証券コードの末尾「01」の銘柄について考える
本日は、日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました(『こちら』)。
トピックスは『帰ってきた第1走者、 資産・技術に潜在力 分析ゼロイチ銘柄』。
ということで、「証券コードの末尾「01」の銘柄について考える」特集。
時間の関係で、番組内でお話することができなかった点を中心に以下を記します。
【1】証券コードとティッカーシンボル
外資系投資銀行の日本株トレーディングルームには外国人のトレーダーたちもいます。
彼らが仕事で会話する際は、日本の会社名ではなく、証券コードが良く使われます。
たとえば「7203は〇〇円で寄り付いた」といったように話すのです。
外国人のトレーダーにとっては、三井とか住友とか、日本語の名前は発音しづらいし、瞬発力が重要視されるのがトレーディングの世界なので、コード番号が好まれます。
ちなみに米国ではコード番号ではなく、ティッカーシンボルが使われています。
アップルは、AAPL。
コカ・コーラは、KO。
キャタピラーも想像しやすくて、CAT。
黄色い車体は猫の色でもあるので、キャタピラーの建機は時にCatと呼ばれることもあります。
フェラーリのティッカーシンボルは、RACE。
F1の自動車レースを想起させる粋な名前が付いています。
再び日本に帰って、その昔、私が働いて日本興業銀行は、8302。
8301 は、どこかと思って調べたら、日本銀行でした。
ちなみに下図は過去5年間の日銀の株価チャート。
本日の日銀株の出来高は500株でした。
【2】長い社歴の会社
社歴の長いゼロイチ企業でも、100年前とか、80年前とか、創業の時は、今でいうベンチャー企業に近かったはず。
それが長い歴史の中で社員の間に大企業意識が芽生え、官僚主義、事なかれ主義が、はびこってしまったとしたら、残念です。
そういった企業が(もしあるとすれば)もう一度、原点を思い出してみることが重要なのではないでしょうか。
ゼロイチ企業ではなく、ゼロ2企業の例なのですが、全日空は国際線の便名コードにNHを使っています。
何の略かというと、日本ヘリコプターの略で、この会社は、1952年にヘリコプター2機を所有し運行する会社として設立されたのです。
以下、全日空のホームページからの引用です。
『1952年、ANAの前身となる日本ヘリコプター輸送株式会社は設立されました。
当時、世界では国主導の航空会社経営が多くを占める中、役員12名、社員16名、ヘリコプター2機という小さな“純民間航空会社”としてのスタートは世界的にも珍しく、まったくゼロからの挑戦でした。
そして、創業時に掲げられた「高潔な企業」「権威に屈することのない、主体性を持つ企業」「独立独歩できる企業」という経営理念に込められた創業者の想いは、現在もANAに“努力と挑戦のDNA”として息づいています』
【3】PBRについて
番組内で、PBRについて話が出ましたが、東証が23年3月にPBR改善要請を発出してから、これが意識されることが多くなりました。
ちなみに、アップルのPBRは45倍、エヌビディアは42倍です。
当然のことながら、米国ではPBRが意識されることは、ほとんどありません。
企業に求められるのは、将来に向けての投資を行い、株主ときちんと対話して、中長期的に株価を上げるための体制を築くこと。
目標とすべきは、中長期的に見たCash Flow の拡大(およびCash Flow 創出力の強化)。
やることをやれば、その他の数値は自ずとついてきます。