2023年2月 1日 (水)

道をひらく言葉

編集者の方に送って頂いた『道をひらく言葉』という本。

まだ出版される前の本なのですが、面白い !

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たった20頁ちょっとの瀬戸内寂聴さんのインタビューだけでも1冊の本の価値があると思いました。

まさに一生かけて辿りついた境地かもしれません。

99歳で亡くなられた寂聴さん。

『やっぱり生きてるってことは情熱を燃え立たせてなければつまらないですね。生ぬるい生き方をしたくない』

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2023年1月31日 (火)

中古が新鮮 物価高で「旬」

昨日出演した日経CNBCテレビの「日経ヴェリタストーク」。

『こちら』で動画をご覧いただけます。

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2023年1月30日 (月)

リユース市場 個人投資家としてどう向き合うか

リユースが脚光を浴びている。2022年の中古車を除く中古品市場は前年比11%増の3兆円と見込まれる(中古車を入れると6兆円超)。

【1】現在の情勢をどう捉えるか

中古車を除いたリユース市場は3兆円。
しかし家庭に眠る不用品は44兆円である(『こちら』)。
つまり市場のポテンシャルは大きい。

業界大手のトレジャー・ファクトリーの野坂社長が『』を著していて、その中で、次のようなエピソードを紹介している。

■ 創業して3年目(つまり今から25年くらい前)、お客さんが購入した家具を間違って隣の家に届けてしまった。

すぐに間違えに気づいて、きちんと届け直した。

しかしお客さんから後で電話がかかってきて、烈火のごとく怒られた。

中古品を買ってしまったことが隣人に知られてしまって恥ずかしいとのことだった。

■ 当時、お店のロゴマークをレジ袋に印刷していたのだが、ロゴマークの無い袋に入れて欲しいと言われた。

* * *

つまり20年以上前は中古品を買うことに対して、このような偏見もあった。

それが今ではそうした見方は後退し、むしろ『リユース品は、SDGsとか、エコだ』、『賢い消費者で格好いい』といった見方が増えてきている。

消費者の意識の変化がこの業界にとって追い風となっている。

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(画像は日経ヴェリタスのツイッター画像(『こちら』)から)

【2】リユース品市場の特徴

リユース品市場の特徴は『誰か売る人がいて、初めて成り立つ市場である』ということ。

つまり最近リユース家電を買う人が多いが、これは裏返せば『まだ使えるのに新品に買い替える人が多い』といった状況が背後にある(「新しい冷蔵庫の方が消費電力が少ないので買い替えてしまおう」といった理由)。

要は新品が売れること、そして新品に買い替える人が多いことが、リユース市場拡大の要因となる。

社会が富裕層と経済的に苦しい層に2極化してきていると言われるが、こうした社会構造の変化もリユース市場の拡大に繋がるのかもしれない。

なお上記要因とは別に、最近の風潮としてミニマリスト(最低限の物しか持たない)の台頭やコンマリ(近藤麻理恵さん)現象もあるが、これらも眠っている不用品を処理したいとの考えに繋がっている。

【3】リユース市場とデータ管理

 リユースビジネスは基本的にはデータ管理のビジネスでもある。

どういうことか。

新品だと、たとえばスマホのこのモデル(例:iPhone 14 Pro Max)といった形で特定されると、基本的に全て同じである。

ところが、リユース市場のiPhone 12 は1点ずつ、商品によって使われ方も違うし、中には傷がついているものもある。

つまり1点、1点、すべて違うのであり、1点もので単品管理していくことが必要になる。

この辺のデータ管理がきちんと出来ていて、適切な仕入れ値と販売価格が設定されると、商品の回転率が上がっていく。

昔の質屋は店主個人の勘に頼っていた。

現在の大手リユースチェーンは店舗も多いので、データによる管理、標準化が重要となる。

【4】買取価格比較サイト

新品の家電やパソコン、スマホを買う場合、あらかじめ価格コムを見る人も多い。

同じようにリユース品をお店に売る場合、買取価格比較サイト(ウリドキ、おいくら、ヒカカクなど)をチェックする人も多くなっている。

中古のゲームとかスマホは比較されやすい。一方で、中古の着物などは比較されにくい。

リユースの商品は、「仕入れ」と「販売する」という両面で成り立つ。
「あそこは高く買ってくれる」と評判になると、逆に「あそこで売っているものは高いんじゃないか」と思われてしまうこともあり得る。

