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2006年6月26日 (月)

ジュース1缶の値段とジュース1滴の値段

毎日の株式市場で売買されている株式は、会社が発行している株式のほんの一部にすぎません。

例えば、トヨタ自動車の先週金曜日の出来高は、9百万株。

トヨタが発行している株式総数36億株の0.2%にすぎません。

この株式発行総数全体の たった0.2%の売買は、多くの市場参加者が、『トヨタ全体は幾らだろうか』 と思いを巡らせながら行なっているものです。

トヨタの営業利益は1.9兆円のレベルだし、GEが40兆円の時価総額を持つのを考えれば、トヨタの株主価値が21兆円くらいあってもおかしくない。

そう考えられて一株が例えば5800円で取引されているわけです。

例えば1缶200円くらいだろうと思われるジュースに1滴0.4円と価格をつけて売買する。

この 『1滴0.40円』 が時に0.39円になったり、0.41円になったりして、市場参加者は一喜一憂する。

しかし、そのジュースが本当に1缶200円の価値があるのか、あるいは250円の価値なのかは、時として、マーケットで本当に1缶全体を買う人が現れない限り、本当の意味では分かりません。

会社全体を売り買いするM&Aが、株式市場の健全な発達、市場の効率化に寄与すると言われているのは、このような背景からです。

時としてジュース1缶を全体で評価する。

M&Aで会社の価値がチェックされ、株式市場が効率化していくのです。

ところで世界のM&Aの市場規模は年間約250兆円。

イギリスのGDPにほぼ等しい額に及ぶ、数多くの企業が毎年売買されています。

このうち日本の企業が関与したM&Aは約17兆円。

世界全体の15分の1.アメリカの8分の1のレベルです。

これから先、日本の株式市場が効率化していくことは、市場を通じ資源の最適配分が実現していくことであり、社会にとって望ましいことであることは言うまでもありません。

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