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2005年12月 6日 (火)

日本の大学とアメリカの大学

日米の大学の運営、寄付に対するスタンスなどの違いにつき、昨日に引き続いてみていきます。

スタンフォード大学ビジネススクールの年間運営費は約120億円。

これは次のように調達しています。

①授業料65億円

②寄付及び過去の寄付をベースとした基金の収入55億円

日本と違って国からの支援は一切受けていません。ビジネススクール(経営学の大学院)は財政的にスタンフォード大学本体からも独立で、大学からも一切支援を受けずに運営されています。

過去に卒業生などから受け入れた寄付は基金の形で積みたてられており、その残高は710億円になります。

毎年(毎年です!)、ビジネススクールでかつて学んだことのある人の4割がビジネススクールに寄付をしています。(年によって変わりますが平均しますと卒業生は毎年1人平均70万円くらいの寄付をしています。これとは別に卒業生が経営している企業なども寄付しています。)

日本では我々の税金が実はかなり私学に投入されています。

私学の方ではそれに見合った経営努力をしているのでしょうか。

『箸の上げ下ろしまで国がうるさく言う』と私学の経営にたずさわっている人は言いますが、『それでは国の助成金など要らない』という私学はなかなか出てきません。

かつて(もしかすると今も?)学部長や理事に運転手つきの車をつけていた私学がありましたが、当然ながらアメリカの大学ではそんなことはしていません。

『競争の原理を導入して良い教育をする(スタンフォードにはノーベル賞をもらった人が何人もいます)。卒業生はそのことを恩義に感じ、卒業後も毎年寄付をし続ける。』

アメリカの大学ではこうした良い『循環』が行われています。

学生のころ学校に行っては『休講』の掲示を見させ続けられていた日本の大学に対するロイヤリティとは質が違うように思います。

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コメント

国が私学に助成することは憲法違反であることは、多くの学者がその見解を述べているようです。わたしも、たぶんそうなのだろうと思います。国は公立の大学を運営しているのですから、この経営に力を傾注すればいい。私学が倒産しようと、私学が学費を上げようと、国は関知しないほうがいいはず。助成金を受けている一位は日大。二位は早大。

投稿: 神保町 | 2005年12月 7日 (水) 10時27分

私が働く現代アートの世界でも公的な助成やサポートに頼る体質があります。文化は保護しなくてはならないという意見がある一方で、私などはマーケットにさらされるべきものという主義です。授業の内容や芸術の意味を問うよりも支えている構造を見るほうがこの国の文化がよく分かるとは皮肉なものです。

投稿: motto | 2005年12月 7日 (水) 11時42分

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