2017年10月 8日 (日)

読書好きの経営者

Kazuo Ishiguro ノーベル賞受賞のニュースにすぐさま反応した経営者がいました。

アマゾンのジェフ・ベゾスです。

彼は即座にTwitter(ツイッター)に次のように書き込みました(『こちら』)。

The Remains of the Day--Long my favorite novel. Teaches pain of regret so well you will think you lived it. Congrats, Mr. Ishiguro, so earned!

(『The Remains of the Day』(邦訳:日の名残り)は、何年も前からの私のお気に入りの小説。後悔の痛みをひじょうに良く教えてくれ、あたかも自分が経験したような気になる。おめでとう、イシグロさん、まさに受賞にふさわしい)

もともとベゾスは頻繁にツイートするタイプではなく、先月は2度ツイートしただけ。

自分のお気に入りの小説家がノーベル賞を受賞したことがよほど嬉しかったのでしょう。

実は、かねてからベゾスは『日の名残り』が彼のお気に入りの小説であることを公言していました。

以下は、2012年に来日した際、wired.jpによるインタビューに答えたベゾスの発言の抜粋です(wired.jpによるインタビュー全文は『こちら』)。

『わたしは同じ本を何度も読むタイプなんですね。

いちばん好きなのは、カズオ・イシグロの「日の名残り」ですね。何度も読んでます。素晴らしいです』

『フィクションは、自分が体験しえないことを、体験させてくれるものだとわたしは思っています。つまり、人生について教えてくれるわけです。

「日の名残り」に関して言えば、あれは後悔をめぐるお話なんです。主人と老執事の関係よりも、わたしのフォーカスはむしろ老執事が、かつての同僚だったミス・ケントンに寄せる思いのほうなんです。

人生の終わりを迎えて、自分が愛する人に対して自分は何のアクションもおこさなかった、そのことに対する後悔がポイントなんです。

後悔をするときには、すべてがもう遅すぎるんですね。こういう後悔はしたくないなと身に染みて感じますね』

──『日の名残り』にあるような後悔をご自身でおもちだったりします?

『いまのところ幸いなことに、そこまでの後悔はないですね。

ただ、こういう思い出はあります。

1994年に、オンラインの古書店を始めることを思い立って、そのことを当時勤めていた金融会社の上司に相談したんですね。

「散歩しながら話そう」と言うので公園を歩きながら話したのですが、彼はわたしの話を聞いて、こう言ったんです。

「面白いアイデアだと思うよ。ただし、すでに立派な仕事と肩書きをもっている人がやることかどうかは疑問だな。2日間、よく考えてごらんよ」。

で、考えたんです。妻とも相談しました。

そのときにこう思ったんですね。

自分が80歳になって人生を振り返ってみたとしたら、仮にこの新しい事業に失敗したとしても、さほど後悔はしないだろうと。

けれども、これをやらずにいまのところに勤め続けたらきっと後悔するだろうなって。

つまり、人生の最も深い後悔は、Commissionによって生じるのではなく、Omissionから生じるんだと。

怖がったり、不安がったりして何もしないことが、きっと後悔を生むんじゃないかと』

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2017年10月 1日 (日)

株式投資には「何が正しくて、何が間違い」といったことはない

株式投資には「何が正しくて、何が間違い」といったことはない。

そう私に教えてくれたのはスタンフォード大学のマクドナルド教授。

ウォーレン・バフェットとも親交が深く、バフェットはマクドナルド教授の授業にゲスト・スピーカーとしてよく登壇していました。

「ある人は長期投資が得意かもしれないし、別の人は短期売買の方が収益を上げやすいかもしれない。

ファンダメンタル分析が得意な人もいれば、チャートを参考にする人もいる。

要は自分の勝ちパターンを見つけろ」

教授はそういったようなことを授業で強調していました。

と言いつつも、教授の授業は、長期投資、ファンダメンタル分析が中心で、他の方法には触れませんでしたが・・・。

ところで、いろんな人のやり方を学ぶには本を読むのが手っ取り早いかもしれません。

週刊東洋経済eビジネス新書No.222 Kindle版 『投資本の著者に聞く!勝つための投資法』

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この本は電子書籍で新書版115頁から成り立っています(電子書籍の価格は324円)。

