年金について(4)
昨日午後の東京の景色です(↓)。
さて、少し前の新聞を見ていたら、
「人生を1日に例えると、50代は午後2時ごろ」
との記事が目にとまりました(9月25日付け、朝日新聞)。
ちょうど上の写真のような感じですね。
真昼(正午)ではない、しかし夕暮れにはほど遠い・・。
しかし50代にして精神的には守りに入ってしまう人も少なくありません。
守りに入るのは、おそらくは将来に不安があるからで、不安の要因のひとつは、分からないことが多いからなのかもしれません。
年金がいくらもらえるか、そしてそれで足りるかも実のところよく分からない・・。
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たとえば最近よく話題になる「空白の5年間」。
これはいったいどういうことなのでしょうか。
9月21日に記したブログ記事にもありますが、現在の年金制度のもとでは、やがて
「65歳にならないと一切の年金がもらえなくなる」
すなわち 「年金がもらえるのは65歳から」
といったことになります(昭和36年4月2日以降に生れた男性は公的年金は65歳になるまで一切もらえません)。
このため企業には2013年4月1日までに「65歳までの雇用を確保すること」が義務付けられたのですが、はたしてこの実施状況が今後どうようなものになるのか、いまひとつ見えてきません。
「仮に60歳で再雇用されるにしても極端に給与を下げられてしまったらどうしよう」
「うちのような中小企業でも本当に65歳まで面倒みてもらえるのだろうか」
といった不安です。
いずれにせよ退職せざるをえなくなるかもしれない「60歳」から、年金支給開始となる「65歳」までの期間については、
「空白の5年間」と呼ばれ、
中高年の頭の片隅に占める「不安」のひとつになってきています。
もう少し詳しく説明しましょう。
空白の5年間とは、図にして示すと下記のようになります(図はクリックすると大きくなります)。
その人がいま何歳かによって次の11のパターンに分かれます。
図はその人が60歳の時、61歳の時・・に払われる年金を示しています。
色つきのところは支払われ、白地のところは支払われません。
1階は老齢基礎年金、2階は老齢厚生年金。
たとえば来年4月1日現在57歳の人は、61歳から老齢厚生年金のみが支払われ、65歳になって漸く老齢厚生年金と老齢基礎年金の双方が支払われます。
図で明らかなように空白の5年間の影響はその人の年齢によって違います。
しかしいずれにせよ、60歳から65歳までをどう過ごすか、その人の人生を考える上で、「空白の5年間」のことを無視できなくなってきています。
そして更に大きな問題がひとつあります。
65歳まで働けば、あとは年金で何とかやっていけるかどうか、という点です。
以下は次回にします。