2018年8月 8日 (水)

歴史に学ぶ

思い込みの恐ろしさ。

人間はついつい楽観してしまう。

都合のいいように、安易な解釈をしてしまう・・。

お読みになった方も多いと思いますが、8月6日の日経新聞「春秋」のコラム。

印象に残ったので、その一部を下記に再掲します。

* * *

『日本中の都市が次々に焼け落ちていくのに、なぜか広島には空襲がなかった。

1945年夏。

市民は首をひねりつつも、まずは平穏を喜んでいた。

浄土真宗本願寺派の「安芸門徒」が多い土地柄だから、米軍が攻撃を手控えている・・・。

そんな噂まで流れていたという。

思えば、なんと悲しい楽観だったことか。

そのころ米軍は日本本土への原爆投下計画を着々と進め、目標検討委員会を設けて犠牲とする都市を絞り込んでいた。

さまざまな候補地が浮かんでは消え、実際に投下されたのが広島と長崎だった。

核を使うため、2つの都市は「温存」されて焼夷弾の猛威を免れていたのである』

(2018年8月6日、日経新聞、1面、春秋コラムより一部を抜粋しました)

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2018年7月14日 (土)

26年前の戦争

26年前の1992年。

あなたは何をしていたでしょうか。

まだ生まれていなかったという人もいるかもしれません。

私は、日本興業銀行という銀行の審査部で5年目の勤務を迎えていました。

そしてその年の6月に営業第三部というところへ異動になりました。

この年、日本経済が謳歌した「バブル」はすでに崩壊のさなかにありました。

23,030円で始まった日経平均は、年が終わる頃には16,924円になりました。

* * *

この年の8月です。

クロアチアのヴラーホ君(写真の少年です)が、戦火に巻き込まれて亡くなりました。

      Photo_2

私が5年前にクロアチアを訪れたときに会ったドゥーロ・オブラドヴィックさん(タクシーの運転手さんです)も、次のように語っていました(『こちら』

「当時私は26歳だった。

セルビア人は内陸にいるだけでは飽きたらず海に出たかったんだ。

それでこの町(ドゥブロヴニク)に攻めてきた。

モンテネグロもドゥブロヴニクに攻撃をしかけてきた。

我々は必死になって戦ったが、1日に3000発もの爆弾を落とされた時もある。

今でも町のあちらこちらに戦火の傷跡が残っている」

* * *

四半世紀前の、そんな記憶を持つクロアチアが今回のワールドカップ決勝を戦います。

ダリッチ監督の「決して諦めないのが我々の国民性だ」という言葉の背景には、こういった国民としての記憶があるのかもしれません。

もちろん四半世紀前の戦争についてコメントすると、例えばセルビアの立場からすると、全然違った見方になるのだと思います。

いずれにせよ時が経つことによって、クロアチア人、ボスニア人、そしてセルビア人の関係が徐々に融和に向かうのを願ってやみません。

『こちら』の記事を読みながら、そんなことを思ったので、思わずブログを書いてしまいました。

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2018年5月14日 (月)

外資系投資銀行やコンサルタント会社で働くということはどんな感じなのか

Quoraに載った質問ですが、

What's it like to be an investment banker at Goldman Sachs?

その答えが『こちら』

3人が答えていますが、最初の人の答えがいちばん読むに値するかもしれません(読者の賛成票も、この答えが圧倒的に多い)。

最初の答えを読んでの私の感想は『昔も今もあまり変わっていない』というもの。

最初の答えは3年前のものですが、働き方改革とは無縁の世界・・・。

なお、こんな質問もありました。

What is it like to work for McKinsey or Goldman Sachs?

これにはMcKinseyで働いたことのある人など5名が答えていて、その答えが『こちら』

就職、転職を考えている人には、こういったサイトは便利かもしれません。

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2018年5月 8日 (火)

シュナイダーマン司法長官の辞任

米国では「ニューヨーク州のシュナイダーマン司法長官が辞任する」とのことで話題になっています(『こちら』)。

そもそもこの人は「反セクハラ運動」の擁護者、推進者だったはずなのですが・・。

あたかも、アメリカの人気テレビドラマ『グッド・ワイフ』(The Good Wife)で展開しそうな話が現実に起きたことで、かなりの驚き。

そう言えば、この『The Good Wife』ですが、すでに 2012年1月15日の放映で、「ビットコインの開発者を米財務省が訴える」との内容(注:あくまでもテレビドラマの中での話です)を扱っていました(『こちら』)。