買い取り価格と販売価格の『微妙なサジ加減』がノウハウとなっている。

【5】リユースマーケットを投資家としてどう評価するか

上述したように中古車を除くリユース市場は3兆円市場。

一方で家庭に眠る不用品は44兆円と言われているので、基本的にこの業界はまだ伸びる。

しかし投資家として見た場合、業界構造を頭に入れておくことが重要だ。

3兆円のリユース市場のうち43% は個人間取引(『こちら』)。

ここではメルカリなどのプラットフォーマーが力を持つ。

次にECサイト(アマゾン、楽天など大手)が18%を占める。

リアル店舗が占めるのは全体の37%。

このリアル店舗のところは、新規企業が比較的参入しやすく、競争が厳しい。

たとえば大黒屋は過去4年連続で赤字、今期も赤字になる可能性が高い。

ブックオフも5~6年前は(2016~18年まで)3期連続で赤字だった。

投資家としてリアル店舗の会社を見る場合は、企業分析をしっかりとやる必要がある。

『売上が伸びている』、『店舗網をどんどん展開している』からといって、必ずしも安心できない。

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2023年1月17日 (火)

2022年を理解するうえで役立つ4つのグラフ

2022年はどういう年であったか。

これを理解することは、今年1年がどんな年になるかを考える上での手がかりになります。

以下、昨年1年間を理解するうえで役立つ4つのグラフを掲載します。

【FRBの利上げは歴史上もっとも厳しいものだった】

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【その結果、株価は歴史上7番目の下落】

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【株60、債券40の割合で運用していたら、歴史上最悪のパフォーマンスだった】

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【債券に投資する人にとっては史上最悪だった】

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2023年1月10日 (火)

『新・日本構造改革論 デービッド・アトキンソン自伝』

2021年5月に書かれたアトキンソンさんの『新・日本構造改革論 デービッド・アトキンソン自伝』

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内容は95%までがアトキンソンさんの自伝です。

しかしその行間には、日本への愛情と、どうして30数年の間にこうまで日本の国際的地位が衰退してしまったのかについての考察と言うか、著者なりの問題意識がにじみ出ています。

つまり95%の部分は、表立っては日本の構造改革論は述べられてはいません。

しかし私にはこの部分こそが(間接的にであれ)本質的な病巣に迫っているような気がしました。

本質的な病巣。

それは教育の問題と、その結果生まれた、日本社会のみで通用する、エリートと目される一部日本人のアロガンス(arrogance;傲慢さ)にあるのではないか、と私は読み取りました。

アロガント(arrogant)な人は学ぼうという意識に欠けます。

さて・・。

本書の最初の5分の1はオックスフォード大学での経験の話です。

Times Higher Educationによるランキング(World University Rankings 2023)では:

1位:オックスフォード

2位:ハーバード

3位:スタンフォードとケンブリッジ(同順位)

