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2007年1月25日 (木)

上手くいっている時こそ大きな落とし穴に落ちやすい (仕事術・勉強法⑥)

これは、私の経験上から言える法則です。

例えば、M&Aに関するアドバイザー・ビジネス。

ピッチと言っていますが、取引先に行って提案営業を行います。

『御社はこの分野を強化すべきで、たまたまこの分野のA社が売りに出ている。』

こういった提案をこなしていって、取引先から、『それでは、お宅にM&Aのアドバイスをお願いします』といったマンデートを貰えるように繋げていく訳ですが、ある時、一つの法則に気づきました。

マンデートは集中して取れる傾向がある。

つまり半年くらいビジネスが全く取れないことがある反面、取れる時には、一日に2件とか3件集中して取れることもあります。

また一方で、折角取れたマンデートが流れていってしまうこともあります。

例えばM&Aのアドバイスをしていて、売り手と買い手が妥協点を見出せず、ディールがブレイクしてしまうような時です。

これについても集中する傾向があり、突如として、1日に2つのディールが同時に潰れてしまうといったことも良く起こりました。

良いことも悪いことも集中して押し寄せる ― こういったことを何度か経験して、私は何となく、自分の能力や努力を超えたものとしての『運気』とか、『運命的な力』といったものを信じるようになってしまいました。

そして、もう一つ、私自身の経験則的に言えることが、『上手くいっている時こそ大きな落とし穴に落ちる』傾向にあるということ。

有頂天になって知らずの内に気が緩んでいるのでしょうか。

一年間の収益目標をその年が始まったばかりの1~2ヶ月で稼ぐような好調な時に限って、会社の内部で怪しげな誹謗中傷のメールが出回ったり、信頼しているメンバーが突如辞めると言ってきたり・・・

『勝って兜の緒を締めろ』とは良く言ったものですが、常日頃から、『一寸先は闇だ』と自分に言い聞かせるようにしています。

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コメント

きっと、ユングのいう「共時性=シンクロニシティ」と
いうものではないでしょうか。因果性では説明のつかない現象(たとえば、「似たような現象が随伴して起こるみたいな」)は、たしかにあります。そのあたりをユングは考察していたようですね。

投稿: 神保町 | 2007年1月25日 (木) 10時36分

初めまして、岩崎さん。
関西学院大学3年の須崎雅文と申します。
いつもブログを拝見させていただいています。
おもしろく、大変勉強になります。

私は、大学2年生の頃から投資銀行業務に関心を抱き、特にM&Aにフォーカスして勉強してきました。
そしてその思いは今も変わらず、いざ就職活動が始まって、外資系各社のIBDに挑戦しています。

しかし、学歴、英語のスコアで見劣りする私はスタートラインにすら立てない現実にぶつかりました。
面接を受けることができたのは1社のみでした。
もちろん、それら以外の要因で私の能力が欠けているからなのかもしれませんが。

それでも、岩崎さんが執筆された「投資銀行」を拝読しまして、どうしても外資系の職場が私の理想とする職場環境に思えました。想像する以上に過酷な現場であることは承知しています。

そこで、まずは力をつけ、再度キャリアアップで挑戦しようと思います。

もし、ご迷惑でなければ、外資系投資銀行は中途採用においてどのような人物を求めているのか、教えていただけないでしょうか。

よろしくお願い申し上げます。

投稿: まさふみ | 2007年1月25日 (木) 17時10分

まさふみさん、こんにちは。

投資銀行(特にIBD部門)では、新卒で4年制の大学を出て採用されると、「アナリスト」というタイトルが与えられ、その後、アナリストとして通常3~4年間経験を積んで、「アソシエイト」になります。さらにアソシエイト(通常3~4年間)の上が、バイスプレジデントです(拙著『投資銀行』151~152頁)。

中途で採用される一番確度の高いコースは、次のようなものです。

①日本の銀行、証券会社、あるいは役所、商社、コンサルタント会社などに入社し、数年の経験を積み、欧米のビジネス・スクールに入学する(銀行、商社、役所などの場合、留学制度が用意されているケースもありますが、お金を貯めて私費で留学してくる若い人たちもたくさんいます)。

②MBA(スタンフォード、ハーバード、ウォートン、シカゴ、ノースウェスタンなどのビジネススクールが一般的に言って投資銀行に好まれます)を取った上で、アソシエイトとして、投資銀行に入社する。

投資銀行の中でも、デリバティブを扱う部門とか、トレーディングに近い部門などでは、日本の金融機関で名前を挙げてヘッドハントされるという道もあるでしょうが、M&Aなどのアドバイスを行うIBD(投資銀行本部)では、恐らくは、上記のルートが一番確度が高いルートだと思われます。

投稿: 岩崎 | 2007年1月26日 (金) 09時17分

岩崎さん、こんにちは。

お返事ありがとうございます。

なるほど、やはりそうですか。
やるべきことがはっきりしました。
これからも努力を続けたいと思います。

今後も岩崎様が益々成功されることを祈念申し上げ、お礼の言葉に代えさせていただきます。
ありがとうございました。

投稿: まさふみ | 2007年1月26日 (金) 13時13分

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