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2017年4月23日 (日)

大企業からベンチャーへの転職

誰もがその名を知るような大企業で順調なビジネスマン人生を歩んでいる人。

そんな人が、産声を上げたばかりのベンチャー企業からヘッドハントされたら・・?

本日の日経ヴェリタス『Money Never Sleep』のタイトルは、『キンドルの成功支えた日本人』。

2014年からほぼ月1回のペースでこのコラムへの寄稿を続けてきましたが、早いもので今回で18回目になりました。

* * *

「ビジネスクラスのチケットを用意するので本社があるボストンまで来てほしい」

米化学大手デュポンで当時、日本法人幹部だった桑田良輔さんは、200年近い歴史をもつ デュポンで、米国人以外で初のグローバル事業の部長職に任ぜられた人。

大企業デュポンの幹部として将来を嘱望されていた桑田さん(当時43歳)が設立間もないベンチャーに転職したのはなぜだったのでしょうか。

詳しくは本日発売の日経ヴェリタス紙面をお読み頂きたいのですが、彼は米国のベンチャー企業「E Ink社」の5番目の経営幹部として同社に入社することを決断。

2001年のことでした。

CEO、CFO、CTOなど他の4人は全員米国人で、桑田さんだけが日本人だったとのことです(彼は同社の販売担当副社長に就任)。

この会社はもともと米マサチューセッツエ科大学のメディア・ラボが開発したE Inkの技術をジョセフ・ジェイコブソン博士ら中心となって、これを企業化しようとのことで作られた会社。

E Inkを利用したディスプレイは液晶よりも消費電力が少なく、視野角も広い・・。

戸外の太陽光の下でも読め、紙に印刷された書籍を読む感覚に近い・・。

しかしながら、当時この製品を日本やアジアの大手電子機器メーカーなどに持ち込んだところ、答えはどこも同じだったと言います。

「E Inkはカラー表示が出来ない(当時)。動画にも不向き。カラーの動画に適するよう な製品を開発してくれれば採用を考えてもいい」

誰もが首を横に振る中で、唯一この技術に関心を示したのが、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスでした。

桑田さんたちを前にしてアマゾンのジェフ・ベゾスが語った言葉とは・・?

詳しくは日経ヴェリタス紙面をご覧になって頂きたいのですが、今ではキンドルに採用され、馴染み深い存在となったE Inkディスプレイの誕生の裏にはこんな秘話があったとは・・!

私も桑田さんにお会いして直接話を聞くまでは詳しいことは知りませんでした。

ところでE Inkは現在ではキンドルのみならず、日常のあらゆる場面で使われています。

たとえばスーパーの棚にヨーグルトが並んでいるとします。

その棚の下のところに1パック150円といった液晶のような表示があると思いますが、あれは多くの場合、E Inkです。

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   (Photo by Danny Choo

液晶よりも消費電力が少なく、視野角も広いといった特性を活かしているのです。

2008年、E Ink社は台湾のファミリー企業に買収され、彼らのもとでさらに一層の業容を拡大していきます。

せっかく桑田さんという逸材がE Ink社の経営幹部にいながら、日本企業がこの米国生まれの最先端技術の商業化にからむことは結局ありませんでした。

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2017年4月15日 (土)

シリコンバレーの秘密

シリコンバレーからやってきた坂本さんと一緒に食事をしました。

坂本さんは49歳のときにNECを退社して、シリコンバレーで起業。

ネットワーク負荷分散装置を開発する「ホロンテック社」を設立しました。

この会社はすぐに世界9ヶ国に拠点を有し、従業員数も200名を超えるようになりました。

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     (写真は左から坂本さんと私)

その後も坂本さんは「オーラライン社」(ネット・マーケティング・ツール開発)、「アイピーロック社」(データベース・セキュリティ開発)といった具合に、 20年間にわたって、シリコンバレーで次から次へと会社を創業し、成長させて、大企業などに売却してきました。

シリコンバレーで起業した日本人は結構いるのですが、坂本さんのように世界規模にまで会社を発展させて、成功裡にM&A等によってExitしてきた(それも3社も!)―こんな経験を持つ日本人起業家はおそらく他にはいないのではないかと思います。

