2020年2月22日 (土)

中国全体の感染者数のうち湖北省が83%

2月20日付けのWHOによる Situation Reports(『こちら』)。

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中国全体の感染者数 74,675人のうち、湖北省が83%を占めます(上図)。

中国以外では、韓国、日本、シンガポールの感染者数が、他の諸国に比べて多くなっています(下図)。

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ダイヤモンド・プリンセスでの感染者は、国別の数字には含めず、表の一番下に掲載されています。

なお図はクリックすると大きくなります。

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2020年2月16日 (日)

社会的に責任のある役割を選ぶ(choosing a socially responsible role)

最近のスタンフォード大学ビジネススクールの卒業生たちの進路はどのような状況なのでしょうか。

ビジネススクールの就職報告書(『こちら』および『こちら』)によると、

2019年に卒業した409人のうち、企業などに就職したのは70%。

    Stanford

残りの30%は、

(1)自分で起業した(15%)、

(2)企業派遣でビジネススクールに来たため元の会社に戻った(8%)、

(3)博士課程に進むなど、引き続き学問を続けることにした(3%)など。

 

企業などに就職した人たち(70%)の就職先は:

・プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、投資顧問などの Finance(金融系)(33%)

・グーグルなど Technology (テクノロジー系)(24%)

・マッキンゼーなどコンサルタント(18%)

・ヘルスケア(医療、医薬)(6%)

・運輸(4%)

私が卒業した1980年には進路先として投資銀行が多かったのですが、今では1%しかありません。

企業などに就職することを選んだ人たちの初任給の平均は:

2,720万円(基本給1,680万円、入社契約金310万円、賞与730万円)。

これは平均であって、年収の高い人は初任給でも9,900万円に達します。

 

特筆すべきは、18%の卒業生が、たとえ年収は低くとも、社会的に責任のある役割を選んだ(choosing a socially responsible role)。

この18%には、(1)就職先としてNPOなどを選んだ(2)自分で社会的に責任のある役割を果たすべく起業した

といったケースなども含まれます。

社会的に責任のある役割と言っても、イメージが掴みにくいかもしれません。

スタンフォード大学ビジネススクールの就職報告書(『こちら』および『こちら』)では、卒業生の一人、アビオドゥン・ブアリ(Abiodun Buari)さんの例を挙げています。

ブアリさんは、ナイジェリア、ラゴスの貧しい地域からやってきました。

(そもそもスタンフォードビジネススクールでは学生の41%が米国外の出身です)。

ブアリさんは、母国ナイジェリアで苦学して、最優秀とされる大学をひじょうに優れた成績(with distinction)で卒業。

しかし彼は多くの人に支えられて大学まで行けたことをけっして忘れなかったといいます。

ビジネススクールを卒業するにあたって、ブアリさんは次の3つを重視して進路を決めることにしました。

(1)貧しい人たちの生活の為に役に立つ仕事につくこと

(2)商品であれサービスであれ、アフリカに大きな足跡を残すものであること

(3)テクノロジー系の組織であること

「アフリカをもっと良くしたい。

アフリカの未来はテクノロジーにある。

アフリカにおいては、金融、農業、ヘルスケアの分野でテクノロジーが大きな役割をはたしているんだ」

ブアリさんはこう語ります。

そして職場として、Remitly Inc.という会社(『こちら』)を選びました。

   Remitly

    (Remitly のウェブサイトより)

Remitlyは、モバイル・テクノロジーを使って海外送金を安価に、しかも安全・迅速に提供する会社です。

アフリカなどの途上国から先進国に出稼ぎや移民で来ている人たちがいます。

彼らの多くは、故郷の家族や親せきを養うために祖国へ送金をします。

こうした人たちにRemitlyのサービスを提供することで、いまなお貧しい国で生活する人たちや移民の人たちの生活を根本から変えたい(transformしたい)。

ブアリさんはこう考えて卒業後はRemitlyで働くことにしたのです。

「そもそも何故スタンフォードのビジネススクールに来ることにしたのですか」

こう質問する記者に、ブアリさんはこう答えたといいます。

「スタンフォードビジネススクールのキャッチフレーズ(tagline)にほれ込んだんですよ。

生活を変えよ、組織を変えよ、世界を変えよ

(Change Lives, Change Organizations, Change the World)

とのフレーズに、ね」

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2020年1月15日 (水)

