2016年11月20日 (日)

「持たざる国」からの脱却

このところ読んだ本で幾冊か印象に残ったものを若干の感想と共に紹介。

【1】「持たざる国」からの脱却

スタンフォード大学ビジネススクールで一緒だった松元崇さんの最新作。

松元さんの著作は「大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清」(2009年)をはじめとしこれまで全て読んできています。

その中でおそらくこの本がいちばん今日的意味合いを持って読めます。とくに20~50代の現役世代の方々にお勧め。

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高橋是清、山縣有朋など戦前の財政史を研究してきた松元さんの目からすると、現在の日本の状況は日露戦争後の日本に似ている・・。

当時の日本は日露戦争後に行うべきだった改革を実施できず、昭和に入って農村部が疲弊、本来「持たざる国」などではなかったにもかかわらず、自ら「持たざる国」へと落ち込んでいき、戦争への道を歩んでしまった・・。

これまでの松元さんの著作同様、この本もこういった問題意識のもとに書かれていますが、今回の著作ではとくに日本人の働き方がIT( Information Technology)の進んだ現況に合っていない、このことにメスを入れています。

新卒一括採用、終身雇用といった日本独特の雇用慣行。こうした慣行の下では企業はひとたび正社員を雇ってしまうとこれを減らすことは相当難しい。いきおい投資に対して臆病になってしまう・・。

「日本を車にたとえれば、それは雇用調整というブレーキが備わっていない車のようなものです。(略)高度成長の時代には(略)せいぜい景気後退時に企業内失業というエンジン・ブレーキを使うくらいで(略)高度成長を続けていった」(本書81-82頁)

ところが「今日、雇用調整というブレーキが利かない車では怖くてスピードを出せなくなっている」(本書82頁)

松元さんは、人生の途中で職を変わることが当たり前にならなければならない、そうでなければ人的資源がじゅうぶんに活用できないと説き、ドイツとスウェーデンの復活事例を紹介しています。

話は逸れてしまいますが、先日の新聞に香川俊介さん(財務省で松元さんの後輩にあたります)が主計官だったときに米軍へ直接面会に行き「思いやり予算」を切り込み削減することに結びつけた話が出ていました。

我々一人ひとりが自分たちの持ち場で目の前にある必要な「改革」に取り組まなければ、日本はほんとうに「持たざる国」へと落ち込んでしまう、これがこの本を読んだ私の感想です。

【2】教養としての「昭和史」集中講義

この本は版元から献本して頂きました。

「集中講義」という名の本はこれまで何冊か読んだことがあります(光文社新書が多かったと記憶しています)。しかし読んで印象に残ったものはほとんどありません。

「集中講義」本の多くは、大学の先生や大学で教える金融の実務家たちなどが日ごろの講義内容を本としてまとめたもの。読者目線で書かれておらず、大学の講義録のようなものが多かったのです。

ですから本書も献本されなければ、本屋で見かけても題名だけで敬遠、素通りしていたと思います。

しかしこの本には良い意味で期待を裏切られました。

著者が話した内容を原稿にまとめたというライターの腕と編集者の力量によるのでしょう。

読み物としてひじょうに読みやすかったと思います。

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「日本とアメリカが戦争をする可能性はきわめて低かった・・。実際、よくいわれているように、アメリカは原爆を日本ではなくドイツに落とすために開発していた」(本書157-158頁)。

「もし日本が真珠湾を攻撃しなければ、アメリカは第二次欧州大戦のみに専念し、一方でアジア・太平洋ではイギリスやオランダと日本が植民地をめぐって戦争を繰り広げる状態が続いていたのではないかと思われます」(本書159頁)。

これは至極まっとうな指摘なのでしょうが、であればなぜ真珠湾攻撃などという無鉄砲なことをしてしまったのでしょうか・・。

この本は当時「海軍が戦争をせざるをえない状況に陥っていった」(185頁)と説き、ちまたで言われている「海軍善玉論」は、研究者レベルでの議論ではないと切って捨てています。

それでは陸軍出身の東條はなぜ開戦の決定をしたのか、本書はその辺のところも追及していきます。

【3】住友銀行秘史

著者の國重さんの名前は、板倉雄一郎さんの「社長失格」という本の中で住友銀行日本橋支店長の肩書と共に実名で出てきていたので知っていました(ちなみに「社長失格」も実名でいろんな人が登場し、読んで面白い本です)。

