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2005年10月27日 (木)

価値の創造

企業の価値は、その企業が上げる利益で示されます(厳密には、会計上の利益と違って、企業が将来にわたって上げ続けるキャッシュフローの現在価値の総和が、企業価値です。)

10月23日付けのコラム『1時間で』の中で、『トヨタは、1時間に825台の車を作り、1時間に2億円の営業利益を上げている』と書きました。

読者の皆さんの中には、ここで、トヨタが1時間に上げる利益2億円を、1時間で生産する車の台数825台で、割ってみた方も多いと思います。

すると、1台の車を生産するたびに、トヨタは、20万円強に利益を上げていることが分かります。

価値の高いものやサービスに対しては、消費者は、コストを上回る金を払ってくれます。

株価は、経営者が、会社の価値(株主価値)を高めることが出来たかどうかを示す、いわば、通信簿であり、成績表です。

もちろん、株価は、市場の需給で決まる面もある為、経営者は、毎日の株価の変動に、一喜一憂する必要はありませんが、ある程度の期間で見れば、市場で形成される株価は、その企業の本来の価値に収斂されていきます(より正確には、株価×株数の時価総額は、その企業の株主価値に収斂されていくのです)。

1年たっても、2年たっても、株価を上げることが出来ない経営者、あるいは、もっとひどくて、株価を逆に下げてしまうような経営者は、価値を創造できない経営者です。

1989年から今日までの16年間で、日経平均は3分の1になりましたが、トヨタの株主価値は2倍に、そして、キャノンの株主価値は4倍になりました。5段階評価の通信簿で言えば、5の評価です。

あなたの会社の経営者の通信簿は、5ですか、3ですか。それとも 1でしょうか。

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