何人かの投資本の著者にインタビュー形式で聞くといった体裁になっていますが、最終章に私へのインタビューが掲載されています(96~108頁)。

           Iwasaki

私のところではなくて、他の投資本著者の章に出てくるんですが、例えばRIZAPグループ(株)。

2006年に上場し、株価は25円(分割調整後のベース)あたりを低迷していたのですが、いまでは1330円前後。

10年強で53倍にもなっているんですね。

投資にいろんなアプローチがあることを改めて実感。

しかしやはり私は私のやり方に固執しようと思います。

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2017年9月 8日 (金)

毎月10日

2年前に母を亡くしました。

94歳でした。

母は自分で風呂に入ることも出来なくなって、介護付き老人ホームに入りました。

そんな母が好んで読んでいたのが月刊『文藝春秋』。

毎月10日前後の発売日になると私はこれを買って、母のところへ届けました。

もっとも最後の1~2年は、届けると喜んでくれるのですが、

実際には読んでいなかったのかもしれません。

いつも新品同様の形で机の上に置かれていました。

もしかすると、雑誌が発売になると息子が来てくれる。

そのことが待ち遠しかったのかもしれません。

実は雑誌に係わりなく、毎週末には必ず母のところへ行っていたのですが・・・。

さて、そんな文蓺春秋に私のインタビュー記事が載りました。

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母が生きている間に見せてあげたかったです。

出版社から送られてきた雑誌をそっと仏壇に供えました。

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2017年9月 3日 (日)

秋の訪れ?

少しずつ秋が訪れてくるのが感じられるこの頃。

米国では明日、月曜日は Labor Day で休日。

シカゴに5年ほど住んだことがありますが、毎年 Labor Day を過ぎるとセーターや上着が必要になったのが思い出されます。

早いものであと1ヶ月もしないうちに今年もノーベル賞受賞者が発表されます(10月2日の医学生理学賞を皮切りに、3日は物理学賞、4日が化学賞といった具合に続いていきます)。

今年の日本人受賞者は誰か?

すでにいろいろなサイトで候補の方々の名前が取り沙汰されています(たとえば『こちら』)。

そのうちの一人が「リチウムイオン二次電池」を開発した旭化成顧問の吉野彰氏(69歳)(『こちら』の記事を参照)。

なおこの辺は私にとって専門外なのでよく分からないのですが、仮にリチウムイオン絡みでノーベル賞が授与されることになるなら、吉野氏のみならずジョン・グッドイナフ教授、水島公一氏などの名前もあがってくるといった報道もあります。

いずれにせよ日本人が中心となって開発したリチウムイオン電池。

それがビジネスの世界ではどうなったかを見てみましょう。

2000年代には、三洋電機とソニーが民生用リチウムイオン二次電池で、それぞれ世界シェア1位、2位を独占していました。

ところが・・・。

2010年以降になると状況が変わってきます。

サムスンSDIなどの韓国勢に追い上げられ、三洋電機はパナソニックの完全子会社となり(2011年)、ソニーの電池事業も先週金曜日(9月1日)に村田製作所に譲渡されました(『こちら』)。

また車載用リチウムイオン電池の分野では、日産自動車が、NECとの合弁会社であるAESC(日産51%、NEC49%)を中国系ファンドの「GSRキャピタル」に売却することを決めました(『こちら』)。

このようにリチウムイオン二次電池は日本人が中心になって開発したものの、その後は韓国勢や中国勢が台頭、厳しい戦いを強いられてきています。

しかし電池を製造する部材(正極材・負極材・セパレーター・電解液など)では、日本のメーカーがまだまだ強い。

例えば負極材では日立化成が推定世界シェア3割と世界首位、セパレーターでも旭化成が世界最大手の地位にあると見られています(いずれも週刊エコノミスト17年2月14日号より)。

