トヨタの理論株価
M&Aの時には、DCF法(ディスカウンティド・キャッシュ・フロー法)に基づき株価の評価をして、これをベースにいくらで企業を売り買いするかを決めていきます。
同じ方法を、日常の株式の売買に応用すれば、チャートに基づく株の売買と違い、個人投資家がやけどをすることも少なくなるはずです。
出版関係の方からこういったお話を頂戴し、今度この種の本を出すことにしました。このため、正月休みにはDCF法に基づくトヨタの理論株価を出すべく、スプレッドシートを作りました。
〔注:スプレッドシートとはキャッシュフローの展開表です。以前はフォートランとかベイシックで作っていましたが、最近はエクセルがあるのでずいぶん楽になりました。〕
スプレッドシートを自分で作るのは、興銀の審査部以来、10数年ぶりです。
投資銀行のときは、アソシエイトの方たちのつくるスプレッドシートに対して、「ああでもない、こうでもない」と言うだけでしたが、やはり私は「この種の仕事は自分で作る方が圧倒的に面白い」と思います。(我ながら結構、凝り性なオタクです。)
とういことで、その結果であるトヨタの理論株価は:
標準ケース:9,165円
楽観ケース:13,330円
悲観ケース:6,827円
皆さんには、「なんか、どこか間違えたんじゃないか。もう一度ビジネススクールに行った方が良いよ」と言われそうです。
でも(小泉首相ではありませんが)それでも地球は回っているのです。
こういった株価が算出されるのは、いまの金利が異常に低いからです。その結果、キャッシュフローを割り引く際のWACC(詳しくは『サバイバルとしての金融』をお読み下さいね)が低くなり、(すなわち割り算で分母が小さくなりますから、)答えの株価は高くなるのです。
ところで、このスプレッドシート(キャッシュフローモデル)については、誰でもがインターネット上で(タダで)ダウンロードできるようにしていきたいと考えています(出版社のお許しが得られればですが。。)
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コメント
是非先行UPをお願いします!
投稿: | 2006年1月11日 (水) 10時20分