投資の定義
投資 (investment) とは、一体 どういうことでしょう。
投機との違いは何でしょうか。貯蓄とはどう違うのでしょうか。
ノーベル賞学者のウィリアム・シャープ教授が書いた 『Investment』 という教科書の一番最初に、投資についての定義が記されています。
Investment is the sacrifice of certain present value for (possibly uncertain) future value.
日本語に訳すと、『投資とは、(往々にして不確かな)将来の価値の為の、現在の(確かな)価値の犠牲である。』ということになります。
シャープのこの定義は別に絶対的なものではなく、投資については、いろいろな定義があるのでしょうが、ポイントは、投資という行為は将来に向かって行うというところにあります。(しかもその将来というのは必ずしも確実なものではないということです。)
将来を読む。
これから先、どうなっていくのか。
投資の醍醐味は不確実な将来を全知全能をかけ見通そうとするところにあります。
ところで、我々は往々にして過去に固執しがちです。
経営者の多くは、よく、『俺たちはこんなにがんばった』と、過去の栄光を語りたがります。
しかし投資を行う上でのポイントは、将来の予測です。過去は将来を予想する上でのみ意味を持ちます。
ともすると、我々は 「過去」や「現在」ばかりを見て、「将来」を正面から考えることをしない傾向にあります。
過去に学ぶのは、もちろん重要ですが、より大切なのは過ぎてしまったことではなく、これから先のことです。
賢者は未来を見据え、愚者は過去を吹聴する。