相場の下落(2)
ダウ平均株価は1週間で1,413ドル下落。
昨日の日経新聞の夕刊によると、1週間でここまでの下落は、リーマンショック以来なのだとか・・・。
ところで、リーマンショックのときの株価の下落とは、どのようなものだったのでしょう。
リーマンショックの約1年前、2007年10月9日に、ダウ平均株価はそれまでの史上最高値14,163ドルを記録します。
その後、ダウは下落を続け、2009年3月9日、6,547ドルになります。
それまでのピークの46%の水準です。
この時点をボトムとして、その後は、ダウは上昇基調に転じます。
そしてリーマンショック前の高値を更新し、再び史上最高値を達成したのは、2013年3月5日(ダウ:14,253ドル)。
つまり5年半かけてリーマンショック前の高値を更新したことになります。
もし今回リーマンショック時と同じことが起きるとすると、いったいどういうことになるのでしょうか。
これまでの最高値は1月26日の26,616.71ドル。
この46%というと、12,243.69ドル。
現在の23,533.20ドルよりも、これから更に52%も下落するということです・・・(参考までに、現在はピーク時の12%安です)。
如何に10年前のリーマンショックがひどかったが分かります。
新聞の見出しは人目を引くのが重要ですから、「リーマンショック以来」といった表現になりがちです(しかも、これは下落率でみると正しくはありませんが、絶対額として見れば事実です)。
しかし、たとえ米国と中国の貿易戦争が本格化したり、泥沼化したりしても、私は今回の下落はリーマンショックのようには「なりえない」と思います(米朝戦争勃発なら話は別ですが・・・)。
いずれにせよ、リーマンショック時にはそれまでの高値を更新して元の水準に戻るのに5年半もかかりました。
たとえば65歳で退職金が2000万円出て、これで2007年10月9日に株を買った人のことを想像してみましょう。
この人の2000万円の投資元本は2年後920万円になってしまい(為替の影響を捨象しての議論)、5~6年間、含み損を抱えたまま嫌な老後をおくることになります。
やっとのことで投下資金が元の2000万円に戻ったときには、この人は70歳とか71歳になっていたという話です。
こういったことが起こり得るからこそ、一気に全額投資するという投資手法については、私としてはあまりお勧めできません。
実は相場の歴史では、これ以上に、もっとヒドイことも過去には起きているのです。
次回、お話しします。
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