2026年4月10日 (金)

住宅ローンは変動金利のままで大丈夫か?

講演会や少人数のセミナーで若い世代の方々から一番多く寄せられる質問がこれです。

「住宅ローン、変動金利のままで本当に大丈夫ですか?」

日銀はこれまで、政策金利を0.25%ずつ合計3回引き上げ、現在は0.75%の水準にあります。

いったいこれから先、金利はまだ上がるのでしょうか?

上がるとしたら、どこまで上がる可能性があるのでしょうか?

多くの人が「今、固定金利に切り替えるべきか」「このまま変動で乗り切れるか」と不安を感じていると思います。

YouTubeの第4回目では、このテーマについてお話ししてみました。

そもそも日銀はなぜ金利を上げてきたのか、そして今後の見通しなどについて話しています。

関心のある方は、ご覧になってみてください。

『こちら』です。

   Youtube-2

| | コメント (0)

2026年4月 3日 (金)

為替介入の有効性

3月30日朝、ドル円は一時160.46円〜160.47円まで上昇しました。

これを受け、三村淳財務官は

「足元、原油先物市場に加えて、為替市場においても投機的な動きが高まっているという声が聞かれる。この状況が続けば、そろそろ断固たる措置も必要になる」

と発言。

為替は159円台へと押し戻されました。

その後は4月1日に中東情勢の緊張緩和期待から158円台まで下押しする場面もありましたが、

4月2日のトランプ大統領演説(攻撃継続を示唆し早期終結期待が後退)を受けて、再び159円台へ強含みました。

これから先、三村さんの言うような『断固たる措置』が発動されることになるのでしょうか。

そもそも政府・日銀による為替介入は有効なのでしょうか。

YouTubeの配信3回目では、【為替介入の有効性:円安が進む今、政府・日銀はどこまでコントロール出来るか?】について話しています。

『こちら』です。

Youtube3

| | コメント (0)

大統領演説をどう解釈するか?

トランプ大統領による昨日の演説ーー。

期待の大きさに比べて新味に乏しい内容でした。

欧米メディアの報道でも、「失望」「既存メッセージの繰り返し」といった評価が目立ち、マーケットも一時的に原油高・株安で反応。

一方で、その後の市場はやや落ち着きを取り戻しました。

イランの高官が、戦争終結後にホルムズ海峡の航行管理に関する新たな枠組み(navigation regime)をオマーンと協力して検討する意向を示したと報じられました。

この発言は、海峡封鎖の長期化リスクをある程度抑制するものと受け止められ、原油価格の上昇圧力がやや緩和(と言っても、WTIは 112.06ドル)。

その結果、主要株価指数は小幅ながら持ち直し、S&P 500やナスダックはわずかに上昇、ダウ平均は-0.13%下落して取引を終えました。

では、そもそも今回の演説は何を意図したものだったのでしょうか。

あくまで推測の域を出ませんが、当初は停戦や外交面で踏み込んだ内容を含む可能性があったものの、交渉の進展が思わしくなく、結果として従来メッセージの再提示にとどまった、との解釈もーー。

ただし、欧米主要メディアの報道を確認する限り、このような解釈を裏付ける情報は見当たりません。

むしろ、大統領としては、これまでと同じ主張であっても、「改めてテレビを通じて国民に直接訴えたかった」と見る方が現時点では自然かもしれません。

もう一つ注目されるのが、米陸軍トップ人事です。

Randy George(ランディ・ジョージ)陸軍参謀総長の交代、後任としてChristopher LaNeve(クリストファー・ラニーブ)将軍が指名された点について、日本の一部メディアでは、同氏が第82空挺師団の指揮経験を持つことから、地上戦展開の可能性を示唆するとの見方もあります。

しかしながら、こうした踏み込んだ解釈は欧米主要メディアではほとんど見られず、現時点では慎重な報道姿勢が維持されている印象です。

いずれにせよ、いくつかの疑問を残したまま、マーケットはGood Friday(聖金曜日)による休場を迎えることにーー。

| | コメント (0)

2026年3月27日 (金)

