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2005年10月28日 (金)

資本主義と民主主義

日立製作所の『この樹なんの樹・・』のテレビCM(10月26日付けの「経営者のミッションステートメントの記事参照」)は、大きな樹とともに日立グループ各社の名が次から次へと出てきます。そして最後に、日立グループ 1,199社と社数が表示されます(平成13年まで放映された第7代CMの場合。現在の第9代CMは違います)。

これを見ていますと、傘下に、様々な業界の会社を集め、『日立は財閥でも作りたいのかな』と思えてきてしまいます。

財閥は日本にだけ見られる訳ではありません。インドのタタグループ、タイのサイアムセメント、韓国のサムスン、あるいはサウジアラビアなど、各国に見られます。

ただ資本主義が進んだ米国では(昔はモルガンやスタンダードオイルなどがありましたが)、日本のような財閥はありません。三菱グループ、日立グループなどのように、ある特定の企業グループ内の各社が、(業種の枠組みを超えて)株式をそれぞれ持ち合うようなことも、基本的には行っていません。

経営者が『価値を創造する』ということに徹すれば、あれもこれもと手を出すことは止め、自分が本当に強いところで勝負しようとします。価値ある製品やサービスは国境やグループの枠を超え、世界の消費者やユーザーに受け入れられるようになります。

株式市場で評価されるのは、企業が如何に価値を創造しているかであり、どれだけグループ企業を拡張したかではありません。

『寄らば大樹の陰』と集まってくるところからは、進取の精神は生まれにくいのかもしれません。トヨタやキャノンがバブル崩壊の過程でも着実に企業価値を高めたのは、価値の創造に専念したからです。

『プロフェッショナルとしての経営者たちが、個人投資家や機関投資家(機関投資家の裏には個人投資家がいます)の為に、価値創造のミッションを果たすべく邁進する』--進化した資本主義の下では究極の『主(あるじ)』は、投資家(個人)です。

民主主義の下で政府が国民の為にあるのと似ています。

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主婦プランナーが仕事を通して綴ったブログ

投稿: アホな企画サイト「BOTSU」 | 2005年10月30日 (日) 20時02分

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