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2005年11月 6日 (日)

ラーメンと餃子

おいしい餃子を出すという評判の店で餃子を注文します。

すると、店長が言います。

『うちはもともとラーメン屋だから、ラーメンとセットでないと餃子は売らないよ。』

いわゆるセット販売です。

もしあなたが余りラーメンを好きでなかったらどうするのでしょうか。

消費者のニーズを汲み取ることでは天才的な鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス会長なら何と言うでしょうか。

残念ながら、これと同じようなことが株式市場で散見されます。

仮にあなたがセブンイレブンの株を買おうとしても、今では(今年9月以降)イトーヨーカドーも、デニーズもついてきてしまいます。

餃子を食べたいのに、ラーメンも、カレーも食べさせられるようなものです。

『いっしょに作った方が効率的でシナジーがあるから』と店長は言うかもしれません。

しかし、それは作る側の理屈であり、消費者のニーズを無視していることに代わりありません。

この辺のところは、投資銀行的に言うと、

『株式市場ではピュア・プレーヤーが好まれコングロマリットはディスカウントされる』

ということなのでしょうが、

要は、投資家が、ラーメン、餃子、カレーを別々に選べるようにしておいて、その後で、人々の好みに応じて組み合わせが好きな人には、組み合わせてもらった方が、全体として効率的な訳です。

セブンイレブンよりも株主価値が低く評価されていたイトーヨーカドーは、ニッポン放送とフジテレビのようになるのを避けたいと思い、持ち株会社にしたのでしょうが、

『全体を買って非公開化し、その後で個別に分けて、再上場した方が、より高い価値を実現できる』

と思う人(ファンド)が、何れ出てくるものと思われます。

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