39位:東大

と、オックスフォードは大学として世界第1位に評価されています。

オックスフォード1校だけでこれまで56名のノーベル賞受賞者を輩出。

そんなオックスフォードの凄さが本書を読むと伝わってきます。

1987年に大学を出たアトキンソンさんはアンダーセンに就職。

その後、投資銀行に転じ、90年~92年にソロモン、92年~2007年にゴールドマンで株式アナリストを務め、この間にトップアナリストとしての評価を確立しました。

本書の半分以上を占めるのがこのアナリスト時代の経験の話。

アトキンソンさんがアナリストとして分析し信じるところを書いたところ、それが評価される側の銀行経営者の逆鱗に触れます。

その結果、社内的にも難しい立場に追い詰められてしまいます。

同じ投資銀行でもアトキンソンさんと私とでは、勤務した会社や担当した職務も異なります。

それでも、実は私もアトキンソンさんと似たような経験をしました。

外資に移ってまもなく。

元勤務していた日本のA銀行のB常務から『来て欲しい』と連絡を受けました。

それまでB常務と私は、接点はなく、お互い顔を知っている程度。

A銀行の場合、頭取や常務への来客は役員来客用応接室へ通されます。

一方、行内の部長や課長が常務に呼ばれる時は、常務の部屋に行って、そこで打ち合わせをします。

さて私がA銀行を訪れると、秘書に案内されたのは、来客用応接室ではなく常務の部屋。

『会社を去った後でも(来客ではなく)仲間として認めてくれるのか』

そんな印象を持ったのを覚えています。

ところがそれから後が大変。

会って、開口一番、

『君のところのアナリストは何なんだ。

銀行に関するこんなレポートを書きやがって。

デリバティブだろうと何だろうと、君のところとはこれから一切取引をしないからな。

出入り禁止だ。

帰ったらそう伝えておけ』

と凄い剣幕。

当時、私はManaging Director でしたが、投資銀行部の所属で、しかも担当はTMT(Telecom, Media & Technology)。

A銀行をはじめ金融機関はFIG(Financial Group)の担当であり、そもそも銀行アナリストは投資銀行部とは全く別の独立した部署(株式調査部)が所管。

レポートの内容が気に入らないなら、書いたアナリストを呼んで、「この分析や数字は違う」と議論すれば良いのだろうに、と不思議に思ったのを覚えています。

本書を読むとアトキンソンさんはもっと大変な経験をしたことが分かります。

1985年、まだ学生だったアトキンソンさんが初めて日本を訪れた時、まだ日本人はそれほどアロガント(arrogant)ではなかったと思います。

しかし一部のエリートと称される日本人はいつの間にかアロガント(arrogant)になってしまった。

バブルによって経済が世界2位になってしまったことが影響したのでしょうか。

なお以上はすべて私の個人的な感想に過ぎず、本書にはそもそもアロガント(arrogant)といった単語さえ全く出てきません。

ただ日本のことを長く知る私の周りの米国人は『かつて日本人はpolite だったが、いつの間にか arrogant な人が増えてきた』とよく口にします。

私は、日本の衰退はこの辺に原因があるような気がしています。

なお本書は次のような人にお勧め。

1)教育に興味ある人、とくに

2)オックスフォード流の教育に興味ある人

3)コンサルタントに興味ある人(アトキンソンさんはソロモンに移る前、アンダーセンに勤務)

4)投資銀行に興味ある人(パートナーになる過程など社内ポリティックスがかなり赤裸々に描かれています)

5)株式アナリストに興味ある人

6)日本の1人当たりの生産性が世界27位、先進国中最下位であることの意味に関心ある人

7)バブル期後の日本の銀行の不良債権問題に関心ある人

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2023年1月 6日 (金)

ウサギとカメの投資術

「ウサギは自分を過信しすぎて勝負を急ぐあまり途中で没落していく。一方、カメは遅いようでもちゃんとゴールに入っている」

こう説いたのは是川銀蔵(1897年~1992年)。

「最後の相場師」との異名を持ち、1982年の高額所得番付1位となった人です。

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(是川銀蔵の銅像;公益財団法人是川奨学財団のホームページより)