ノーベル賞の話からずれてしまいましたが、たとえ技術開発の面で先駆者であったとしても、韓国勢や中国勢に追い上げられてしまうことは、電池のみならず半導体や液晶でも経験したこと。

それを防ぐポイントはいくつかあるのでしょうが、ひとつには常に1歩先を行くべく開発の手を緩めないこと、そして必要な時に必要な設備投資をメリハリをつけて実行すること。

と同時に、「いいものを開発すれば、ユーザーは使い続けてくれる」と楽観視せずに、マーケティングにも力を入れることでしょう。

シリコンバレーで幾つか会社を起業したAさん。来日中に何度か会いましたが、「Marketing is everything」と力説していました。

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2017年8月15日 (火)

ホテル・リッツ

パリのリッツは、リッツ・カールトンのグループ・ホテルの1つと誤解されることが多いようですが、実は今ではまったくの別。

と言っても、源流は同じで、リッツ・パリは1898年にスイスのホテル経営者セザール・リッツらによって設立されました。

一方のリッツ・カールトンは、アルバート・ケラーが米国でのフランチャイズ権を購入することによって始められました(最初のホテルは1911年にニューヨークに設立)。

その後、両者は各々別の道筋を辿って現在に至っています。

現在パリのホテル・リッツはエジプトの実業家モハメド・アルファイドが所有(アルファイドの息子はダイアナ元英国皇太子妃とともに交通事故で亡くなっています)。

一方のリッツ・カールトンは現在ではマリオット・インターナショナルの一部になっています。

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なぜこんなことを書いているかというと、日経の書評欄(8月12日付)で、ティラー・J・マッツェオがパリのリッツについて著した『ホテル・リッツ』の書評を読んだから。

これは仏文学者の野崎歓さんによるものでひじょうに興味深く読めました。

(アマゾンの書評欄の書評(『こちら』)もなかなか面白いです)。

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ヘミングウェイ、チャーチル、ココ・シャネル・・・。

リッツを愛した人たちは数多く、それがゆえに1冊の本(それもノンフィクション)になってしまったということなのでしょうか・・・。

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リッツには、一般のホテル(リッツ・カールトンを含む)で見られるロビーやコーヒーハウスは見当たりません。

このため宿泊客以外はほとんど入り込んできません。

お客さんには出来るだけアット・ホームな感じでくつろいで欲しいという配慮なのでしょう。

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2012年、総額500億円という巨額な費用をかけて、リッツはリノベーションを実施しています(『こちら』)。

リノベーションは4年間という長期にわたり、この全期間、ホテルは完全に閉鎖していました。昨年6月にようやく改装を終えてオープンしています。

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2017年8月 8日 (火)

You are what you eat.

You are what you eat という英語があります。

この言葉のように、食べるものが自分の細胞になっていくわけです。

ですから、我々は誰もが、もっと食べるものに気をつかいたいもの。

仕事で米国に行くたびに思うのは、昔に比べて体重過多と思われる人が増えたということ。

昔といっても、私が高校時代に留学したころのアメリカです。

つまり1971-72年で、いまから50年近くもまえなのですが、このころのアメリカ人はもっとスタイルが良かった、というか、今ほど太った人は多くなかったように思います。

この辺はおそらくは統計データにあり、どこかの記事でも読んだような記憶がありますが・・・。

いずれにせよ米国でも欧州でも、街を歩けば 24時間開業のスポーツジムが目に留まり、ダイエット・コンシャスの人(ダイエット意識の高い人)は、Sencha とか Matcha とか言い出す時代。

日本でも本屋さんに行くと食事に関する本が目を引きます。

昨日、出版社に献本頂いたのは『病気にならない食べ方はどっち?』

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5~6頁ごとにクイズ形式にエッセンスがまとまられており、読みやすいかたちになっています。