話は戻って、「住友銀行秘史」。

この本は新聞でも大々的に広告され、話題になっていたので買ってみました。

しかし読んで後味の悪い本。

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出てくる登場人物が全員が全員、社内政治のみに奔走しており、「社会に対して価値を創造する」という志や気概がまったくない・・。

住友銀行幹部ともなれば高い年収を手にしていたのでしょうが、それは本来は価値を創造することの対価のはず。

そもそも平和相互を合併し、いたずらに店舗網を増やすことが、住友銀行の企業価値、株主価値の向上につながると考えていたのでしょうか。

若い読者にはこの本を読んで誤解をしないで頂きたいのですが、ここに出てくる話は銀行という規制業種において一時期に見られた特殊な世界での話。

競争原理が働く普通の業界で、この本にあるように経営陣が社内政治のみに奔走すれば、その会社はすぐに淘汰されてしまうのではないでしょうか。

もちろん最近の東芝などの事例をみれば明らかのように、多くの大企業でもこの本と似たような状況がある程度は散見されるのかもしれません。

しかしこんなことをしていては日本は世界からどんどん置いていかれてしまいます(というのが、本書を読んだ私の感想)。

人生は長いようで短い。はたして本書の登場人物たちは、こういった社内政治に明け暮れる人生を送ってきて、ほんとうに後悔しなかったのでしょうか。

【4】国家とハイエナ

黒木亮さんの最新作。

80年代初め、私は興銀の外国部でユーゴスラビアなどの東欧諸国の債務リスケジューリングの仕事をしていたことがあります。

そのため本作に出てくる国際金融の場面はそれなりに馴染みがあり興味深く読めましたが、新興国の債務問題に無縁の人には本書は取っ付きにくいかもしれません。

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この本に書かれていることはこれまで日本のメディア(新聞、雑誌、出版)でほとんど報じられたことがありませんでした。

そういった意味で価値ある本であり、多くの人は知らない世界を本書を通じて垣間見ることが出来ると思います。

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2016年7月30日 (土)

検証

今年2月に 『不透明な10年後見据えて、それでも投資する人が手に入れるもの』 という本を出しました。

その中で 「GoogleかアマゾンかアップルかFacebookの何れか、またはその4社すべてに投資する」 ことについて書きました(86-88頁)。

と同時に、ダウ平均株価指数に投資することについても書きました(126頁)。

はたしてその結果は?

まだ5か月しか経っていないのですが、本が出版された日(2月26日)と現時点(7月29日)で比較してみましょう。

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4社すべて上昇しましたが、中でもアマゾンやFacebookの上昇が際立っています。

ところで、この間、円高に振れました。

2月26日の為替レート(TTM 113.02円)で円をドルに換えて米国株に投資し、7月29日の為替レート(TTM 104.42円)で(売却した米国株を)円に戻したらどうなっていたでしょうか。

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円ベースでみても、やはりアマゾンが際立っています。

アマゾンのベゾスはウォーレン・バフェットを抜いて世界第3位の金持ちになったのだとか(『こちら』 および 『こちら』)。

シアトルの建設中のアマゾンの新しいコーポレート・オフィスは再来年(2018年)完成の予定です。

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2016年4月21日 (木)

下流中年

スタートアップ企業への投資の仕事をしている関係上、毎週のようにベンチャー起業家と会います。

半分くらいは私の会社に訪れてくる人たち。

逆にこちらから訪問するケースも多くあります(むしろ訪問したくなるような会社の方が有望な先が多いような気がします)。

なぜ起業することにしたのですか、という定番の質問をすると実にいろいろな答えが返ってきます。

これまでにいちばん印象に残った答えは

「たくさんの人を正規社員で雇って少しでも社会貢献したい」(A社長)。

* * * *

「下流老人」ということが言われて久しいですが、最近では 「下流中年」 がもっと大きな問題なのだとか・・・。

たまたま先日、出版社の方がまさにどんぴしゃりの タイトルの本 を送ってくれました。

              Karyuu

こうした本に対しては必ずと言っていいほど「下流中年になってしまうのは自己責任でしょ」といった批判的な書評が寄せられます。

しかし48歳の正規で働いていた人が老親に介護が必要になり、いったん会社を辞めるというのは自己責任でしょうか。

老親も息子もそれまでじゅうぶんにお金を稼ぎ、結構手厚い保護を受けられる民間の介護付き老人ホームに入れれば、確かに息子の方は会社を辞めて介護にあたる必要はないかもしれません。

