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2021年1月 3日 (日)

ノールールズ

ネットフリックスは恐ろしい会社だ。

その快進撃ぶりは競合他社にとって脅威でしかない。

株価は上場後18年間で446倍になった。

100万円を投資していれば4億円を超えている。

同じ期間に例えば日テレの株価は▲65%減少している。

しかしそんなことはどうでもいい。

何よりも恐ろしいのはそのカルチャーだ。

ネットフリックスでは最高の人材を採用する。

そこまでは問題ない。

どの会社でもそういったことを謳う。

問題はその次。

圧倒的な成果を挙げられなければ、社員はじゅうぶんな退職金を与えられて捨てられる。

こうしたことを公言してはばからない。

もう一つ。

社員の休暇日数を指定しない。

「休暇日数を指定しない」って、そんなことを公言すれば誰も休暇を取ろうとしなくなるではないか。

ブラック企業のように休暇が取りにくくなるのではないか。

しかしそれがそうでもないらしい。

2018年の調査ではネットフリックスはグーグル(2位)を上回り、最も働きたい会社に選ばれた。

実際、日本の優秀なITエンジニアの間でもネットフリックスに移る動きが見られるらしい。

全米4万5000社で働く500万人以上を対象に行われた調査では、ネットフリックスは社員の幸福度ランキングで第2位に選ばれている。

休暇規程がないばかりか、ネットフリックスには経費規程、出張規程もない。

こうしたことをネット上で公開している「ネットフリックス・カルチャー・デック」と呼ばれる127枚のスライドのうちの1枚には

「服装規程もないが、誰も裸で出社しない」とも書かれている。

たしかに優秀な人材で組織をつくれば、コントロールの大部分は不要になる。

しかしネットフリックスのカルチャーはこれまでのマネジメントの常識を根底から覆すものだ。

詳しくはネットフリックスのCEOとINSEADの教授が共同で著した『NO RULES(ノー・ルールズ)』という著書に記されているが、これを読むとまさに頭をハンマーで殴られたような衝撃。

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自分が如何に古い人間であったのかが痛感させられる。

実はネットフリックスについては、これまでいろいろなところで話を聞いてきた。

たとえばテレビのリモコン。

最近のテレビのリモコンはどれも目立つ位置にネットフリックスのボタンがついている。

これはネットフリックスがリモコン製造コストのかなりの部分を負担するから、自社に作らせてくれと話を持ち掛けた結果なのだとか。

しかしこうした幾つかの逸話よりも衝撃的な内容がこの本に綴られている。

・ルールが必要になる社員は雇わない

・承認プロセスは全廃

・社員全員にヘッドハンターからの電話はぜひ受けて欲しいと訴える(実際にヘッドハンターのリストも社員に渡す)

・社員に対しては成果連動型ボーナスの制度を使わない。その原資があれば最初から給与に上乗せする

こうしたカルチャーを構築していかないと超優秀な人材確保の競争に敗れてしまう。

そこまで米国のIT企業はシビアな競争にさらされているのだ。

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