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2017年7月24日 (月)

人生のキャッシュフロー

先日(6月20日)の「ブログ」で紹介した 『定年後 年金前』 という本。

本日、6年ぶりの増刷(第5刷になります)が決まりました。

老後にいったい幾ら必要か。

この本が出た頃には、これに対して正面から答えようとした本は、あまりありませんでした。

当時『老後にいくら必要か』といったタイトルの本は書店に並んでいましたが、なかを読んでみると、0円、2億円、800万円といったケースが並び、その人の置かれた状況によって、「そのいずれもあり得る」と書かれていたりして、あまり参考になりませんでした。

たしかに人によって状況はぜんぜん違うので一概に論ずることは出来ません。

それでもこの問題に正面から答えようとすることは、読者にとって参考になるのではないか。

こう考えたのがこの本、『定年後 年金前』 の執筆の動機です。

考えてみれば、私は興銀の審査部に5年間在籍している間にこれと似たような設問にぶつかりました。

この油田を開発した方がいいか(油田の開発資金を融資すべきか、断るべきか)。

こうしたプロジェクトを審査するときにも、長いものでは40年くらいのキャッシュフローを引いたのです(埋蔵量が豊かでそれだけ可採年数がある場合)。

その間、原油の値段は大きく変動するだろうし、採掘コストも変わってきます。

しかしそれでも長期にわたるキャッシュフローを引き、プロジェクトがどのくらいの経済性を持つものなのかを吟味することが、銀行として融資の可否を決める上で必要でした。

これと同じように人生のキャッシュフロー、例えば65歳から死ぬまでのキャッシュフローを引いたらどうなるのか。

こうした分析を行うことで、『老後にいくら必要か』の問題に答えていけるのではないかと考えました。

ここでのポイントは4点です。

【1】何歳まで生きると仮定するのか

当然のことながら、現役を退き、働かなくなってからの年数が長ければ長いほど(つまり長生きすればするほど)必要な資金(所要資金)は増えていきます。

それでは、何歳まで生きるかを考える場合、マスコミが毎年発表する平均余命を考えれば良いのでしょうか。

いえ、違います。

マスコミが発表するのはゼロ歳児の平均余命。

仮にあなたが60歳なら生存バイアス(すでに60歳まで死なないで生きていた)が働くので、ゼロ歳児の平均余命よりも最終的には「より長い」年齢まで生きることが予想されます。

さらにこの種の分析には「安全性のマージン」を考慮に入れる必要も出てきます(銀行融資の際の担保掛目に近い発想)。

こうしたことを考え合わせながら、キャッシュフローを引く際の「何歳まで」を決めていきます。

【2】老後の生活資金として毎年いくらのおカネを使うか

これには、総務省の家計調査のデータが参考になります。

「世帯主が60歳代で2人以上の世帯」といった具合に場合分けされて、毎月いくらを使うかがデータ上、明らかになっています。

さらに財団法人「生命保険文化センター」などがアンケート調査を行い、夫婦2人で老後生活を送る上で必要な「最低日常生活費」、「ゆとりのある老後生活費」などの数字を公表しています。

【3】介護が必要になったときに入る介護付き老人ホームのコストを幾らと置くか

これもピンきりですが、首都圏の平均的なコストが雑誌などに記載されています。

【4】こうしたコスト(キャッシュフロー上の「出金・払い」)に対して、「入金」であるところの年金はいくらもらえるのか

厚労省や日本年金機構が、サラリーマンで厚生年金に加入している人への、老後の毎月の年金支給額(「モデルケース」)を発表しています。

しかしこれは20歳から60歳になるまでの40年間の全期間にわたって保険料を納めた人のケース。

平成3年4月より前は、20歳以上の学生については保険料支払いは任意でした。

よって現在50代、60代の人の場合、23歳位でサラリーマンになって、その時に初めて保険料を払い始めたという人もいると思います。こうした人は、その分、年金支給額が少なくなります。