実は坂本さんと会うのはこれで2回目。

昨年末に会った時の話があまりに面白かったので、わたしは書きかけ中の本の中に急遽坂本さんの話を(なかば強引に)挿入しました

(これが『拙著』の66~69頁『「従業員が会社を選ぶ」ことが常識のシリコンバレー』の題名で始まる一節になっています)。

しかし坂本さんの話はこの数十倍もの内容を持つもの(それはそうでしょう、20年間にわたってシリコンバレーで起業家・経営者として活躍してきたのですから)。

いったいシリコンバレーのどこがそんなにすごいのか。

シリコンバレーの企業が彗星のように現れて、瞬く間に世界を席巻していく―その秘密はいったい何なのか。

坂本さんには、こういった点について本にして世の中に紹介して欲しいと思いました。

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2017年4月12日 (水)

Steves が面白い

スティーブ・ジョブズものはたくさん読んできました。

ウォルター・アイザックソンの『スティーブ・ジョブズ I と II』

ジェフリー・S・ヤングらによる『スティーブ・ジョブズ-偶像復活』

ケン・シーガル『Think Simple アップルを生みだす熱狂的哲学』

高木利弘『The History of Jobs & Apple 1976〜20XX【ジョブズとアップル奇蹟の軌跡】』

などなど。

映画も『アシュトン・カッチャー主演のもの』

『マイケル・ファスベンダー主演のもの』を観てきました。

そして・・・。

今回読んだのは上記の本や映画とは違って漫画本。

     Steves_2

『スティーブズ』(漫画:うめ、原作:松永肇一)。

この漫画では、物語はいきなり1984年のジョブズの有名なプレゼンから始まります。

ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に引っ掛けて、

同年発売となるアップルのマッキントッシュのCMを紹介したスピーチです

『こちら』のYouTubeで、このときの動画を見ることが出来ます。スティーブ・ジョブズ、若かったですね。(注)動画の最初の20秒くらいは音楽だけで暗い画面が続きます。これも演出です〕。

Jobs_2

この後、漫画『スティーブズ』 の物語はすぐに9年前の1975年に戻り、ここから本格的にスタートします。

タイトルの『スティーブズ とは、2人のスティーブを意味するもの。

アップルの創業者、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックの2人です。

漫画は1巻から6巻まであり、6巻の最後には、また漫画の始まりである1984年に戻ってきます。

つまり1975年から84年までのアップルの物語。

よく出来ていて、小説や映画では味わえない、漫画ならではの面白さを堪能できます。

ところで上記の1984年のジョブズのスピーチは28歳の時のもの。

何度このスピーチを聞いてもジョブズのプレゼンの秀逸さに圧倒されます(たとえば “each” と韻を踏みながらリズミ感良く、たたみ込んでいく話法など)。

話は変わりますが、ジョブズがジョージ・オーウェルの『1984年』をこのプレゼンで取り上げてから、33年。

いままたこの小説が世界的に流行っています(4月9日付け朝日新聞第11面参照)。

ジョブズが知ったらこれをどう思うのか・・。

当時のCMでは、

“On January 24th, Apple Computer will introduce Macintosh. And you'll see why 1984 won't be like '1984.'”

と、うたっていたのですが・・。

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2017年4月11日 (火)

北朝鮮の政治日程

11日(本日) 最高人民会議

11日(本日) 金正恩委員長の党第一書記推戴5周年

15日(土曜日) 金日成国家主席生誕105周年

25日(火曜日) 北朝鮮軍創建85周年 軍事パレード

こうした政治日程が予定される中で、米空母 Carl Vinson は当初の豪州向けの進路を変更して、朝鮮半島に向うことに(25日頃到達予定)。

グーグルは米空母の展開図(どの空母がどこにいるか)を出しています(『こちら』)が、これは少し古くて2月23日現在のもの。

なおグーグルのこのマップは 『こちら』 から取ったもののようですが、オリジナルのデータの方は4月5日現在にまでupdate されています。

上記のように北朝鮮の政治的、軍事的イベントが続きますが、こうしたイベントを機に北朝鮮が更なる挑発的行為に出ることを、厳に慎むことを祈ります。

* * *

話は変わりますが、今週発売のエコノミスト誌に『拙著』の書評が載りました。

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全文は『こちら』でご覧になれます。

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2017年4月 8日 (土)

Felicita

昨晩は、拙著 の鼎談に参加してくれた鈴木さん、福原さん、そして編集者の宮村さんと食事をご一緒しました。

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   (左から福原さん、私、鈴木さん、宮村さん)

鈴木さんとはかつて興銀の営業3部で一緒に働きました。彼は2013年に、経営破綻状態にあった千葉県鴨川市の私立文理開成高校の経営を引き継ぎ、同校理事長に就任、2015年から同校校長を兼務。

