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2006年6月10日 (土)

コンピューターの残した爪あと

年数表記が 00 年になることから、コンピューターの誤作動が懸念された2000年問題。企業や各国政府は IT 関連の大規模な投資や支出を実行しました。

インターネットの勃興と相俟って、インターネットバブルが起こり、ナスダック指数は、2000年3月10日、5,048まで上昇(下図参照)。

Nasdaq_1

そしてバブルは崩壊します(2002年10月9日ナスダック指数 1,114)。

1980年代末の日本のバブルと、その後の崩壊を見てきたグリーンスパンは巧みな金融政策の舵取りを実施。

バブル崩壊が経済を必要以上に傷つけるのに対処すべく、Fed Fund Rates を1.0%まで低下させます(2003年6月)。

その結果、徐々に過剰流動性が形成され始め、米国で住宅価格が高騰するとか、更に余った金が投資先を求めて世界の新興国などに回り始めます。

過剰流動性とこれによってもたらされるインフレを懸念したFederal Reserveは、2004年6月に1.0から1.25%へ利上げしたのを皮切りに、これまで16回連続で利上げを実行してきました(下図参照。なお現在のFed Fund Rateは5.0%です。)

Federal_funds_rate_28effective29

(注:グラフをクリックすれば、上の2つのグラフは大きくなります。)

経済の健全な成長を持続させる為には、インフレの芽があれば、これを早めに摘み、不健全な過剰流動性は除去しなければなりません。

6月28日―29日に予定される会議で Fedral Reserve Board が連続して17回目になる利上げに踏み切る可能性は、今のところ80%程度だろうと、アメリカのアナリストたちの間では予想されています。

一時的に見れば、現在のところ、市場は、世界同時株安の様相を呈していますが、長い目で見れば、現在の状況は、カフェインを取りすぎてカラ元気になった体を少し休めようとしているようなもの。

健全で持続的な成長の為には必要な措置だと思います。

なお、ご興味のある方の為に11日から始まる週の Fereral Reserve 関係者の主なスピーチの日程を示しておきます。

Chairman Bernanke: will speak before an audience of American Bankers Association (Monday)

Cleveland Fed President Pianalto: will speak at a function in Florida (Monday)

Dallas Fed President Fisher: will speak on Monday in Texas and also will speak on Wednesday

St. Louis Fed President Poole: will participate in a panel in South Korea on Friday

Fed Governor Kohn: will speak in Massachusetts on Friday.

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