トランプ vs. ブディジェッジ

昨晩は日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

   Nikkei_20200115231201

トピックスは米国の大統領選挙。

現職のトランプに挑戦する民主党候補はいったい誰になるのでしょうか。

大方の予想はバイデン元副大統領。

世論調査では他の候補を引き離し、トップにたっています。

民主党中道派の重鎮で、2009年から17年にかけての8年間、副大統領としてオバマ大統領を支えました。

若いころに最初の奥さんと生後13か月の娘さんを交通事故で亡くすという悲劇を経験。

自身も45歳の時に脳動脈瘤が破裂し生死の境をさまようなど苦難に襲われています。

サンダースとウォーレンの両候補はかなり急進的。

サンダースは民主社会主義者を自称し、

ウォーレンは「大統領になれば法人税を21%から35%に戻す」と主張しています。

この2人が大統領候補になるのは恐らくは難しく、逆になったとすれば、それはトランプを喜ばすだけに終わるでしょう。

大富豪のブルームバーグは一番遅れて大統領候補として手を挙げました。

遅れて参戦したがゆえに、アイオワ州(2月3日に党員集会)とニューハンプシャー州(2月11日に予備選)は無視し、3月3日のスーパーチューズデーに全力を注ぐとしていますが、はたして上手くいくのかどうか。

逆にアイオワ州とニューハンプシャー州の両州に力を集中し、この両州で今のところトップを走っているのが、ブディジェッジ。

37歳の若さゆえ経験不足も指摘されていますが、なんと29歳のときからインディアナ州サウスベンド市の市長を務めてきています。

海軍に志願して、2014年には市長の職に就いたまま、7か月間休職してアフガニスタンで軍務に就きました。

   Buttigieg

    (アフガニスタン時代のブディジェッジ)

トランプとしては、ブディジェッジが民主党からの大統領候補となって彼の前に立ちはだかるのが、いちばん嫌なのではないでしょうか。

ハーバードとオックスフォードの両校を優秀な成績で卒業しただけあって、頭の回転は速く、スピーチも巧み。

アイオワとニューハンプシャーを制すれば、民主党候補の本命として彗星のように出現してくる可能性もあります。

それでも、やはり現職のトランプは強いというのが私の予想なのですが・・。

なお『こちら』をクリックすれば、昨日のテレビ放送の動画をご覧になれます(13分間です)。

 

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2020年1月11日 (土)

被災した『福島の造り酒屋』を応援しよう!

私の高校時代のクラスメートが福島県で造り酒屋をやっています。

『大天狗酒造』という本宮市唯一の蔵元(『こちら』)。

昨年10月の台風19号で被災してしまいました。

阿武隈(あぶくま)川と、その支流の安達太良川が氾濫。

酒蔵の1階部分、約60センチが浸水してしまったのです。

下はその時の写真。

  1

本格的に仕込み作業をはじめるという大事な時期に、

洗瓶機や瓶詰め機が使えなくなってしまいました。

      2

      3

酒米の5分の4も失われました。

杜氏(とうじ;日本酒の醸造工程を行う職人のことです)の小針さんはこうコメントします。

『本来であれば、くじけそうになる状況でしたが、

蔵を閉めようとは一度も思わなかったのは、助けてくださった方々の存在です。

被災した翌日から地元の方々、酒蔵さんや取引先の方、常連さんなど、沢山の方が駆けつけてくださいました。

中には宮城や栃木、東京からお越しいただき掃除を手伝ってくれたり、

ラベルが汚れて売り物にならない日本酒を何本も購入していただいたり、

「駆けつけることができないから飲んで応援するよ」とメッセージをいただくなど、

さまざまなご支援をいただきました』

  5

そして、何とか、手作業や同業者から借り受けた簡易型の機械を使って、昨年11月には酒造りを細々と再開。

しかし被災前の生産力にはほど遠く、

もとに戻すための再建費用は5,000万円にも上ると言います(詳しくは本日の福島民報新聞記事(『こちら』)をご覧ください)。

 『大天狗酒造』は1872年(明治5年)の創業。

今年で創業147年を迎える蔵元です。

出来ることならば、伝統の灯を絶やさないで頂きたい・・。

そう願っています。

なお昨日より、再建費用捻出のためのクラウドファンディング(『こちら』)が始まりました。

(クラウドファンディングによる支援を経験されたことのない方でも5分もあれば手続きを完了できます)。

支援にはいろいろなコースが用意されていて、

たとえば3,000円で、お礼のメールと杜氏の小針さん特製の本宮マップが届きます。

10,000円で『大天狗酒造』の酒と本宮特産品セットが送られてきます。

下の写真は、『大天狗酒造』の方々。

   4    

真ん中がクラスメートの伊藤滋敏君です。

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2020年1月 1日 (水)