しかし、別の例ですが、自分が働いていた会社が不幸にして倒産してしまったら・・・。

あるいは新しくやってきた社長がきわめて理不尽な人で、ブラック企業的にあなたを追い詰めたら・・・。

本書(123頁)にあるようにセクハラ、マタハラなど「いじめによる自主退職が転落の最初の要因になる」ことも少なくありません。

本書の最終章(137~237頁)には12人の人たちの例が出てきますが、これを読んで無縁と言えるかどうか・・。

厚労省が2015年11月に公表した「平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、全労働者に占める非正規労働者の割合は約40%に達します(本書138頁;オリジナルデータは『こちら』)。

ポイントはこの約40%の非正規で働く人たちの生活が多くの場合、いつ転落してもおかしくないというギリギリの水準にあることです。

40代でいったん会社を辞めたら、次は正規ではなかなか雇ってもらえないというおかしな状況が日本にはあるのです。

また一方で年金をもらう世帯は給与所得者に比べ税制的に優遇されるケースが多いとか、世代間の不公平さの現実もあります。

以下は本書52頁に出てくる萱野稔人氏の発言。

(萱野)

「今の日本では、特別会計も含めれば社会保障費のうち100兆円が高齢者福祉に費やされています。

ところが、同じその日本で、預金総額が毎年30兆円ずつ増加しているという現実もある。

・・なぜこんなに増えているのかといえば、年金を貰っても使わない高齢者がたくさんいるからです。

今の日本には・・老後も毎月40万円以上の年金を貰えるような高齢者がいます。

・・結果的に年金は使われず、貯蓄に回されています」

* * * *

冒頭ご紹介したA社長が経営するような会社が競争社会を勝ち進み、たくさんの正規社員を雇ってくれるようになるのを期待したいところです。

(と同時に何か社会の仕組みを改善しないといけないところまで来ているような気もします)。

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2016年4月 1日 (金)

ノルウェーでは現在毎月10万円を国民に配る制度が開始されようとしている

最近読んだ本から幾つかを選び感想を載せてみました。

今回の表題は、昨日読んだ『City Journal』の記事の内容をコンパクトにまとめたもの。下記(4)の本の感想を書く際に思い出しました。

表題に関心ある方は途中を飛ばして一気に(4)まで進んでください。

(1)『サイロ・エフェクト』     

著者のジリアン・テットが東京駐在だったときに何度か取材を受けました。

投資銀行、とくにM&Aを担当する部署はマスコミを極端に警戒します。

したがってマスコミの取材に応じることは基本的にあり得なかったのですが、私の上司が英国人で、Financial Times 東京駐在員だったジリアン(同じく英国出身)とは仲が良く、上司から頼まれ、やむなく取材に応じるというケースが多かったのです。

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聡明で、パワー溢れるジリアンが文化人類学者としての視点から、縦割りの会社経営の問題に切り込んだのが本書。

ソニー、ニューヨーク市庁、UBS銀行など、いろいろな組織が登場しますが、どれも示唆に富む内容で興味深く、あっという間に読めてしまいます。

(2)『人生一度きり!50歳からの転身力』

本書の編集に携わった方から送って頂きました。

50歳、60歳から起業する人が少しずつ増えています(少なくとも私の周りでは)。

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本書ではシニア起業をした人たちの事例が豊富に取り上げられていています。

「森林インストラクター」など、この本で初めて知る職業がたくさんありました。

気楽に、どのページからでも読めるといった構成になっています。

(3)『東芝不正会計』

東芝事件をコンパクトにまとめています。

何が起きたのか、五月雨式のマスコミ報道ではなく、まとまった形で読んで理解するには便利な本です。

別の見方からすると、新聞や雑誌を丹念に読んできた方は、本書に特に新たな情報があるわけでなく不満に思うかもしれません。

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せっかく本にするんでしたら、不正会計「前」の財務諸表と、「後」のそれを各年ごとにどう違ってくるのか、表にしてまとめて分析しても面白かったかもしれません。

(4)『自分の半径5mから日本の未来と働き方を考えてみよう会議』

編集者から送って頂きました。

図や表、データ類が豊富な本です。

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こうした本を読んで、ファクト(事実関係)を幾つか押さえておくと、接待などの席上で、

