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2006年7月15日 (土)

Runner (その2)

昨日のブログに、最近編著した本の『あとがき』の一部を書きました。

『世界一受けたい株の授業』と言う本です。

サンプラザ中野さんとの対談を中心に株式投資のエッセンスが綴られています。

既に昨日から、一部の書店で並べられ始めています。

詳しくは『こちら』をご覧下さい。(アマゾンでの紹介画面は、『こちら』です。)

ところで、この本の『あとがき』には、株式投資に関して、個人の投資家の方たちに私が言いたいメッセージが凝縮されています。

昨日、一部のみ書きましたが、以下に、この『あとがき』の全文を書きます。

 爆風スランプの『Runner (走れ)』

 純粋だった青春の頃の、あわくて切ない気持ちが呼び起こされる。生きることに「ひたむき」だった、あの時の心を忘れてはなるまい。

 株式投資の基本も「自分の原点」を見失わないことだと思う。

 市場は生きものであり魔物でもある。

 浮かれて有頂天になっていると必ずや足元をすくわれる。

 何の為に株式投資を行うのか。

 銀行の定期預金に預けていても、1年間に 0.1 %の金利すら付かない。100万円を10年間預けても1万円の利息にもならない。

 ところが、株式投資の世界では年率10%で運用することは、さほど難しいことではない。

 日本を代表する銘柄、トヨタの株価は10年前は2500円だった。今では5900円。年率9%で回っていることになる。(毎年貰える配当金のことを考えれば、利回りはもっと高くなるはずだ。)

 世の中に「上手い、もうけ話」など、あるはずがない。

 あくまでも自然体で、自分自身を見失わず市場と向き合う。

 そうすれば、あなたの資産は着実に増えていくはずだ。

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コメント

今日、書店に入ってこの本を見つけたので、早速購入しました。
カラーのページや写真をふんだんに使っていて、とても見やすい内容に仕上がっていますね。
前著の「間違いだらけの…」と違って、生徒が先生に質問しながら、株式投資の勉強をしているといった、題名通りの、楽しい語り口調の「授業」内容に仕上がっていますね。
(42ページの「PBRを信じてはいけない」という解説は、PBRを重要視していた自分にとっては、耳が痛いです。)
「5時間目;企業の見極め方」も、企業のポテンシャルを推し測る眼力を養うのに、とても参考になりそうです。

投稿: まさくん | 2006年7月15日 (土) 22時01分

『世界一受けたい株の授業』の簡易バージョン版を使用して、NECの理論株価を出したところ、90円という値になりました。
自分の入力ミスかな?と思いましたが、実際、この会社の理論株価は100円前後なのでしょうか?
先週出た、某誌の700円の理論株価とは、大幅な開きがあるので驚きました。

投稿: まさくん | 2006年7月17日 (月) 20時30分

まさくん様

私が簡易に計算したところ、465円と出ました。

ただ本書の中で述べていますように、簡易バージョンはあくまでザックリとした数字を示すにすぎません。

また、個々の会社の理論株価については、一件一件、このブログで、お答えできないこともご理解頂ければ幸いです。

本書の23頁にも書きましたが、NECの場合、過去10数年間にわたり(ITバブルの2000年を除き、)ずっと投資家の期待を裏切り続けてきています。

この企業文化を変える何か大きな出来事が起きているとすれば、注目に値しますが、そうでないとしますと、企業分析をする時間の無駄ということになってしまいます。

きちんとした分析をしようとすれば、NECの場合、例えば、膨大な研究開発費をFCF算定上、どう扱うかなど、多くの論点が出てきます。

私は、まず、ある企業がそもそも投資の検討に値するか、大雑把なスクリーニングにかけ(本書54頁~63頁参照)、その結果、Yes と出たら、少なくとも1~2週間かけて分析するようにしています。

例えば、パソコン1台買うにも、人によっては、そのくらい時間をかけますよね。

株はパソコンより値段が高いことが多く、そのくらいの時間をかけた方が良いと思います。

簡易バージョンのスプレッドシートは、あくまでも、その取っ掛かりとなるだけです。

これを切っ掛けとして、学問としての金融(ファイナンス)や会計の勉強をしていけば(注:結構、奥が深いです)、必ずや、大きな果実となるものと思います。

岩崎

投稿: 岩崎 | 2006年7月18日 (火) 17時41分

岩崎日出俊様

ご丁寧なご回答を、有難うございました。
このように、ご回答を頂けるとは思いも寄らなかったので、とても感激しております。
NECのように、ソリューションを扱う企業の場合、理論株価の計算はかなり複雑になるようですね。
岩崎さんには、かなりキビシイ評価を受けているようですが、日本を代表するハイテク企業の一角として、僕はNECに頑張って欲しいと思っています。
23ページで、これも叩かれているのですが、数少なくなった銀塩カメラのフィルム供給メーカーの富士フィルムも、写真文化を守るうえで、かつての勢いをとり戻して欲しいと思います。
(蛇足ですが、僕はカメラはニコン派です。)
僕の場合、「企業に対する思い込み」が投資の原点になっていたような気がしますが、岩崎さんのような金融のプロにとって、そのような思い込みはハナから除外されるのが当然ですよね。
(「サバイバルとしての金融」142ページでの、「岩崎さんのおっしゃっていることはアメリカ的です。」というくだりを、何とはなしに、思い起こしました。)
岩崎さんから頂きましたアドバイスに、心から感謝いたします。

投稿: まさくん | 2006年7月18日 (火) 22時22分

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