* * *

以上のような諸点を考慮に入れてキャッシュフローを引いていくと、人によって当然違いはありますが、3000万~5000万円くらいの「足りない部分」(年金だけでは足りない部分)が出てきます。

これを①退職金(経団連の企業会員など257社の大卒者平均2,357万円)や、②企業年金、③預貯金、④ローン支払い後の持ち家の価値などでまかなうことが可能か、という計算になってきます。

「やっぱり足りない」ということになれば65歳以降も働くしかありません。

逆に「結構余裕がある」ということであれば、65歳を待たずに退職して悠々自適の人生を送ることも可能です。

もっとも・・・。

経済的にはゆとりがあって、悠々自適の人生を送るつもりだったのに、それが意外にも苦痛だった・・・。

本書にはそんな例も出てきます。

いずれにせよ一度は老後のキャッシュフローのシミュレーションをやっておくことをお勧めします。

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2017年7月16日 (日)

3000時間の投入

17~18年前、外資系投資銀行に勤めていた頃。

取引先A社の経理・財務担当役員のBさんから連絡が入りました。

『村上ファンドの村上さんが弊社の会長にアポを入れてきました。

会長から「まずは君が会え」と言われたので私が会いますが、ミーティングに同席して頂けますか』

当時、すでに村上ファンドは幾つかの案件でマスコミを賑わしており、上場企業には恐れられている存在でした。

ミーティング当日、Bさんと一緒に村上さんにお会いしました。

出された名刺には「株式会社M&Aコンサルティング」とあり、私には村上さんがコンサルティング会社の立場でA社に会いに来たのか、ファンドの立場なのか、分かりにくかった―そんな印象を持ったのを覚えています。

と、そんなことを思い出しながら、村上世彰氏の『生涯投資家』を読みました。

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読了してすぐに、たまたま週刊文春を読んでいると、村上さんと阿川佐和子さんとのインタビュー記事が目に入りました(『生涯投資家』の版元は文藝春秋です)。

村上氏いわく、この本の執筆には村上氏が1000時間、ほかにデータなどを調べるアシスタント2人がそれぞれ1000時間、合計3000時間を投入したとのこと。

* * *

ところで、この本には日本でもコーポレートガバナンスがだいぶ進んできたと書かれていますが、私が思うに実態はまだまだ。

社外取締役など形だけは整った企業も多いのですが、経営者に指名されて選任されてくる人でどれほどのチェック機能が働くのか、疑問なしとしません。

実際のところ、大企業の部長クラスと話していますと、「業務を分かっていない人に説明するのに時間もかかるし、いったいどれほどの意味があるのか」といった声も聞こえてきます。

以下はシスコシステムズの社外取締役を務めたことのある孫さんの発言(出所は『こちら』)。

『(シスコでは)CEOが一生懸命に説明して、CFO(最高財務責任者)も説明して、担当役員がテーマごとに出てきて説明をして、そこで社外取締役から、「ああだここだ」とボコボコに叩かれる。  

もうね、ジョン・チェンバーズ(シスコCEO)なんかこうやって汗ぬぐいながら、一生懸命に説明、力説する。

それで社外取締役の奴らは偉そうに、「うーん、納得いかん」とか言う(笑)。

平気で「やり直し」とか言って、3分の1ぐらいの案件は突き返していた。 

日本と全然違うよ。

日本は社外取締役なんていうのは形式だけで、それはもう社長というか、社内から上がってきた起案で、まともに反対して潰そうなんていう話はほとんどないじゃない。  

もうお家騒動ぐらいの感じで、しかも事前根回しでね。

根回し、根回し、もうそれでそんなのほとんどしゃんしゃんという感じじゃない。  

例えばシスコでは丸一日やるからね。

前の日の夜に大体、役員と一緒のディナーがあって、この過去数カ月の状況をお互いにインフォーマルに食事しながら、雑談の中でいろいろやりとりをする。  

翌日朝9時から大体5時まで丸一日かけて、ことごとくテーマごとにガンガン議論して、大体3分の1は流れる。

もう否決か納得いかんということでもう一回突き返す。

通るのは3分の2ぐらいだよ。  

そのぐらい真剣勝負のガバナンスが働いているんだよ。

社外取締役がもう真剣勝負で参加しているから、お互いがプロの経営者として鍛えられているんだよね』

* * *

同じ社外取締役と言っても、米国と日本ではだいぶ違います。

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2017年7月11日 (火)