マウントゴックスによるビットコイン消失事件(2014年2月)より2年以上も前。

あらためてアメリカの人気テレビドラマの脚本力に驚かされます。

(注:ちなみに1ビットコインは2011年には33セントだったとのこと。100ドルで333ビットコインが買え、それ(333ビットコイン)が現在では3百万ドル、約3億円になっています(『こちら』))。

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2018年4月26日 (木)

日本の変化

シリコンバレーに移り住んで30年以上になるというBさんと先日お昼をご一緒しました。

Bさんにとっては久しぶりの日本訪問。

『日本も変わったね』

と言います。

『どんなところですか』

と尋ねると、

『QOL(Quality of Life;生活の質)が落ちてますね。

昔は日本のビジネスホテルに泊まって髭を剃ると、ホテルの部屋に置かれている髭剃りの切れ味の良さにビックリしたものです。

それが今回は全然剃れない。

肌を傷つけてしまいそうでした。

多分コストカットで中国製の髭剃りに変えたのかな。

細かいことですが、こういった小さなところで、日本が変わってしまったと残念に感じることが多々あります』

海外駐在10数年というCさんが日本に帰国して気づいたのは、地下鉄がよく遅れるようになった点。

『多分私鉄の乗り入れが増えたせいなのでしょうか。

ずいぶんと遅れることが多くなりました。

信号点検とか、体調不良の人が出たとか』

私鉄の乗り入れが増えただけでなく、地下鉄を利用する高齢者が増えて面倒を見るケースも増えたみたいで、これらが遅れの一因になっているのかもしれません。

そう言えば、高齢者だけでなく身障者の利用も、以前よりもよく見かけるようになりました。

乗客にやさしい地下鉄であろうとすると遅れることもあるような気がしてきます。

もっとも今週月曜日に乗った千代田線、10分くらい遅れましたが、「○○駅でお客様同士のトラブルがあったため」と車内アナウンス。

こういうのは困ったものです。

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2018年4月22日 (日)

人生100年時代

人生100年時代という言葉をよく耳にしますが、実際に新聞に載る著名人の死亡欄を見ても、享年100歳といった言葉に驚かなくなりました。

先月、桜が満開だったときに、スタンフォード時代のクラスメート(Aさん)が米国から東京に観光でやって来ました。

クルマで都内の桜の名所を案内したときに、Aさんの両親が彼女の自宅のすぐ近くのRetirement Community に住んでいるという話が出てきました。

『Palo Alto の私の家から車で5分なの。近くにいるから安心でいいわ』

とAさん。

彼女の両親が住むのは、Vi という名のRetirement Community

シリコンバレーに詳しい人ならご存知だと思うのですが、VC (Venture Capitalists)のオフィスがたくさんあるSand Hill Road にあります。

住所は620 Sand Hill Road で、道路を挟んで向かい側はスタンフォードショッピングセンターという位置関係。

「こういったRetirement Community に入るのにはいったいいくらかかるのだろう」

Aさんが帰国した後、ちょっと気になって調べてみると、入居一時金が約1億円。

これに加えて月額料金が約50万円という値段設定(注:Vi のウェブサイトに行くと、値段が出てきます)。

不動産の値段が高くなってしまったシリコンバレーならではの価格で、同じVi でもシカゴ郊外の Glenview の Vi はもっと手の届きやすい入居一時金になっています(それでも月額料金はあまり変わらない)。

さて、Aさんのご両親ですが、お父さんは100歳で極めて元気。

毎日水泳を楽しんでいるのだとか。

お母さんも98歳で、いまだにクルマを自分で運転しているといいます。

人生100年時代を実感しました。

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2018年3月17日 (土)

ビル・ゲイツ:『これらのスキルが将来もっとも有望だ』

ニューヨークのハンターカレッジで行われたパネル・ディスカッション。

出席者は左からリン=マニュエル・ミランダ、メリンダ・ゲイツ、ビル・ゲイツ。

Cnbc

(写真の出所:CNBC MAKE IT;『here』

ビル・ゲイツいわく

『①科学、②プログラミング、③生物学、④画期的なエネルギー源に関する分野が将来もっとも有望だ。

医療コストが爆発的に増大していて、これに対する唯一の解決策はイノベーションだ』

『こちら』で1分9秒の動画をご覧になれます。

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2018年1月 1日 (月)