是川は兵庫県赤穂の漁師の家に7人兄弟の末っ子として生まれます。

上の兄たちは全員尋常小学校までしか行かせてもらえませんでしたが、彼は高等小学校まで通わせてもらえました。

そして小学校を卒業した後、小さな貿易商、「好本商会」の丁稚となります。

好本商会はイギリスから毛織物を輸入し、日本の手芸品を輸出するという会社でしたが、1914年に倒産。

是川が16歳の時でした。

丁稚で稼いだ20円を旅費にして、16歳の是川は神戸から中国・大連に渡り、現地の洋服生地問屋の「井上商店」の世話になります。

しかし数ヶ月で大連を飛び出し、日本軍の後を追って山東半島へ。

17歳の時に青島で貿易商社「小山洋行」を設立。

しかし軍の高官に対して饗応を行った容疑で逮捕されてしまいます。

未成年の為、無罪釈放とはなりますが、店や預金、その他一切の財産を番頭に譲り、いったん帰国。

是川18歳の時でした。

半年後、再び中国に渡り、商売に励みましたが、非鉄金属相場の下落などに見舞われ、一文無しとなって19歳で帰国。

このように是川は10代のときから波乱万丈の人生を歩みます。

高等小学校しか出ていなかった是川が経済学を学ぼうと思い立ったのは、31歳の時。

妻と子ども4人を抱え、家賃や米代も払えない貧窮生活の中で、3年間、毎日のように京都・嵐山から大阪の図書館へ通い続けました。

新京阪鉄道の社長に頼み込んで雑役夫用の無料乗車券を入手。それでも往復5キロは毎日歩く羽目に。

図書館では、経済学のみならず政治の本も読み漁り、世界各国の数十年にわたる経済統計を調べ、物価、景気、株価の変動や消費動向を徹底的に分析しました。

そしてひと通り勉強した後で、株式投資の世界に身を投じようと決意したのです。是川が34歳の時です。

しかし41歳の時に株式投資の世界から身を引いてしまいます。

実は是川が投資の世界で有名になったのは80歳を過ぎてからなのです。

そんな是川が教える投資の心構えを日経新聞『投資力を磨こう』のコラムに書きました。

電子版は『こちら』です。

紙の方は、8日(日曜日)発売の日経ヴェリタス紙に掲載されます。

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2023年1月 1日 (日)

明けましておめでとうございます

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               (23年元旦の朝)

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2022年12月31日 (土)

2022年を振り返って

私たちの公的年金(厚生年金、国民年金)は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によって運用されています。

具体的に何で運用しているのかというと、(1)国内債券、(2)外国債券、(3)国内株式、(4)外国株式。

これらへの運用割合は(おおよその割合ですが)各々4分の1ずつです。

バランスを取ることによって、たとえば株がダメでも債券に期待(逆に債券がダメなときは株に期待)し、長期に亘って安定した運用益を確保したいという考え方が根底にあります。

もっとも国によって考え方は違い、たとえば米国連邦政府の場合は株式や外国債券での運用を認めていません。

つまり米国のソーシャル・セキュリティ「Social Security (Old-Age, Survivors, and Disability Insurance) Program」のもとでは、全てが米国債で運用されています。

さて11月4日にGPIFは今年度の第2四半期(7月~9月期)の運用成績(1兆7220億円の赤字)を発表。

ポイントは国内外の債券と株式、つまり上記4つのカテゴリーで何れも赤字だったことです。

具体的には、

(1)国内債券 ▲3982億円
(2)外国債券 ▲7644億円
(3)国内株式 ▲3679億円
(4)外国株式 ▲1916億円

でした。

(注)それでもGPIFが2001年度に市場運用開始した以降の収益率は年率3.47%で、累積収益は99兆9567億円に及びます。 

2022年は斯様に運用する人にとっては難しい年でした。

11月末にFinancial Timesは、1871年以降、2022年(11月末)までの米国株と米国債券での運用成績をチャートにしてまとめました。

結果は下図の通り。

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株(グラフの水平軸)だけでみると、1931年、37年(何れも大恐慌)、2008年(リーマンショック)など、今年より悪い年はありました。

しかし株と債券の両方(グラフの横軸と縦軸)で見ると、今年の米国は1871年以後で最悪の年でした。

151年に及ぶ歴史の中で、最悪とされる年を乗り切ったーこれは自信に繋がるのか、安堵に繋がるのか、分かりませんが・・・

来年が今年よりも良くなるという保証はどこにもありません。

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2022年12月17日 (土)