「これは、こういうことなんですよ」

と説得力ある議論を展開できるかもしれません。

対談形式の本ですが、個人的には真っ向から違う意見の人が論じる本の方が(論点が鮮明になって)好きです。

年金の世代間格差のところはやや切り込み不足。政治の問題だと指摘しつつも、時代が変わったのだからどうしようもないと論じてみたり・・。これでは若い世代は納得しないように思いました。

もっと抜本的な解決策を論じて欲しかったというのが正直な感想。

例えば現在の「賦課方式」から「積み立て方式」に移行するとか、あるいはノルウェーでは現在毎月10万円を国民に配る制度が開始されようとしています(詳しくは『こちら』)。

ベーシックインカムの考えを実際に実現しようという試みなのですが、ノルウェーではこれにより社会福祉に関する官僚主義的な無駄を排したい(shut down its welfare bureaucracy)としています。

(5)『浜松ピアノ物語』 

ピアノの製造に関する話がたくさん出てきます。

明治の時代、国産ピアノを作るのが如何にたいへんだったのか、なぜ浜松にピアノメーカーが集まったのか・・。

1985年のショパンコンクールでヤマハと河合が公式採用されたときの新聞記事なども掲載されていて、ピアノ好きには面白い本となっています。

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ただし70頁~129頁は浜松地域のピアノ関連メーカーを50音順に列挙しただけなので、(浜松とは関係ない)一般の読者にとっては、あまり意味の無い頁が続く形になっています(その分、本書の値段は476円と安いので、まぁ良しとしようといった感じでしょうか・・)。

それにしてもヤマハの株価。

今年に入って日経平均(下図の赤線)が約1割下落する中、逆に2割も上げています(下図の青線)。

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関心ある方は『こちら』の記事をどうぞ。

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2016年3月29日 (火)

メルマガ

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2016年2月27日 (土)

書店に並びました

赤坂の文教堂(左側)と、恵比寿の有隣堂(右側)。

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2016年2月14日 (日)

予約受付中です

『不透明な10年後を見据えて、それでも投資する人が手に入れるもの』

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2015年12月 8日 (火)

ノーベル賞受賞者

10日の授賞式を控え、スエーデン・ストオクホルム入りした大村さん、梶田さんの模様が新聞紙上をにぎわしています。

そもそも地元のスエーデン人はこれまでに何人くらいノーベル賞を受賞したのかと調べてみましたら、日本人受賞者数を超える30数名が受賞していました。

トップは米国で300人を超える受賞者を輩出しています。

米国スタンフォード大学のサイトに行きますと、同校のノーベル賞受賞者の頁があります(『こちら』)。

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これによると存命者で21名、他界された人を含めると50名。

現在大学で教えている人がノーベル賞を受賞すれば、1人とカウントするのは納得できますが、その昔、大学で学んだというのはどうでしょうか。

スタンフォードによると、かなり厳密にカウントしているとのことで、「怒りの葡萄」で有名なスタインベック(1962年ノーベル文学賞)は、上記のリストには含めていないのだとか・・。

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彼はスタンフォードに入り、1919年、大学1年のときの英語(日本でいえば「国語」)の授業で、冴えない「C」の成績を取りました。

そして3年後の1921年には中退。

しかしそこから先がスタインベックの偉いところで、今度はジャーナリズムを専攻しようと、2年後の1923年、スタンフォード大学に入りなおします。

それでもやっぱり卒業することはなく、1925年に再度中退。

ということで、残念ながらスタインベックは大学のノーベル賞受賞者リストには登場しません。

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2015年12月 4日 (金)

2015国際ロボット展

2015国際ロボット展(@東京ビッグサイト)に行ってきました。

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上の写真はJAXON。

知能ロボット統合プラットフォームシステムとしての基本性能を備えた「ヒューマノイドロボット」なんだそうです。

JAXONの隣にはこんなロボも(↓)。

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こちら(↓)はチョッとトランスフォーマーといった感じのロボット。

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マッスルスーツ(↓)。

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動くマネキン(↓)。

マッスルと吉忠マネキンとのコラボ。

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ちょっと分かりづらいですが、トヨタのブース(↓)。
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いろんな大学の研究室も出展していました(↓)。

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ワーム型ロボットのデモンストレーション(↓)。

ヘビ型とは違うのだそうです。

画面の下から3分の1くらいのところに見える銀色の筒状のものがロボットです。

デモの会場はどこも混んでいて、写真が撮りづらかったです。

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地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターのブース(↓)。

株式会社ココロによる「アクトロイド」を展示。

遠くから見ると人間のようです。

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2015年11月11日 (水)

デービッド・アトキンソンの「新・観光立国論」

今年の6月。ほぼ同じような時期にまったく同じ名前の本が出版されました(おそらくは偶然でしょう)。

したがって間違えないよう注意が必要ですが、アトキンソンさんのこの本は面白い!

