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2006年9月22日 (金)

シリーズ7

時折、学生の方などから、投資銀行家になる上での資格や試験について、質問を受けることがあります。

 

基本的には大学や大学院を出て投資銀行の入社試験にパスすれば、それで良いのですが、入社した後、幾つかの資格を取ることを求められます。(入社してから取れば良いのであって、入社前に取る必要はありません。)

まず日本での資格です。投資銀行は、日本の法制度上は証券会社に分類されますので、社員(特に顧客と接点のある部門の社員)は証券外務員の資格試験に通ることを求められます。まず最初に第2種の資格試験に通り、次が第1種。そして管理者は内部管理責任者資格の取得を求められます。

これらの試験は暗記が主ですので、入社後に会社が支給してくれるテキストを見たり、テキストの練習問題をやっていれば大したことはありません。

次に投資銀行によっては、米国での資格取得を求められることもあります。

こちらの方はちょっと大変です。

私が受けたのは、NASD (National Association of Securities Dealers-全米証券業協会)の外務員用資格試験で、『シリーズ7』と言われるもの。

試験時間が3時間ずつ計6時間(日本人など外国人には確か1時間の延長が認められていたと記憶しています)にも及ぶ試験で、全部英語です。

(内容も『取引先からローレックスの腕時計を贈られたらどうするか【選択式】』など、実践的かつ倫理に関するものも含み多岐にわたります。)

日本では役人出身の方が、『自分はプロ中のプロだ』と自任していたりしますが、『シリーズ7』レベルの試験を受けていれば、間違いを犯すことも無かったように思われます。

【注】上の設問の例ですが、詳しくは忘れましたが、確か、年間を通して、(贈り物を受けていいのは)何ドルまでOKと、具体的に決められていた(それも極めて僅かな金額)と記憶しています。

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コメント

投資銀行を題材にした、「投資銀行青春白書」(保田隆明、ダイヤモンド社)という本が書店に並んでいるのを、今日、発見しました。

中身は小説なのですが、表紙がOLのマンガで、とても目立つので、少し立ち読みしました。

この本を読んだら、「投資銀行で働くのはカッコイイ!!」と誰しもが思うような、ストーリーに仕上がっているようです。

投資銀行は、このところ、マスコミに取り上げられる回数も増えているようですから、就職希望の学生の方も、多いみたいですね。

しかし、投資銀行での厳しい業務内容を考えると、業務に予備知識の無い学生が新卒で入社した場合、実績を出せずに、数年後にリストラされるリスクが大きいように思います。

投資銀行に新卒で入社し、定年まで勤め上げる確率は、どのくらいかな…?等と思いました。

それと、王子製紙の北越製紙に対する敵対的TOBで、より鮮明になったのですが、日本では、企業買収が馴染まないという風土が、依然として根強いようです。

日本板硝子は友好的な買収を行いましたが、今年の一連の騒動により、日本では、企業買収が良いイメージとして受け入れられる時期が、少しだけ遠のいた感も、無きにしも非ず…かな?等と考えました。

投資銀行の、今後の動向に、注目といったところでしょうか…

投稿: まさくん | 2006年9月24日 (日) 23時46分

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