YouTubeチャンネル第2回を公開しました

1週間が経つのは本当に早いものですね。
東京では3月19日の開花宣言から1週間が過ぎ、桜もだいぶ見応えのある姿になってきました。

さて、先週スタートしたYouTubeチャンネルですが、本日第2回の動画をアップいたしました(宣伝のようになってしまい恐縮です)。

今回は、【ドルの価値のゆくえ:アメリカ人が望むのはドル高か?ドル安か?】についてお話ししています。
ご視聴は『こちら』から。

3_20260327210701

| | コメント (0)

2026年3月20日 (金)

再現性と投資の心構え:なぜ「他人の成功」が最大の敵になり得るのか

 株価とは、企業が将来生み出すと期待されるキャッシュフローを、現在価値に割り引いたものです。

(The stock price is the present value of its expected future cash flow.)

したがって、投資には常に「未来の予測」という不確実性が伴います。

もう一つ、投資の世界ではよく「再現性がない」と言われます。

もし誰にでも簡単に再現できる手法が存在するなら、市場の原理によってすぐにその利益は消失してしまうはずです。

つまり、万人に通用する“魔法の再現性”など、存在しないのです。

【思考プロセスを学ぶ】

大切なのは、手法をそのままコピーすることではなく、偉大な投資家の「思考プロセス」を深く理解することです。

たとえば、バークシャー・ハサウェイの株主総会で、著名ヘッジファンドマネージャーのビル・アックマンが一株主としてウォーレン・バフェットに真剣に質問する姿を目にしました。

アックマンほどの成功者であっても、なお「バフェットはどう考えるのか」を学び続けようとする——その姿勢に、尽きることのない探求心を感じました。

【感情に振り回されない「自分軸」を持つ】

もう一つ、投資で極めて重要な心構えがあります。

それは、「他人が儲けた」という話に感情を揺さぶられないことです。

◆ビットコイン:2010年7月、Mt.Goxがサービスを開始した頃、1BTCは数円〜十数円程度でした。その後、多くのビットコイン長者が生まれました。

◆ゴールド:直近でも最高値を更新し、大きな注目を集めています。

こうした成功談に心を動かされ、「自分も」とよく理解しないまま飛びつくと、失敗するケースが少なくありません。

「他人は他人」と割り切り、自分の投資軸をぶらさない——これが何より大切です。

こうした投資に対する考え方や心構えは、私がスタンフォード大学在籍時に、ジャック・マクドナルド教授の授業やウィリアム・シャープ教授のセミナーで繰り返し学んだものです。

* * *

このエッセンスを、できるだけ多くの方に分かりやすくお伝えできればと思い、YouTubeを始めました。

1本5〜6分の短いトークで、続けていきたいと考えています。

少しでも皆さんの投資判断の参考になれば幸いです。

第1回は『こちら』からご覧ください。

Youtube1

| | コメント (0)

2026年3月 1日 (日)

イランの話

昨日、新宿の高層ビルの一室で、セミナー講師として講演をしていました。

「何が起こるか分からないのが金融の世界です。投資家としては、『まさか』といった事態を想定し、それがどのくらいの蓋然性なのかを常に意識しておくことが重要です」

「いまこうして話していますが、数時間後にはアメリカがイランを攻撃していることもあり得る訳です」

これを話した1時間後、イラン現地時間で土曜日の午前8時10分、イスラエルと米国によるイランへの大規模攻撃が始まりました(NYタイムズなど複数のメディア報道による)。

イランでは、金曜日がイスラム教の礼拝日で、全国的に完全な休日・公休日です。

そして木曜日は、多くの場合半休または完全に休み。

オフィスなどの職場は、土曜日から始まり、木曜日までが主な勤務日です。

つまり、イラン時間土曜日の朝8時10分は、日本で言う「月曜日の朝8時10分」に相当します。

昭和の日本企業では、月曜朝8時過ぎに朝礼や会議が始まるのが当たり前でした。

まさに「平日スタートの勤務時間帯」に、攻撃が仕掛けられたわけです。

通常、空爆は夜間に行われ、ステルス性や奇襲効果を最大化するのがセオリーです(過去の米軍ベネズエラ攻撃などもそうでした)。

ところが今回は違う。

米メディアによると、攻撃側は数ヶ月前から標的リストを作成しており、特に「政府高官や軍幹部が一箇所に集まるタイミング」をピンポイントで狙ったと言われています。

* * *

話は少し変わりますが、約10年前、私は日経ヴェリタスに「Money Never Sleeps」というコラムを連載していました。

Mostbeautifulplacesiniran

(写真はイラン・イスファハン(Esfahan/Isfahan)にあるシャー・モスク。『the diary of a nomad』さんのサイトより拝借しました。『こちら』です)。 