買う前に見たアマゾン掲載の読者書評がまず目を引きました。

「アトキンソン氏がゴールドマンの金融アナリストだった時に、私は銀行の企画部門でIRを担当していたのですが、銀行の幹部が日本の大手銀行は4つで良いと書いたアトキンソン氏の分析に激怒して、ゴールドマンの幹部に猛烈に抗議していたのを思い出しました」

本書の内容とはずれてしまいますが、実は私も似たような経験をしたことがあります。

(注) 私はゴールドマンにいたことはなく、別の投資銀行でした。また担当もFIG(金融法人)ではなくTMT(Telecommunications、Media、Technology)を中心とする事業会社だったのですが、にもかかわらず、日本の大手銀行に呼び出されて「お宅のアナリストはけしからん」と叱られました。

さて、本書が面白いのは、優秀なアナリストとしてのアトキンソンさんの分析がベースになっているからです。

アナリストの基本は、「何が大切で、逆に何が枝葉末節であるか」を見極める力。

たとえば「日立が優秀な冷蔵庫を開発したので、日立の株は買いだ」というアナリスト・レポートがあったとします。

これはアナリスト・レポートとして優秀と言えるでしょうか。

数字を見てみましょう。

日本の冷蔵庫の国内出荷台数は約450万台。

仮に日立が30%のシェアを取って、1台あたり平均10万円の営業利益を上げたとしても(どちらも、ちょっとあり得ない超甘めの想定ですが)、この分の営業利益は450億円。

日立全体の営業利益6,000億円の7.5%に過ぎません。

そもそも日立の場合、家電は産業用空調システムなどと共に「生活・エコシステム」というセグメントに属するのですが、このセグメントは会社全体の4.4%の営業利益を上げるに過ぎません。

つまり優秀な冷蔵庫を開発することは重要ですが、それが株価にどの程度のインパクトがあるのかを見極める目が重要になってくるのです。

そういったアナリストの目をもってして、アトキンソンさんは日本の常識が必ずしも世界の観光客の常識ではないことを指摘していきます。

たとえば日本人のマナーが良いのが観光資源になるとの主張について、アトキンソンさんはこう言います。

「わざわざ海外に行って、異国のマナーをチェックしようという物好きな人などほとんどいません。 

これも食事でたとえるなら、「漬け物」です。 

ひと口ふた口ならばみなおいしいと喜びます。 

たしかに主食はすすみます。 

ですが、あくまで漬け物は漬け物。 

主菜でも副菜でもないのです」

おなじような観点から「おもてなし」についてもアトキンソンさんは論考を深めていきます(本書の第4章(99~131頁)はまるまるこの点について語られています)。

この本でもうひとつ面白いのは、一泊400万~900万円の超富裕層向け高級ホテルが日本にはないが、必要であるとの主張。

たしかにジュネーブのプレジデント・ウィルソン・ホテル(PW)のロイヤル・ペントハウスのスイートは1泊65,000ドル~80,000ドル(8.0百万円~9.8百万円)。

東京リッツのザ・リッツカールトン・スイートが300㎡なの比し、PWは1,670㎡。

12の寝室と浴室を擁するスイートなので、このくらいの値段でも不思議ではありません(窓ガラスは防弾になっているとのことで、なんだかゴルゴ13に出てきそうです)。

アマンのリゾートの中には、プライベートのスイミング・プールを持つスイートもあったりして(こちらも1泊6.0百万円くらい)、世界にはこういったところに泊る超富裕層がいるのも事実です。

これら超富裕層を取りこぼしている日本の現状はもったいないと主張するアトキンソンさん。

一昨日初会合を迎えた政府の観光ビジョン構想会議(議長は安倍首相)のメンバーでもあります。

活躍を期待します。

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