FTXとアラメダとバイナンスの話

いま米国で騒がれているFTX関連の話を4つに分けてご紹介します。

* * *

【その1】ハイフンで繋がれた名前(Hyphenated Names)

Hyphenated Names とは「ハイフンで繋がれた名前」の意味。

例えば、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(Catherine Zeta-Jones)とか オリビア・ニュートン=ジョン(Olivia Newton-John)とか・・。

その昔、私が JP Morgan に勤めていた時の上司(イギリス人)も Hyphenated Names で、米国人たちに良く揶揄われていました。

ハイフンで繋がれた名前は、イギリスでは Double-Barrelled Names とも言うそうです。

さて、最近倒産した暗号資産取引所FTXの 創業者、サム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried、30歳)も Hyphenated Name。

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  (Picture of Sam Bankman-Fried; from Wikipedia)

通常はこんな長い名前ではなく、3つの頭文字を取って、たんにSBFと呼ばれているのですが・・。

彼の父親は Joseph Bankman でスタンフォード大学ロースクール教授。

母親の Barbara Fried もスタンフォード大学ロースクール教授。

父親も母親も高名な学者の家庭に生まれ、恐らくは両親への尊敬から、両親の名字をハイフンで繋げて、Bankman-Fried を名字(family name)にしたのでしょう。

せっかくのHyphenated Name だった筈なのですが、バハマで逮捕されました。

詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)など8つの罪で起訴され、

8つの訴因全てで有罪判決を受けた場合、最長115年の禁錮刑に直面する可能性があると言います。

【その2】イーロン・マスクとSBF

ツイッター買収に際し、イーロン・マスクが資金集めをしていた時、彼はSBFから「資金を出してもいいよ」といったアプローチを受けます。

2人は30分間ほど話したとのことですが、イーロン・マスクの直観が働きました。

彼の言葉ですが、

『俺の頭の中で赤信号が点滅したんだ(I know my bullshit meter was redlining)』)

『この男(SBF)はでたらめだ!(This dude is bullshit)』

この辺の話は『こちら』の記事に詳しく書かれていますので、ご興味のある方はどうぞ。

いずれにせよ、イーロンはSBFの話に乗らなくて正解でした。

もし仮に乗っていたら、ツイッター買収の話はグチャグチャになっていたでしょうし、テスラやスペースXにも何らかの悪影響が及んだ可能性すらあります。

なおイーロンはこの時の模様をツイッターのスペースで発言しています。

その時の会話は一部が録音・録画され(45秒)、『こちら』でご覧いただけます。

【その3】アラメダ

アラメダ(Alameda Research)は、SBFが、2017年に設立した暗号資産のトレーディング会社。

FTXの姉妹会社と言われています。

11月11日、FTXが破産申請(chapter 11)した際に、アラメダも含む形で破産申請されました。

この会社のCEOだったのは、キャロライン・エリソン(Caroline Ellison、28歳)。

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   (Caroline Ellison; from Newyork Post article)

キャロライン・エリソンの両親も高名な学者。

父親のグレン・エリソンはMITの教授(経済学)。母親のサラ・フィッシャー・エリソンもMITで経済学を教えています。

言ってみれば、SBFと似たような家庭環境の出身。

SBFとキャロラインは付き合うようになりますが、彼女はポリアモリー(複数恋愛)をexplore(探索)したと述べているらしく、詳しいことはよく分かりません。

欧米のマスコミでは彼女のことを SBF の ex(元彼女)と表現しています。

「そんなことはどうでもいいじゃないか」と言われそうですが、FTXは顧客資産を流用してアラメダに100億ドルを超える(1.3兆円)を融資していたと疑われる(『こちら』)など、両社の関係を抜きにFTX疑惑を語ることは出来ません。

