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2006年5月13日 (土)

ランダム・ウォーク(その4)

ここに来てニューヨーク市場の下落が続いています。

Commodity Prices の上昇(原油先物価格高、金は25年ぶりの最高値、銀価格も上昇)

→ インフレ懸念 → 今後FRBは金利を再度上げるだろう → 株下落

ここまでは木曜日までの動き

更に、輸入品価格の上昇の要素も加わり、ドル相場や債券価格も下落。

トリプル安になってきた。

これが金曜日の動き

ケネディ大統領の父親は、1920年代、アメリカの株式市場が活況を呈していた時に、思い切って資産を株式に投下し、その後の大恐慌直前に、全ての保有株式を売り抜けていたということで有名です。

日本でも1989年12月末のバブルのピークに売り抜けた人がいれば、(特に、その後、日経平均が7000円代まで下落したところで買い戻したりしていれば)、ケネディ家のようにかなり豊かになっていただろうと思われます。

もっともケネディ大統領の父親が大恐慌直前の市況のピークで売り抜けたということは、その株式売却取引の反対側で、市場のピークで買ってしまった投資家もいるということです。

我々一人ひとりが市場がどうなるかを予測し、損をしないように(儲けるように)努力する。その結果として市場は効率的になり、ランダム・ウォークになるということなのでしょうが、実際に株式投資を行っている人にとっては、大きな相場の転換点だけは見逃したくないと考えてしまいます。

Photo

上の図は1929年から今年(2006年)までの77年間ニューヨークのダウ平均株価の図です。(株価の方は、Linear ではなくて、Log 表示になっています。)

多くの学者が指摘するように例え大恐慌直前(1929年10月24日の直前)に株式を買っていても、ずっと持ち続けていれば25年間かけて元に戻ったし、30数年間のタイムスパンで考えれば、債券投資などのような他の投資に比べ、株式投資は有利でした。

確かにそうなのでしょうが、多くの投資家は、25年間や30年間の長期にわたって苦しみたくはありません。

今回の相場、ここまで下がったからと、買いを入れるのが正解なのか、それとも相場の転換点とみて、売りか。それとももう少し状況をみるべきか。

日本でも、米国でも多くの投資家が今週末は悩むところだと思います。

たとえランダム・ウォークであるといっても、株式投資が楽しい(それとも苦しい?)『知的ゲーム』であることだけは間違いありません。

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コメント

たしかケネディの父は、ニューヨークの街頭で靴磨きに靴を磨いてもらっているとき、その靴磨きの少年が株の話をし始めたことで、手持ちの株の売却を考え始めたのでしたね。「こんな少年までが株に浮かれている。これは危ない」と。
今、この国でもガキがしたり顔で株の売買をしている。危ないなと、あのときのパパ・ケネディのように感じている人もきっといるでしょう。

投稿: 神保町 | 2006年5月15日 (月) 10時07分

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