その中で、イランからアメリカに移った友人のエピソードを書いたことがあります(以下、2016年9月11日発売の日経ヴェリタス・コラムの文章を一部掲載)。

「先日、米国での高校時代に一緒だったイランからの留学生ミミ(英語のニックネーム)から44年ぶりに近況報告と題するメールを受け取った。

『米国の高校を卒業した後、私はテヘランに戻り、現地の大学を出て結婚しました。

しかし1979年にイラン革命が起きるとイランにいられなくなりました。

私の父がパーレビ朝の皇帝(シャー)の下で軍の幹部を務めていたからです。

私たち家族は命からがら米国に逃げてきて、以来ずっと米国で暮らしています。

7年前のことですが、私は30年ぶりに祖国を訪れました。

テヘランの街はすっかり変わっていました。

革命政府は、通りの名前さえも変えてしまっていたからです』」

ミミには、イランで生まれた長女と、アメリカで生まれた二人の娘――合計3人の娘さんがいます。

3人ともアメリカ人と結婚し、アメリカで暮らしています。

時々、娘たちや孫たちに囲まれた幸せそうな写真が送られてきます。

| | コメント (0)

2026年2月25日 (水)

危機の予兆はあるのか?

数か月前のことです。日本に観光で来ているAさんご夫妻から連絡が入りました。

「あなたの友人のBさんからお土産を預かっています。明日にはグアテマラへ帰るので、今晩ホテルで会えませんか?」

Bさんは、高校時代に出会ったAFS留学の仲間。グアテマラから来て、隣町の高校に通っていました。

Aさんご夫妻とはこのときが初対面でしたが、ホテルのロビーで40分ほど立ち話。

私はグアテマラについてほとんど知識がなく、「大西洋に面しているのですか?」などと恥ずかしい質問を連発してしまいました。

実際には、グアテマラは太平洋とカリブ海の両方に面しています。

気候も想像していたほど暑くはなく、首都グアテマラシティは年間を通じて20〜25℃前後の穏やかな「常春」の気候だそうです。

Photo_20260225223201

ところで、話はガラリと変わりますが、最近の市場で話題となっている Blue Owl Capital(『こちら』)。

Blue-owl_20260225213101

同社の株価は、ここ1か月で約31%下落(『こちら』)。

さらに先週、同社が運営するプライベートクレジットファンドについて、解約請求の受け付けを停止すると発表しました。

Blue-owl

このニュースを受け、市場関係者の間では、

「パリバ・ショックの再来ではないか」

「炭鉱のカナリアではないか」

といった声が急速に広がっています(『こちら』)。

Owl

時計の針を戻して、2007年8月。

今から約19年前、私は仕事でプラハに滞在していました。

ホテルに戻りテレビをつけると、BNPパリバ が傘下ファンドの解約・償還の凍結を発表。

いわゆるパリバ・ショックです。

その時点では、これが世界的な金融危機の序章になるとは、ほとんど誰も想像していませんでした。

ところが、その約1年後、リーマン・ショック へと発展していきます。

では今回の「青いフクロウ」は、炭鉱のカナリアなのでしょうか。それとも、心配しすぎなのでしょうか。

正直なところ、答えは分かりません。

ただ、現在の市場を見渡すと、プライベートクレジット問題に加え、中東情勢の緊張(ホルムズ海峡封鎖リスク)、政治・地政学リスクなど、不安材料は少なくありません。

それにもかかわらず、株式市場は高値圏にあります(本日の日経平均は史上最高値を更新)。

これは市場の底力と見るべきなのか、それとも、別の何かを示唆しているのでしょうか。

2007年8月9日、パリバ・ショック当日の ダウ平均株価 の終値は13,270.68ドルでした。

その後、株価はむしろ上昇を続けます。

8月31日:13,357.74ドル

9月28日:13,895.63ドル

10月9日:14,164.53ドル(当時の史上最高値)

