすものです。

しかし一見したところでは、(やっかいなことに)デメリット以上にメリットの方に目が行ってしまいがちです。

たとえば保護主義で、自動車メーカーがメキシコに工場を建てて米国に輸出してくれば、高率関税をかけると脅す・・・。

その結果、自動車メーカーがメキシコの代わりに米国に工場を作れば、雇用が何万人も増えるというのは、見えやすいメリットです。

(メキシコの対抗措置はメリットに比べれば、さしたる問題とされない可能性があります)

すでにトランプは、2,500万人の雇用創出を打ち出しています。

* * * * * *

経済・金融の分野に目をやると、リーマンショック直後に発足したオバマ政権は経済を立て直し、再びこうした危機に陥らないよう安全運転に終始しました。

たとえば2010年夏に成立した米国の金融規制改革法(ドッド・フランク法)。

これにより銀行はボルカールール(銀行の市場取引規制ルール)を課せられ、2015年7月以降、この遵守が全面的に求められるようになりました。

具体的には、銀行の自己勘定取引に制限がかけられるようになったのです。

トランプ政権は、こうした規制についてもこれを撤廃する方向で見直す可能性があると考えられています(『こちら』『こちら』、および『こちら』)。

* * * * * *

1%対99%といった形で形容されるほど米国の格差問題は深刻を極め、そうした人々の不満を上手にすくい取ったのがトランプ大統領でした。

しかし保護主義、分断主義によって、世界的に政治的、経済的リスクが高まってしまうとすると、我々はトランプラリー(トランプ政権で株高になる)などと呑気なことは言ってられなくなります。

* * * * * *

今晩 21:30〜21:45に日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演します。

トッピクスは、『トランプという現実~政権始動、米国第一の光と影』です。

よろしかったらご覧になってみてください(再放送は25日、水曜日の同時刻)。

| | コメント (0)

2017年1月17日 (火)

米国の不動産業界:「相手に自分を信頼させたら勝ち。信頼させられたら負け」

大統領就任式を数日後に控え、日本でも、新聞、雑誌などいろいろなところで、トランプ評を目にします。

その中で一読の価値があるなと思ったのは、昨年12月9日発売の月刊「文藝春秋」に記載されていた神谷秀樹氏の記事。

『トランプの駆け引きに惑わされるな』と題する記事なのですが、前半の3分の1くらいまでは『こちら』で無料でご覧になれます。

残り3分の2については1ヶ月以上前の雑誌ですので、図書館で読むかアマゾン(『こちら』)などで買うしかないのですが。。。

なお前半部分だけでも、

『もしトランプが公約通りに輸入品に対して高い関税を課し、移民受入れを減らし、大幅な減税を行い、その一方で一兆ドルに上るインフラ投資をしながら軍事支出も増やすならば、長期金利は高騰し、債券投資家は空前の大損をするだろう(当選後二週間だけで長期金利が〇・五七%上昇し、債券投資家は一・八兆ドル損をした)』

と、日本ではあまり語られていないコメントが目を引きます。

表題の『相手に自分を信頼させたら勝ち。信頼させられたら負け』とは、神谷さんのこの寄稿文の終わりの方に出てくるのですが、この言葉は米国の不動産業界で語られている格言だとか。

この格言が生きる世界で成功を収めた「元不動産王」とはいったいどんな人物なのか。

ゴールドマンで不動産業界との付き合いが深かった神谷氏。

【注】神谷氏はその昔、ロックフェラーセンターの買収に際して、ゴールドマンサックスにいて三井不動産のアドバイザーだったと言います(『こちら』;このときは結局は三菱地所が高値で買収しましたが)。

そんな神谷氏の見立てだけに一読に値する記事となっています。

| | コメント (0)

2017年1月16日 (月)

ワクチンを考える講演会

私が理事を務めるNPO法人「医師と団塊シニア」の会で、「ワクチンを考える講演会」を催します。

Npo_3

上記をクリックすると大きくなります。

学校に通う娘さんがおられるご家庭では、子宮頸がんワクチンの接種について悩むところかもしれません。

講演会では日大医学部産婦人科学分野主任教授の川名敬医師が話をします(プログラム5番目)。

関心のある方は、『こちら』 をプリント・アウトの上、必要事項を記入し、FAXにてお申込みください(参加費は1,000円)。

| | コメント (0)

2017年1月 5日 (木)

コンシューマー・エレクトロニクス・ショー

ラスベガスで行われている「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」。

基調演説はNvidiaのJen-Hsun Huang。

『こちら』で彼の基調演説をご覧になれます。

なおNvidiaとその競合各社について書かれた記事(『こちら』)をご覧いただくと業界のことがお分かり頂けると思います。

『自動運転車用「人工知能」半導体を制するのは誰か?』と題する記事です。

| | コメント (0)

2017年1月 1日 (日)

元旦の朝

Mt_fuji_2

都内を走るクルマがぐんと減って空気が綺麗になり、富士山が見えるようになりました。

| | コメント (0)

明けましておめでとうございます

6_2

今年も宜しくお願い致します。

写真は、ポルトガルの街中のショップを撮ったもの。

ショーウィンドウ越しに民芸品の鶏人形が見えます(写真左側)。

| | コメント (0)

« 2016年12月 | トップページ | 2017年2月 »