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2006年5月29日 (月)

理論株価算出の簡易モデル

今年1月12日のブログに載せたトヨタの理論株価算出に関するスプレッド・シート(エクセル・シート)。金融に携わっている方たちはともかくとして、そうでない方たちには 『分かりづらい』 というご意見を多く頂いてきました。

要は、 『会社四季報に載っている数字だけで理論株価が出せる簡易バージョンを作って欲しい』 との話です。

確かに、『事業に必要とされる現金』 はどうやって出すのかなど、会計や簿記をやったことがない方には少し分かりにくかったかもしれません。(すみません。)

そこで、思いきって簡易バージョンを作ってみました。切れ味は少し落ちるかもしれませんが、チャートを見て売り買いする手法や、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)だけに着目する手法、その他のいろいろな手法(営業利益の10倍を株数で割る方法など)に比べれば、信頼度は高いと思っています。

簡易バージョンに慣れたら、会計や簿記の入門書を少しかじって、ご自分なりにモデルの精度を高める工夫をしていくと面白いと思います。

トヨタの簡易バージョン・モデルは、こちらをクリックしてみてください『「toyota_cash_flow_model_.xls」をダウンロード

また、今回は、キヤノンについてもモデルを作ってみました。こちらをご参照ください『「canon_cf_model_.xls」をダウンロード  』。

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コメント

岩崎様

こんにちは。
いつもためになるブログをありがとうございます。

「間違いだらけの株選び」を参考にさまざまな企業の株価を算出していくうちにご質問させていただきたいことがあり、メールさせていただきました。

49ページに「割引率 (r=4.5%と仮におきます)」とありますが、この4.5%とは常に4.5%でよろしいのでしょうか。ご回答いただければ幸いです。

学生のころから数学が苦手な私ですが、少しずつ会計の勉強も始めました。岩崎様の新しいご本もぜひ読んでみたいと思います。

これからますます暑くなりますがお体に気をつけてください。

投稿: 株一年生 | 2006年7月 2日 (日) 15時03分

お便りありがとうございます。

「間違いだらけの株選び」の56-57頁にありますように、r は、企業の業種やその時の金融情勢などによっても変わってきます。

収益の振れが大きいと予想される企業については高い数字を使ってください。

また日銀が量的緩和を解除したので、「間違いだらけの株選び」執筆時に比べれば、r を、若干高めにする必要も出て来ています。

投稿: 岩崎 | 2006年7月 2日 (日) 20時28分

早速のお返事ありがとうございます。

私は米国在住で、こちらの計算式をアメリカ株でも計算しようとアメリカ版四季報を書店で探したのですが見つけることができませんでした。似たような本はあったのですが予想額などが掲載されていませんでした。何かご存知の本があればお知らせいただけますでしょうか。

またrの数値はアメリカ株の場合、どのような情報を元に変える必要があるでしょうか。

話は変わりますが岩崎様は高校留学もなさったのですね。実は私もです!先日15年ぶりにその留学先を訪れたのですが「あの頃は若かった・・・」としみじみ思ってしまいました。

投稿: 株一年生 | 2006年7月 5日 (水) 12時02分

予想額が記載されているものとして、米国には、Value Line という刊行物があります。

ただ、値段が高く、私の記憶では10万円を超えていたように思います。(かなり前の情報です。)

図書館などで見てみては如何でしょう。

第2のご質問のrの数値ですが、アメリカ株の場合は高くなります。

r は 実は、Cost of Equity と Cost of Debt の加重平均なのですが、Cost of Debt とは、要するに、金利です。

10年もの国債で、日米で、3.5~4.0%の差があります。

投稿: 岩崎 | 2006年7月 5日 (水) 13時28分

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