しかし、この高値を更新するには、2013年3月5日まで、約5年半を待たなければなりませんでした。

| | コメント (0)

2025年10月20日 (月)

アマゾンの現在地

最近ではGAFAという言葉があまり聞かれなくなりました。

スコット・ギャロウェイ教授の『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』が日本でも翻訳出版されたのは、2018年。

この4社の動向から時代を読み解けたのは、せいぜい2020年代初めまでだったように思います。

2022年にChatGPTが一般公開されると、人々は「AIが将来の我々の生活を一変するのではないか」と考えるようになりました。

そして株式市場もAIの視点から企業を評価するようになります。

それはあたかも産業革命の時代に、どの馬車や馬具が有能かを競うよりも、来るべき鉄道や自動車の時代に活躍することになる企業を評価するような動きでした。

すでに時価総額のランキングを見ると、GAFAの一員ではなく、エヌビディアが世界第1位になっており、ブロードコムも第7位にまで順位を上げてきています。

またGAFA4社の間でも、AIに対してどう取り組んでいるか、AI時代にどう力を発揮できるかといった視点で、評価されるようになっているように思います。

その結果、過去5年間の株価推移を見ると、

グーグル 3.3倍

メタ   2.7倍

アップル 2.1倍

アマゾン 1.3倍

(注:S&P 500  1.9倍)

と、かなりの優劣の差が出てきてしまいました(上記は2020年10月20日の株価と現在の株価との比較です)。

この数字の意味を探る前に、アマゾンという会社の価値はどこから来るのかを見てみましょう。

ネット販売やプライムビデオで知られるアマゾンですが、企業価値という視点で見ると、クラウド事業のAWSが、会社全体のOperating Income の約6割(25年Q1、Q2の合計値をベースに算出)をあげています(『こちら』)。

Free Cash Flow(FCF)のセグメント情報は公表されていませんが、アナリストの分析などから、AWSが会社全体のFCFの70~90%を占めると見なされています。

つまりアマゾンの企業価値は「AWSから来る」と言っても過言ではないような状況にあります。

そのクラウド事業(AWS)ですが、AWSはいまなお世界最大のシェア(推定31%)を誇るとはいえ、下図が示すように、背後から、マイクロソフト(Azure)やグーグルがひたひたと追い上げてきています(なお下図はSynergy Research Group社のサイトから転載したものです)。

Photo_20251020124001

アマゾンの株価が市場平均以下のパフォーマンスしかあげてこられなかったのは、この辺に要因があるものと考えられます。

そしてその背景にあるのが、AIインフラとしてのクラウド事業です。

たとえばマイクロソフトはオープンAIと提携し、『Azure OpenAI Service』というクラウドベースのAIサービスを提供することで、クラウド業界におけるシェアを着実に拡大してきています。

一方のAWSは、以前はどちらかというと守勢に回っていたと見る向きが多かったように思います(それが株価にも反映されていました)。

しかしながら、近年はAIインフラ面で攻勢を強めています。

AWSは「AIの土台となるクラウドサービス」である AWS Bedrock を通じて、Anthropic Claude、Meta Llama、Stability AI など、多様なファウンデーションモデルを提供しています。

顧客企業の開発者は、BedrockのAPI(AIとやり取りするための窓口)を利用することで、自社のアプリやシステムにチャット、検索、要約、画像生成などのAI機能を簡単に組み込むことができます。

また、AWSは自社開発チップ『Trainium』シリーズを展開しており、特に最新の Trainium 2 は、エヌビディアのハイエンドGPUに比べて単体性能では劣る面もあるものの、トレーニング時の電力効率やトータルコストで優位性を狙っています。

最近ではAnthropicが、AWSの自社開発チップ(Trainium 2)を用いた超大規模トレーニングクラスタの稼働を開始したとも伝えられており、AIインフラとしてのクラウド事業において、最終的に誰が勝者となるかは、まだ未知数のように思います。

| | コメント (0)

2025年8月13日 (水)

メタ、AI事業の現在地(その3)

(続きです)

