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2006年4月11日 (火)

日銀資金循環統計

昨日のブログ。「局地バブル」とか「二極化バブル」と書きましたが、厳密に言うと「バブル」という言葉は適当ではないかもしれません。

と言いますのは、昨日のような状況については、今後、次第に終息していくことは考えられうるにしても、これが一転将来において「はじける」とまでは想定されにくいからです。

さて日銀が3月24日に発表した資金循環統計。

マスコミでは「個人の金融資産が1500兆円を超えた」とのコンテクストで報道されていましたが、そのこと自体は、株価が去年一年間で4割も高くなっているので、別に驚くには値せず、ある意味で当然の帰結です。

むしろ本当のニュース価値は以下のようなポイントだと思われます。

  • 2005年には民間機関から最終的な資金の借り手への貸出が10.6兆円増加。(貸出の増加はここ数年なかった)。

  • 貸出の増加は不動産関連部門。それ以外は減少。

  • 家計の預金が5.6兆円減少。投資信託への純資金流入は8.0兆円。

  • 最終的な貸し手(家計・法人)による証券市場への資金流入は8.5兆円増加。

  • 民間企業の余剰資金は5兆円増加。82兆円に。

先月発表された資金循環統計を詳しく見ていくと、これらの点が明らかになってきます。そして、そこから、ひとつの潮の流れの変化を感じ取ることが出来るように思います。

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コメント

はじめまして。誠に私事で申し訳ございません。ここでひとつDCFについてご教授できればと思い
コメントしてみました。大学のコースワークのためにDCFを行うときに、大切なTerminal Valueを大まかに計算しないといけないのですが、実際に投資銀行では、なにかガイドラインみたいなものはあるのでしょうか。おそらく、秘密守秘上の問題もありますので、答えられる範囲でいいので答えてもらえれば幸いです。

投稿: Ib予備軍 | 2006年4月11日 (火) 11時09分

現実の世界では特にガイドラインはありません。

M&Aで売り手と買い手との間の価格交渉で、値段の開きがあるとき、売り手と買い手のアドバイザーたちが、その価格差を埋めようと、相手のキャッシュ・フロー分析を探ることがあります。

そこで、相手の分析がいい加減だと、「そこを突く」といったようなことをやります。

当然のことながら、Terminal Valueを出すこと、そのこと自体が、一つのフィクションですので、遠い未来にやればやるほど、フィクションの影響度は薄まります。

ただその場合、現実のC/F予測値をかなり遠くの世界まで展開せざるをえず、それを理論的にディフェンドするのが難しくなってきます。

ある意味で、一方を立てれば、他方が立たずの関係です。

私のホームページからトヨタを例にしたC/Fをダウンロードできます。

投稿: 岩崎 | 2006年4月11日 (火) 14時27分

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