福原さんは Barclays Global Investors で最年少のマネージングダイレクターに就任した後、2010年に起業し、IGS社を設立。同社は、人工知能を利用した就活アプリ「GROW」の運営会社としても注目を浴びています。

本の中に対談や鼎談を織り込むというのは私にとっては初めての経験だったのですが、最後(199-233頁)に鼎談が入ることによって、内容に幅が出ると同時に、本全体が引き締まったように思います。

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ところで昨日の食事会は表参道のレストラン・フェリチタで行いました。

レストラン激戦区と言われ、3年続くレストランは少ないとさえ一部でささやかれている表参道。

その表参道で1999年から営業してきたフェリチタが18年の歴史に幕を閉じます(明日が最終営業日)。

フェリチタとはイタリア語で幸せ。

いつも行く度に幸せを感じさせてくれる素敵なレストランでした。

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2017年4月 5日 (水)

再起動

今朝は久しぶりに皇居1周(5キロ)を走りました。

1年ほど前に体調を崩してから、運動から遠ざかり気味でした。

ですから本当に1年ぶり位になる皇居ラン。

快適でした(花見客でけっこう混んでいるところもありましたが・・)。

    Watch

    (The Photo is from Apple's Website)

Apple Watch 2 をつけて、Bluetoothでワイヤレス・イヤホンに無線で接続させ、音楽を聴きながらのランニング。

ところで、ワイヤレス・リモコンもいろいろな種類のものが出ていて、どれを購入すべきか迷うところ。

大きく分けて、音質を優先するか、フィット感を大事に考えるか・・・。

私は半年ほど前に(フィット感重視で) SoundPEATSのQ9A を入手、今回はこれをつけて走りました。

1年ほど前までは、走るときには「iPhone とコード付きイヤホン」という組み合わせでした。

今回は、「Watch と コードレス・イヤホン」という組み合わせになったのですが、この方が、iPhone を身につける必要もなく、またコードが邪魔になることもなくて、快適。

Watch 2 の Nikeモデルはバンドのフィット感もよく、5キロ走ってみて、やはりこれは(Suicaなどいろいろな機能が内蔵されているのですが)、本質的にはスポーツウォッチなんだと、あたりまえのことを改めて実感。

なんだかアップルの宣伝みたいになってしまいましたが、久しぶりに走れて嬉しかったです。

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2017年4月 4日 (火)

北朝鮮問題

トランプ米国大統領は、中国の習近平主席と6、7日に米フロリダ州パームビーチにあるトランプ大統領の別荘「マール・ア・ラーゴ」で首脳会談を行う。

会談を前にしてトランプ大統領は、北朝鮮問題については

「中国は北朝鮮に対して大きな影響力を持っている。中国は北朝鮮問題でわれわれを助けるか、そうしないかを決めるだろう。もし中国が手助けするなら中国にとって非常に良いことだ。もし手助けしないのなら誰にとっても良くないことだ」

とし、

「もし中国が北朝鮮問題を解決しないのなら、われわれがする」

と語ったという(日経新聞昨日夕刊および『こちら』など)。

中国は2月18日、同時点で通関手続きを済ませていない北朝鮮産石炭の輸入を17年末まで停止するとの公告を出している。

しかし今週号のエコノミスト誌によると、中国は石炭貿易に厳しい顔をする一方で、

「鉄・鉄鉱石の輸入を続けることで金正恩政権の外貨収入を一定程度保証する―。石炭に関しては初めて本格的な制裁に乗り出す構えを見せながらも、鉄・鉄鉱石についてはそんなカードを残している」(同誌82頁)

という。

国連は北朝鮮に対する制裁措置の実施状況の報告を加盟国に求めているが、アフリカ54か国のうち約8割がこれを報告していない。北朝鮮の影響力が及んでいる可能性がある。

金正男氏暗殺のニュースが報じられてから初めて、「それまでマレーシアが北朝鮮国民にビザ(査証)なしの入国を認めてきていた」ことを知った人も多いだろう(3月6日から中止;なお両国間のこれまでの関係については『こちら』を参照)。

「北朝鮮は必ずしも孤立していない。その外交力をあなどってはならない」

と上述のエコノミスト誌は報じている。

米中首脳会談の結果はどういったものになるのだろうか。4月1日のロイター・コラム(『こちら』)は、

(トランプが)「行動することが惨事の引き金になる可能性もある。だが、何もやらないままでは、さらに悲惨なものとなるかもしれない将来の紛争を招いたと、非難されることになるかもしれない」

