コンプライアンス
経済界のオピニオン・リーダー的存在である日経新聞。
日頃、コンプライアンスの重要性を説いていますが、今回の『日経新聞社員が法定公告を事前に盗み見て株を売買していた』という事件は、自らの『お膝元』で、コンプライアンスが機能せず、大きな事件になってしまったというものです。
日経新聞といえば、最近では、昭和天皇がA級戦犯合祀(ごうし)に不快感を示していたとする故富田朝彦元宮内庁長官の日記・手帳に関するスクープを上げるなど、経済部だけでなく、社会部や政治部でも、その活躍ぶりが目立っていただけに、残念です。
ところで、今回、私は、企業の内部情報管理といった視点からの取材を東京新聞から受け、そのコメントが今日の記事になりました。(ご関心のある方は、『こちら』をクリックしてみてください。)
私のコメントはともかくとして、この東京新聞の記事はよくまとめられており、『技術的にこう対応すべきだ』といった点だけでなく、コンプライアンスを機能させるためには、社内の風通しを良くし、社員の士気を高めるとか、企業文化の領域にまで掘り下げて語られており、本質を突く形になっていると思います。
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コメント
こんばんわ、岩崎さん。
このブログも、興味深く読みました。
かつて、「政治家に徳目を求めるのは、八百屋で魚をくれ というのに等しい」と暴言し、物議を醸した政治家がいましたが、この論理が今日でもまかり通っているのであれば、コンプライアンス・リスクは、あたかも、時限爆弾のように、アチラコチラでくすぶっていると思います。
今回の日経社員の事件は、僕にとっては「他山の石」のように思いました。
東京新聞の記事に「金融広告部の共用IDとパスワードが長年、変更されなかった」と書いてあります。
この内容が本当であれば、『このような行為が常態化していたのだろう』と、誰でも考えますよね。
「コンプライアンス」とは、結局のところ、「己の欲との葛藤の連続」のようにも思います。
投稿: まさくん | 2006年7月29日 (土) 19時59分