明けましておめでとうございます

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              2020年元旦の富士(From Tokyo; 7:49AM)

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2019年12月14日 (土)

3年前に放映されたCBSニュースですが・・

Secret-santa

3年前の12月中旬に放映されたCBSニュースを紹介します。

「3年前の話を今さら・・」と思われるかもしれません。

しかし「クリスマスを控えたこの時期だからこそ」の動画です。

舞台は米国中西部のミズリー州。

私は昔、シカゴに5年ほど駐在していたことがあり、ミズリー州にも月に1~2度の頻度で出張していました。

カリフォルニアやニューヨークがどんどん変わるのに、ミズリー州は昔と比べてあまり変わっていません。

そんなミズリー州を舞台に、心温まるストーリーが・・。

実際にあった話です。

『こちら』をどうぞ。たった3分間の動画で、日本語の字幕付きです。

 

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2019年12月 2日 (月)

Rebalancing Daytime and Nighttime Population

Google’s parent company, Alphabet, has a subsidiary for urban planning and innovation called “Sidewalk Labs”. Established in 2015, this company is headed by Dan Doctoroff, a former deputy mayor of New York City.

Sidewalk Labs is now designing a district in Toronto’s Eastern Waterfront. This project has caused a big controversy over the use of data and privacy. Setting aside this important issue, as this article is not intended for discussing data and privacy, it has to be noted that Sidewalk’s master plan, submitted on June 17, 2019, reveals various ways to create a nearly carbon-neutral city that cuts greenhouse gases by 85 percent. These include relying on clean energy sources for heating and cooling; optimizing energy consumption using digital technology; designing energy-efficient buildings; providing residents, workers, and visitors with a full set of transportation options including “not-owning a car”.

Sidewalk
      (From Sidewalk’s “Master Plan” submitted on June 17, 2019)

Sidewalk’s ambitious plan is just one example. Today’s city planning has to cope with sustainability issues by striving to realize climate-positive urban developments through an innovative ecosystem.

Take a look at Tokyo from this perspective. The Tokyo Metropolitan Government (TMG), at the U20 Mayors Summit held in Tokyo in May 2019, declared that TMG will seek to realize a Zero Emission Tokyo to contribute to the goal of global net zero CO2 emissions by around 2050.

Tokyo’s energy-related CO2 emissions now amounts to 57 million tons, equivalent to the total emissions of Austria. One striking fact is that commercial buildings account for 45% of these emissions in Tokyo, whereas residential sector accounts for 30%, and transportation for 17%.

  Tky

(Tokyo Metropolitan Government: “CREATING A SUSTAINABLE CITYTOKYO’S ENVIRONMENTAL POLICY” SEPTEMBER 2019)

Tackling emissions produced by the Tokyo’s commercial sector is the key to success for Tokyo’s endeavor toward zero emission city. From the environmental viewpoint, Tokyo has already too many commercial buildings than it can afford, and this is evident from a fundamental problem Tokyo now faces; namely a huge gap between daytime and nighttime population.

According to Tokyo Metropolitan Government’s “Tokyo Toshi Hakusyo (City View Tokyo) 2013”, the ratio of daytime and night population in the three central wards (42 square kilometers) of Chiyoda, Chuo, and Minato is 6.2 to 1.0, with the daytime population of 2.31 million versus the nighttime of 0.37 million. This figure is 1.3 (daytime) to 1.0 (nighttime) in Manhattan (59 square kilometers), New York, with the daytime population of 2.09 million versus the nighttime of 1.60 million.

This ratio is outrageously skewed in Chiyoda ward (14.6 to 1.0), with its daytime population of 853,000 and nighttime of 58,000. Every morning, about 800,000 people commute to this district from the outside by the commuter trains, buses and cars.

Disproportionately large daytime Tokyo population causes more-than-manageable CO2 emissions in the commercial sector, which accounts for 45% of total emissions in Tokyo.

It has also significant negative impact on the CO2 emissions in the transportation sector. Every morning, numerous commuter trains arrive at Tokyo’s terminal stations at intervals of 2 minutes. This is often favorably noted for its efficiency from the viewpoint of emission control. However, we have to look at the fact that these trains have to go back to the suburbs every 2 minutes with almost no (or at least very few) passengers on board.

