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2018年11月12日 (月)

ここがおかしい? 日本企業

現代ビジネス(現代ISメディア)インタビュー記事、第4回目(『こちら』)。

今回で最後です。

この連載の第3回で、若い人が身につけておくべき武器として、①英語、②ファイナンス、③コンピュータープログラミングの3つをあげました。

このうち「ファイナンス」については、企業価値創造や株価決定のメカニズムなどを含む幅広い概念だと申し上げましたが、実は日本の多くの企業人は必ずしもこれを身につけていません。

   Stockmarketboard_2

    (Source; Wikimedia Commons; Author Katrina.Tuliao)

その一つの例として、株主優待をあげておきましょう。

日本では上場企業の36%が株主優待を行っていますが、たとえばアメリカのダウ平均銘柄に採用されている企業で株主優待を行なっているところは1社もありません。

企業は株主のものであり、株主優待とは、株主が自分の資産を取り崩して自分に支払う行為です。

つまり会社から財産が流出したら、それは株主の負担になるということです。

ですから基本的には「行って来い」の関係で、株主優待を行なおうと行なうまいと、経済効果は等しい(タコが自分の足を食うような関係)のですが、配当金(現金)と違って優待の内容から得られる便益は大部分の株主にとっては現金以下の価値しかありません。

また株主優待を行なうことの事務コスト(郵送料、労働コスト)も馬鹿にならず、その分も株主にとっての企業価値が毀損されることになります(つまり理論的には優待実施後には「優待の経済価値+アルファ」分だけ株価が下がります)。

この結果、アメリカで企業が株主優待を行おうとすると、株主価値を毀損するとして、場合によっては「経営陣が株主から訴えられる」なんていうことも起こり得ます。

たとえ訴えられなくても、株価に対しては下落の圧力を働かせてしまう。

だから、アメリカでは株主優待を行なう企業がほとんどないのです。

このように日本の株式式市場では、「日本の常識は世界の非常識」といった状況がまかり通ってしまっています。

そしてその結果、株価形成を歪んだものにしてしまっています。

株主優待の他にもいろいろあるのですが、それはまた別の機会にお話しします。

現代ビジネス(現代ISメディア)インタビュー記事は、『こちら』です。

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