SBFは逮捕されましたが、キャロリンはまだ逮捕されていません。

彼女はSEC出身のステファニー・アヴァキアンを顧問弁護士に雇い、ニューヨーク・ポスト紙の報道では何らかの司法取引を模索しているとの噂もあるとのこと(『こちら』)。

FTX破綻の発端はアラメダと見る(『こちら』)ことも出来、元カノのこの動きをSBFは複雑な気持ちで見ているのかもしれません(単なる憶測ですが・・)。

【その4】バイナンス

現在、マーケットが心配しているのは、これら一連の動きがバイナンスに飛び火するかどうか。

バイナンスは下表の通り世界最大の暗号資産取引所(『こちら』)。

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 (From CoinMarketCap Ranks)

中国系カナダ人チャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)によって創設されました。サム・バンクマンフリードがSBFと呼ばれるように、チャンポン・ジャオはCZと呼ばれています。米国人はそもそも中国名(もちろん日本名やフランス名も)が苦手ですから。

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(CZ is speaking at Vietnam NFT Summit 2022;From Wikipedia;  Wikimedia Commons)

バイナンスを巡る最近の一連の動きについてはGenevieve Roch-Decter氏の一連のツイート(『こちら』)が参考になります。

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2022年12月13日 (火)

霧中で光る実力株は

昨日は日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。

トピックスは『霧中で光る実力株は』。

下の画像は、日経ヴェリタスによるツイッター投稿画像(公開されオープンになっている)ですが、

巻頭特集記事は、成長、投資、還元の3つの指標で、企業の力を測ろうというもの。

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今回番組でコメントする上で、役に立ったのが興銀時代の経験。

入行時、私は外国為替部の配属で船会社と付き合いがあったのですが、海運サイクル(シッピング・サイクル)について勉強させてもらいました。

『船会社は、海運市況が良い時は新しい造船を発注する傾向にある。

しかし船は発注から竣工まで2年はかかる。

すぐには供給が増えないので供給不足は長引きやすい。

ところがやがてはブームの時に発注した船舶の竣工が相次ぐようになる。

すると、今度は供給過多になってしまう傾向にある』。

さまざまな資源貨物を輸送する「ばら積み船」の中で最も大きな船型をケープサイズと言っています。

 大きすぎてスエズ運河やパナマ運河を通航できず、喜望峰(the Cape of Good Hope)やホーン岬を周らなければなりません。

こういったことから、Capesize と名付けられています。

2016年前半。ケープサイズのバルカー市況は歴史的な低水準にまで落ち込んだことで知られています。

番組では(紙面でも)日産化学についての話も出ました。

これもたまたまなのですが、興銀時代に5年間、化学会社を担当する営業第3部の課長をしていました。

私は3班の課長をしていたのですが、日産化学は隣の2班が担当。

直接の付き合いはなかったのですが・・。

日産化学は当初、石灰石を原料として肥料をつくっていました。

しかし1960年代を通じて肥料などの製造は石油化学に原料転換されつつありました。

これを受けて、日産化学は1965年、石油化学に進出。

しかし大手がいっせいに石油化学に注力していく中、はたして日産化学としてやっていけるのかが議論となったのだと思います。

1988年、時の社長、中井武夫氏(興銀出身)は石油化学からの撤退を決断。

塩ビは東ソーに、高級アルコール事業は協和発酵に、ポリエチは丸善石油化学に、それぞれ事業譲渡します。

つまり、いちばんの主力事業を切り捨て、後がない状態になって、農薬・医薬品・液晶材料などの高機能化学品に活路を見出していくことにしたのです。

番組では、このほかに株主還元についても議論しました。

会社はそもそも投資家のもの。

であれば、株主還元とはいったいどういう意味なのでしょうか。

英語で外国人投資家に説明しようとすると、たとえば returning capital to shareholders といった具合に苦労して説明するようになります。