There are about 1,000 convenience stores in Tokyo's three central wards. Many office workers buy lunch boxes and snacks at these convenience stores in Tokyo. Large number of trucks leave factories in neighboring prefectures for Tokyo every morning to deliver the lunch boxes to the convenience stores in the Tokyo’s central districts. These trucks return to the factories afterwards with little load.

Some policy measures or guidelines are strongly encouraged to limit the total space for commercial buildings and offices in the Tokyo central district in order to correct the disproportionately large daytime population. Residential use of the buildings in the form of condominiums and apartments should, on the other hand, be encouraged.

Institute for Urban Strategies of the Mori Memorial Foundation issued Global Power City Index on November 19, 2019. According to this index, Tokyo was ranked 23rd out of 48 cities around the world in the area of environment taking into account of the following nine indicators: (1) commitment to climate action, (2) renewable energy rate, (3) waste recycle rate, (4) CO2 emissions, (5) SPM density, (6) SO2 and NO2 density, (7) water quality, (8) urban greenery, and (9) comfort level of temperature. This study shows that much has to be done to accomplish the Tokyo’s aggressive goals set forth in the area of environment.

Correction of the distorted population structure of daytime and nighttime should probably come to the top of TMG’s to-do list as it is the fundamental basis to enhance the Tokyo’s attractiveness in the area of environment, and therefore, it should be the key to sustainable growth of this city.

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2019年11月23日 (土)

昼間の人口と夜の人口

北米カナダのトロント市では、IT企業のグーグルがスマートシティの開発を進めています。

グーグルはレベル4の自動運転車を開発済みで、たとえばアリゾナ州フェニックスの郊外では600台以上もの自律走行車がすでに街中を走っています。

こうして培われた自動運転の技術と人工知能とを駆使して、グーグルはスマートシティを作ろうしているのです。

場所は、トロント市の中でもオンタリオ湖沿いの「ウォーターフロント地区」。

      Sidewalk-lab

        (Picture from Sidewalk Labs

このスマートシティでは、車が赤信号で待つことを極力なくし、温室効果ガスの排出を極限まで抑え込もうとしています。

具体的な数字を挙げますと、グーグルの当初計画によれば、温室効果ガスの排出は89%も削減できる、つまり従来を100とすると11で済むようにできるとのことです。

もっともグーグルのこの計画に対しては別な観点から批判が寄せられました。

「住民の顔を画像認識で把握すれば、プライバシーが損なわれる」だとか、「監視社会に繋がるのではないか」といった懸念です。

このためグーグルの計画は、現時点では当初に比べて、その規模がかなり縮小される見通しです。

こうした懸念や批判は重要で、グーグルとしては「プライバシーの遵守」に対して正面から答え、スマートシティが「監視社会」に繋がらないようにしていかなければなりません。

一方で、グーグルの計画のように(その実現の手段については今後さらに検討されるべきでしょうが)、世界のこれからの都市は、「環境負荷」に配慮し、「持続的成長」(Sustainable Growth)を目指すようなものになっていかなければなりません。

* * * *

こうした観点から日本の都市を見てみます。

例えば、日本の巨大都市「東京」。

ここは、はたして「環境負荷」に配慮し、「持続的成長」を目指すものになっているでしょうか。

公共交通機関が発達し、東京は「環境負荷」の観点から及第点を得られると主張する人もいます。

しかしそもそも東京の場合、「実際に住んでいる人口に比べて、昼間の人口があまりに多すぎる」というギャップの問題を抱えています。

この昼と夜の人口のギャップについて、具体的に数字を拾ってみます。

東京都がまとめた「東京都市白書2013-世界の諸都市と比較した東京の魅力」によりますと、千代田、中央、港の都心3区の昼間と夜の人口比率は、「夜1.0人に対して昼間6.2人」です。