明けましておめでとうございます

今年もよろしくお願いいたします。

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2017年12月 4日 (月)

ベーシックインカム

ベーシックインカムとは、すべての個人に、無条件で毎月一定のお金を直接配るという政策。

アイデア自体は古く、1516年に英国のトマス・モアが『ユートピア』で貧困対策として記したのが始まりだとされています(朝日新聞『Globe』17年12月)。

ヒラリー・クリントンも著書『What happened』で “you can provide every American with a modest basic income”(239頁)と記し、この政策を公約として検討していた旨を明らかにしています(『こちら』も参照)。

昨年6月5日、スイスはベーシックインカム導入の国民投票を実施。ただし反対約8割で否決(『こちら』)。

今年1月にはフィンランドがベーシックインカム導入の社会実験を始めています。

フィンランドの失業者は現在約18万人。

このうち2000人が抽出されて、月7万4000円のベーシックインカムを2年間もらいます。

月7万4000円とはどういう金額でしょう。

日本で20歳から60歳までの40年間の全期間、保険料を全額きちんと収めた人がもらえる老齢基礎年金が月6万4942円(『こちら』)。

これよりも1万円ほど多い金額です(注:日本のサラリーマンは老齢基礎年金のほかに老齢厚生年金ももらえます)。

フィンランドのベーシックインカム受給者の1人、ユハ・ヤルビネンさん(39)によると、

これまで失業手当の受給に際しては、職業紹介所で担当者に職探しの活動ぶりをチェックされ、「奴隷のようだ」と感じていたと言います(『こちら』)。

ベーシックインカムでもらえる金額は、失業手当より約1万3000円少なくなってしまったのですが、失業手当と違ってベーシックインカムには何の条件もありません。

職を探す必要もないし、仮に働いて収入を得ても減額されずにもらい続けることができます。

ユハ・ヤルビネンさんは、実験が続く2年間の間にこれまで内職でやってきた太鼓づくりをビジネスに育て、さらには映像制作を始めたいと言います(『こちら』)。

さて、仮に日本でベーシックインカムを導入すると、どういうことになるのでしょう。

7万4000円×12か月×1億2600万人(日本の人口)=112兆円

財源的にこれは無理だと諦める水準なのかどうか。

ひとことで言うと、かなり難しい水準です。

下図のように日本の社会保障給付費は118兆円。

(下図の出所は財務省『こちら』

Photo_2

これだけ見ると、

現状の社会保障給付費118兆円≒ベーシックインカム導入コスト112兆円

と思われるかもしれません。

しかし社会保障給付費の原資は56%(66.3兆円)が保険料で、国庫負担や地方負担は約38%。

しかも118兆円の給付費のうち38兆円が医療費なので簡単には行きません。

「ベーシックインカムを導入するから医療費はそれでまかなえ」といっても、国民的合意は得られないからです。

それでもベーシックインカムに対する関心は世界的な高まりを見せていて、カナダのオンタリオ州でも今春、4000人が参加する社会実験の実施を発表(『こちら』)。

小規模のものを含めれば、すでに世界10余りの国や地域で実証実験が始まっていると言います(『こちら』)。

ポイントはベーシックインカムが失業者に働く気を起こさせるかどうか。

フィンランドの制度設計にかかわったマルクス・カネルヴァさん(38)によると

「月7万4000円は1カ月の生活費としては足りないが、安定した収入にはなる。そこでさらに収入を増やすために働いたり、起業などに挑戦したりするかを(実証実験で)確かめる」

とのこと(『こちら』)。

それにしてもあまりに複雑化している日本の社会保障制度。

年金ひとつをとってみても、

  • 老齢基礎年金
  • 老齢厚生年金
  • 定額部分
  • 報酬比例部分
  • 加給年金
  • 振替加算
  • 中高齢寡婦加算
  • 経過的寡婦加算・・・

いったい何人の人が制度の全貌をきちんと理解しているのでしょう。

【注】今回(今年9月)発覚した年金未払い事件は振替加算が未払いだったものです(『こちら』)が、支給する方(日本年金機構)も受給する方(国民)も制度をきちんと理解していないからこそ、こうした問題が出てくるのではないでしょうか。

話はそれてしまいましたが、ベーシックインカムの利点のひとつが、制度が単純明快で、これに係る事務コストもあまりかからないこと。

日本年金機構だけでも正規職員・准職員数 13,009人 有期雇用契約職員数 7,202人の合計2万人を抱えている(『こちら』)ことを考えると、ベーシックインカムの単純さは魅力的です。