たとえばGAFAのなかで、配当を支払っているのはアップルだけ。

グーグルにしてもアマゾンにしても配当は払ったことがなく、自社株購入もごく最近になってから。

にもかかわらず、株主はこれを評価し高い時価総額を付けています。

ただ日本の場合は企業が必要以上に現金を抱える傾向にあります。

然るべき投資先が見当たらないのであれば、いったんは資本を株主に返す(配当金もしくは自己株式購入の形で)、そして資本をスリム化するというのは評価されるべき施策だと思います。

なお配当金については、企業が税金(法人税)を払った後の原資から、株主に配当金を払う。その際、株主は再び税金を払うーといった二重課税の問題があります。

これについては時間の関係で触れることが出来ませんでした。

番組は『こちら』でご覧になれます。

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2022年12月11日 (日)

子どもの数とペットの数

5年後、あるいは10年後の日本。

少子高齢化はいったいどうなるのでしょうか。

高齢化については、今や65歳以上が全人口の29.1%を占めます(総務省統計局『こちら』)。

そして、この割合は2030年には31.2%、65年には38.4%になる見込み(内閣府『こちら』)。

つまり高齢化率はこれから先、ぐんぐんと上昇していきます。

一方の少子化の方はどうでしょう。

そもそも結婚する人の数が減ってきています。

2021年の婚姻件数は 50 万 1116 組。

これは前年 52 万 5507 組より 2 万 4391 組減少(総務省『令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況』14頁) 。

子どもの数も着実に減ってきていて、

2022年4月1日現在における子どもの数(15歳未満人口)は、1465万人(総務省統計局『こちら』)。

前年よりも25万人も減ってしまいました。

この数は1982年から41年連続で減少してきています。

* * *

ところで、テレビのクイズ番組ではありませんが、子供の数とペットの数、多いのはどちらでしょうか。

一般社団法人ペットフード協会によると、日本における犬の飼育頭数は711万頭(『こちら』)。

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  (注:フリー画像より)

猫は895万頭(同じく『こちら』)。

合わせて約1600万頭なので、すでにペット(犬と猫)の方が子供の人数よりも多くなっています。

この傾向は都心部ではもっと顕著で、港区立の小学校に通う子供の数は10,332人(『こちら』)。

一方で港区の犬の登録数は、11,494頭(『こちら』)。

犬だけで小学生の人数を上回ります。

いったいこれから先、日本はどうなってしまうんでしょうか。

取りあえず、投資家目線で考えると、老人用紙おむつとペット関連商品を扱う会社は伸びそう・・。

そう言えば、そのどちらも扱うのがユニ・チャーム。

調べてみると、5年前に比して株価はすでに72%も上がっていました(この間、日経平均は22%高)。

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2022年12月 2日 (金)

健康長寿もたらす? 株式投資の効用

新型コロナで自宅にいることが増え、足腰が弱くなったという高齢者が増えてきています。

2016年の厚生労働省調査によれば、健康寿命は男性72.1歳、女性74.8歳。

そうなんです。意外に短いのです。

日本人の健康寿命は世界でもトップレベルにあると言われていますが、それでも、

10年前後の不健康で自立が脅かされている期間(= 平均寿命と健康寿命との差)があるのです。

健康寿命を阻害する主な要因としては、認知症、脳血管障害、高齢による衰弱(フレイル)などがあり、

これらを予防していくことが健康長寿につながります。

では具体的にどうすれば健康長寿を実現できるのでしょうか。

ドイツ、フライブルク市では環境問題に取り組んだところ、健康長寿という思わぬ効用が生まれたそうです。

これはいったいどういうことでしょうか。

『人生100年こわくない』のテーマの下で、日経ヴェリタス紙と日経新聞電子版に記事を定期寄稿してきましたが、

今回は健康寿命について取り上げました。

35歳の読者の方も無縁ではありません。

中年層(35~64歳)も高齢予備軍であり、日本では、その中年層も歩くことが少なくなってきて問題視されています。

詳しくは『こちら』の記事をご覧ください。 

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