AIの賢さを高めるうえでは、単調で地道なラベル付け作業が欠かせません。

スケールAIは、こうした単純なラベリング業務をアフリカや南アジアなどの労働者を安価に雇って行わせてきました。

なお単純なラベリング業務の実態については、NHKが『BS世界のドキュメンタリー』で『AIの不都合な真実』と題して報道したこともあります(『こちら』)。

スケールAIが行うのは、単純なラベリング業務だけではありません。

AIが進化するにつれて、より高度で専門的なトレーナー業務も必要となります。

これには先進国の大学院生やエンジニアたちが当たってきました。

彼らの時給は比較的高く、日本の場合で約4600円の例が報道されています。

彼らはアルバイトとして雇われ、すき間時間を使ってトレーナー業務に従事します。

こうしてスケールAIは、マイクロソフトやオープンAI、トヨタ自動車などの顧客企業に対して、ラベル付けやAIトレーナー業務を提供してきました。

そしてAIインフラの中核を担う存在として評価されてきました。

スケールAI社は、22年5月の段階で未公開企業としての評価額が70億ドルに到達。

ワン氏は25歳にして「ビリオネア」(資産10億ドル以上)になったと報じられました。

そして25年6月、メタは約2兆円を投じてスケールAIの株式49%を取得しました。

このディールによって、ワン氏はスケールAIのCEO(最高経営責任者)職を配下のジェイソン・ドロージ氏に譲ります。

そして、自らは「スケールAI社」の取締役に退きつつ、「メタ社」のチーフAIオフィサーに就任したのです。

これまで(5月末まで)メタのAI開発を率いてきたピノー氏は、査読付き論文200本以上を発表してきた世界的なAI研究者です。

対するワン氏は、ラベリングを中心とするAIインフラ分野で実績を上げてきた起業家。

メタのCEO、ザッカーバーグ氏としては、AI事業のテコ入れを図る上では、学者ではなく、起業家としての突破力と実行力が必要だと考えたのでしょう。

2兆円を投じたメタの「大胆な一手」は、はたして成功を収めるのでしょうか。

株式市場はまだその行方を見定めている段階です。

| | コメント (0)

2025年8月 5日 (火)

メタ、AI事業の現在地(その2)

今年4月に予定されていた「ラマ 4」の最上位モデル「ビヒモス」の発表延期。

いまメタ社のAI開発の最前線で何が起きているのでしょうか。

メタ社で起きている幹部社員の大胆な入れ替えも話題を呼んでいます。

今年5月30日付にて、メタのAIリサーチ部門のトップだったジョエル・ピノー氏(バイスプレジデント)が退社。

後任として6月30日付で28歳のアレキサンダー・ワン氏が新たにチーフAIオフィサー(CAIO)に就任しました。

彼は、新設のスーパーインテリジェンス研究所のトップにも就いています。

メタのAIを新たに率いることになったワン氏とは、どんな人物なのでしょうか。

アレキサンダー・ワン氏は中国系移民の両親のもと、米国で生まれました。

両親は共に原子核物理学者で、ロスアラモス国立研究所で勤務しています。

ワン氏は幼少期から英才教育を受け、幼稚園に入るころには大学レベルの物理学を学び始めたとのこと。

MIT(マサチューセッツ工科大学)に進学するも1年で中退し、2016年、19歳で「スケールAI」を創業しています。

スケールAIは、AI開発に不可欠な「データへのラベル付け」を専門に行う企業です。

例えば、自動運転車の開発では、AIが歩行者と路上の紙袋を正しく識別できるようにしなければなりません。

そのために、大量の映像データに対して「これは歩行者」「これは紙袋」と人手でラベルを付け、これをAIに学習させることが必要とされてきました。

この単調で労力のかかる作業を事業として確立させたのが「スケールAI」社です。

同社は早期にこの分野へ参入し、人員を大量に確保することで競争優位を築いてきました。

ネット上で、単発ベースで仕事を請け負う人のことをギグワーカーと言っていますが、

スケールAIはギグワーカーを積極的に利用。

「リモタスクス」と「アウトライヤー」という2つの子会社を通じて、なんと世界中で24万人以上のギグワーカーを雇用しているのです。

この事業を19歳で始めて、成功を収めてきたのが、現在28歳のワン氏なのです。

(以下、次回に続きます)

| | コメント (0)

より以前の記事一覧