一方で、この都心3区とほぼ面積が等しい(といっても1.4倍ほどになりますが)、ニューヨーク市マンハッタン区は「夜1.0人に対して昼間1.3人」です。

パリは夜、すなわち定住人口の方が多くて、「1.0人」対「0.8人」となっています。

ニューヨーク市マンハッタン区などに比べると、東京都心3区は5倍近くも昼間の人口が(定住人口との比較で)偏って多くなっていることが分かります。

都心3区の中でも、千代田区の昼間と夜間の人口比率は突出して歪になっています。

最近の国勢調査によりますと、千代田区は、「夜1.0人」に対して昼間はなんと「14.6人」です。

具体的には、千代田区に住む人、すなわち夜の人口は5万8000人。

これに対して、昼の人口は85万3000人。

毎朝、約80万人もの人が通勤電車や車などで、外部から千代田区にやってくるのです。

さて、昼と夜の人口が著しく違うと、「環境負荷」と「持続的成長」から、どうして問題となりうるのでしょうか。

温室効果ガスの排出などに関しては、具体的な数値を伴う調査結果を待たなければなりません。

しかしイメージ的にはこれが問題であることは容易に想像できると思います。

例えば東京都心部には毎朝、郊外から数多くの会社員が通勤してきます。

ターミナル駅には2分間隔で次から次へと、郊外から電車が到着し通勤客を吐き出していきます。

この電車は、今度は、次から次へと2分間隔で、ほとんどガラガラに近いような状態になって郊外へと帰っていきます。

人があまり乗っていない電車が列をなすようにして次から次へと走っていく光景は明らかに異様です。

しかしこのことは日本では意外にもあまり報じられていません。

昼間、東京のオフィス街で働く多くの人たちは、昼食時間になるとコンビニでお弁当やお握りを買い求めます。

東京都心3区だけでも、1,000店舗ものコンビニがあるのですが、昼食時にはこれらのコンビニはお弁当やお握りなどを買い求める会社員たちでごった返します。

当然のことながら、これらのお弁当は昼食時間に間に合うように、午前中には東京都心部にあるコンビニに届けられなくてはなりません。

毎朝、数多くのトラックが例えば茨木県や千葉県などの近隣県の工場でお弁当を積んで出発し、首都高を、列をなすようにして都心へと向かっていきます。

お弁当を届け終わった後のトラックは、多くの場合、帰りの積荷もあまりないままの状態で近隣県の工場へと戻っていきます。

住んでいる人に比べて、昼間の人口が突出して高いがゆえに、こうした現象が生じているのです。

さらに加えて、(環境負荷の問題とは直接リンクしませんが)昼間と夜の歪な人口構成は、ひとたび地震などで災害が起きると、東京の都心部が帰宅難民で溢れかえってしまうという問題も指摘しておかなければなりません。

* * *

現在、ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京など、世界の主要都市は、より魅力ある都市になるべく努力しています。

A.T.カーニー、EIUシティグループ、Monocle、森記念財団などが、世界の主要都市を調査し、「世界の都市総合力ランキング」といったレポートを発信しています。

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   (出所:森記念財団「世界の都市総合力ランキング」

こうした調査機関は、都市を経済、文化交流、研究開発、居住性、環境、交通アクセスといった様々な諸点から評価しています。

このうち例えば、森記念財団が2019年11月19日に発表した「世界の都市総合力ランキング2019」によりますと、東京は「経済」、「文化交流」といった指標では世界4位となったものの、「環境」の指標では世界48都市中23位にとどまっています。

東京がこれから世界の主要都市と伍していくために、現在、各方面でいろいろな施策が講じられているとは思います。

その中の一つとして、現状あまり着目されていませんが、「昼間と夜の歪な人口構成を是正する」ための施策も検討されて然るべきであると考えます。

具体的には、都心部にも集合住宅を中心とする居住空間を今まで以上に設け、一方で、業務空間については抑制気味にするような政策的誘導を検討すべきだと思います。

ニューヨーク・マンハッタンの「アッパー・イースト・サイド」は豊かな居住空間を有することで知られています。このような街並みが東京にもあって良いと思いますし、何よりも居住空間と業務空間とが「心地よい比率」で存在していくことが、東京が都市として持続的に成長していくうえで必要であるように思います。

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2019年8月15日 (木)