じゃんぽ~る西の『モンプチ 嫁はフランス人』

マンガ家の「じゃんぽ~る西」さんについては以前にこのブログで紹介したことがあります(『こちら』)。

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日本人の目から見たフランスを独特のタッチで描いた漫画が新鮮でした。

2011年に『パリ 愛してるぜ~』、12年には『かかってこい パリ』を発表。

プライベートでも2012年にフランス人のカリンさんと結婚。

その「じゃんぽ~る西」さんの最新作、

「仏大統領の妻は24歳年上 いかにしてふたりは出会い、結婚に至ったのか」

が現在ネットで無料公開されています(フィールヤング8月号掲載中の作品)。

私にこれを紹介してくれたのは、フィールヤングなどを編集制作する会社の役員の方。

彼からもらったメールには「日本の恋愛市場拡大のためにも拡散をお願い致します」との言葉が添えられていました。

『こちら』でその作品をご覧いただけます。いま話題の大統領、マクロンを知るうえでも役に立つ漫画だと思います。

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2017年7月 9日 (日)

『2025年東京不動産大暴落』を読んで

何年か前のことです。

知人のA さんの依頼を受けて、関東地方(1都6県)に所在するA市を訪れ、地元の商工会議所で簡単な講演をしたことがあります。

東京から行くには、電車を乗り継いで行っても、あるいは、車で高速を行っても渋滞したり高速を降りてからが長かったりで、3時間近くかかってしまいます。

講演が終わったところで、商工会議所のメンバーたちと軽食を取りながら雑談。

するとその一人が、

「この地域で事業をやってくれるような会社はないでしょうか。土地だったらたくさんあるのでタダで差し上げることもできますよ」

と一言。

タダの土地!(・・しかし毎年固定資産税はかかりそう)

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本日読んだ『2025年東京不動産大暴落』によれば、タダでももらい手がない不動産が日本にはたくさんあり、日本の面積のうち8割以上を占めるかもしれないと言います(本書97-98頁)。

これは地方の話で、東京近辺なら大丈夫かというと、それがそうでもないらしい・・

以下、本書99-100頁からの抜粋です。

『東京都心へ1時間通勤圏内の千葉県船橋市で、75平米・3LDK のマンションが390万円で購入できるということをご存じだろうか。

うそだと思うなら、ヤフー不動産やスーモなどで探してみてほしい。

そういう物件がいくつか見つかるはずだ。

ただし、だいたいの物件は、駅から遠くて築40年以上である。

エレベーターのない5階だったりする場合も多い。

それでも住めなくはない。

200万円くらいかけてリフォームすれば、それこそ新築マンションと比べても、遜色ない状態になる。

そういったマンションも、いちばん高いときには、2000万円とか3000万円近くで取引されていたこともあった。(中略)

2010年(中略)当時、700万円くらいの予算で中古マンションを購入しようと思えば、船橋ではちょっと無理だった。

千葉市の稲毛区あたりまで行くと、見つけやすかった。

いまはその「暴落ライン」が都心に近づき、「千葉都民」エリアの船橋市あたりまで迫ってきている。

この「暴落ライン」は、毎年着実に都心に向かって進んでいる』

一方で、これは本書に載っている話ではなく、不動産に詳しい人に私が聞いた話なのですが、「パークマンション檜町公園」全46戸のうちの1戸は、販売価格が55億円で、しかもすでに成約済みなのだとか(『こちら』)。

格差と言えば、それまでなのですが・・・

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