フィンランドやカナダの実証実験の結果がどういったことになるのか。

気になるところです。

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2017年11月23日 (木)

感謝祭

今日23日は日本では勤労感謝の日。

たまたま第4木曜日でしたので、米国の感謝祭と重なりました。

最近の円高について、米感謝祭が近付く中でポジション調整が本格化した(とりあえずリスクオフにしておく)ことの結果ではないかと一部で囁かれています(『こちら』)。

しかしではなぜ米株高が続いたのか。

先週末から今週に入ってからの米株高、円高を感謝祭で説明するにはちょっと無理があるような気もします。

* * *

『これから先5年も10年もの感謝祭を息子が家にやって来ることなく過ごすことになっても、あなたは平気かもしれない。しかし息子が中国に収監されていたままでは、息子さんはプロ契約も出来ず、あなたを養うこともできないんですよ』

感謝祭を前にこうツイートしたのはトランプ大統領(『こちら』)。

ことの発端は今月7日。

中国・浙江省を訪れていたUCLA=カリフォルニア大学ロサンゼルス校のバスケットボール選手3人が、万引きの疑いで中国当局に逮捕されました。

トランプ大統領は習近平国家主席と面談した際に早期解決を直接要請。

3選手は無事に帰国し、帰国後の記者会見で大統領に感謝の言葉を述べました。

にもかかわらずこのうちの1人の選手の父親が大統領がどれだけ尽力したのか疑問を呈し、大統領専用機で連れて帰ってくれていたのであれば感謝してもいいなどと発言したことから、大統領は不満を露わにして、上記をツイート。

万引きは中国では5~10年の禁固刑だともツイートしています(『こちら』)。

1分49秒のNBCの動画で詳しく報じられています(『こちら』)。

* * *

話は変わりますが、一昨日、Open Innovation Way 2035 というセミナーに参加しました。

私を含む3人の講師がまずプレゼンをし、次に講師3人の間でパネルディスカッション、さらには受講生(20~30名;企業派遣、30代~40代前半)を交えてのワークショップと、総計約3時間のセミナー。

2035年を見据えて、如何にして企業内でイノベーションを起こすべきかというテーマだったものですから、私はプレゼンで以下のように説明。

  • 米国の主な企業は企業内でイノベーティブ(革新的)なアイデアが出現するよういろいろと工夫している。
  • 本社ビルの敷地に巨大な温室をつくろうとしているアマゾンのような会社もある(『こちら』)。
  • 革新的なアイデアとはこれまでとは違うアイデア。他と違うアイデア。これは均一性の中からは生まれにくく、多様性の中から生まれやすい。
  • 我々が如何に均一的に育てられてきたか、実は簡単には気がつかない。小学校や中学校で行われている運動会は富国教育が叫ばれていた明治時代に始められたもの。米国では(例外はあるかもしれないが)私が知る限り日本のような運動会はない。
  • 新卒一括採用も戦時中の法律(1941年の労務調整令)によるもので、それが75年以上もだらだらと続いている。
  • ラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリン、ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグ、ビル・ゲイツのいずれもが幼少期にモンテッソーリ教育(自主性を重んじ、みんなと一緒にお絵描きしたり、一緒に歌を歌ったりしない)を受けている。

世界の企業を時価総額順に並べると下図のようで、イノベーションを起こしたところが世界経済を牽引している状況が読み取れると思います。

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これに対して、私の次に登壇した講師のAさん(社会起業家、企業経営者)。

  • 我が社では全社員が参加する朝礼を毎朝必ず実施する。
  • 社是(経営理念、行動指針)は「敬天愛人」-社会倫理に照らし、人として正しいと思うことを実践する。関わるすべての人々が利益を分かち合う、四方良しの精神を実践する。 ~これらは毎日全員で復唱し、身体で覚えてもらう。
  • 四方良しの精神とは、近江商人の三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)に作り手よしを加えたもの。
  • 社歴が100年を超える企業の数は日本がいちばん多い。2位がドイツ。アメリカは1位、2位には入ってこない。
  • 儲け過ぎは良くない。独占なんてとんでもない。グーグルやアマゾンは独占であり世の中に良いことをもたらさない。

ということで、講師の主張の違いが際立ったセミナーでした。

主催者としては講師のセレクションにも多様性を発揮させ、革新性を持たせたのかもしれません。

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