と結んでいる。

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2017年4月 1日 (土)

ジャクリーン

昨日は公開初日に映画「ジャッキー」を観てきました。

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そもそもジャクリーン・ケネディ(ジャッキー)について興味を持ったのは、ニューヨーク・タイムズの記事を読んだときです。

2011年9月12日付の記事(『こちら』(注)ウェブ上では9月11日となっているが記事として印刷されたのは9月12日)で、

歴史家アーサー・シュレンジンジャーによるジャクリーンへのインタビューが公開されたことを報じるものでした。

夫であるケネディ大統領の死後、ジャクリーンは3度のインタビューに応じています。

ジャクリーンの娘で前駐日大使だったキャロライン・ケネディ氏によると、3度のインタビューのうちで、「もっとも貴重なもの」(『こちら』 の記事で紹介されているキャロライン・ケネディ氏によるコメント)は、1964年に行われた歴史家アーサー・シュレジンジャーによるインタビュー。

大統領の死後4か月も経っていない中で行われたもので、約8時間に及ぶインタビューのテープは公開されることなく、ずっと封印されたままでした。

そして1994年。

インタビューが行われた30年後にジャクリーンは64歳で逝去。

まもなくしてキャロライン・ケネディ氏のもとに、それまで金庫に保管されていたインタビューの書き起こしが弁護士によって届けられます。

インタビューのテープを公開するかどうか、キャロライン・ケネディ氏は迷いますが、熟慮の結果、これを公開することを決断。

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父親のジョン・F・ケネディによる大統領就任後50年にあたる2011年に公表します(冒頭のニューヨーク・タイムズ記事はこれを報じたもの)。

ABCテレビはこのときの模様を、キャロライン・ケネディ氏をスタジオに招きながら放映しています(『こちら』でご覧いただけます)。

なお、ご関心のある方は、CDの形で売られているこのインタビュー・テープを購入することも出来ます(『こちら』)。

昨日公開された映画「ジャッキー」で、ジャクリーンを演じたナタリー・ポートマンはこのテープを何度も聞きながら、ジャクリーンのイメージを膨らませていったといいます(ジャクリーンのインタビュー・テープの一部は『こちら』で試聴できます)。

これから映画「ジャッキー」をご覧になる方は、当時のジャクリーンの肉声を聞いた後で、映画を観てみるのも面白いかもしれません。

拙著にも書きましたが、ジャクリーンはこのインタビューのなかで、ド・ゴール仏大統領については「極端に自己中心的な人物」と評しています。またマーティン・ルーサー・ キング牧師については「偽善者」と辛辣なコメント。キング牧師は平和的手段によって人種差別問題の解決に貢献したのですが、その死後に女性関係の醜聞が明らかにされています。なおジャクリーンのインタビューを書籍化したものはアマゾン・ジャパンでも購入できるようです(『こちら』))。

映画についての若干の感想。

「ジャッキー」の主演女優ナタリー・ポートマンの演技について一部には「あまりにもアカデミー賞を意識しすぎた演技」との批評もあったようです(彼女は主演女優賞にノミネートはされたものの、最終的にはラ・ラ・ランドのエマ・ストーンが同賞を受賞)。

その批評の意味するところは、恐らくは「優等生的な演技」とか「細部にまで計算し尽くされた演技」といったような意味で、「遊びのない演技」といったような批判なのかもしれません。

しかしながらハーバード出の優等生であるポートマンがアカデミー賞を意識するのは当然であり、私としては映画を観ていてそのことが気になることはありませんでした。

神父と「ジャッキー」の会話など胸に響く内容のものもあり、総じて上質な映画に仕上がっていると思いました。

敢えてこの映画の批判を一つあげるとすればキャスティング。

ロバート・ケネディの役にピーター・サースガードを持ってくるは「ちょっと」と思いました。

あまりにも外観というかイメージが実物と違い過ぎてしっくり来ない・・・。

「Thirteen Days(13デイズ)」でロバート・ケネディを演じたスティーヴン・カルプの方が実物と違和感なく、観ていてストーリーの中に入り込むことが出来ました。

なおこのブログ記事のタイトルをジャッキーとせずにジャクリーンとしたのには、上記のABCテレビのインタビュー(『こちら』)で、インタビューアーも、キャロライン・ケネディ氏も、共にジャクリーンと言っているからです。

ジャクリーンの肉声はABCテレビのこのインタビューのなかでも聞くことが出来ます。

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