一触即発

中国が人民武装警察部隊を深圳(深セン)など香港のすぐ近くにまで集結させてきています(『こちら』)。

ちょうど30年前、1989年の天安門事件では、「2,000人を超える」(注:諸説あり。『こちら』参照)死者が出たと言われています。

ここにきて、トランプ大統領はツイッターで習近平国家主席に対して、1対1のミーティングを呼びかけました(『こちら』)。

しかし無視されてしまう可能性も高いようです。

中国としては「香港がこうなったのも裏でアメリカが糸を引いているからだ」(『こちら』)という疑念が拭えません。

いずれにせよ香港情勢は一触即発の状況。

1対1のミーティングと言いますが、そもそもトランプ大統領と習近平国家主席は6月29日、大阪で米中首脳会談を行ったばかり。

1か月半前のことです。

さて昨日は、ロス商務長官がCNBCのインタビュー(『こちら』)に応じ、

『中国は農産物の購入など、米国との間で合意に達したことを何一つとして実行に移さなかった(だから追加関税の決断を下した)。

玩具や携帯電話など一部製品については、関税発動を12月15日まで延期したが、これは米国の消費者のことを考えての措置。

中国が何らかの譲歩をして、それに応じたわけではない』

と発言。

一方、トランプ大統領はツイッターで、

『一部製品の12月への延期によって、我々以上に中国が助かることになるが、いずれレシプロシティー(相互同じような状況)になる。

我々の関税によって中国では数百万人分もの雇用が失われ、数千の企業が中国を去っている

(It actually helps China more than us, but will be reciprocated. Millions of jobs are being lost in China to other non-Tariffed countries. Thousands of companies are leaving)』

と発言(『こちら』)。

共和党員のAさんによると、トランプはレーガンを意識しているのだとか・・。

『レーガンは、ソ連に対して強硬姿勢で臨み、アンドロポフ、チェルネンコといった旧ソ連指導者を追い込んだ。

その結果、ゴルバチョフが台頭し、冷戦は終結した。

トランプは同様のことを中国相手に演じ、歴史上、最も評価される大統領になることを狙っている』

レーガンが8年(2期)の任期を終え、退任したのが1989年1月。

次の大統領に就任したのは、それまで8年間にわたって副大統領としてレーガンを支えていたブッシュ(父)。

天安門事件が起きたのは、その4ヶ月半後でした。

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2019年8月 3日 (土)

ALS

1980年。この年、私はスタンフォード大学ビジネススクールを卒業し、数週間ほど興銀ロサンゼルス支店で研修を受けた後、7月下旬に帰国しました。

興銀での新たな配属先は本店外国部総務班。

同じ部の企画班で班長をしていたのが、藤沢義之さんです。

常務になったばかりの黒沢さん(のちに頭取)から頻繁に電話が入り、黒沢さんのブレーンとして活躍していました。

その後(1982年)藤沢さんはロンドンに転勤となり、ロンドン興銀(IBJ International)社長に就任。

ほぼ同じタイミングで私は同じ外国部内で総務班から欧州班に移り、ロンドン興銀を含む興銀の欧州拠点管理、拠点政策企画立案の仕事をするようになりました。

そして1983年には興銀のシカゴ駐在員事務所に赴任。

米国企業にユーロ円債やデュアルカレンシー債の発行を勧め、藤沢さん率いるロンドン興銀につなぎ、社債の引受主幹事業務を(ロンドン興銀)に務めてもらう、そういった橋渡しのような仕事をしました。

シカゴから本店審査部に戻ってからは藤沢さんとの接点はなくなりましたが、たしか1994年~95年頃。藤沢さんが興銀の副頭取だったときに、チッソに対する金融支援のことを副頭取に説明に行ったときのことは、今でも鮮明に覚えています。

さて、その後、藤沢さんは2000年に日本興業銀行会長になり、更にメリルリンチ日本証券の会長に就任。

と、ここまで書けば順風満帆の人生ですが、ある日、新聞記事で読んで、私は驚きました。

2002年、藤沢さんは66歳の時に突然ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。

新聞記事は、藤沢さんが視線入力のパソコンを使いながら、雑誌などに寄稿していることを紹介していました。

(藤沢さんは一昨年に逝去されました。享年80歳)。

* * *

最近れいわ新選組から比例区特定枠で参議院議員になった舩後靖彦さんの記事をよく目にしますが、ALSは誰にでも突然襲いかかってくる可能性があります。

残念ながら、この病気の詳しいことはまだよく分かっていないようなのです。

* * * 

一連のALS報道を目にして、私は思わず、藤沢さんのことをこのブログに書いてしまいました。

新聞記事によれば、藤沢さんが病床で書いた英語スピーチの表題は「A POSITIVE LIFE」だったと言います(『こちら』)。

突然の不運にもかかわらず最後までPOSITIVEに生きられた藤沢さん。いま目を閉じると浮かぶのは、40代半ばで外国部企画班長を務めていたころの藤沢さんです。颯爽たる風姿が印象的でした。

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